2015年06月29日
マラソンは上半身が9割
マラソンは上半身が9割 細野史晃 著
マラソンは上半身? ”奇をてらう” 題名に惹かれ、ちょっと読んでみた。この題名でどう落としどころをみつけるか、と思いきや、意外にあっさりと落としていた。”人間の体重の6割が上半身、脚だけが前に進んで上半身は取り残される。大前提としてやるべきなのが、上半身を先に移動させること” とのことでした。誰でも感じる”体幹ランニングとはなにが違うか” との突っ込みに対しては、”「重心の移動」は身体の中心部から動かす」ということで同種類” とのことである。”あえて言えば上半身から動く” とのことである。ということは体幹ランニングの一部で、特に上体を意識するために上体から動き、上体に力を上手く伝えることに重点をおいているということの様である。私の解釈では、この本は、体幹ランニングのある部分に注目した教本で、上体にいかに上手く力を伝えるか、との命題に対して、トレーニング方法だけでなく、その理由とそのための考え方に紙面を多く割いている本であった。ランニングに関する教本はいろいろあるが、問題はそれが自分にあっているかどうかである。人間の骨格からなぜというところに言及してもらうことによって、どんな走り方が自分に合っているか、どんな意識をもって走ったらいいか、を考えやすくなります。
具体的なランニングフォームについては、面白いことに4種類の姿勢に対して、それぞれ具体的にコメントしている。具体的には4つの姿勢は以下の様である。
1. 内股反り腰
2. 内股猫背
3. ガニ股反り腰
4. ガニ股猫背
具体的なコメントとしては、例えば ガニ股猫背の人の場合は、
傾向: 日本人男性に一番多い姿勢、肩こりが酷く、ひざ周辺への負担も強い。
対処: みぞおちに力を込め、身体を起こす。脚はつま先を平行に太ももの内側を意識。
私自身も日本人そのもので、ガニ股猫背です。準備運動では、背中がほぐすストレッチをして、背中を伸ばし、拇指球も意識しつつも、平行に重心を移動することを意識しています。実際はどうかわかりませんが、大きな姿勢で足から伝わる力が上体に伝わる感覚を感じたつもりになりながら走っています。
また、面白いコメントとしては、動物からランニングを学ぶことである。
具体的には、
ネコ科、イヌ科: 背骨の湾曲を上手く使いながら手足を動かす。
ネコ科 : 上半身から動く、前足を一気に前に運ぶ動作の反動を使って後ろ足のキック。
ウマ科 : 体幹を強くする。細い脚でもスピードを出せる。
確かに、動物は上手く走らなければ生き残れません。走りやすい様に進化しています。人間はその動物から進化しています。確かに学ぶことは多いかと思います。その辺の分析と身体の構造とを考えてランニングフォームを考えるという視点は面白く、新鮮な感じがしました。
この本を読んだ後は、自分の身体の構造を意識し、力が上手く全身に伝わっているかどうか、鍛えられるところと鍛えられないところを意識して、鍛えられない部位に負担のかかるところを考えながらランニングする様にしました。
その結果、ランニングタイムは早くなり、膝などの痛みは少なくなりました。タイムは7kmを1km当たり5分30秒以上かかっていたものが、1km当たり5分を切るタイムで走れる様になりました。具体的な追加のトレーニングはしていませんが、体をいかに上手く動かすか考えながら試行錯誤しながら走るだけで、タイムは10%縮まりました。さらに、走ることはいかにも健康によさそうです。体重は8km、腹周りは10cm、ともに約15%減りました。走ることによる単なるダイエット効果だけでなく、普段の姿勢も良くなった様です。具体的なトレーニングメニューそのものについては他の本との違いはわかりませんでしたが、それに至るために考え方については非常に参考になり、ランニングフォームの良し悪しを感じ取れる様になった気がします。私にとっては役立った本であったと感じています。
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