(2018年投稿記事です。)
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いきなりぶっ飛んだ発言ですが、後方(兵站)の本質を語っている言葉です。
後方(兵站)は有事の時だけではなく、平時の時こそが闘いです。
平時の時に、補給機関がしっかり整備することにより、行動が起こせます。
今日はそんな、平時の楽しい後方戦争の内幕について!
(前回記事):『韓国観艦式はフェイクニュースじゃなかったの?(汗)』
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(1)後方部門は平時こそ戦争と考えよ!
艦船補給処に勤務して、艦船補給処長の指導方針として教えられてきたことです。
通常の指揮官の指導方針は、言葉を選んだ良い言葉が出てきます。
私が艦補処に勤務していた時の処長が、真摯に海上自衛隊の後方補給体制を考えていた方でした。
そんな方から、後方(兵站)は平時こそ戦争であるとの指導を受けていました。
実際平時であっても、艦艇等は行動をしており、故障や部品補給などが毎日あります。
放置すると、艦艇が全能発揮できない状況になります。
後方にとって平時に艦艇等が全能発揮できないのであれば、有事でも任務遂行はできません。
1.1 武器部門は毎日が闘いの日々!
私がいた武器部でも、毎日のように故障発生・補給請求の連絡が届きます。
艦船補給処の任務である、各造補所に対して補給を実施することが求められます。
・『ある時は、艦補処にある在庫品を造補所に移送』
・『ある時は、行動中の艦艇に他造補所の部品を管理替え』
・『故障部品を、まとめて修理して補給要望に応える』
・『在庫がない時は、修理中艦艇から部品を引き抜いて要望に応える!』
(在庫がない時は共食い整備という手法も!)
図1 補給する武器部所掌部品を手配
引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTzPY-67z6lCI5WWQhgk_5_z5yAIghMOB1VaLRvWi_gMDi3uX2a
中には、いろんなドタバタ逸話も・・・
1.2 MK-22 3インチ砲ってどこに部品があるんじゃあ!
ある日、緊急の故障部品請求が武器部に入電しました。
通常の故障・部品請求より優先度の高い部品請求電報の為、即時に対処することになりました。
その時、連絡が来た部品番号を調べて見ると、装備品は・・・
『MK-22 3インチ砲』!!
図2 MK-22 3インチ砲
引用URL:wiki
・・・ちょっと待てええ!!!そんなもの海上自衛隊にあったか(怒)!?
『MK-22なんて、昔の主砲だぞ!MK-42 5インチ砲の間違いじゃないのか?!』
しかしよく調べてみると、部品の在庫があり使用している部隊がありました。
横須賀地方総監部横須賀警備隊 観音崎礼砲台にて、3基使用していました。
(昔のMK-22を礼砲として転用していた)
図3 横須賀警備隊観音崎礼砲台
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/butai/img/y-agg/y-agg.jpg
慌てて、在庫部品を横須賀造修補給所に管理替して対処しました。
ちょうど翌日に外国艦船が入港の為、礼砲発射訓練の最中に故障したそうです。
急な要請にも即応するのが、後方の戦争といえます。
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(2)撲滅!蹂躙!故障は殲滅!補給品は即時配達!
計画部の仕事では、故障部品情報の収集・修理方法の情報配布といった仕事がありました。
一見地味に見える仕事ですが、平時からの情報収集により必要な物品を用意する大事な資料になります。
図4 艦艇整備の状況
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/4el/sazanami_dock/0002.jpg
一件何でもないような、普段の整備状況でも後方にとっては重要情報です。
・『ボルトはこの艦では1か月に何個使うか?』
・『塗装用塗料は、どのくらい使用するか』
・『使用した消耗材品の量を、報告しているか?』
・『各造補所に、必要な在庫がちゃんと保管されているか?』
とにかく、平時の時こそ後方にとっては重要です。
2.1 時には各地に出向いて情報収集・データ送信講習も!
意外とおろそかにされがちな、修理交換部品の情報こそ後方にとって大切です。
計画部では、年間を通じて故障交換部品の情報収取に努めました。
また、各総監部の艦艇が集合しているときを見計らい、故障部品情報収集の講習を行いました。
図5 定期修理中の艦艇にお邪魔することも!
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2000/photo/img/ap125030.jpg
まさに、気分は毎日が楽しい戦争の日々となります。
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(3)後方こそ楽しい戦争が体験できる場所だぜ!
『後方こそ、楽しい戦争の日々が送れるぜ!』
一般的に護衛艦・航空機・ミサイル発射などは、ど派手でカッコいいと映るかもしれません。
そのため、どうしても作戦部隊こそが花形に見えるかもしれません。
図6 ミサイル発射!!
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/pg/hayabusa/img/main_825.jpg
しかしながら、後方があってこそ作戦部隊は行動できます。
後方は平時こそ戦争!といえる場所です。
整備を怠るとこんなことも発生します。(射点浮上という水雷で最も恥ずかしい失敗)
図7 短魚雷の射点浮上(米軍)
引用URL:http://livedoor.blogimg.jp/tokyowreckingcrew-828/imgs/a/1/a16b7403.jpg
整備を怠っていると、本来なら海中に潜航しなければならない短魚雷が浮上します。
こんな失敗をしないために、後方を大事にすることが必要ですよ!
皆さ〜ん、後方も結構楽しいですよ〜!
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