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2024年10月07日

1225番:ペルル嬢(42)


ペルル嬢(42)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−【42】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Élire l' une d' elles au détriment de l' autre me sem-
bla aussi difficile que de choisir entre deux gouttes
d' eau; et puis, la crainte de m' aventurer dans une
histoire où je serais conduit au mariage malgré moi,
tout doucement, par des procédés aussi discrets, aussi
inaperçus et aussi calmes que cette royauté insignifian-
te, me troublait horriblement.
.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 他方の心を傷つけて二人のうちひとりを選ぶなんて
私にはふたつの水滴からひとつを選ぶのと同じくらい
難しいことにように思われました.その上、私の意に
反した縁談が甘い言葉で巧みに秘密裏に、わからない
ように進められる事案に、わが身を危険にさらす心配
で私の心は動揺していました.


−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

élire:[エリール](他) 選出する、選挙する
au détriment de ~:〜に迷惑をかけて、〜を害して
        〜を犠牲にして
goutte:(f) しずく、水滴
et puis:(理由を付け加えて) その上、おまけに
crainte:[クラント](f) 恐れ、心配
aventurer:(他) (生命、財産などを)危険にさらす
histoire:(f) 話、事柄、問題
malgré:(前) (人の)意に反して
procédé:(m)@ 方法、方式、処置;
    ❷【悪い意味で】技巧、策略
discret:(形) 秘密の、秘密裏の
inaperçu(e):[イナペルスュ](形) 人に見つけられない
   気づかれない、目立たない、
calme:[カルム](形) @静かな、穏やかな;
    A落着いた;
    (m) 落着き、冷静
royauté:[ロワィヨーテ](f) 王であること、王位、
insignifiant(e):(形) くだらない、取るに足らない
troublait:(半過去3単) < troubler (他) @ 濁らせる、
   曇らせる; A乱す;❸(人を)動揺させる
horriblement:[オリーブルマン](副) ひどく、恐ろしく



−−−−−−−−−−≪アドバイス≫−−−−−−−−−−−−−−−−

長文です.途中どこにもピリオド(ポワン)がありません.
とりあえず、セミコロン(ポワン・ヴィルギュル) ;で切
りましたが、うまい具合に、ここで文はふたつに分かれ
ているので.なんとかがんばれそうです.かといって、
後半の文もあなどれません.
後半の文の主語はla crainte、 これの動詞はどこです
か? ない?そんなことはありません.おしまいのほう
にポツンと一軒家のようにme troublait があります.
合わせまして:
la crainte me troublait./ 心配で私は動揺しました.

これが芯です.これにいろいろ修飾語句が巻きついて
います. 今回はクイズのような仏文でした.
 


1224番:ペルル嬢(41)


ペルル嬢(41)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−【41】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Une peur atroce de me compromettre m' envahit, et
aussi une extrême timidité, devant l' attitude si obs-
tinément correcte et fermée de Mlle Luise et Pau-
line..


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

私は、このお婿探しの巻き添えを食らうのかという耐え
難い恐ろしさでいっぱいになっていました.しかもルイ
ーズお嬢さんとポーリーヌお嬢さんの、頑なな礼儀正し
さと、近づきにくい態度を前にしては、私は極端なまで
に引いてしまうのでした.


−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

atroce:(形) @残虐な、恐ろしい;Aひどく不愉快な
   耐え難い、ひどい
compromettre:(他) (人を)危険に巻き込む、危険にさらす
    巻き添えにする
envahit:(単純過去3単) <envahir: [アンヴァイール](他)
    @侵入する、を侵略する; 
    Aに群れをなして押しかける;
    B〜いっぱいに広がる、を覆う、
     〜に広く浸透する
extrême:@(名詞の前多し)末端の、ぎりぎりの、最後の
    A(名詞の後多し)極端な、過激な
    B(前後不定)[文]はなはだしい、極度の
timidité:(f) 内気、遠慮
attitude:(f) 態度、挙動;A姿勢、物腰;B様子
obstinément:[オプスティネマン](副) 頑固に、執拗に、
    粘り強く、たゆみなく
correct(e):(形) 礼儀正しい、きちんとした、
fermée:(形) 閉鎖的な、近づきにくい、閉ざされた



1223番:ペルル嬢(40)


ペルル嬢(40)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−【40】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Était- ce là un moyen de me faire dire celle que
je préférais ? Était- ce une douce, légère, insensible
poussée des parents vers un mariage possible ?
L' idée de mariage rôde sans cesse dans toutes les
maisons à grandes filles et prend toutes les formes,
tous les déguisements, tous les moyens.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

これは私に自分の好きな方のお嬢さんを指名させる方法
なのだろうか? 結婚の可能性に向けて、両親の軽く優
しい、人知れず図った押しであろうか?
適齢期の娘を持つ家庭では絶えず結婚という考えが脳裏
をよぎるものだ.そして結婚させる気もちは様々な形に
なり、様々に化け、様々な方法を取ってくるものなのだ.


−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

moyen:(m) 手段、方法、手だて
doux (douce):(形) 甘い、柔らかい、優しい
léger(ère):(形) 軽い
insensible:[アンサンスィ-ブル](形) [à に] 無感覚な、麻痺した
poussée:(f) ❶ 押す力、圧力; A 激発、
idée:(f) 考え
rôde:(直現3単) rôder (自) うろつく、さまよう
prend:(直現3単) < prendre (他) 取る
forme:(f) 形、形態、様相
déguisement:(m) 変装



−−−−−−−−−−−≪文法≫−−−−−−−−−−−−−−−−−

Était-ce là un moyen ~:半過去なので「〜だったのか」と
訳すべきところですが、Je pansais が省略されているもの
としてその内容部分を現在形で訳しました.試験本番で
はこんなことをせず、「〜だったのか」と採点者に半過
去を理解しているアピールが必要と思いますのでよろし
く.

1222番:ペルル嬢(39)


ペルル嬢(39)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−【39】−−−−−−−−−−−−−−−−−

 Alors je fus atterré. En une seconde, mille
pensées, mille suppositions me traversèrent l' esprit.
Voulait- on me faire désigner une des demoiselles
Chantal ?


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

そのとき私は打ちのめされたような気分になりました.
一瞬のうちに幾つもの考えや思いが脳裏をよぎりました.
みんなは私にふたりのシャンタルお嬢さんのうちどちら
かを女王に指名せよと望んでいるのだろうか?



−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

fus:(1単単純過去) < être、 本文では受動文の助動詞
  Je fus atterré. / 私は打ちのめされた.
atterrer: (他) (驚き、悲歎などで) 打ちのめす、
    茫然自失させる; 【多くは受動態で用いる】
    Je suis atterré par cette nouvelle.
(その知らせに私は打ちのめされた)
supposition:[スュポズィスィヨン](f) 推測、思惑;
esprit:(m) 精神、心、頭、知性、頭の働き
désigner:[デズィニェ](他) 〜を指す、指名する


1221番:ペルル嬢(38)


ペルル嬢(38)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−【38】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Je demeurais les yeux baissés, tenant entre deux
doigts ce grain de faïence, m' efforçant de rire et
ne sachant que faire ni que dire, lorsque Cantal
reprit: ≪ Maintenant, il faut choisir une reine. ≫


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

私は、何をすればいいのやら、どんな言葉を掛ければい
いのやら何もわからず、ただ笑顔を見せようとしながら、
豆粒ほどの小さな陶器を指につまんで取出してたものの、
ずっと目を伏せたままでした.そこにシャンタル氏が言
葉継ぎ足しました: 「今度は女王を選ばなくちゃね.」



−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

demeurais:(半過去1単) < demeurer (自)
   (ある場所に)とどまる、残る;
   (同じ状態に)いる、〜のままでいる
   Elle est demeurée silencieuse toute la soirée.
彼女は一晩中黙っていた.
grain:(m)[グラン] @ 穀粒、穀物; A 粒状の実、
faïence:[ファイヤーンス](f) 陶器
s'efforcer de + 不定詞:〜しようと(努力)する
rire:(自) 笑う
reprit:(単純過去3単) <reprendre (他) 再び続ける
   言葉を続ける、言葉をつぐ
reine:[レーヌ](f) @ 王妃; ❷ 女王
どちらの意味もあるが、定訳本に従った.


−−−−−−−−−−−《訳本》−−−−−−−−−−−−−−−−−
.
『モーパッサン短篇集』(岩波文庫):女王
『モーパッサン全集』(春陽堂):女王

1220番:ペルル嬢(37)


ペルル嬢(37)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−【37】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Et je rougis jusqu' aux oreilles, comme on rougit
souvent, sans raison, dans les situation un peu
sottes.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

面食らったとき、誰でもそうなるように、私は耳まで
真っ赤になりました.


.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

rougis:(3単単純過去) [第2群規則動詞は単数人称で
    現在と単純過去が同形]
< rougir (自) (顔が)赤くなる、赤面する
sot (sotte):(形)❶ 面食らった、当惑した;
     A 困った、厄介な

1219番:ペルル嬢(36)


ペルル嬢(36)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−【36】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Tout le monde reprit en chœur: ≪ Vive le roi !
vive le roi ! ≫


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

みんなは、再び合唱を始めた.「王様、万歳! 王様
万歳!」



.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

reprit:(単純過去3単) < reprendre (他) 再び始める
chœur:[クール](m) 合唱、コーラス



1218番:ペルル嬢(35)


ペルル嬢(35)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−【35】−−−−−−−−−−−−−−−−−

La surprise me fit dire:≪ Ah ! ≫ On me regarda,
et Chantal s' écria en battant des mains: ≪ C est
Gaston. C'est Gaston.  Vive le roi ! vive le roi ! ≫

−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 この驚きで私は思わず口から「えっ!」とこぼした.
みんなは私を見た.シャンタル氏は両手をたたいて叫び
ました.「ガストンだよ、王様は! 王様ばんざい!」


.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

battant:(p.pré) <battre (自他) 打つ、たたく
Chantal:ルイーズとポリーヌには改まった挨拶をする間
柄なので、ご主人か奥様のことでしょう.どちらなのか
は分からないので訳本をみてみました:
@ モーパッサン短篇集(岩波文庫)シャンタル氏
A 全集(春陽堂)シャンタル氏

どちらもご主人として訳しておられるので従います.

1217番:ペルル嬢(34)


ペルル嬢(34)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−−【34】−−−−−−−−−−−−−−−−−

 J' ôtai doucement cet objet de ma bouche et
j' aperçus une petite poupée de porcelaine pas plus
gross qu' un harico.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 私はそっと口からこの物品を取り出しました.すると
それはインゲン豆ほどの大きさの陶器製の小さな人形で
した.


.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

ôtai:(単純過去1単) < ôter (他) (物を)取り除く、
     片づける、どける、
aperçus:(単純過去1単) < apercevoir (他) 見つかる、
     見えてくる、見える; 気づく
本文は j'aperçus une petite poupée なので
    「小さな人形がみつかった…」で、apercevoir
     をちゃんと訳してもいいのですが、驚きを
     追加したかったので「するとそれは(何と)」
     としました.


1216番:ペルル嬢(33)


ペルル嬢(33)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−−【33】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Aussi, fus- je stupéfait en sentant dans une bouchée
de brioche quelque chose de très dur qui faillit me
casser une dent.

−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

そんなわけですから、ブリオッシュを一口食べた中に、
何か固いものがもうちょっとで歯を折ってしまうよう
な感じがしたときは、たまげました.


.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

aussi:(接) それゆえ、だから
stupéfait(e):(形) あ然とした、仰天した、[de に]
bouchée:(f) 一口(の量)
brioche:(f) ブリオッシュ(丸い菓子パン)
faillit:<faillir (自) 危うく〜しそこねる
casser:(他) 壊す、割る、折る、切る
dent:[ダン](f) 歯

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