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2017年12月24日
映画「輪廻」の感想…優香うめーって関心した良質ホラー映画。
今日は映画「輪廻」の感想です。
やっぱクリスマスイブにはホラー映画ですよねっていう屈折した精神ですが、
前々から観たかったけど観れてなかった1本。
レンタルショップでパッケージが目に付いたので借りてしまいました。
という訳で、レンタルDVDでの鑑賞です。
映画「輪廻」は2006年全国公開の清水崇監督作品。
清水崇監督は好きな監督の1人ですが、
このブログでは映画「戦慄迷宮(2D)」ぐらいしか感想を書いてませんでした。
ほんと「幽霊 VS 宇宙人」シリーズ好きですよ。
お金かけなくたって面白く作れる人は作れるんですよ。
そんな人がお金かけて作ったら、まあ良い映画になっちゃいますね。
この映画の簡単なあらすじですが、
新人の女優である杉浦渚は映画「記憶」というオーディションに合格し主役に抜擢される。
その映画は実際にあった11人が殺害された事件を元に作られていたのだが、
渚は何かその事件の事を知っている様な感覚があった。
そして徐々に怪奇現象が起こりはじめる…という感じかな。
キャストですが、
主人公の新人女優杉浦渚を演じるのは優香。
優香って自分の中ではバラエティのイメージが強かったのだけど、
この映画を観て、「優香うめー!」ってビックリした。
いや、本当にごめんなさい…
ホラー映画ってアイドルが主演したり、
ある意味純粋な演技力とは違うところも求められたりしますが、
この時期の優香ってのはアイドル的な魅力もありつつ、
ちゃんとした演技も見せてくれる最高のキャスティングなんじゃないかと。
でも、本当に「優香うめー!」って思った。
映画「記憶」の監督松村郁夫を演じるのは椎名桔平。
いや〜、桔平は男前ですは。
やっぱあの目が良いですよね。
なんとなく怪しい感じが出せる椎名桔平は良い役者です。
何度も同じ夢を見る女子大生の木下弥生を演じるのは香里奈。
ネタバレになるのであんまり書きませんが、
大事な役と言えば大事な役なはずなのですが、
ちょっと存在感が薄かったというか、優香に持ってかれた感はある。
渚のマネージャー村田忠司を演じるのは杉本哲太。
なんだろうね、杉本哲太の安心感は。
今回はメインで出る役ではないのですが、
なんか出てるところは味があるんだよなあ。
その他、小栗旬、松本まりか、小市慢太郎などが出ています。
さて、映画「輪廻」の感想ですが、良質なホラー映画です。
色々良いなと思うことはあるのですが、
まずやっぱ「お金がかかってると画作りが違う」なと。
映画「劇場霊」の時にも書きましたが、フィルムの雰囲気はホラーに向いてる。
こればっかりは予算の問題もあるので、やりたくても出来ないことが多いと思いますが、
やっぱホラー映画はフィルムが良いよ。
しかも、この映画「輪廻」のお金がかかってるセットは、B級ホラーじゃ絶対できないものを見せてくれる。
ホテルのセットも凄いですが、あのホテルの模型とかわざわざ作るの良いなって。
無いなら無いで、映画は成立すると思うんですよね、あの模型は。
それでもしっかり作ってくると、劇中でも「すごい〜」って声が出てましたが、
それに合わせて自分も「すごい〜」って声が心の中で出てました。
あと、お金だけじゃなくて、画作りが本当にしっかりしていて、
引き画の風景の中にしっかりと赤い屋根が分かるような映し方とか、
さすがだなあとか思ったし、
何よりもこの映画はカメラワークが上手い。
お金×技術が生み出す映像は本当に良質。
あと、映画「カルト」を観た後だと、
スーパーボールの跳ね方の自然な感じだけでも違いを感じる。
もちろん、カルトはカルトの良さがあるので、
あの映画を同列のホラーとしては語ってはいけないのですが。
見せ方としては映画の途中で、
謎のフィルムを観ているところ、映画の撮影をしているところ、
謎のホテルに迷い込んだところの3箇所の映像を交互に見せていくところは、
物語が一気に進んでいく感じはワクワクしました。
ネタバレはしない方が楽しめると思うので、
物語の確信とか、そういう部分には触れない様にしますが、
少し書くなら椎名桔平の使い方は上手いなあって。
ミスリードの仕方は凄く自然だった。
まあちょっと強引な点もあったけど、なるほどと思った。
ホラー映画ではありますが、
貞子的な幽霊が出てきて襲われるって感じの恐さではなく、
全く自分が悪い事をした訳でもないのに、
突然悲劇にあってしまう恐さみたいなものですね。
前世ってのは自分で選べないですし、
しかもその前世での事件も自分が悪い訳でもない。
でも悲劇には理由なんてなかったり、
また、それが実は他人の身勝手な実験だったりとか、
世の中ありそうな話だなって…恐いですね。
ダメな点って訳ではないのですが、
観る側の心構えとしてホラー映画ってものに対して、
「貞子的な恐さ」を求めて観ようとしたら、
たぶん違うんだなって感じるんじゃないかな。
それだけ映画「リング」の貞子ってものがホラー映画に与えた影響が大きいのだけど、
本来はそういうある意味キャッチーな存在はいない方が、
普遍的な恐さはあると思うんですけどね。
どうでも良い事としては、
ケータイが折りたたみだってところと、
椎名桔平が使ってるパソコンがSONYのVAIOってのに時代を感じる。
あと映画とは全く関係ないけど、
映画が始まる前の「ドルビー」の水滴がでてくるやつを観て、
あー、こんなんあったって懐かしかった。
そして、大学の学食ってなんでコンクリートむき出しみたいな感じなんだろうなって。
あれはどこもあんなのなんかなって。
軽いツッコミどころとしては、
あのクシャッてなる人形が、ずっと一緒だよって言うけど、
あの「ずっと一緒だよ」は輪廻って事で、
生まれ変わっても一緒だってことなんだろうけど、
今回の映画の本質的な恐さを表すのは、その言葉じゃない気がするなあ。
あとピンポーンの後で、覗き穴で霊的なものが見えたりしますが、
あれは単純な嫌がらせなのかなって…幽霊もピンポーン押すんだなって。
そして、移動中のバスで優香以外が全員寝ている違和感の画とか、
カメラ回しながら11人も殺していくのはちょっと大変だろうなって。
そんな事を思いました。
そう言えば黒沢清出てましたね。
あとは、やっぱりラストの「ある人物のアップ」…これが最高。
あの人物のニヤッて笑う画がラストって良いなあ。
これは是非、観てもらいたい。
そんな訳で、ほんとお金がかかってる良質なホラー映画でした。
肉体は器でしかないんだよ!!
あ、この映画でクリプトムネジア現象って言葉を覚えました。
やっぱクリスマスイブにはホラー映画ですよねっていう屈折した精神ですが、
前々から観たかったけど観れてなかった1本。
レンタルショップでパッケージが目に付いたので借りてしまいました。
という訳で、レンタルDVDでの鑑賞です。
映画「輪廻」は2006年全国公開の清水崇監督作品。
清水崇監督は好きな監督の1人ですが、
このブログでは映画「戦慄迷宮(2D)」ぐらいしか感想を書いてませんでした。
ほんと「幽霊 VS 宇宙人」シリーズ好きですよ。
お金かけなくたって面白く作れる人は作れるんですよ。
そんな人がお金かけて作ったら、まあ良い映画になっちゃいますね。
この映画の簡単なあらすじですが、
新人の女優である杉浦渚は映画「記憶」というオーディションに合格し主役に抜擢される。
その映画は実際にあった11人が殺害された事件を元に作られていたのだが、
渚は何かその事件の事を知っている様な感覚があった。
そして徐々に怪奇現象が起こりはじめる…という感じかな。
キャストですが、
主人公の新人女優杉浦渚を演じるのは優香。
優香って自分の中ではバラエティのイメージが強かったのだけど、
この映画を観て、「優香うめー!」ってビックリした。
いや、本当にごめんなさい…
ホラー映画ってアイドルが主演したり、
ある意味純粋な演技力とは違うところも求められたりしますが、
この時期の優香ってのはアイドル的な魅力もありつつ、
ちゃんとした演技も見せてくれる最高のキャスティングなんじゃないかと。
でも、本当に「優香うめー!」って思った。
映画「記憶」の監督松村郁夫を演じるのは椎名桔平。
いや〜、桔平は男前ですは。
やっぱあの目が良いですよね。
なんとなく怪しい感じが出せる椎名桔平は良い役者です。
何度も同じ夢を見る女子大生の木下弥生を演じるのは香里奈。
ネタバレになるのであんまり書きませんが、
大事な役と言えば大事な役なはずなのですが、
ちょっと存在感が薄かったというか、優香に持ってかれた感はある。
渚のマネージャー村田忠司を演じるのは杉本哲太。
なんだろうね、杉本哲太の安心感は。
今回はメインで出る役ではないのですが、
なんか出てるところは味があるんだよなあ。
その他、小栗旬、松本まりか、小市慢太郎などが出ています。
さて、映画「輪廻」の感想ですが、良質なホラー映画です。
色々良いなと思うことはあるのですが、
まずやっぱ「お金がかかってると画作りが違う」なと。
映画「劇場霊」の時にも書きましたが、フィルムの雰囲気はホラーに向いてる。
こればっかりは予算の問題もあるので、やりたくても出来ないことが多いと思いますが、
やっぱホラー映画はフィルムが良いよ。
しかも、この映画「輪廻」のお金がかかってるセットは、B級ホラーじゃ絶対できないものを見せてくれる。
ホテルのセットも凄いですが、あのホテルの模型とかわざわざ作るの良いなって。
無いなら無いで、映画は成立すると思うんですよね、あの模型は。
それでもしっかり作ってくると、劇中でも「すごい〜」って声が出てましたが、
それに合わせて自分も「すごい〜」って声が心の中で出てました。
あと、お金だけじゃなくて、画作りが本当にしっかりしていて、
引き画の風景の中にしっかりと赤い屋根が分かるような映し方とか、
さすがだなあとか思ったし、
何よりもこの映画はカメラワークが上手い。
お金×技術が生み出す映像は本当に良質。
あと、映画「カルト」を観た後だと、
スーパーボールの跳ね方の自然な感じだけでも違いを感じる。
もちろん、カルトはカルトの良さがあるので、
あの映画を同列のホラーとしては語ってはいけないのですが。
見せ方としては映画の途中で、
謎のフィルムを観ているところ、映画の撮影をしているところ、
謎のホテルに迷い込んだところの3箇所の映像を交互に見せていくところは、
物語が一気に進んでいく感じはワクワクしました。
ネタバレはしない方が楽しめると思うので、
物語の確信とか、そういう部分には触れない様にしますが、
少し書くなら椎名桔平の使い方は上手いなあって。
ミスリードの仕方は凄く自然だった。
まあちょっと強引な点もあったけど、なるほどと思った。
ホラー映画ではありますが、
貞子的な幽霊が出てきて襲われるって感じの恐さではなく、
全く自分が悪い事をした訳でもないのに、
突然悲劇にあってしまう恐さみたいなものですね。
前世ってのは自分で選べないですし、
しかもその前世での事件も自分が悪い訳でもない。
でも悲劇には理由なんてなかったり、
また、それが実は他人の身勝手な実験だったりとか、
世の中ありそうな話だなって…恐いですね。
ダメな点って訳ではないのですが、
観る側の心構えとしてホラー映画ってものに対して、
「貞子的な恐さ」を求めて観ようとしたら、
たぶん違うんだなって感じるんじゃないかな。
それだけ映画「リング」の貞子ってものがホラー映画に与えた影響が大きいのだけど、
本来はそういうある意味キャッチーな存在はいない方が、
普遍的な恐さはあると思うんですけどね。
どうでも良い事としては、
ケータイが折りたたみだってところと、
椎名桔平が使ってるパソコンがSONYのVAIOってのに時代を感じる。
あと映画とは全く関係ないけど、
映画が始まる前の「ドルビー」の水滴がでてくるやつを観て、
あー、こんなんあったって懐かしかった。
そして、大学の学食ってなんでコンクリートむき出しみたいな感じなんだろうなって。
あれはどこもあんなのなんかなって。
軽いツッコミどころとしては、
あのクシャッてなる人形が、ずっと一緒だよって言うけど、
あの「ずっと一緒だよ」は輪廻って事で、
生まれ変わっても一緒だってことなんだろうけど、
今回の映画の本質的な恐さを表すのは、その言葉じゃない気がするなあ。
あとピンポーンの後で、覗き穴で霊的なものが見えたりしますが、
あれは単純な嫌がらせなのかなって…幽霊もピンポーン押すんだなって。
そして、移動中のバスで優香以外が全員寝ている違和感の画とか、
カメラ回しながら11人も殺していくのはちょっと大変だろうなって。
そんな事を思いました。
そう言えば黒沢清出てましたね。
あとは、やっぱりラストの「ある人物のアップ」…これが最高。
あの人物のニヤッて笑う画がラストって良いなあ。
これは是非、観てもらいたい。
そんな訳で、ほんとお金がかかってる良質なホラー映画でした。
肉体は器でしかないんだよ!!
あ、この映画でクリプトムネジア現象って言葉を覚えました。