ペルル嬢(42)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant
−−−−−−−−−−【42】−−−−−−−−−−−−−−−−−
Élire l' une d' elles au détriment de l' autre me sem-
bla aussi difficile que de choisir entre deux gouttes
d' eau; et puis, la crainte de m' aventurer dans une
histoire où je serais conduit au mariage malgré moi,
tout doucement, par des procédés aussi discrets, aussi
inaperçus et aussi calmes que cette royauté insignifian-
te, me troublait horriblement.
.
−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−
他方の心を傷つけて二人のうちひとりを選ぶなんて
私にはふたつの水滴からひとつを選ぶのと同じくらい
難しいことにように思われました.その上、私の意に
反した縁談が甘い言葉で巧みに秘密裏に、わからない
ように進められる事案に、わが身を危険にさらす心配
で私の心は動揺していました.
−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−
élire:[エリール](他) 選出する、選挙する
au détriment de ~:〜に迷惑をかけて、〜を害して
〜を犠牲にして
goutte:(f) しずく、水滴
et puis:(理由を付け加えて) その上、おまけに
crainte:[クラント](f) 恐れ、心配
aventurer:(他) (生命、財産などを)危険にさらす
histoire:(f) 話、事柄、問題
malgré:(前) (人の)意に反して
procédé:(m)@ 方法、方式、処置;
❷【悪い意味で】技巧、策略
discret:(形) 秘密の、秘密裏の
inaperçu(e):[イナペルスュ](形) 人に見つけられない
気づかれない、目立たない、
calme:[カルム](形) @静かな、穏やかな;
A落着いた;
(m) 落着き、冷静
royauté:[ロワィヨーテ](f) 王であること、王位、
insignifiant(e):(形) くだらない、取るに足らない
troublait:(半過去3単) < troubler (他) @ 濁らせる、
曇らせる; A乱す;❸(人を)動揺させる
horriblement:[オリーブルマン](副) ひどく、恐ろしく
−−−−−−−−−−≪アドバイス≫−−−−−−−−−−−−−−−−
長文です.途中どこにもピリオド(ポワン)がありません.
とりあえず、セミコロン(ポワン・ヴィルギュル) ;で切
りましたが、うまい具合に、ここで文はふたつに分かれ
ているので.なんとかがんばれそうです.かといって、
後半の文もあなどれません.
後半の文の主語はla crainte、 これの動詞はどこです
か? ない?そんなことはありません.おしまいのほう
にポツンと一軒家のようにme troublait があります.
合わせまして:
la crainte me troublait./ 心配で私は動揺しました.
これが芯です.これにいろいろ修飾語句が巻きついて
います. 今回はクイズのような仏文でした.
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