「コントじゃん」
クリアしてそう思った
「コントじゃんこれ」「コントだこれ」と
2度ならず3度も繰り返したが、そのくらい大事なことであり、それほどコントなのである
すなわち「濁り墨」というフリーゲーム作品はコントであり、芸人が舞台で織りなすそれである
そこにあるのはストーリーやシナリオではなく、物語でもない。コントである
背景とは舞台装置であり、書き割りである
主な登場人物は多くの芸人と同じで、コンビだ。
処刑器具にクビを絞められ今にも殺されそうなアナタと、怪しい男のふたりだけ
そこで巻き起こるのは勧善懲悪でもラブコメでもない、ただの寸劇である
演者は時に、舞台から捌ける
会話劇はシュールに満ち溢れ、語彙はなかなか発想できないレベルにまである
シュールを作れるフリーゲームクリエイターは味噌谷など何人かいるが、紫蘇漬けは長年独特の世界を築く、特に怪しく光る存在だ
今作は移動や探索もなく、芸人のコントを見る観客のように、本当にただ画面の前でキャラクターふたりのコントを見るだけだ
だがそれがとてもおもしろいのだ
主人公であり、観客でもあるアナタは、必ず爆笑とともに脱力を迎えるはずだ
オチのつけかたまでが、完璧だ
評価B+
75点
良いゲームコントであった。
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