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2024年10月08日

1305番:ペルル嬢(122)


ペルル嬢(122)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−【122】−−−−−−−−−−−−−−
   
 Moi, je restais en face de lui, adossé à
la muraille, les mains appuyées sur ma queue
de billard inutile.


−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

私は壁にもたれたまま、両手をもう使っていない玉突
き棒に載せて、彼のほうに向いたままだった.
 

−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

restais:(3単半過去)
adossé:(p.passé) < adosser (他) [à, contre に]
   もたせかける、(を)背にして置く、
muraille:(f) 壁、城壁、外壁
appuyées:(p.passé/f/pl) < appuyer (他) []
queue:(f) ❶ (動物の)尾、尻尾、❷柄、軸、
     ❸(ビリヤードの)キュー.
billard:[ビヤール](m) 玉突き、ビリヤード 
inutile:[イニュティル](形) 役に立たない、無用の、無駄な



−−−−−−−−−≪情景描写≫−−−−−−−−−−−−−−−
  
「私は壁にもたれたまま、両手をもう使っていない玉
突き棒に載せて、彼のほうを向いたままだった」

たしかに本文を訳すとこうでした.しかしチェックの
ため、翻訳本を見るとちょっと違う.どういうことか
と言いますと、シャンタル氏は玉突き台に足をぶらぶ
らさせて座っている.そしてその彼と面と向き合うな
ら、聞き手の私は立っているしかありません.椅子と
いう言葉が出てこなかったためです.ですからここは
翻訳文ではこんな風になっております:

「私は壁にもたれたまま、両手をもう使っていない玉
突き棒に載せて、彼のほうに面と向かって立ったまま
だった」

言葉だけに責任をもつのが通訳.情景にまで責任をもつ
のが翻訳なのかも知れません.来世は翻訳家を目指して
今からお勉強しましょう.


1304番:ペルル嬢(121)


ペルル嬢(121)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−【121】−−−−−−−−−−−−−−
   
Un peu rouge la voix sourde, il parlait pour
lui maintenant parti dans ses souvenirs, allant
doucement, à travers les choses anciennes et
les vieux événements qui se réveillaient dans
sa pensée, comme on va, en se promenant,
dans les vieux jardins de famille où l'on fut
élevé, et où chaque arbre, chaque chemin,
chaque plante, les houx pointus, les lauriers
qui sentent bon, les ifs, dont la graine
rouge et grasse s'écrase entre les doigts, font
surgir, à chaque pas, un petit fait de notre
vie passée, un de ces petits faits insignifiants
et délicieux qui forment le fond même, la
trame de l'existemce .



−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

いくぶん顔を赤らめ、口ごもった声になって、思い出か
ら浮かび上がったものを今や自分のためのように話した.
思い出は思考の中で、甘く漂い古き事柄を渡り進み、蘇
る懐かしい事件を駆け巡った.それは自分が育った古い
懐かしい家の庭を散歩するかのようだった.それぞれの
樹木が、それぞれの小道が、それぞれの植物が、尖った
ヒイラギが、香りのいい月桂樹が、その赤く豊かな種子
が指の中ではじけるイチイが、それらが一歩一歩と歩む
ごとに過ぎし日々の些細な出来事ですら現れだすのだ.
心の奥底さえ筋書きに形成する、取るに足らない出来事、
甘い、そして小さな様々な出来事を蘇らすのである. 



−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

un peu rouge:いくぶん顔を赤らめ
sourd(e):[スール, スルド](形) ❶耳が遠い、耳が聞こえない
❷(音が)こもった、にぶい;
bruit sourd / にぶい音、 
voix sourde / 内にこもった声
parti dans ses souvenirs:自分の思い出から出た(話)
allant doucement:甘く、ほんのりと
à travers les choses anciennes:昔のことが行き交う
les vieux événements qui se réveillaient:
   蘇る懐かしい出来事の数々
pensée:(f) 考え、思い、心
dans sa pensée:想念の中で
comme on va, en se promenant:散歩に出かけるように
dans les vieux jardins de famille:懐かしいわが家の庭で
   où l'on fut éléve:そこで自分が育った
et où chaque arbre, chaque chemin:どの樹木も、どの道も
chaque plante:どの植物も
†houx:[ウー](m) ヒイラギ、モチノキ
pointu(e):[ポワンテュ](形) とがった、鋭い、
laurier:[ロリエ](m) ❶ゲッケイジュ(月桂樹)、
   ❷月桂樹の葉
sentent bon:(直現3複) よい香りがする、
if:[イフ](m)⦅植物⦆ イチイ
graine:[グレーヌ](f) 種、種子
gras(se):(形) ❶脂肪質の、脂肪分の多い、❷太った、
   ❸豊富な、肥沃な、豊かな、❹肉太の、ぶ厚い;
écraser:(他) ❶押しつぶす、踏みつぶす、粉々にする、
   ❷(車が)轢く、❸圧倒する、
s'écrase:(pr) ❶つぶれる、粉々になる、❷(飛行機が)
   墜落する、❸押し合う;
   ❹[話]おとなしくしている
surgir:[スュルジール](自) (ふいに)立ち現れる、浮かび出る;
   Un camion surgit du brouillard.
トラックが霧の中から現れた.
vie passée:過ぎ去りし日々
insignifiant(e):[アンスィニフィヤン, ト] (形) 下らない、
   取るに足らない
fait:(m) 出来事、起こったこと、
délicieux:(形) 非常に気もちのよい、えも言われぬ、
   ごく快適な、魅力的な、 
forment:(直現3複) < former (他) 形作る
trame:[トラム](f) 横糸、入り組んだ事件の背景、筋書き
existence:(f) ❶存在、❷生活、生き方.


1303番:ペルル嬢(120)


ペルル嬢(120)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant

−−−−−−−−−IV−−−−−−−−−

−−−−−−−−【120】−−−−−−−−−−−−−−
   
M. Chantal se tut. Il été assis sur le
billard, les pieds ballants, et il maniait une
boule de la main gauche, tandis que de la
droite il tripotait un linge qui servait à ef-
facer les points sur le tableau d'ardoise et
que nous appelions ≪ le linge à craie ≫.



−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

 シャンタル氏は黙った.彼は玉突き台の上に座り両足
をぶらぶらさせていた.そして左手で球のひとつと戯れ
ながら右手で布をさわっていた.その布は石盤上の得点
を消すためのものだったが、私たちはそれを黒板拭きと
呼んでいました.


−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

se tut:(3単単純過去) < se tair (pr) 黙る、 
Il été assis sur le
billard:[ビヤール](m) ❶ビリヤード、玉突き;
   ❷玉突き台
ballant(e):(形) 揺れて、振れている
maniait:(半過去3単) < manier (他) 手で扱う、
   操作する;navire facile à manier / 操縦の簡単な船
boule:[ブル](f) 球、玉、球形のもの
tandis que:(接続句) ❶【同時】〜している間、
   〜しているときに、
tripotait:(半過去3単) < tripoter (他) さわる、
   いじりまわす、
   tripoter sa barbe / ひげをしょっちゅうさわる
linge:[ラーンジュ](m) ❶家庭用木綿製品、リネン製品;
   ❷洗濯物、、
servait à:(3単半過去) < servir à ~: 〜に役立つ
servir:(自/他) (に)役に立つ
effacer:(他) 消す
point:(m) 得点、点数
tableau:(m) 黒板
ardoise:(f) 石盤石、スレート、粘板岩、
appelions:(1複半過去) < appel
craie:[クレ](f) 白墨、チョーク
linge à craie:(m) 「黒板拭き」と訳しておきますが
黒板拭きに相当するフランス語は éponge です.



1302番:ペルル嬢(119)


ペルル嬢(119)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−【119】−−−−−−−−−−−−−−−−
   
Ma mère elle-même fut tellement émue
par la reconnaissance passionée et le
dévouement un peu craintif de cette mignonne
et tendre créature, qu'elle se mit à l'appeler:
 ≪ Ma fille. ≫ Parfois quand la petite avait
fait quelque chose de bon, de délicat, ma
mère relevait ses lunettes sur son front,
ce qui indiquait toujours une émotion chez
elle et elle répétait: ≪ Mais c'est une perle,
une vraie perle, cette enfant ! ≫ − Ce nom
en resta à la petite Claire qui devint et
demeura pour nous Mlle Perle.


−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

母でさえ、この可愛くてやさしい子の心からの感謝や
少しばかりおどおどした献身的な姿には、心を動かされ
て「わが娘や」と呼び始めたほどでした.この子が何か
いいことや素晴らしいことをしたときにはときどき、母
は顔の眼鏡を上げていました.それは彼女が感動したと
きにを示すいつもの仕草でした.そして母はくり返し言
うのでした.「この子はまるで真珠だわ.本物の真珠よ.
この子は!」−−この呼び名がクレールにはずっと残る
ことになって、私たちの間で、「ペルルお嬢さん」の名前
になって、そのまま残ったのです.

 

−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

ému(e):(形) 心を動かされた、感動した、
reconnaisdsance:(f) 感謝、
passioné(e):(形) 情熱的な、熱中した、熱列な;
reconnaisdsance passionée:心からの感謝
dévouement:[デヴーマン](m) 献身、忠誠、犠牲的精神
craintif(ve):(形) 臆病な、おどおどした、
mignon, onne:(形) (小さくて)かわいい、すてきな
mignon(ne):(n) 可愛い子、
tendre:(形) やさしい、愛情深い、
créature:[クレアチュール](f) 創造物、人間
se mit à + 不定詞:(3単単純過去)
   < se mettre à + 不定詞:〜し始める、
   に着手する、とりかかる
appeler:(他) 呼ぶ
parfois:(副) ときには、ときどき
quelque chose de délicat:優美な振舞い
relevait:(3単半過去) < relever (他) 立て直す、
   起こす、高くする
lunette:(f)[複数形で用いる] 眼鏡
indiquait:(3単半過去) < indiquer (他) 指し示す 
ce qui indiquait:示していたこと
émotion:[エモスィオン](f) 気持ちの高ぶり、感動
répétait:(3単半過去) < répéter (他) 繰り返す
perle:[ペルル](f) 真珠
devint:(3単単純過去) < devenir (自) 〜になる
demeura:(3単単純過去) < demeurer (自)
   とどまる、残る


−−−−−−−−−−−≪追記≫−−−−−−−−−−−−−−−−

学習後に訳本(岩波文庫)をチェックしたところ、
「真珠」には「申し分ない人のこと」という説明が
本文中カッコ内に載っておりました.


1301番:ペルル嬢(118)

   
ペルル嬢(118)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−【118】−−−−−−−−−−−−−−−−
   
Claire comprit cette situation avec une
singulière intelligence, avec un instinct sur-
prenant; et elle sut prendre et garder la
place qui lui était laissée, avec tant de tact,
de grâce et de gentillesse, qu'elle touchait
mon père à le faire plerurer.



−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

クレールはこの立場を不思議なほどの知能と驚くべ
き本能で理解したのでした.そしてこの子は自分が求
められている本分を理解し守ったのですが、それも実
に如才なく、エレガントに、心優しく振舞うので、父
の心を動かし、涙させたほどだった.

 

−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

Claire:(ペルルさんの苗字) クレール
  ペルルさんは養女になったのだから本来はシャンタ
  ル家の苗字を名乗るはずですが、格式にこだわるシ
  ャンタル家によってクレールという苗字がつけられ、
  マリー・シモーヌ・クレールと命名された.  
comprit:(3単単純過去) < comprendre (他)
comprendre:(他) わかる、理解する 
singulier(ière):(形) 風変わりな、奇抜な、かわった、
  一風変った情熱的、
intelligence:[アンテリジャンス](f) 知能、聡明さ、頭のよさ
surprenant(e):(形) 意外な、驚くべき
tact:[タクト](m) 機転、敏感、如才なさ、
avoir du tact / 機転が利く、如才がない、
grâce:(f) 好意、恩恵、(神の)恵み、天賦の才能、
   感謝、優雅、優雅さ、しとやかさ
gentillesse:[ジャンティエス](f) 親切、心遣い、親切な言動、
touchait:(3単半過去) < toucher (他) 感動させる、
〜の心に触れる[衝撃を与える]
à le faire plerurer:彼をして涙させるまでに

1300番:ペルル嬢(117)


ペルル嬢(117)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−【117】−−−−−−−−−−−−−−−−
   
Aussi, dès que l'enfant put comprendre,
elle lui fit connaître son histoire et fit
pénétrer tout doucement, même tendrement
dans l'esprit de la petite, qu'elle était pour
les Chantal une fille adoptive, recueillie,
mais en somme une étrangère.


−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 だもので、この子が理解できる年齢になるとすぐ、
母は、この子の生い立ちを話して聞かせ、お前はシ
ャンタル家にとって養女であること、要するによそ
者なのだと、やさしく傷つけぬよう気を使いながら
精髄に教え込んだ.
 

−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

aussi:ここでは(副)ではなく(接) [文頭位置]
   (接) だから、それ故に
dès que:〜するとすぐ
l'enfant:この子(ペルルさん)
put comprendre:(3単単純過去) 副詞節の中は基本的に
   主節の時制と一致させる.,
pénétrer:(自・他) 入り込む、浸透する、
   入り込ませる、浸透させる
elle lui fit connaître son histoire:母はペルルさんに生い立
   ちを知らしめた.(faire + 不定詞=使役)
et fit pénétrer tout dans l'esprit:そしてすっかり骨身に
いきわたらせた.
tendrement:やさしく、思いやりをもって、
   愛情を込めて 
esprit:(m) 精神、精髄、
adoptif(ve):(形) 養子縁組の
recueilli(e):[ルクーィ](形) 瞑想にふけった、
   思いをこらした、内省的な
en somme:つまるところ、結局、所詮は
étranger(ère):(形) 他人、よそ者



1299番:ペルル嬢(116)


ペルル嬢(116)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−【116】−−−−−−−−−−−−−−−−
   
Ma mère était une femme d'ordre et de
hiérarchie. Elle consentait à traiter la petite
Claire comme ses propres fils, mais elle te-
nait cependant à ce que la distance qui
nous séparait fût bien marquée, et la situa-
tion bien établie.


−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

母は几帳面なひとで、格式を重んじていました.母
はこのちいさなクレールを本来の娘たちと同じ扱いを
することに同意してはいましたが、それでも私たちと
の違いを明確に線引きする距離感にこだわり、立場を
明確にしていた.
 

−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

ordre:(f) 几帳面;avoir de l'ordre / 几帳面である
   homme d'ordre / 几帳面な人
hiérarchie:[イエラルシ](f) ❶階級、等級、序列、
    ❷格付け、格式
consentait:(3単半過去)
   < consentir (間他)[à に]同意する
traiter:(他) (人を)(〜として、のように)待遇する
propre:(形) 本来の 
tenait:(3単半過去) < tenir (ここでは間他)
tenir à ~:〜にこだわる、固執している、執着している
ce que la distance qui nous séparait fût bien marquée:
私たちと隔てる距離感の線引きをすること
situation bien établie:立場がしっかり確立されていること



1298番:ペルル嬢(115)


ペルル嬢(115)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−【115】−−−−−−−−−−−−−−−−
   
Donc l'enfant fut adoptée, et élevée dans
la famille. Elle grandit; des années passèrent.
Elle était gentille, douce, obéissante. Tout le
mondee l'aimait et on l'aurait abominablement
gâtée si ma mère ne l'eût empêché.


−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 そういうわけでこの子はシャンタル家の養女となって、
育てられました.彼女は成長しました;年月が流れまし
た.彼女は親切で、やさしく、素直に育ちました.誰も
が彼女を可愛がりました.もしも母がこの子のわがまま
を止めていなければ、甘やかされて育っていたことでし
ょう.
 

−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

fut adoptée:(受け身、3単女単純過去) 養女になりました
  < adopter (他) 養女にする 
fut élevée:(受け身、3単女単純過去) 育てられました、
大きくなりました.
  < élever (他) 育てる;
fut:(3単単純過去) < être 
grandit:(3単単純過去) < grandir (自) 大きくなる
成長する
des années passèrent:年月が流れました.
passèrent:(3複単純過去) < passer (自) 通る、過ぎる
(時が) 過ぎ去る
abominablement:(副) ひどく下手に、 
(話) たいへん、とても
gâté(e):(形)甘やかされた、わがままな
  < gâter (他) 甘やかす
gâter: (他) 甘やかす
eût empêché:(接続法大過去)
empêché:(p.passé) < empêcer (他) 妨げる、
  邪魔をする、阻止する
si ma mère ne l'eût empêché:(接続法大過去)
   これは条件法第2形で「過去の仮定」 
もしも母が(彼女のわがままを)
阻止しなかったら
l'eût のl' はla (ペルルさん)ではなく
「甘やかされること」を受ける中性代名詞


−−−−−−−−−−≪gâter ≫−−−−−−−−−−−−−−

「甘やかす」のフランス語はgâter で、英語のspoil に
相当します.なので、「損なう」「台無しにする」という
意味も持ちますが、逆に「過分に喜ばす」という使い方
もするようです.過度の贈り物で相手を喜ばすときに用
います:
  C'est pour moi, ces fleurs ? Vraiment, vous me gâtez.
(この花を私に? 
   こんなにしてくださって本当に恐縮です.)





−−−−−−−−−−−≪文法≫−−−−−−−−−−−−−−−
 
過去における仮定は基本的には、条件節が
「Si + 直説法大過去」、
そして帰結節に「条件法過去」
を用いて、
Si j'avais eu de l'argent, j'aurais achré ce dictionnaire.
スィジャヴェズュ ドゥラルジャン ジョーレ ザシュテ スディクスィヨネール
もしも(あのときに)お金があったらこの字引を
買ったのに.

なのですが、接続法大過去が、条件法第2形として
代用されます.代用パターンは3通りあります.

基本形(Si + 直説法大過去、条件法過去)

第2形(パターン1)
(接・大過去=条・過去2形)、(条・過去)
S'il l'eût pu, il serait revenu.
もしできたら、彼は戻って来たろうに.

第2形(パターン2)
(直・大過去)、(接・大過去=条・過去2形)
S'il l'avait pu, il fût revenu.
もしできたら、彼は戻って来たろうに.

第2形(パターン3)
(接・大過去=条・過去2形)、(接・大過去=条・過去2形)
S'il l'eût pu, il fût revenu.
もしできたら、彼は戻って来たろうに.

というわけで、英語に比べてかなり自由のようです.

1297番:ペルル嬢(114)


ペルル嬢(114)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−【114】−−−−−−−−−−−−−−−−
   
On se remit à table et le gâteau fut partagé.
J'étais roi; et je pris pour reine Mlle Perle,
comme vous, tout à l'heure. Elle ne se douta
guère, ce jour-là, de l'honneur qu'on lui faisait.


−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 私たちは再び食卓に着いて、ケーキを切り分けまし
た.私が王様だった.そして私はペルル嬢を女王様に
選んだのです.さっきの君のようにね.まあ、その日
の彼女には、自分にそんな光栄が与えられたことなど、
ほとんど分かっていなかっただろうがね.


−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

se remit à table:(3単単純過去) また食事をし始めた
se remettre à + qc:また〜を始める
se remettre à + 不定詞:また〜し始める
ne ~ guère:ほとんど〜ない、あまり〜ない
se douta:(3単単純過去) < se douter (pr) わかる
douta de:(3単単純過去) < douter de (間他) 疑う
honneur:(m) 名誉、栄誉、光栄

1296番:ペルル嬢(113)


ペルル嬢(113)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−【113】−−−−−−−−−−−−−−−−
   
Je vous assure que ce fut une drôle de
rentrée dans la salle à manger avec cette
mioche réveillée qui regardait autour d'elle
ces gens et ces lumières, de ses yeux
vagues, bleus et troubles.


−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 この子を抱き抱えて食堂に入ったのだが、それ
が何とも滑稽な有様だったことは請け合うよ.そ
の子は目を覚まし、曇っておぼろげな青い目で周
囲の大人たちや照明などを見回していた.


−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

assure:(直現1単) < assurer (他) 断言する、保証する
Je vous assure que ~:はっきり〜だと言っておこう
drôle:(形) おかしい、滑稽な
un(e) drôle de ~:❶おかしな〜、奇妙な〜、
   ❷たいした、すごい;
C'est un drôle de type. / あれは妙なやつだ.
ce fut une drôle de rentrée / 実に滑稽な帰還だった.
rentrée:(f) 戻って来ること;
lumière:(f) 光、明り、照明
yeux:[ィユー](pl/m) 両目、les yeux はリエゾン[レズュー]
   単数形は < œil (m)
Il a les yeux bleus. / 彼は青い目をしている.
Il a des yeux bleus. / 彼は青い目をしている.
どちらもOK.
vague:(形) ❶漠然とした、曖昧な、かすかな;
   ❷(眼差しなどが)うつろな、ぼんやりした
trouble:(形) 濁った、曇った


−−−−−−−−−−−≪文法≫−−−−−−−−−−−−−−−−

Elle regardait autour d'elle ces gens:
彼女は自分の回りの人たちを見ていた.

和訳問題なら、もちろんこれが模範答案で、
そのように解答していただきたいのですが、
自由に訳してよいときは、情景を思い浮かべて
訳します.そうしますとこの子が不思議そうに
キョロキョロ周囲を見回していた情景が浮かび
ませんか?そのように訳してみました.



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