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2023年05月04日

2023.5.2【米国】ファースト・リパブリック銀行破綻(分析・参考)


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2023.5.2【米国】ファースト・リパブリック銀行破綻(分析・参考)

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2023.5.2【米国】ファースト・リパブリック銀行破綻

文字起こし

0:00
皆さま こんにちは そして こんばんは 及川幸久です
0:04
今日のテーマは「ファーストリパブリック銀行破綻 銀行危機は金融危機の始まりか?」ということで お送りいたします
0:13
ぜひ お付き合いください
0:14
すでにニュースで アメリカの ファーストリパブリック銀行というところが破綻したというのを お聞きになっている方は 多いと思うんですね
0:23
今年に入ってから アメリカやスイスの大きな銀行が次々と倒れている
0:30
いったい 今 何が起きているのか というのを 考えてみたいと思います
0:34
今 起きているのは 銀行危機なんですけど
0:37
これが金融危機 つまり 2008年にあったリーマンショックの始まりなのか、ということが 今のテーマなんですよね
0:49
ただ このチャンネルは 金融専門のチャンネルではないので、あんまり専門的な金融の内容に 突っ込んでしまうと分かりにくくなってしまいますので
1:01
なるべく 誰にでも分かるように 分かりやすくこのことを解説してみたい というふうに思います
1:10
それにあたって 2008年の金融危機 リーマンショックを予言した人をご紹介します
1:19
それが ピーター・シフという アメリカの経済評論家・エコノミストで非常に有名な方なんです
1:27
この方が 今 何と言っているかというと
1:30
今 起きている銀行危機は 終わっていないと
1:33
つい 先週末に ファーストリパブリック銀行の 破綻というのが、ある前まではもう これ以上 銀行の破綻ないのではないかというちょっと楽観的なムードがあったんですけど
1:48
このピーター・シフは そう言っていなかったんですよね
1:52
銀行危機は 決して終わっていないぞと彼は言っていた
1:55
確かに銀行危機は終わっていなかったんです
1:57
彼は、「これはもっとひどい金融危機の始まりに 過ぎないんだ」という言い方をしています
2:03
このことについて ご紹介しようと思います
2:06
その前に お知らせをちょっとまとめて 3件お伝えします
2:10
まず 今週末の土曜日の5月6日に大阪で 私の講演会と交流会があるんですが
2:19
この講演会の席がまだ若干残っているということが分かったので
2:24
もし 今からでも 申し込みたいという方がいましたら、若干しかないんですけど 5月6日 大阪での講演会の申し込みをしてみてください
2:37
残念ながら 交流会のほうは もういっぱいなんです
2:41
講演会だけでもいいという方がいましたら、ぜひ お会いできればと思います
2:46
それから 申し込みフォームは 概要欄とコメント欄に入れておきます
2:52
それから 5月27日は 富岡製紙場でYouTube チャンネル 越境3.0の 石田和靖さんと一緒に 講演を行います
3:07
世界遺産 富岡製紙場で 5月27日です
3:12
これも 申し込みリンクを入れておきます
3:14
さらには1か月後の6月3日に高松で越境3.0の石田和靖さんと講演を行います
3:26
四国の皆さん、高松で行いますので、これも 申し込みフォームを 入れておきます
3:36
以上 3件をお伝えしたところで 本題に入ります
3:39
このシリコンバレー銀行が 今年の初めに破綻してから 7週間が経ちました
3:48
そのわずか7週間後に このファーストリパブリック銀行の 破綻が起きたわけです
3:53
シリコンバレー銀行が破綻し、それからシグネチャー銀行が破綻し、そして クレディースイスが破綻した
4:03
ここで止まるかなというふうに 思われたんですが、破綻の連鎖は止まらなかったんですよね
4:08
それが このファーストリパブリックの 破綻だったわけです
4:12
何が起きたかというと この前に起きた 3つの銀行の破綻と ほぼ同じことで、「バンクラン」というのが起きたわけです
4:22
バンクランというのはいわゆる、「銀行にお金を預けている預金者が、銀行に走っていって預金をとにかく引き出す」ということです
4:37
この取り付け騒ぎみたいなものが バンクランと呼ばれています
4:41
これが このシリコンバレー銀行と、それからシグネチャー銀行でも起きたんですけど
4:50
今回全く同じように、それがファーストリパブリック銀行でも 起きたわけです
4:56
その預金が引き出されたんですけど
4:58
その預金というのは 保険外預金ということで、保険で保証されているのを超えた部分の 預金という意味なんですよね
5:08
その保険外預金というのが この銀行には年初に1,118億ドルあったんですね
5:17
それが 3月31日には198億ドルまで 減っていたんですよ
5:25
3カ月で1,000億ドルも バンクランによって引き落とされていたんですね
5:35
この銀行の特徴は、以前に破綻したシリコンバレー銀行やシグネチャー銀行という2つの銀行と同様に、地方銀行としては異例の高い保険外預金の額だったんです
5:50
この保険外預金というところが 大きなポイントなんですけど
5:54
まずこの保険は何の保険かというと、アメリカの政府による 連邦預金保険公社(FDIC)というのがあるんですね
6:08
これは 銀行に預金している預金者に対して、「預金者1人当たり25万ドルまでは 銀行が破綻しても保証します」という保険なわけです
6:19
これは政府が25万ドルまでは守ってくれるという大変ありがたい制度ということなんですが
6:27
このファーストリパブリックの預金額が 2018年からずっと増え続けているんですが
6:42
オレンジ色の部分が FDIC、つまり政府が 保証してくれている部分ですね
6:54
これが1人当たり25万ドルまで 保証してくれている部分です
6:59
この黄色の部分が それを超えた部分なんですよね
7:04
その超えた部分が どんどん増えていったわけです
7:09
これが 今年の最初の3カ月で 一気に減っているわけですね
7:16
このちょっとブルーの部分は 他の大手銀行から 入れてもらった部分なんですけど
7:23
それを入れたとしても ここで1,000億ドル減っているわけです
7:27
ここでバンクラインが起きているわけですね
7:29
これをもって このファーストリパブリック銀行の 株価は一気に下落しました
7:36
株価が過去1年で比べると 43%も減っているんですよね
7:44
つまり株価が約半額になっているわけです
7:46
株価が3ドルですから、「倒産する銀行の株価」ということになったわけです
7:51
これは アメリカ市場2番目に 大きな銀行破綻にあたるということで
7:58
あんまり騒がれていないかもしれませんけど 大変なことが起きたんですよね
8:04
総資産は2,300億ドル
8:08
これは破綻前のシリコンバレー銀行の 総資産よりももっと大きいんですよね
8:12
さらには このファーストリパブリック銀行では、クレディスイスと同じように、富裕層の預金逃避(バンクラン)が非常に顕著に起きているわけです
8:29
この銀行は一応 地方銀行といっても とっても大きな銀行で、富裕層が相当お金を入れていたわけです
8:37
この人たちが敏感に感じ取って今年の2月・3月で 一気にお金を引いてきたと
8:47
ここまで、ファーストリパブリック銀行の破綻について簡単にポイントだけお伝えしました
8:54
この全体の現象
8:57
このシリコンバレー銀行の破綻から始まった、直近のファーストリパブリック銀行までの 一連の銀行破綻
9:06
これら全体について最初にご紹介した、あのリーマンショックを予言したピーター・シフさんが何と言っているか
9:18
ファーストリパブリックの破綻が起きる前の4月10日の段階で、彼はトレーディングTVというネットのトレード専門のテレビ番組にインタビューで出演した際にこう言っていたんですね
9:41
今のこの銀行危機というのは 終わっていないと
9:44
これはリーマンショックのようなもっとひどい金融危機の始まりに過ぎないと
9:49
正確には、事態はあの2008年のリーマンショックよりもっと ひどいことになるだろうという言い方を彼はしているんですけど
9:54
何が問題か
9:57
このピーター・シフは「銀行危機の原因は銀行のモラルハザードにあるんだ」という指摘をしているんです
10:06
これがちょっとこの人の面白いところなんですよね
10:08
今回の銀行破綻の原因はモラルハザード、つまり倫理観の欠如にあるんだと
10:15
これがどういうことかというと
10:17
最初の方でお伝えした、預金を保証してくれる政府のFDICの預金保険が問題なんだって言うんですよ
10:29
預金者1人当たり25万ドルまで政府が保証してくれる
10:33
これは大変ありがたい制度じゃないかとというふうに一見思えるんですけど
10:37
ピーターシフに言わせると、「これが問題なんだ」ということです
10:39
というのは、これは「金融機関の預金を保護して、さらには銀行の連鎖倒産を防ぐために政府が資金を注入する」という制度なわけですよね
10:55
これがあると銀行の経営者は自己規律を失うんだと彼は言います
11:02
経営者としての責任が全部カバーされるわけじゃないんですけど、政府の保証によって彼らはかなりの部分 責任を逃れられるので
11:13
ここで銀行の経営者のモラルハザード(責任逃避・倫理観の欠如)が起きるんだと
11:22
だから この制度はいい制度なんだけど、しかし 問題があると彼は指摘します
11:27
さらにはFRBが10年も金利を低く抑えていたから銀行は長期国債や住宅ローン債券を買い込んだ
11:41
これも問題なんです
11:43
過去10年、FRBはずっと金利を低く抑えてきた、というかほぼゼロにしてきたわけですね
11:54
ヨーロッパもそうだし 日本もそうですけど、このパンデミックが起きて、昨年から急にFRBは金利を上げたんですがそれまではずっと低金利に抑えていた
12:08
その間に銀行が長期債を買い込んだんですよね
12:14
銀行はアメリカ政府の長期債、それから 住宅ローンの担保証券といったものを買い込んでいた
12:26
あんまりこうしたものは普通は銀行が買い込むものではないんですけど、銀行はこれを積み上げてきた
12:30
この銀行が買い込んだ長期債が この後 どうなったかというと
12:34
昨年からFRBが急激な利上げをしたわけですよね
12:38
FRBが金利をずっと低く抑えてきたのにも関わらず、急激に利上げをした
12:42
金利が上がると債券の価格は当然下がる
12:45
この買い込んでいた長期債は 価格が下がって暴落したわけですね
12:52
しかし 株と違って、長期債は価格が下がったんですけど、時価評価する必要がなかったんですね
13:02
長期債の今の価格がいくらなのかというのを、彼らは帳簿上 評価する必要がなかった
13:08
本当は 時価が今 もう60円まで下がっているんだけど、彼らはそれを100円に見せかけることができたわけです
13:15
しかし実際には銀行は債務超過に陥っていたわけなんですよね
13:24
これが最初は見えなかったんです
13:27
昨年ぐらいまではこの状況が見えなかった
13:29
ただ これが見えてきちゃったわけですね
13:32
気づいた預金者がこの預金を引き出し始め、バンクランが起きたわけです
13:38
預金者が、「預けていたお金を返せ」と言っているわけですから、銀行は そうなると預金を返さなきゃいけないわけです
13:49
銀行は預金者から預かっていたお金で長期債を買っていて、100円で買ったものが60円に値下がりして損が出ているんですけど、しかし預金を返さなきゃいけないので、銀行は損切りしなきゃいけないんですね
14:03
銀行は長期債を損切りして売却して返さなきゃいけない
14:06
そこで さらにパニックが起きて さらなる引き出し、さらなるバンクランが起きた
14:13
これが今 起きていることなんですね
14:15
それに対して 政府のFDIC(預金保険公社)が損失の一部、すなわち25万ドルまでは補償しますと
14:31
ところが ここで最初のシリコンバレー銀行と シグネチャー銀行の破綻の時にバイデン政権は何をしたかというと
14:42
「いやいや 25万ドルじゃなくて100%補償しましょう」とバイデンは言ったわけですよ
14:48
この辺がバイデンらしいんですけど
14:51
100%補償しましょうと彼は言った
14:54
そうなると 事実上 FDICの保険は もう無限大になるわけです
15:00
しかし バイデン政権 アメリカの政府というのは そんなにお金を持っているわけではないので、バイデン政権はそのお金をFRB(中央銀行)から手に入れることになります
15:14
ここでアメリカの主要メディアに出ている専門家は、「お金のことは心配する必要はないんじゃないか」というふうに言い始めたんですよね
15:28
しかし ピーター・シフは「いやいや皆さん、自分のお金は心配したほうがいいですよ」と言ってきたんですね
15:38
大体 この主要メディアが「心配する必要がない」なんて言っている時には、逆に考えたほうがいいですよと彼は言った
15:46
「政府が銀行をこれ以上破綻しないようにする唯一の方法は、国民が銀行に預けているお金の価値を下げること、つまり インフレにすることだ」とピーター・シフは指摘しています
16:10
この辺がピーターシフらしいところなんですけど
16:12
そして問題は「これがリーマンショックみたいになるかどうか」ですよね
16:18
2008年の金融危機 リーマンショックの再来になるかどうか
16:23
これについて、今のところ アメリカの主要メディアでは「いや 今 起きているのは 確かに銀行危機であるが、金融危機にはならない」という ある種の楽観論が主流です
16:36
しかしあの2008年の時も、最初は「サブプライムローンによる銀行危機が起きているのは確かだけど、金融危機にはならない」というふうに言われてたんですよね
16:54
ピーター・シフはそれを指摘しています
16:56
そこでピーター・シフさんに言わせると、今 起きている銀行危機は終わっていないと
17:06
事実つい先週末に このファーストリパブリック銀行まで破綻した
17:13
ということは この後 もっとひどい金融危機の始まりになるだろうということを彼は言っています
17:22
これが一つの見方です
17:25
実際 どうなるかというのは分からないんですが、こういう金融の問題に関しては普通は慎重に考えるべきだ、というのが あるべきスタンスだというふうに思います
17:40
今日はここまでです
17:42
ご視聴誠にありがとうございました


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