今回は三者三様なチープ系の葉巻のレビューとなります。
キューバンファンのデイリーとして見かける事の多いJose La Peidra、あからさまに安すぎるDominican Naked Bundle、そして好評と酷評が混ざって見かけるRoly。
JOSE LA PIEDRA CAZADORES──$52 / 25 cigars
凸凹とした手触りで、ハバナらしい発酵臭が薄くある。
出だしはスパイスとキャラメル、だろうか? VdS Palmas Naturalに似ていて、開始1cm程で薄くフルーティさも加わる。
開始1cmにしては濃い目で、さすがハバノス物といった処だろうか。
強さもありそうだ。
木質系と思しき喫味が展開し、スパイスはそこそこ感じられる。
薄いキャラメルの様な、木質の様な、それでいて酸味のあり、スパイスのある、やはりVdS Palmas Naturalに似た印象がある。
う〜む、どうもいけない。最近似たような味を探す癖がついてないだろうか?
しかしこのキャラメル感とスパイス、やはりPalmasを思い出すなぁ。強さはこちらの方が上っぽい気がするが。
レビューを掲載せずに放置していた気がするので後で探しておこう。
そのまま中盤。カジュアルに楽しめる良い葉巻、という印象。
だが、フィラーが口に入るのが気になる。カットした時も思ったが、割りと細かいフィラーが多い印象。
残り6.5cm程で獣臭っぽい香り→香水の様な香りに変化。
この香水っぽい香りが同じ銘柄のCigarilloやPartagasのClubを思い出す。
しかし、この口にフィラーが入るのはどうにかならんだろうか…。構造的ハズレを引いたか?
残り5cm。COHIBA LANCEROSの序盤にあったな、という感じの強い香りとカフェオレ系と蜂蜜系の甘さの混ざった喫味へ。
そして前歯にフィラー。たこ焼きの青のりの如く…。
前歯を噛みあわせた瞬間ジャリっという音が伝わる(汗
う〜む、味的には当たりだと思うのだが作りがハズレ過ぎて困る。
いや、ひょっとしてカットしすぎたのだろうか?
そのまま、時折水で口をゆすぎながら吸い続けて終了。残り3cm程で香りが濃くなりすぎたのがちと残念。
安価銘柄ながらハバノスの良い部分をしっかり出しているんじゃないだろうか。
後は作りさえしっかりしていれば……。
Dominican Naked Bundle Robusto──$15 / 25 cigars
作りは比較的綺麗だがすべすべではなくあまり特徴も無い。香りもあまり感じない。
DominicanにありがちなConneticutラッパー物で表面処理はされておらず、葉脈はそのまま、すべすべ感は薄い。
着火直後はフローラル全開。控えめな酸味と甘味がマスカットの様な印象を与える。
煙量はしっかりとあり、作りが綺麗でドローもスムーズ。しかし、百合の花粉を口に含んだかの様な苦味もあるのは残念。
フローラル感は良いのでマスカットの様な喫味がもう少し強いとありがたい。
2cm吸っても印象は変わらず、フローラル感とマスカット系の喫味が良いものの薄く乗っかってくる渋苦さが邪魔。
方向性は良いのに邪魔をされているというか、同じブレンドの上位版があるならそちらにしたいと感じる。雑味無しならかなり良いと思う。
3.5cm程燃え進んだ処で渋苦い部分が薄れて甘みが増す。やはり雑味が抜けると非常に良い。
5cm程でコクが増し、マスカットとナッツの入り混じった様な喫味になる。
そして中盤を超えると薄くレザー臭が加わり、更にコクが増して濃口になる。非常に良いが、微妙に戻ってくる渋苦さが邪魔である。
湯がいた栗の様なホクホクとした柔らかい甘さとフルーティな酸味、濃いフローラル感と良い要素が揃っているだけに渋苦さが本当に邪魔である。何故戻ってきた…。
そこから濃くなりゆく甘さにビター感が乗って焦がし砂糖の様になる。
その喫味のまま更に濃くなりつつ残り3cmでエグ味が乗りすぎて終了。
なんというか、非常に良い演奏のコンサートなのに隣の席の子供がちょっとウザい的な、一味邪魔な物さえ無ければカナリ良い葉巻ではないだろうか?
そして、喫味的にLa flor de la IsabelaのDon Juan Urquijoを思い出す。
というかDJUならこの不満を解消してくれるに違いないと随分と昔に吸いまくった葉巻を思い出してしまった。
なかなか仕事をしてくれないIsabelaが2倍近い価格で販売するManilaCigarsに丸投げして以来買う事はなくなったが、久々に吸いたい処。
昔は黒紙箱のHalf Coronas50本が送料込み$80くらいだった気がするが、今となっては……。
いや、あれが安すぎたのだろうなぁ、きっと(  ̄- ̄)トオイメ
と、全く関係ない処に思考が飛んでしまう一本であった。
ROLY CAZADORES (nat.) ──$26 / 25 cigars
ゴツゴツしていて他の葉巻よりウェッティな印象。濃いレザー系の香りとフットからは濃厚なフルーティな香り。
フローラル、フルーティ、スパイス控えめ。スパイスは相当きめ細かい。
序盤に雑味は無く、味はしっかりしている。
フット側の燃焼香に若干のアンモニア系揮発臭が混ざっているのが気になるものの、喫味はクリーミーでに良い。マスカットの様な甘みも良いんじゃないだろうか。
前半はまったりと変化がなく、穏やかな印象が強い。さて後半どうなるだろうか?
中盤、若干酸味が強まり、味が濃くなった印象。
別の喫味に転じる事は無いが、フローラル感やフルーティな喫味がどんどん強まっていく感がある。
そして残り8cm程で更に濃くなり、レーズンの様な喫味になった。
気がつくと前半に感じたフット周辺の燃焼香に混ざるアンモニア系の揮発臭が消えていた。
元々薄いものではあったが、 半年くらい置けば完全に無くせる程度のものじゃないだろうか。加湿保存が足りなくて発生したのかもしれない。
後半もフローラルで酸味のある味が続く。着火直後に比べるとかなり濃くなっているが、基本的な喫味は変わっていない印象。マスカット&レーズン+控えめなスパイス。
同じ味が続きすぎているせいか、良い筈なのに少々飽きてきた感がある。
そして残り6cm程でレザー系の香りが混ざり始める。
スパイスも増して旨さが増した感あり。
残り5cmでハーブ系の喫味も混ざりだし、そのまま残り3cmまで吸って喫了。
雑味も無く悪くない、というか割りと良い出来だと思うものの前半〜後半までの変化の無さが微妙に気になる処。
リングを外す辺りからが本当に美味かった、という印象があるのはAGに似ているかもしれない。
しかし、AGのChurchillより若干燃焼速度が長い気がした。
という事でNo.4(5.5x45)くらいの方が自分に合っていたかもしれない。
──以上
また吸うなら? と訊かれたらPiedraならPetite Cazadres、RolyならNo.4、とそれぞれ別のビトラ。Dom Naked Bundleは雑味が抜けないなら特段吸いたいビトラも特に思いつかない、という感じです。
味で順位をつけるならPiedra、Roly、Dom略、といった処。
Piedoraはボロボロと口に入るフィラーが無ければもっと評価できたでしょうね。
Rolyは25本$26にしては良く出来た葉巻だと思いますが、良い味も一本調子で続くと場合によっては飽きます。
Robusto辺りで濃く短くか、No.4でサイズ全体を下げると印象はもっと良くなったかもしれません。
まぁ、No.4以下のサイズが無いのが個人的に残念な処ではありますが…。