(2015年投稿文です。)
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2014年は中国軍機が自衛隊機に対して異常接近を繰り返す事例が頻発しました。
そのために日本側が発表すると、逆に自衛隊機が異常接近して危険行為をしてきた!と反論動画を出すなど、日中の応酬が激しくなっていました。
今日はそのことについて触れてみましょう。
(前回記事):『与那国島への自衛隊配備をめぐる中国の激烈な反応の裏には?』
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(1)まずは何が起きていたのか確認
2014年の5月から6月に相次いだ異常接近事案を確認してみましょう。
・5月24日:海上自衛隊OP-3C、航空自衛隊YS-11EBに中国軍機が2機が異常接近
(防衛省発表資料:http://www.mod.go.jp/j/press/news/2014/05/24a.html)
・6月11日:海上自衛隊OP-3C、航空自衛隊YS-11EBに中国軍機2機が異常接近
(防衛省発表資料:http://www.mod.go.jp/j/press/news/2014/06/11c.html)
・6月12日:中国側が「6月11日に自衛隊機に30mまで異常接近された」と動画と共に公表
(防衛省側は、6月11日の飛行を確認していない)
1.1 墓穴を掘った中国側発表!
中国側の発表によると、Tu-154による通常哨戒飛行中に異常接近されたと主張。
映像の状態と、防衛省のスクランブル報道から考えて、3月14日の時の映像とされています。
(防衛省発表資料:http://www.mod.go.jp/js/Press/press2014/press_pdf/p20140314.pdf)
このような形にて相次いで、双方の異常接近への非難の応酬となりました。
しかし中国側の動画公開が逆に墓穴を掘ってしまい、その後異常接近事案が収束しました。
図1 自衛隊機が接近したとする画像
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/CoPSmj0jArE/hqdefault.jpg
傍目にはとても接近しているように見えていますが、中国機の機体寸法から、200m以上離れているのが暴露されています。
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(2)中国の空間認識に関する国際社会との隔たりが問題
この時中国側は、自分たちが被害者!というスタンスで大きく宣伝をしていました。
しかしこの異常近接があった場所は、いずれも公海上空であり、領空ではないことです。
ここに、中国と国際社会との空間認識に大きなずれが生じています。
中国は拡大した防空識別圏を、領空のように認識して行動することが問題の本質です。
国際法においては、領空の外側に防空識別圏の設定を行うことが慣習となっています。
ここで、「国際法に従い・・」と行いながら、防空識別圏をあたかも自国領空とする行為が問題を発生させています。
自国に有利な国際法を利用し、それを捻じ曲げて運用することで自国に有利な状態を作り出すのが「法律戦」です。
ここの認識のずれが。放置されたままの状態が一番危険といえます。
冷戦時代から、近接することなんてソ連(ロシア)とはしょっちゅう発生してます。
図2 ロシア機と仏空軍の要撃の写真
引用URL:https://acesflyinghigh.files.wordpress.com/2012/03/french-af-intercepts-1.jpg
ロシアの場合お互い国際法の絶妙な距離感覚などの認識を共有しているため、非難合戦などになっていません。
ただ、中国ののみがこの国際認識を共有できていないのが現状です。
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(3)早期に衝突予防防止メカニズム設置を行うべき
現状において、日本と中国との間に偶発的な軍事衝突を防ぐ「衝突予防防止メカニズム」が存在していません。
現在、ようやく『海上衝突予防防止メカニズム』の構築が日中間で始まりました。
この異常近接事件を非難するとともに、予防措置として構築を呼び掛ける中国の外交手法があるのも事実です。
ここにおいて中国が優位になるようなシステムではなく、国際法の共通認識を確認させることが必要になります。
中国軍の分析として、現場レベルの指揮官が国際ルールを理解せず、教育も行き届いていないと分析されています。
さらに中国共産党が、習政権以降軍のコントロールを出来ていないという分析もあります。
そのため、2013年の射撃レーダー照射事件など、偶発的衝突に陥りかねない事件も発生します。
(米海軍は射撃レーダーを照射された場合、平時ROEにて自衛反撃が認められています。)
ここにおける、政治と軍部の乖離も、不必要な緊張を発生させている要因といわれています。
この点は、政府の動き次第でしょう。
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