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2012年10月16日
Antonio Gimenez他2本
 はまきやさんよりAntonio Gimenez Half Coronaと比較用Tabacalera Half Coronaが到着。
 折角なのでその2本と手持ちの1898を併せて適当に比較レビューをしてみる事に。
 

       左 Tabacalera Half Corona 中央 Antonio Gimenez Half Corona 右 Independencia 1898 Half Corona

●Antonio Gimenez Half Corona

 薄い発酵臭のある表面香と土とカフェオレが混ざった様なフット香。
 2008年から見ている者の印象として、ここ一年ちょっとくらい出荷時の湿度調整を変えている印象を受ける。
 フット付近の弾力がしっかりしていて固くなく、ウェッティである。
 以前のフィリピン式とも云うべきやたら開けづらい薄いビニール包装から南米系の葉巻に使われているすっと収納するタイプの若干厚みがあるビニールに変えたからだろうか?
 タバカレラの方は相変わらず旧式だが、TabaqueriaはSlim Panatelaを除いて南米式に変わっている様子。

 着火直後から序盤はカフェオレ系にきめ細かいスパイス。柔らかい酸味もあり、序盤から割りとしっかりしている。
 VdSと比較してしまうと薄い印象になるが、VdS程の重さも無いので楽に吸える。
 2cm程でタンニン的な渋みがわずかに混ざり、ナッツ系の甘みも混ざり始める。スパイスはそのまま。
 中盤を超えると松脂っぽい香りが加わり、コクが増す。
 タンニンさが若干増し、アーシーさも加わる。
 ナッツや栗の様な甘みもあり、やはり後半が良い印象。
 そのまま終了。
 ショートスモークとしては良いが、少しヒュミ保存した方がより良くなるだろう。
 
 ちなみに、Antonio Gimenezで最も良い喫煙体験だったのが2008年頃のRobustoで、手元熟成したそれは後半に金時芋の様なホクホクとした甘みがあった。
 それ以降は小さな葉巻に拘りだしたので購入せず、今はビンテージのTorpedoがあるものの、当時のRobustoと比べるとキャラが弱い印象。
 Torpedoと云えばVegas de Santiagoでも何度か買ったが、RobustoやToroに比べて穏やかに感じる個体が多い気がする。ビトラ的な特徴だろうか。

●Tabacalera Half Corona

 表面香はほぼ分からず、リングの印刷や糊の匂いの方が強く、フット香は微かにフローラル且つフルーティな印象。

 着火直後に青臭さが通りぬけ、一瞬で消える。
 ツツジの蜜の様な甘みとコーヒーと土の中間の様な柔らかいビターさを感じる。
 香りはフローラル寄りでスパイスはきめ細かい。
 1cm程でしっかりとしたアーシーさになり、香りはフローラルさが強くなる。スパイスは少し落ち着いただろうか。
 酸味が加わり、更にフローラル感が強まる。久々に吸ったがこんな葉巻だったろうか?
 中盤になるとコクとビター感が増し、甘みはカラメルの様になる。
 悪くないのだが残り4.5cm程で青臭さとエグ味が混ざってくる。
 燃え進むにつれ味が凝縮されて干しぶどうの様な旨みが現れるものの、やはりエグ味が少々邪魔である。
 その後も干しぶどう+カラメルの旨みにきめ細かいスパイスをエグ味が邪魔する展開が続いて終了。

 個体差があるので一概には云えないが、出荷時の仕上がりぐあいでTabaqueria de FilipinasがLa flor de la Isabela社を抜いた印象。
 それがビニール包装の差異なのかは不明。
 昔はTabacaleraもAntonio Gimenezや1898も同じような硬さで届いたが、今はAntonio Gimenezも1898も到着時にウェッティである。

 さて、TabacaleraのIsabela社にはDon Juan UrquijoにもHalf Coronaがあり、こちらの方が到着時の仕上がりが良い。
 現在ファクトリー公式委託先のmanilacigars(高い!)がTabacalera.comに進化中。
 昔ファクトリーが直売りしてくれたTabacaleraのCigarilloやライト系銘柄AlhambraのCigarilloも取り扱い予定。
 しかし、いつまで経っても販売が開始されない…。
 立派なサイトを作ったのだしさっさと開いてくれんもんかと(汗
 と、また話がずれてしまったがTabacaleraの青臭さやエグ味はヒュミ保存で普通に取れる程度の代物。
 熟成好きには一ヶ月でハイレベルに仕上げる人も居る。

●Independencia 1898 Half Corona

 ヒュミ常備品。表面香は微かな土っぽさとしいたけ的な印象。フット香は薄くて分かりづらい。
 到着時はAGと同じくウェッティであったが、Classic Humidor(Tabaqueria de Filipinasで買える)で数ヶ月保存の為フットの弾力を保ちつつ若干水分が抜けている。
 到着時のフット香は今回のAntonio Gimenezとあまり大差が無かった印象。

 着火直後からレーズン系の酸味と甘味。前2本に比べてスパイスが少なめ。
 1cm程でキャラメルっぽさやナッツっぽさを感じられる様になる。
 香りにはハーブっぽい印象もあり、2008年から約4年程で随分キャラクターが強くなった印象を受ける。
 デイリー確定した頃のナッツ&植物の蜜的な甘さが主体のまったりとした葉巻とは別物になりつつあるが、悪い変化ではない。
 酸味は三種類の中で最も強く、スマトラやジャワの葉の特徴がよく出ている。
 中盤は酸味とナッツが主体で、やはりスパイスは他の2本より控えめ。
 後半は枯葉系の味が混ざり、枯葉、ナッツ、酸味、スパイス、で終了。
 加湿保存から時間が経っているだけあって終始安定した印象だった。

 ……まぁ、吸う頻度が一番高い葉巻なので正直感想をひねり出すのが難しい今日この頃(汗

──以上

 やはり到着直後では雑味がある印象ですが、共に加保存で解決できる程度のもの。
 Tabaqueriaユーザーの方々には1898よりAntonio Gimenezの方が味、クォリティ(バラツキの有無等)で勝るというコメントを頂きます。
 昔のAntonio Gimenezは到着から1〜4週間程アンモニア系の揮発臭があり、育成要素が非常に強かった印象なんですが随分変わった様です。
 やはりセロファン包装だけでなくファクトリーでの熟成期間が変わったんでしょう。
 ヘビーユーザーの方々は自分も含めて今後も個人輸入で仕入れる事でしょうが、ファクトリーのファンとしては日本でもメジャーなリーズナブルシガーになって頂きたい処。




 ↑
 ペティ・コロナからハーフ・コロナに修正いただいた様です。



 さて、今回は注文時に桔梗という貴重な煙草を分けて頂きました。



 花の香が強い銘柄で、小粋より良いですね、これ…。
 79年に製造中止なので相当前の代物の筈なんですが、全く遜色ない印象です。
 昔はもっとニコチンが強かったんでしょうかね。
 大変希少な物らしいので、ご希望の方は注文がてらはまきやさんに問い合わせてみてください。
 

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