L'ARLÉSIENNE
アルルの女
−−−−−−−−−−−【16】−−−−−−−−−−−−−−−−−
L' homme répond:
−−Merci ! J' ai plus de chagrin que de soif.
Et il s' en va.
−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−
その男は答えました。
−−ありがとう ! だけど、私は悲しくて、喉を
潤すどころではありません。
男は立ち去りました。
−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−
chagrin (m) @悲しみ、苦痛 A悩み、心配
avoir du chagrin 悲しむ
plus de + 無冠詞名詞 より多くの
s'en va < s'en aller 立ち去る
−−−−−−−−−−−≪解説≫−−−−−−−−−−−−−−−−−
l'homme répond は現在形になっています。
il s'en va も現在形に置かれています。話の筋からする
と過去形のはずなので、
l'homme répondはl'homme répondut.
il s'en va は Il s'en est allé. とか、Il s'est en allé.
あるいは単純過去で Il s'en alla. などにするところ.
しかし物語は、四角四面に全部過去形でつづってし
まうと、単調になって、読みづらくなります.とこ
ろどころ、薬味を効かすように、現在形にして読者
と臨場体験するように描かれます。ごはんに添える
お新香みたいに.過去形の羅列に現在形を混ぜます.
尚、この手法の現在形は、このあとも、引き続き使われています。
しばし、物語の臨場感をお楽しみください。
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