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2024年10月07日

1259番:ペルル嬢(76)


ペルル嬢(76)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【76】−−−−−−−−−−−−−−−−−

  On se mi à table; mais nous étions un peu
émus, surtout les jounes. Ça alla bien jusqu' au
rôti, puis voilà que la cloche se remet à sonner,
trois fois de suite, trois grands coups, longs, qui
ont vibré jusqu' au bout de nos doigts et qui nous
ont coupé le souffle, tout net.


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

みんなはテーブルにつきました.けれども私たちは少
しばかり興奮していました.特に若い連中はそうだった.
食事のコースはロースト肉まで進んでいました.それか
らまた突然鐘が鳴り出した.それは立て続けに3度、大
きな長い音で、私たちの指の先まで響いたのです.そし
て、その音で私たちは急に息をひそめました.
 
  

−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

se mi à table:みんなはテーブルにつきました.
se mettre à qc は❶ある状態にすること、❷
〜し始めること、の二通りに訳せますから
「みんなはテーブルにつき始めました」の
訳も可能です.宴会の始まる少し前とかなら、
この訳がいいでしょう.しかしここではあまり
そういうニュアンスはなさそうです.単に
「状態の変化」の描写のようです.このニュ
アンスは日本語にはないので、訳しようがあ
りません.
ému(e):(形,p.passé) 心を動かされた、感動した、
  興奮した、動揺した
< émouvoir (他) 〜の心を動かす、を感動させる、
    興奮させる;
jeune:(名) 若者
rôti:(m) ロースト肉
puis:(副) 次に、それから
voilà que + 直説法:⦅状況の変化を示して⦆
   「ほら、〜だ」、「もうすぐ〜だ」.
 * この表現ではque 以下の主語と動詞が倒置される
  ことがある.
  Tien, voilà qu'il pleut. / おや、雨が降ってきた.
Tout était calm;soudain, voilà qu'on entend un cri
perçant. / 辺りは静まり返っていた.と突然、
金切り声が聞こえた.
cloche:(f) 鐘、釣鐘、ベル、
  sonner la cloche / 鐘を鳴らす
se remet à:<se remettre à + 不定詞>「再び〜し始める」
  訳は「鳴り出した」と過去形にしましたが
この語形は「現在形」なので、試験では現在形で
「〜し始めるのです」としたほうがいいと思います.
   尚、過去形はse remit à ~ となります.
sonner:
trois fois de suite:
trois grands coups:
ont vibré:(複合過去3複)
  < vibrer (自) 震える、震動する
jusqu'au bout de nos doigts:(副句) 指先まで
ont coupé le souffle:(複合過去3複) 息をひそめた.
couper:(他) 中断する、止める
souffle:(m) (吐く)息、呼吸
net:急に、不意に、突然
tout net:まったく急に、まったく突然



−−−−−−−−−−−≪一言≫−−−−−−−−−−−−−−−

食事のコースは

❶前菜(オードブル)
❷スープ
❸アントレ(主にフィッシュ)
❹シャーベット
➎ロースト肉(アントレで肉が出たときはチキン)
➏デザートのフルーツ
➐ケーキとコーヒー(宴会の席ではデミタス)

* 肉の前に野菜サラダが出される.

が一般的なコース(と書いている私はこんな贅沢
したことがありません)のようです.



..−−−−−−−−−−−≪文法≫−−−−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−−−
remettre 直説法現在
−−−−−−−−−−−−−−−
je remets..........nous remettons
tu remets..........vous remettez
il remet.............ils remettent
−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−
remettre 単純過去
−−−−−−−−−−−−−−−
je remis..........nous remîmes
tu remis..........vous remîtes
il remit............ils remirent
−−−−−−−−−−−−−−−


1258番:ペルル嬢(75)


ペルル嬢(75)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−−【75】−−−−−−−−−−−−−−−−−

  On attendit en grand silence; nous pensions à
la neige qui couvrait toute la terre. Quand l' hom-
me revint, il affirma qu' il n' avait rien vu. Le
chien hurlait toujours, sams cesse, et sa voix ne
changeait point de place.


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

みんな黙って待っていました.私たちは大地を覆う
この雪のことに思いを巡らせていました.使用人の男
は戻ってきて、何も見なかったと断言した.犬は相変
わらず、ひっきりなしに遠吠えをしていた.しかしそ
の鳴き声の場所が変わることがなかったのです.
 
  

−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

affirma:(単純過去3単) < affirmer (他) 主張する、
断言する;❷ 明確にする

1257番:ペルル嬢(74)


ペルル嬢(74)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【74】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Il n' avait pas fini de parler, que la cloche
du jardin tinta. Elle avait un gros son de
cloche d' église qui faisait penser aux morts.
Tout le monde en frissonna. Mon père appela
le domestique et lui dit d' aller voir.


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

兄が言い終わらない間に、庭の鐘が鳴りました.鐘は
教会が鳴らすような大きな音で、告別の鐘を思わせるよ
うな響きだった.みんなはその音に身震いしました.父
は使用人に見てくるように言いつけました.
 
  

−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

cloche:(f) 鐘、釣鐘
son:(m) 音、音響;
tinta:(単純過去3単) < tinter (自) [鐘が]鳴る
frissonna:(単純過去3単) < frissonner (自)
   [体が]震える、身震いする;
   frissonner de froid / 寒さで震える
   frissonner de fièvre / 熱で震える
en frissonner / それで震える;(en=大きな鐘の音で)
   en は<de + 名詞>を受ける特殊な代名詞です.
   文法上、[中性代名詞]と呼ばれています.
appela:[アプラ](3単単純過去) < appeler (他)
    appeler qn à + 不定詞:(人)に〜するよう求める
domestique:(名詞) 家事使用人、お手伝いさん
aller voir:「見に行く」、ただしここではその報告をして 
   もらうので「見て来る」と訳しました.
「見に行け」と言ったのでは、なかなか帰って
   来ないかも知れないので.

 

1256番:ペルル嬢(73)

 
ペルル嬢(73)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−−【73】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Donc, nous allions fêter les Rois, et nous étions
très gais, très gais ! Tout le monde attendait le
dîner dans le salon, quand mon frère aîné, Jacques,
se mit à dire: ≪ Il y a un chien qui hurle dans
la plaine depuis dix minutes, ça doit être une
pauvre bête perdue. ≫



−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 さて、私たちは公現祭のお祭りしようと陽気な気分だ
った.とても陽気だった.みんなはサロンで食事を待っ
ていた.そのときだった.一番上の兄のジャックがこう
言い始めた.「10分ほど前から野原で犬が吠えているん
だ.可哀そうに捨てられた犬なんだろう.」

  

−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

aîné(e):(形) (子供、兄弟姉妹中で)最年長の
†hurler:[ユルレ](自) (犬、狼が) 唸る、遠吠えをする
ウォ〜ンと鳴く
plaine:(f) 平野、平原
chien perdu:野良犬、捨て犬

1255番:ペルル嬢(72)


ペルル嬢(72)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【72】−−−−−−−−−−−−−−−−−

De tout ce monde- là, nous ne sommes plus que
trois survivants: ma femme, moi et ma bell- sœur
qui habite Marseille. Sacristi, comme ça s' égrène,
une famille ! ça me fait trembler quand j' y pense !
Moi, j' avais quinze ans, puisque j' en ai cinquante-
six.


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 私たちのうち、残っているのはもうたった3人だけに
なった.私の家内と私、それからマルセイユに住んでい
る義理の姉(妹)のサクリスティだ.何てことだか!木の
実のように次々と落ちていくようにいなくなる.家族っ
てそんなものかねえ!それを思うと震えが走るよ.私は
今56歳だから、当時は15歳だったことになる.
 



−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−
略号追加:n=名詞

de tout ce monde-là:そこにいた人たちから
survivant(e):(n) 生き残り、生存者、残存者
bell-sœur:(f) 義理の姉妹、本文ではおそらく
  妻の姉か妹
Sacristi:(間) 畜生!、糞!ちぇっ!
⦅怒り、苛立ち、憤りなどを表わす⦆
s'égrèner:(pr) 次々に落ちていく
puisque:〜だから



1254番:ペルル嬢(71)


ペルル嬢(71)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【71】−−−−−−−−−−−−−−−−−

 Nous demeurions en famille à ce moment- là, et
nombreux, très nombreux: mon père, ma mère, mon
oncle et ma tante, mes deux frères et mes quatre
cousines; c' étaient de jolies fillettes; j'ai épousé la
dernière. .


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 当時私たちは家族で住んでいました.それは多人数で
した.実に多人数でした.私の父、母、叔父、そして叔
母、2人の兄弟と4人の従姉妹がいた;それは綺麗な娘
さんたちだった.私はその末っ子と結婚したのだ.


−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

demeurions:(1複半過去) <demeurer (自) 住む
  demeurer à Paris / パリに住む
  rue などの通り名が来ると、前置詞なして、
  demeurer rue Racine [au] numéro 10.
ラシーヌ街10番地に住む 
en famille:❶家族そろって、一族で; 
     ❷家族だけで、内輪で、家族水入らずで
* 本文のfamille は大家族のこと(famille nombreuse).
大家族は他にgrande famille があるがこれは「大家」
や「名門一族」を意味することが多い.
nombreux(se):(形) 多人数の
cousin(e):[クザン, クジーヌ] いとこ、従兄弟、従姉妹
cousines:(f/pl) 数人の従姉妹
fillette:(f) 少女、小娘、若い娘
épousé:(p.passé) < épouser (他) 〜と結婚する
Il a épousé ma sœur. / 彼は私の姉(妹)と結婚した.


1253番:ペルル嬢(70)


ペルル嬢(70)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【70】−−−−−−−−−−−−−−−−−

On eût dit que le bon Dieu avait empaqueté la
terre pour l' envoyer au grenier des vieux mondes.
Je t' assure que c' était bien triste.


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 神様が大地を梱包して、古い世界の納屋に送り込む
と言ったような為体(ていたらく)だった.しんみり
それはもう、していたよ.



−−−−−−−−−−《語句と文法》−−−−−−−−−−−−−−−−−

empaqueté:(p.passé) < empaqueter (他) 梱包する
くるむ
on eût dit que 〜:さながら〜と言わんばかりだったよ
(条件法過去第2形)
「神様が大地を梱包していた」というのは事実では
  ありません.
   のようだったという仮定を言っていますので条件法
   が使われています.


1252番:ペルル嬢(69)


ペルル嬢(69)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【69】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Tu vois bien les lieux, n' est- ce pas ? Or, cette
année- là, aux Rois, il neigeait depuis une semaine.
On eut dit la fin du monde. Quand nous allions
aux remparts regarder la plaine, ça nous faisait froid
dans l' âme, cet immense pays blanc, tout blanc,
glacé, et qui luisait comme du vernis.


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

場所はいろいろわかったんじゃないか?だろ? さて
その年の公現祭なんだが、1週間前以来雪が降り続いて
いた.世界の終わりかと思いましたよ.私たちは城壁ま
で出て平原を見に行きました.それを見て心底ぞっとし
ました.一面真っ白な銀世界でした.真っ白.氷です.
ニスを塗ったような輝きでした.




−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

or:(接) さて、ところが
On eut dit la fin du monde:(前過去)ただし本文中での
   前過去は不自然.eut はeût のことだと思います.
On eût dit la fin du monde:(条件法過去第2形)
   世界の終わりかと思いましたよ. 
rempart:(m) 城壁、城砦
luisait:(半過去3単) < luire (自) 光る、輝く
   conduire と同じ活用だが、単純過去はない.
   さらに過去分詞lui も性数変化しない.
vernis:(m) ニス、釉薬



−−−−−−−−−−−≪質問コーナー≫−−−−−−−−−−−−−−−−−

学習者A:先生、質問があります.
私   :先生じゃないけど、同じ学習者のよしみ、
お聞きします.
学習者A:過去の時点が記されると、半過去は使えない
と聞きました.depuis une semaine は1時点
でしょ? 
私   :『詳解フランス文法』(駿河台出版)によると
半過去には過去の基準点は1点与えられる
とあります.そして「開始点・終了点の双方
が同時に示されない」こととありますから
depuis une semaineという開始点1点は与えて
もらえます.それから中間の1時点ももらえ
ます.Quand ~, のあとの主節に半過去OK.
ただしこの本では触れられていませんが、終
了点があれば、半過去は使えないと思います.
開始点があっても、なくても終了点があれば
使用不可!
「いついつまで〜していた」という表現では
半過去使用禁止!だって、未完了過去とも
いいますから.
学習者A:蜜柑量下向かあ.
私   :何?


1251番:ペルル嬢(68)


ペルル嬢(68)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



.−−−−−−−−−−−【68】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Une route passait devant cette porte qui était munie
d' une grosse cloche, car les paysans, pour éviter le
grand tour, apportaient par là leurs provisions.


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

街道が大きな鐘が付けられたその門の前を通っていた.
百姓たちは遠回りが嫌で、自分たちの食糧をそこを通
って運んでいたのだよ.


−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

munie:(p.passé/f) < muni (p.passé) < munir (他)
   (de を) 備えさせる、持たせる;
   munir une salle d''un climatiseur /
   広間にエアコンを取り付ける

1250番:ペルル嬢(67)


ペルル嬢(67)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−−【67】−−−−−−−−−−−−−−−−−
   
 Il y avait aussi une porte de sortie de ce jardin
sur la campagne, au bout d' un escalier secret qui
descendait dans l' épaisseur des murs, comme on en
trouve dans les romans.


−−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

この庭の出口の門扉もあって、そこから野原に出られ
た.それは小説なんかに出てくるような隠し階段が城壁
の厚みの中にあって、ずっと最後まで降りて行った先だ.
 


−−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

épaisseur:(f) 厚さ、厚み、深み、
mur:(m) 城壁
on en trouve dans les romans:en (それについては)小説に
            見られるような




−−−−−−−−−−−−≪解釈≫−−−−−−−−−−−−−−−−−−

sur la campagne, au bout d'un escalier ~
このふたつの前置詞句は、同格の言いかえです.
「階段の先、そこは野原に面していた」



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