サボイキャベツ、日本名だと「ちりめんキャベツ」。
スーパーの見切り品コーナーで見つけて
安かったしおでんを作る予定だったので買ってきた。
フランスのサボイ地方で生まれたから
サボイキャベツというらしいが、
パリにいた時、日本で一般的な葉っぱがツルンとしたキャベツは売ってなくて、
キャベツといえばこのちりめんキャベツだった。
このキャベツ、
生で食べるとあまり美味しくはないのだが、
煮込むととても美味しい。
味わいは絹さやに似ているだろうか。
噛みごたえというか舌触りも絹さやに似ている。
絹さやに似ているから生で食べても美味しくはない。
スーパーの見切り品コーナーには
こういった日本ではあまり見かけない野菜が並んでいることが多い。
レモングラスとか、チコリ、ズッキーニ、ルッコラとか。
ズッキーニやルッコラあたりだと知っている人も増えてきたとは思うが、
調理法のバリエーションがまだまだ知られていないせいなのだろう
捌き切れないようだ。
チコリなんかは正価で198円なのだが、
見切りになると10円だ。
私の感覚では
もはや一般的だろうと思っていても、
世間には食材に極端に関心が薄い人がいてビックリすることがある。
私の店に来て商品の名前を眺めて
ピスタチオって何?
とか、
金柑って何?
と囁き合っている若い人がたまにいる。
若いと言っても子供ではない。
車で来ているからおそらく20才以上だろう。
ビックリする。
私の店にわざわざ来るくらいだから
食に全く無関心というわけではないのだろうが、
感覚の隔たりの大きさに驚くと同時に
世間の広さを思い知らされる。
こういった人たちは普段どういったものを食べているのだろう。
ハンバーグだとかスパゲッティミートソースだとか
それも工夫の余地のない、いわゆるスタンダードなもので
ただただ空腹を満たすという生活なのだろうか。
価値観などというものは人それぞれだから、
私のような、せっかく食べるのならば
他人が作った不味いものなど食べたくないから
なんでも自分好みの物を作って食べたいという者もいるし、
食事などは腹が膨れればよく、
そんなことに時間をかけるなら別なことに時間を割きたい、
と考える人がいてもいい。
しかし、ピスタチオや金柑を知らないというのは
社会人としてどうなのだろう。
一般教養がなさすぎなのではないだろうか。
この人達はそれでもいいかもしれないが、
その子供たちはこの人達以上に食に無関心になってしまう。
お腹が空けばカップ麺やコンビニで買ってくる、
という生活が標準という
逆食育な子供になってしまう。
そうなったら今後の日本はどうなっていくのだろう。
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