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2024年10月07日

1265番:ペルル嬢(82)

ペルル嬢(82)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【82】−−−−−−−−−−−−−−−−−
   
L' absence de mon oncle nous parut durer une
heure. Il revint enfin, furieux, jurant: ≪ Rien, nom
de nom, c' est un farceur ! Rien que ce maudit
chien qui hurle à cent mètres des murs.Si j' avais
pris un fusil, je l' aurais tué pour le faire taire.≫



−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 叔父の不在時間は、私たちには1時間ほど続いたよう
に思えました.そうして叔父はやっと戻ってきたのです
が、鼻息荒げて、きっぱり言うことには、「何もねえよ、
全くこん畜生め!犬の悪ふざけだよ.いまいましい犬が、
数100メートル離れたところで、ただ遠吠えをしていた
だけさ.私が銃をもっていたら黙らせるために打ち殺し
ていたところだったよ.」



−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−− 
    
furieux(se):(形) 激怒した、激昂した
juant:(p.pré) < jurer (他) 誓う、約束をする
rien:なにもない、ne が伴っていないので、「ない」
 という語尾までは訳せないが、日本語の北海道辺り
  で「何もだよ」という言い方をする、あれと同じ.
  ここでは、「人っ子ひとりいない」ほどの意味.
nom de nom:(間) いまいましい、畜生!、くそっ!
 (憤り、驚きで出る言葉)(あまり上品ではない言葉)
farceur:(形) いたずら好きな、茶目っ気のある、
  < farce (f) いたずら、悪ふざけ
rien que qc/qn:ただ〜だけ、たったの〜
maudit(e):(p.passé) < maudire [モディール](他)
  呪う、恨む
se taire:(pr) 黙る
faire taire:黙らせる;(この場合se は省略する)


1264番:ペルル嬢(81)


ペルル嬢(81)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【81】−−−−−−−−−−−−−−−−−
   
Mon père essaya de nous rassurer: ≪ Vous allez
voir, dit- il, que ce sera quelque mendiant ou
quelque passant perdu dans la neige. Après avoir
sonné une première fois, voyant qu' on n' ouvrait
pas tout de suite, il a tenté de retrouver son
chemin, puis, n' ayant pu y parvenir, il est revenu
à notre porte.≫



−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 父は私たちを安心させようと努めました.「今にわか
るよ.」と父は言いました.「それは物乞いか何かだろう、
あるいは雪の中で道に迷った通行人か何かだろう.1回
目に鐘が鳴ったあと、私たちはすぐには扉を開けないよ
うにしたが、道を探してみたのだよ.それからやっぱり
たどることができず、私たちのところの門扉まで戻って
来たってことさ.


−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

essaya:(3単単純過去) < essayer (他) 試みる
essayer de + 不定詞:〜しようと試みる、努める
rassurer:(他) 安心させる、
Ses propos me r4assurent. /
彼女の言葉は私を安心させる.
mendiant:(名) 乞食、物乞い
tenté:(p.passé) < tenter (他) 試みる、ためしてみる.
tenter de + 不定詞:〜しようと試みる
retrouver:(他) (なくしたものを)見つける、取り戻す
parvenir:(自) たどり着く、達する、
(人に)届く


−−−−−−−−−−−−≪語法≫−−−−−−−−−−−−−−−−−

Après avoir sonné une première fois, voyant qu'on n'ouvrait
pas tout de suite:
voyant が使われ分詞節になっているため、主体(主語)特
定が曖昧だが、意味上の主語はnous です.
Après avoir sonné une première fois, nous avions vu qu'on
n'ouvrait pas tout de suite:
そしてvoir que のところはvoir à ce que (〜するように
する)のことだと思います.
Après avoir sonné une première fois, nous avions vu à ce
qu'on n'ouvrait pas tout de suite:
1回目に鐘が鳴ったときは、私たちはすぐには扉を開け
ないようにした.
となります.
英語に[see to it that ~] という似た表現があって、「〜
するようにする、〜するように取り計らう」という意味
になります.恐らくここのvoir もこれだと思います.


1263番:ペルル嬢(80)


ペルル嬢(80)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【80】−−−−−−−−−−−−−−−−−

 Mais mon oncle ne prit qu' une canne et sortit
aussitôt avec le domestique.

Nous autres, nous demeurâmes frémissants de
terreur et d' angoisse, sans manger, sans parler.


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−
 
 しかし叔父は杖しか持たずに、使用人と一緒に、すぐ
に出かけました.
他の私たちは恐怖と不安で食事ものどが通らず、おし
ゃべりもできず、恐怖と不安で震えおののいていました.


 
−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

canne:(f) 杖、ステッキ
domestique:(名) 召使い、使用人;
   公式には employé de maison という.
demeurâmes:(1複単) < demeurer (自)
   (ある場所に)とどまる、残る;
   (同じ状態に)いる、〜のままである、
Elle est demeurée silencieuse toute la soirée.
彼女は一晩中黙っていた.
frémissant(e)[フレミサン(ト)]:(形) 震えている、
   Il est frémissant de colère.
彼は怒りに震えている.  
* frémissment [フレミスマン](m) 震え、おののき
terreur:[テルール](f) (大きな)恐怖、
  * horreur [オルール](f) 恐怖、恐ろしさ
   frémir d'horreur / 恐怖におののく
angoisse:[アングワス](f) () 不安、恐怖、苦悩、心配

1262番:ペルル嬢(79)


ペルル嬢(79)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【79】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Mon oncle François se leva. C' était une espèce
d' hercule, très fier de sa force et qui ne craignait
rien au monde. Mon père lui dit: ≪ Prends un
fusil. On ne sait pas ce que ça peut être.≫



−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

叔父のフランソワが立ち上がった.この人は筋骨たく
ましい男で、その怪力が自慢だった人で、世の中恐れ知
らずの人だった.父は彼に言った.「銃を持っていけよ.
何があるかわからんぞ.」


 
−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

se leva:(3単単純過去) < se lever (pr) 立ち上がる、  
espèce:[エスペース](f) 種類、性質、種、種族;
une espèce de + 名詞:〜のようなもの、一種の〜
hercule:(m) 怪力の男、筋骨のたくましい男
  homme bâti en hercule /
  ヘラクレスのようなたくましい男.
fier de ~:〜を自慢する、誇らしく思う
craignait:(3単半過去) < craindre (他) 恐れる、
  心配する
fusil:[発音注意フュジ](m) 銃、小銃、鉄砲

1261番:ペルル嬢(78)


ペルル嬢(78)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【78】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Ma mère enfin parla:≪ C' est étonnant qu' on ait
attendu si longtemps pour revenir; n' allez pas seul,
Baptiste; un de ces messieurs va vous accompagner. ≫



−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

とうとう母が言った.「こんなにも長く待ってから、
戻って来るなんて、やっぱりおかしいわ.バプティス
トや、一人で行くんじゃないよ.誰かひとり男の人に
一緒について行ってもらいなさい.」


 
−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

étonnant(e):(形) 驚くべき、不思議な、
qu'on ait attendu si longtemps pour revenir:(接続法大過去)
こんなにも長く待ってから、戻って来るなんて.


1260番:ペルル嬢(77)


ペルル嬢(77)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−【77】−−−−−−−−−−−−−−−−
 
 Nous restions à nous regarder, la fourchette
en l' air, écoutant toujours, et saisis d' une espèce
de peur surnaturelle.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 私たちは、持ったフォークが宙で止まったまま、お互
いの顔を見合わせ、尚も聞き耳を立てたまま、そして得
も知れぬような恐怖に憑りつかれていました.

  
−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

fourchette:(f) フォーク
espèce:(f) 種類;
  une espèce de + 無冠詞名詞:一種の〜、〜のような;
  Ils habitent une espèce de château. / 彼らはお城みたい
な所に住んでいる.
surnaturel(le):(形) 超自然的な、不可思議な

1259番:ペルル嬢(76)


ペルル嬢(76)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【76】−−−−−−−−−−−−−−−−−

  On se mi à table; mais nous étions un peu
émus, surtout les jounes. Ça alla bien jusqu' au
rôti, puis voilà que la cloche se remet à sonner,
trois fois de suite, trois grands coups, longs, qui
ont vibré jusqu' au bout de nos doigts et qui nous
ont coupé le souffle, tout net.


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

みんなはテーブルにつきました.けれども私たちは少
しばかり興奮していました.特に若い連中はそうだった.
食事のコースはロースト肉まで進んでいました.それか
らまた突然鐘が鳴り出した.それは立て続けに3度、大
きな長い音で、私たちの指の先まで響いたのです.そし
て、その音で私たちは急に息をひそめました.
 
  

−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

se mi à table:みんなはテーブルにつきました.
se mettre à qc は❶ある状態にすること、❷
〜し始めること、の二通りに訳せますから
「みんなはテーブルにつき始めました」の
訳も可能です.宴会の始まる少し前とかなら、
この訳がいいでしょう.しかしここではあまり
そういうニュアンスはなさそうです.単に
「状態の変化」の描写のようです.このニュ
アンスは日本語にはないので、訳しようがあ
りません.
ému(e):(形,p.passé) 心を動かされた、感動した、
  興奮した、動揺した
< émouvoir (他) 〜の心を動かす、を感動させる、
    興奮させる;
jeune:(名) 若者
rôti:(m) ロースト肉
puis:(副) 次に、それから
voilà que + 直説法:⦅状況の変化を示して⦆
   「ほら、〜だ」、「もうすぐ〜だ」.
 * この表現ではque 以下の主語と動詞が倒置される
  ことがある.
  Tien, voilà qu'il pleut. / おや、雨が降ってきた.
Tout était calm;soudain, voilà qu'on entend un cri
perçant. / 辺りは静まり返っていた.と突然、
金切り声が聞こえた.
cloche:(f) 鐘、釣鐘、ベル、
  sonner la cloche / 鐘を鳴らす
se remet à:<se remettre à + 不定詞>「再び〜し始める」
  訳は「鳴り出した」と過去形にしましたが
この語形は「現在形」なので、試験では現在形で
「〜し始めるのです」としたほうがいいと思います.
   尚、過去形はse remit à ~ となります.
sonner:
trois fois de suite:
trois grands coups:
ont vibré:(複合過去3複)
  < vibrer (自) 震える、震動する
jusqu'au bout de nos doigts:(副句) 指先まで
ont coupé le souffle:(複合過去3複) 息をひそめた.
couper:(他) 中断する、止める
souffle:(m) (吐く)息、呼吸
net:急に、不意に、突然
tout net:まったく急に、まったく突然



−−−−−−−−−−−≪一言≫−−−−−−−−−−−−−−−

食事のコースは

❶前菜(オードブル)
❷スープ
❸アントレ(主にフィッシュ)
❹シャーベット
➎ロースト肉(アントレで肉が出たときはチキン)
➏デザートのフルーツ
➐ケーキとコーヒー(宴会の席ではデミタス)

* 肉の前に野菜サラダが出される.

が一般的なコース(と書いている私はこんな贅沢
したことがありません)のようです.



..−−−−−−−−−−−≪文法≫−−−−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−−−
remettre 直説法現在
−−−−−−−−−−−−−−−
je remets..........nous remettons
tu remets..........vous remettez
il remet.............ils remettent
−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−
remettre 単純過去
−−−−−−−−−−−−−−−
je remis..........nous remîmes
tu remis..........vous remîtes
il remit............ils remirent
−−−−−−−−−−−−−−−


1258番:ペルル嬢(75)


ペルル嬢(75)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−−【75】−−−−−−−−−−−−−−−−−

  On attendit en grand silence; nous pensions à
la neige qui couvrait toute la terre. Quand l' hom-
me revint, il affirma qu' il n' avait rien vu. Le
chien hurlait toujours, sams cesse, et sa voix ne
changeait point de place.


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

みんな黙って待っていました.私たちは大地を覆う
この雪のことに思いを巡らせていました.使用人の男
は戻ってきて、何も見なかったと断言した.犬は相変
わらず、ひっきりなしに遠吠えをしていた.しかしそ
の鳴き声の場所が変わることがなかったのです.
 
  

−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

affirma:(単純過去3単) < affirmer (他) 主張する、
断言する;❷ 明確にする

1257番:ペルル嬢(74)


ペルル嬢(74)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【74】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Il n' avait pas fini de parler, que la cloche
du jardin tinta. Elle avait un gros son de
cloche d' église qui faisait penser aux morts.
Tout le monde en frissonna. Mon père appela
le domestique et lui dit d' aller voir.


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

兄が言い終わらない間に、庭の鐘が鳴りました.鐘は
教会が鳴らすような大きな音で、告別の鐘を思わせるよ
うな響きだった.みんなはその音に身震いしました.父
は使用人に見てくるように言いつけました.
 
  

−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

cloche:(f) 鐘、釣鐘
son:(m) 音、音響;
tinta:(単純過去3単) < tinter (自) [鐘が]鳴る
frissonna:(単純過去3単) < frissonner (自)
   [体が]震える、身震いする;
   frissonner de froid / 寒さで震える
   frissonner de fièvre / 熱で震える
en frissonner / それで震える;(en=大きな鐘の音で)
   en は<de + 名詞>を受ける特殊な代名詞です.
   文法上、[中性代名詞]と呼ばれています.
appela:[アプラ](3単単純過去) < appeler (他)
    appeler qn à + 不定詞:(人)に〜するよう求める
domestique:(名詞) 家事使用人、お手伝いさん
aller voir:「見に行く」、ただしここではその報告をして 
   もらうので「見て来る」と訳しました.
「見に行け」と言ったのでは、なかなか帰って
   来ないかも知れないので.

 

1256番:ペルル嬢(73)

 
ペルル嬢(73)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−−【73】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Donc, nous allions fêter les Rois, et nous étions
très gais, très gais ! Tout le monde attendait le
dîner dans le salon, quand mon frère aîné, Jacques,
se mit à dire: ≪ Il y a un chien qui hurle dans
la plaine depuis dix minutes, ça doit être une
pauvre bête perdue. ≫



−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 さて、私たちは公現祭のお祭りしようと陽気な気分だ
った.とても陽気だった.みんなはサロンで食事を待っ
ていた.そのときだった.一番上の兄のジャックがこう
言い始めた.「10分ほど前から野原で犬が吠えているん
だ.可哀そうに捨てられた犬なんだろう.」

  

−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

aîné(e):(形) (子供、兄弟姉妹中で)最年長の
†hurler:[ユルレ](自) (犬、狼が) 唸る、遠吠えをする
ウォ〜ンと鳴く
plaine:(f) 平野、平原
chien perdu:野良犬、捨て犬

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