「分かってしまった。あの二人はもう、私のことを友達だなんて思っていない。
ただ、代わりに提出物を出してくれる、便利な人間としか思っていないのだと。
分かってしまった、分かってしまったのだ。
忙しいから声を掛けてくれなかったんじゃない、優先順位が低くなっていたんじゃない。
――いつの間にかもう、私のことなんてすっかりどうでもよかったのだ。
そうじゃないと、あんなに酷いことはできない
共通の友人である私を除け者にして遊びの計画を立て、つまらないと言い放った授業を一人受けさせることも。」
「一欠けらの優しさを」作者の新作
「未完の後悔」レビューでも少し触れましたが、フリーゲームというのは「創作」であるのと同時に「自己表現」でもあるのですけれど、その多くがエンタメ、萌え的な前者である中、時折、このような後者に分類される作品が出るのですよね
DLされるのは大部分が前者なので、本作のようなゲームはDLされないタイプなのですが、私はこのようなゲームを、とても好んでいる訳です
ヒット作は、「親愛なる孤独と苦悩へ」くらいでしょうか
作者の思想、内面が垣間見えることに、アマチュア創作(特にソロ)ならではの妙があるからです
主人公の花は、友達と呼べるか微妙な畜生フレンドたちから、自分が軽視されていることを思い悩み、自発的ではない代返を、若手イケメン講師に言い咎められます
講師は過去の自分が花と重なり、花は講師に触発される…
そして遂にはある行動に移す…
少女(ってほどの年齢でもなくない?)が人間的に成長していく様が描かれ、能面がテーマとして重なり、花と講師はラストシーンへ向かいます
誰にでも一度は経験がありそうなテーマで、「もっとジブンに、正直に生きろや!」みたいなメッセージ性を感じさせる一作でした
1つ気になったのは、無理矢理恋愛物っぽくした事で、花と講師はお互いにシンパシーこそあれど接点は殆どないわけですし、ふたりの関係性であれば、強引に恋に絡める必要はあったか?と疑問でした(このゲームは一応、乙女ゲーなのかしらん…?演目の意味は、能に詳しくないので分かりません)
友達との関係が解消されたままなので、好きになる要素はあったのだろうかと、余計に強引さを感じてしまいました
私が男なのでそう思ったのか、私が私だからそう思ったのか。女性だとこのストーリーを自然と思うのかは、気になるところです
評価C+
65点
あまりない感傷的フリーゲーム。おすすめです。
2020年上半期も、徐々に良作が出揃いましたねえ……
おすすめの良作フリーゲームランキングも7回目という事で、今回は趣向を変え、二宮綾子みたいに匂わせます
実は2020年上半期おすすめフリーゲームランキング1位は、暫定的にですが……
既に決まってます!
m9( ゚д゚)っ
そのゲームをプレイした時、「美麗なスチル…伏線からのどんでん返し…ゲームギミックとの融合…凄いな!これは間違いなくこの年を代表するゲームになる!」と確信しましたが、やはりプレイヤーからも絶賛されました
製作エンジンの「設定」までもゲームギミックに利用した風なのはとくにすごい
察しのいいフリゲユーザーはもうお気づきでしょう
今あなたが想像したフリーゲーム……
m9( -д-)っ
それがグランプリです!!
m9( ゚д゚)っくわっ!
……
m9( ゚д゚)っ
m9( ゚д゚)っ.。o○(いまのところな…)
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