鶴の恩返し(3)
Der Kranich vergilt die Wohltat
−−−−−−−−−−−【3】−−−−−−−−−−−−
„ Ach, du armes Tier ! Wer hat dir so etwas
Schreckliches angetan ?“ ,fragte der junge Mann. Er
nahm den Kranich in die Arme und zog sorgfältig
den Pfeil aus dem Flügel heraus. Danach legte er den
Kranich wieder auf den Schnee und sagte
´„ Jetzt geht es dir besser*. Komm, flieg mal !“
−−訳−−
「ああ、可哀そうな子だ.誰がお前にこんなひどいことを
したの?」、若者は尋ねました.若者はツルを両腕に抱
きかかえ、丁寧に翼から矢を引き抜きました.そしてツル
を再び、雪の上に戻して言いました.
「さあ、よくなったよ.ほら、読んでごらん!」
《語句》
das Tier {_es/_e} 動物、(四つ足の) 獣
ここではツルを指しているのですが、4つ足のツルは
怪獣ラドンか何かを思ってしまいます.
おそらく Tier には鳥類を含めた動物、つまり、植物に
対する「動物」の意味があるのでしょう.
du ここではいちいち「お前」などと訳しません.
「この子は」「こいつは」「これは」と訳しますが
これは主語人称代名詞ではなく一種の「間投詞」なので、
抱き合わせの動詞はありません.
どちらかというと、「まあ、この子ったら」
みたいな感じで文はプツリとここで切って考えます.
よくある場面表現なので、もう少し言いますと、
du armes Tier にひとつずつ日本語を当てはめると、
この 可哀そうな 子ったら!
du = この、armes = かわいそうな、Tier=子
そして「ったら」とおまけをつけます.
「ったら」には「どうしてくれようぞ」「放っとけないぜ」
が込められています.
映画などでは、よくののしる場面に出てきます.
このバカ息子、とか言う場合も du + バカに相当する語
何?私がそうしてよく父にしかられた? はい懐かしいなあ!
Schreckliches (中性名詞化された元形容詞) ひどいこと
<schrecklich (形) 恐ろしい、ぞっとする
[口語] ひどい、耐え難い
so etwas [口語] こんなばかげたこと、こんなこと
そんなこと
etwas + 中性名詞化元形容詞
etwas Gutes いいもの / etwas Schreckliches 恐ろしいこと
so etwas Schreckliches こんなにひどいこと
angetan (過去分詞) <an/tun (他) [3格]+[4格]
[3格に4格(危害・苦痛など)を] 与える
Wer hat dir so etwas Schreckliches angetan ?
誰が一体君にこんなひどいことをしたの?
denn (いったい)という語がなくても、つけて訳していいです.
なぜ、つけていいのかと聞かれたら、ちょっと答えに窮するが、
wer とso の組み合わせから、そういうニュアンスが出て来るのです.
沸騰した茶瓶から湯気が自然に出てくるように.
何?検定試験で書いてもいいか?知らない!
試験のときはね、自信のない危ない橋は渡らないようにしましょう.
ヘビの出そうな山道は避けるように.
お化けの出そうな夜道を避けるように.
李下に冠を正さないように!
口の周りにクリームをつけた子を連れてケーキ屋に入ったらだめ!
試験とは、このケーキ屋のことであり、
「denn がなくても自由に訳してよい」というのは
子どもが口のまわりをよごしても、我が家でなら、あるいは
公式の場なら、翻訳コンクールでなら、大丈夫という意味です.
sorgfältig (形) 入念な、きちんとした、綿密な
nahm (過去形) <nehmen (他)(4格を) 取る
in die Arme →der Arm {_es/_e}{複3_en} 腕
in die Arme nehmen 抱きしめる
両腕に取る(取り上げる)ということは、「抱きしめる」、
「抱きかかえる」など 「手に取る」と訳すのは不十分!
「手に取る」場合はin die Hand nehmen (4格を)
そしてこの場合(4格の)「責任を引き受ける」という意味も
あります.
den Pfeil (Ak.) <der Pfeil {_(e)s/_e}{複3格_en} 矢
(前回既習、そろそろ覚えましょうか)
der Flügel {_s/_} (鳥の) 翼、(昆虫の)羽、(飛行機の)主翼
(建物の)翼、(扇風機などの)回転翼、スクリュー
zog…heraus <heraus/ziehen (4格を中から外へ) 引っ張り出す.
danach (副) そのあとで、
legte (過去形) <legen (他)置く、横たえる、
(4格を)(場所に)置く
der Schnee {_a/ナシ} 雪
鶴の恩返しをドイツ語で読んだ、と人に言うときは
下記の単語を覚えてからネ
der Kranich [クラーニヒ]{s/e} 鶴
der Pfeil 「プファイル pf は1音で[下唇を少し上の前歯で嚙んでプという] 翼
der Schnee [シュネー]{_a/ナシ} 雪
何?「鶴の恩返し」をどう言うか?
今、使っているテキストには
Der Kranich vergilt die Wohltat.
となっていますけど、die Wohltat (慈善、善行、恵み)
vergilt <vergelten (4格の)お返しをする、(4格に)報いる
タイトルだからこんな言葉なのですが、
日常語としては「恩返しをする」という場合、
3格 + seine Dankbarkeit (感謝の意) beweisen (示す)
Komme ! 「さあ」という意味です「来い」という場合は、通常、
Komm ! kommen が命令形で使われる場合、「さあ」
の意味が多いです.
Komm!Geh ins Bett ! / さあ、もう寝ろ!
(来い、寝ろ、ではない)←言われたらうろたえる
【文法】
* jetzt geht es dir besser / さあ治りました.
besser は gut の比較級だからgut よりもよいのか?
普通はそうだ.だが、健康や外傷に関してbesser が使われると
「回復する」という意味になり、jetzt geht es dir besser
は「怪我はもう大丈夫だよ」となります.
なので、「君は健康な人より健康になった」わけではありません.
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