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2024年02月07日

1011番:ボヴァリー夫人(14)


Gustave Flabert
Madam Bovary
ボヴァリー夫人

ボヴァリー夫人(14)


       
−−−−−−−−−−−【14】−−−−−−−−−−−−−−−−−

−−Levez-vous, reprit le professeur, et
dites-moi votre nom.
 Le nouveau articula, d'une voix bredouillante,
un nom inintelligible.
 −−Répétez !
Le même bredouillement de syllabes se fit
entendre, couvert par les huées de la classe.
−−Plus haut ! cria le maître, plus haut !


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

「立ちなさい.」先生は言葉を続けた.「そして君の名
前を言うのです.」
 新入りは、音を区切って発音はしたが、早口で口ごも
って聞き取れない名前だった.
 「もう一度!」
同じように音節毎に切った早口が出たものの、クラスの
みんなの罵声にかき消されてしまった.
 「もっと大きな声で!」、先生は叫びました.「もっと
大きな声で!」」



−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

articula:(単純過去3単)
   < articuler (他) はっきり発音する
   区切って発音する.
bredouillant(e):[ブルドゥイヤン(ト)] 早口で口ごもる;
   < bredouiller [ブルドゥイユ](他) 早口で口ごもる
inintelligible:[イナンテリジブル](形) 意味のつかめない、
   理解できない
   [発音注意]ble のところ「ブル」と読みをふりま
   したがbの次には母音が来ていません.続くle
   もeは無音なのでl は「ウ」に近い音で、bleは
   「ボゥ」に聞こえます.[イナンテリジボゥ]でも大丈夫
   です.  
Répétez !:(2敬単命令) < répéter (他) 繰り返す
   もう一度言う 
bredouillement:(m) 早口で分かりにくい話し方、
   早口で分かりにくい言葉
syllabe:[スィラブ](f) 音節、シラブル
se fit:(単純過去3単) < se faire 〜させる
ここでは「新入りが言葉を聞こえさせる」
ただし主語は「早口」早口がそれ自身を聞かせる 
entendre:(自/他) 聞く、わかる、聞こえる
couvert:(p.passé) couvrir (他) 覆う、包む、[de で]
†huées:[ユエ](f)[多くは複数形で]
ののしり声、やじ
haut:(副) 高く、大声で、声高に 
maître, maîtresse:(n) 先生、教師



1010番:ナナ(4)(エミール・ゾラ)


Émile Zola
−Nana−−

ナナ(4)



−−−−−−−−−−【4】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Par moments, une ouvreuse se montrait, affairée,
des coupons à la main, poussant, devant elle
un monsieur et une dame qui s'asseyaient,
l'homme en habit, la femme mince et cambrée,
promenant un lent regard.


..−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−

時折、案内嬢が切符を手にもって現れた.燕尾服の紳士
と淑女のカップルを忙しそうに席まで案内しては消えて
いった.女はやせていて、反りかえるようにして、場内
をゆっくり見回してから座った.


..−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−

par moment:時々、時折
ouvreuse:(f) (映画館などの)案内嬢
se montrait:(3単半過去) < se montrer (pr) 姿を現す
affairé(e):(形) 忙しい、忙しそうな;
  avoir l'air affairé / 忙しそうな様子をしている
coupon:(m) 切符
~ à la main:〜を手に持って
poussant:(p/pré) < pousser (他)
pousser qn à ~ / 人を〜まで案内する
habit:(m) 礼服、燕尾服
l'homme en habit:夜会服を着た紳士
mince:(形) 薄い、ほっそりした、
cambré(e):(形) 反った、反らした
promenant :(視線を)移動させながら
lent:(形) 遅い、のろい
regard:(m) 視線

1009番:「湖畔」(29)(シュトルム作)


湖畔(29)
IMMENSEE(29)


−−−−−−−−−【29】−−−−−−−−−−−−−−−

„ Löwen ? Ob es Löwen gibt ! In Indien;
da spannen die Götzenpriester sie vor den Wa-
gen und fahren mit ihnen durch die Wüste.
Wenn ich groß bin, will ich einmal selber hin.
Da ist es viel tausendmal schöner als hier bei
uns; da gibt es gar keinen Winter. Du mußt
auch mit mir. Willst du ? “


−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 「ライオンだって?いるかどうかって?いるよ、イン
ドにね;そこじゃ異教の僧侶たちがライオンを車の前に
つけて引いているのさ.そうしてライオンたちと一緒に
砂漠を走るのだ.ぼくが大きくなったら、一度、自分で
そこへ行ってみるんだ.そこは僕たちの国よりもずっと
ずっと美しいのさ.そこには冬というものがないんだ.
是非、君もぼくと一緒に来たまえよ.いいだろう?」



−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−

spannen:
die Götzenpriester:辞書不掲載語→ Götzen + priester
der Götze:(die Götzen) 偶像、偶像崇拝
der Priester:(同尾式) 聖職者、祭司、僧侶、神官
die Wüste:(Wüsten) 砂漠
selber:(副) 自分で、自分自身で、
hin:そこへ(話者から遠ざかる運動)
tausendmal:(副) 1000回、1000倍、しょっちゅう、
  しばしば
bei uns:als のあとに置かれているので、es (インド)
  との比較対象になります.ここでは「私たちの国」
mußt:(話法の助動詞) (活用は2単現)<müssen
müssen:〜しなければならない;
  (会話)[強い希望、勧め、招待] 是非〜しなさいよ


2024年02月04日

1008番:ロンドリ姉妹(24)


ロンドリ姉妹(24)


−−−−−−−−−−【24】−−−−−−−−−−−−−−−

c' est en cherchant l' inconnu qu' on s' aperçoit
bien comme tout est médiocre et vite fini;
c' est en parcourant la terre qu' on voit bien
comme elle est petite et sans cesse à peu
près pareille.


.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

未知のものを探ることで、すべてものがありふれたもの
で、すぐに終わってしまうものだということが身にしみ
てわかるのである.世界をあちこち歩き回ることで、人
は如何に世界が狭く、そして絶え間なく、それらがほと
んどかわり映えのないものだということを見て取ること
ができるのだ.



...−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−−

inconnu:(m) 未知のもの
s'aperçoit:(直現3単) < s'apercevoir
s'apercevoir de qc [que + 直]
   (主文が否定・疑問のときは時に[que + 接])
〜に気づく
médiocre:[メディオークル](形) 平凡な、
vite fini:移ろいやすい
parcourant:(p.pré) < parcourir (他) 〜を歩き回る
   ❶走り回る、走破する、踏破する、遍歴する
❷ざっと目を通す
pareille:(形) 同様の、よく似た
à peu près:およそ、ほとんど


1007番:ロックの娘(22)


ロックの娘(22)
La petite Roque


−−−−−−−−−【22】−−−−−−−−−−−−−−
   
Sous ce mouchoir on trouverait peut-être une
preuve capitale; c'était une pièce à conviction,
enfin, qui pouvait perdre de sa valeur, touchée
par une main maladroite.
 

.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

このハンカチの下に、もしかしたら重要な証拠となるも
のがあるかもしれない.これは証拠物件だ.下手な手で
触りでもしたら、証拠価値を損ねかねないぞ.



.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−

mouchoir:(m) ハンカチ
trouverait:(条件法) 〜があるはずだが...
    [条件=ハンカチをめくることができれば]
preuve:[プルーヴ](f) 証拠、あかし、しるし
capital (capitale)(男複capitaux):(形) 重要な、最重要の
   主要な、もっとも大切な 
c'était une pièce à conviction:自由間接話法、自由と言っ
   ても一応間接話法なので時制一致して過去形です.
   メデリックの地の言葉は:
   C'est une pièce à conviction. / これは証拠物件だ.
pièce à conviction:(刑事事件の)証拠物件
enfin:(副) ついに、とうとう
perdre:(他) 失う、(価値を)損なう
valeur:(f) 価値、値打ち
touchée:(p.passé/f) 触られると
    < toucher (他) 〜に触る
maladroit(e):(形) 不器用な、下手な


2024年02月03日

1006番:アルルの女(16)

アルルの女(16)
L'ARLÉSIENNE
アルルの女



−−−−−−−−−−−【16】−−−−−−−−−−−−−−−−−

L' homme répond:
−−Merci ! J' ai plus de chagrin que de soif.
Et il s' en va.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−
 
その男は答えました。
−−ありがとう !  だけど、私は悲しくて、喉を
  潤すどころではありません。
男は立ち去りました。



−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−
         
chagrin (m) @悲しみ、苦痛   A悩み、心配 
avoir du chagrin 悲しむ
plus de + 無冠詞名詞 より多くの        
s'en va < s'en aller 立ち去る



−−−−−−−−−−−≪解説≫−−−−−−−−−−−−−−−−−

l'homme répond  は現在形になっています。
il s'en va も現在形に置かれています。話の筋からする
と過去形のはずなので、
l'homme répondはl'homme répondut.
il s'en va は Il s'en est allé. とか、Il s'est en allé.
あるいは単純過去で Il s'en alla. などにするところ.
しかし物語は、四角四面に全部過去形でつづってし
まうと、単調になって、読みづらくなります.とこ
ろどころ、薬味を効かすように、現在形にして読者
と臨場体験するように描かれます。ごはんに添える
お新香みたいに.過去形の羅列に現在形を混ぜます.

尚、この手法の現在形は、このあとも、引き続き使われています。
しばし、物語の臨場感をお楽しみください。



1005番:ボヴァリー夫人(13)


Gustave Flabert
Madam Bovary
ボヴァリー夫人

ボヴァリー夫人(13)


       
−−−−−−−−−−−【13】−−−−−−−−−−−−−−−−−

−−Débarrassez-vous donc de votre casque, dit
le professeur, qui était un homme d'esprit.
 Il y eut un rire éclatant des écoliers qui décon-
tenança le pauvre garçon, si bien qu'il ne savait s'il
fallait garder sa casquette à la main, la laisser par
terre ou la mettre sur sa tête. Il se rassit et la
posa sur ses genoux.



−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 「君、ヘルメットは今使いませんから片づけて.」機
知に富んだ先生がいいました.生徒たちから大爆笑をく
らったことで、哀れにも新入生は激しく狼狽してしまっ
ていたので、帽子を手に持っているべきなのか、床に落
としておくのか、それとも頭にかぶっておくのか、さっ
ぱりわからなかった.彼は硬直して、それを膝に載せた.



−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

débarrasser:(他) かたづける、邪魔な物を取除く
casque:(m) ヘルメット、。兜
esprit:(m) ❶精神、心;❷知性、思考;
  ❸才気、機知、エスプリ;❹〜な精神の持ち主
un homme d'esprit:エスプリに富んだ人、才人、
éclatant:(p.pré) < éclater (他) 爆発する、破裂する
écolier,(ère):(n) 小学生、ここでは「生徒」;
「生徒」の一般的な語はélève です.
   なぜécolierという語を用いたのかは不明ですが、
   この本が出た1857年当時では、école に通う者は
   écolier と呼ばれたのかもしれません,. 
décontenança: [デコントナンサ](3単単純過去)
   < décontenancer [デコントナンセ] (他) 狼狽させる
   Ma question l'a décontenancé. / 私の質問に彼は狼狽した.
fallait:(3単半過去)(全時称3単のみ)
se rassit:(3単単純過去)
   < se rassir (pr) (パンなどが)固くなる

2024年02月02日

1004番:ナナ(3)(エミール・ゾラ)

Émile Zola
−Nana−

ナナ(3)



−−−−−−−−−−【3】−−−−−−−−−−−−−−−−−

En haut seulement, à la troisième galerie, autour
de la rotonde du plafond où des femmes et des
enfants nus prenaient leur volée dans un ciel
verdi par le gaz, des appels et des rires sortaient
d'un brouhaha continu de voix, des têtes coiffées
de bonnets et de casquettes, s'étageaient sous les
larges baies rondes, encadrées d'or.


..−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ただ上のほう、裸婦と裸の子供たちがガス燈で緑に照ら
された空中を飛ぶ絵が描かれた丸天井の周囲、そこに4
階桟敷があるのだが、そこでは叫び声や笑い声が、継続
するざわめき声の中から飛び出していた.ボンネットや
ハンチングをかぶった頭の数々が丸い大きな金の縁飾り
のある出入口から下方向に段状に並んでいた.



..−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−

seulement:(副) ...だけ、ただ...
rotonde:(f) 丸屋根の建物
plafond:(m) 天井
volée:(f) ❶飛ぶこと、鳥の一群、❷一斉射撃、連打
gaz:[ガズ](m) ❶気体、ガス;❷ガス燈
verdi:(形、p.passé) 緑色の < verdir (自) 緑色にする
appel:[アペル](m) 叫ぶこと、叫び声
rire:(m) 笑い
sortaient:(3複半過去) <sortir (自) [de から]外へ出る
brouhaha:[ブルアア](m) [擬音] どよめき、騒音
    がやがやいう声
continu(e):(形) 連続した、切れ目のない、
    絶え間のない、
voix:(f) 声、音声
tête:(f) (人の)頭
coiffées:(p.passdé/f/pl) [de をかぶった]
   < coiffer (他) [de を]かぶらせる
bonnet:[ボネ](m) 縁なし帽、ボンネット
coiffées de bonnets:縁なし帽をかぶった(頭)
casquette:(f) ひさし付き帽子、ハンチング
de casquettes:ハンチンをかぶった頭
s'étageaient:(3複半過去) < s'étager (pr) 段状に並ぶ、
   段状に重なる
baie:[ベ](f) (窓・出入口用の壁の)開口部
rond(e):(形) 丸い
encadrées:(p.passé/f/pl) < encadrer (他)
   ❶(に)枠をつける、額縁に入れる、
   (枠で)囲む;❷ 取囲む
or:(m) 金、。黄金


1003番:「湖畔」(28)(シュトルム作)


湖畔(28)
IMMENSEE(28)



−−−−−−−−−【28】−−−−−−−−−−−−−−−
     
Als er sie aber finster anblickte, fragte sie ihn
zweifelnd: „Warum sagen sie es denn immer ?
Mutter und Tante und auch in der Schule ? “
 „Das weiß ich nicht,“ antwortete er.
„Aber du,“ sagte Elisabeth, „gibt es denn auch
keine Löwen ? “


−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 しかし彼がエリーザベットを険しい目つきでにらんだ
とき、彼女は怪訝な顔で彼に聞いた.「一体どうして、
みんないつもそう言うのかしら?お母さまも、叔母さま
も、それに学校でも?」
 「それは僕にはわからないよ」、ラインハルトが答え
た.
「ねえでも」とエリーザベットは聞くのだった.
 「それじゃ、ライオンってのも本当はいないの?」



−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−

finster:(形) ❶暗い、真っ暗な;❷陰険な、不機嫌な;
   ❸陰鬱な、険しい;
  j⁴ finster ansehen / 人⁴を険しい目つきでにらむ
   j⁴ finster anblicken / 人⁴を険しい目つきでにらむ
anblickte:(3単過去) < an/blickien (他) じっと見る、
   見つめる、凝視する、注視する
zweifelnd:(現在分詞) < zweifeln (自) 疑う、信じない
  [an ...3 を] 迷う、ためらう
du:「君は」が基本ですが、会話の中では「ねえ」という
 感じで相手の注意を引く間投詞の役目ももつ.
   aber du やdu sagt、それに du weißtなどの形が多い.
   Weißt du は意外な話の切り出しで用いる.
   尚、<du + 罵り語>で相手への怒りや挑発.
   Du Idiot ! / このばか者!(du =この)
   bist が要りますよ、なんて言ったらほんとに日独戦争が勃発するかも. 
 


2024年02月01日

1002番:ロンドリ姉妹(23)


ロンドリ姉妹(23)


−−−−−−−−−−【23】−−−−−−−−−−−−−−−

C' est en allant loin qu' on comprend bien comme
tout est proche et court et vide;



.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

遠くの地に行くことによって、人はすべてのところが、
よく似た近しいものであり、欠けているところがあり、
そしてむなしいものだと、たやすく理解できるのだ. 




...−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−−−

en allant loin:遠くへ行くことによって
【様態、原因、手段を表わすジェロンディフ】
proche:(形) 近い、
   proche de ~:〜に近い
court:(形) 短い、足りない、
vide:(形) 虚ろな、からっぽの、


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