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2024年01月28日

981番:ボヴァリー夫人(9)


Gustave Flabert
Madam Bovary
ボヴァリー夫人


ボヴァリー夫人(9)


       
−−−−−−−−−−−【9】−−−−−−−−−−−−−−−−−
       
C'était une de ces coiffures d'ordre composite, où
l'on retrouve les éléments du bonnet poil, du chap-
ska, du chapeau rond, de la casquette de loutre
et du bonnet de coton, une de ces pauvres choses,
enfin, dont la laideur muette a des profondeurs
d'expression comme le visage d'un imbécile.



−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

それは様々な種類の帽子を寄せ集めたような帽子で、動
物の毛を基調にした縁なし帽であり、ポーランド槍騎兵
帽であり、丸型帽であり、カワウソ皮を使った制帽であ
り、木綿製のようでもあった.要するに、それらの寄せ
集めのような帽子であり、その押し黙った醜さに、馬鹿
丸出しの奥ゆかしさがあった.




−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

coiffure:(f) ❶髪型、ヘアースタイル;
   ❷理髪、整髪、❸帽子、かぶり物
   sortir sans coifure / 何もかぶらずに外出する
ordre:(m) ❶順序、❷種類
composite:(形) 混成の、混淆の、寄せ集めの
bonnet poil:獣の毛を素材にした縁なし帽
chapska:[シャプスカ](mまたはf) 槍騎兵帽
[シャプースカ]はポ−ランド語でczapuski で
本来pのあとに母音があったため
音節の切れ目はchap-skaだと思います 
(分綴法では3つの連続する子音字は2つ目で
   切る: chaps-ka)
loutre:(f) カワウソ
coton:(m) 棉、木綿、綿花、
laideur:[レドゥール](f) みにくさ、いやらしさ、
muet, muette:(形) 口の利けない、唖の
profondeur:(f) 深さ、奥行、深遠さ


980番:「アリス」(45)(フィリップ短篇集より)


「アリス」(45)(フィリップ短篇集より)
  
ALICE

  
.−−−−−−−−−−【45】−−−−−−−−−−−−−−−−

 Elle se vengeait. Sa mère pleurait. Elle se
vengeait de toute l'affection que sa mère accordait
au petit frère en lui retirant la sienne.



.−−−−−−−−−−− (訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−

アリスは復讐したのです.母は実に泣きました.アリ
スは母親が、自分の分から取っておとうとに注いだ愛情
に対して復讐をしたのです.



−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

se vengeait:(3単半過去) < se venger (pr) 復讐する
(de に対して) 復讐する
pleurait:(3単半過去) < pleurer (自) 泣く
affection:(f) 愛情、情
accordait:(3単半過去) < accorder (他) 与える
   認める、許す
retirant:(p.pré) < retirer (他) 取上げる、奪う
la sienne:母親から与えられるはずだったアリスへの愛

979番:「湖畔」(24)(シュトルム作)

湖畔(24)
IMMENSEE(24)


−−−−−−−−−【24】−−−−−−−−−−−−−−−

„Ach,“ sagte Elisabeth, „das weiß ich ja aus-
wendig; du mußt auch nicht immer dasselbe
erzählen.“
Da mußte Reinhard die Geschichte von den
drei Spinnfrauen stecken lassen, und statt dessen
erzählte er die Geschichte von dem armen Mann,
der in die Löwengrube geworfen war.


−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 「あら」、エリーザベットは言いました.「その話はも
う覚えてしまったわよ;いつも同じ話じゃだめよ.」
 そこでラインハルトは「3人の糸つむぎ女」の話をや
 めて、その代わりに「ライオンの洞窟に投げ入れられ
た貧しい男の話」を語って聞かせました.



−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−

auswendig:(副) 暗記して、そらんじて 
dasselbe:[指示代] 同じ〜、同じこと
stecken lassen:中止する; (実は辞書は不掲載でした
   が、テキストに出ておりましたので、そのまま書
   き写しました)(辞書ではstecken は「差し込む」)
Löwengrube:ライオンの棲む洞窟
Die Grube:(Gruben) 穴、巣穴
die Geschichte von dem armen Mann:貧しい男の話
der in die Löwengrube geworfen war:ライオンの洞窟に投
    げ入れられた男


978番:ロンドリ姉妹(19)


このくだり何だか日記風に書かれているようなので、
親しい友だちに話している感じで訳してみました.


ロンドリ姉妹(19)


−−−−−−−−−−【19】−−−−−−−−−−−−−−−−−

On éprouve la sensation atroce de l' être perdu. On
marche comme si on fuyait, on marche pour ne
pas rentrer dans l' hôtel où on se trouverait plus
perdu encore parcequ' on y est chez soi, dans le
chez soi payé de tout le monde, et on finit par
tomber sur la chaise d' un café illuminé, dont les
dorures et les lumières vous accablent mille fois
plus que les ombres de la rue..



.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

独りぼっちだということを、いやというほど感じさせら
れる.その思いから逃れようとしてか、ただ歩くのだ.
ホテルに戻ることなく歩く.戻ってもなおさら見捨てら
れた自分が浮き彫りになるだけだ.だってそこは、お金
を支払って、そこにいるというだけのことじゃないか.
それだから結局は明るい照明のある喫茶店で座り込むこ
とになってしまう.そこではきらびやかさと輝かしさで
あなたは打ちのめされる.薄暗い街路にいたときよりも
1000倍は打ちのめされる.



...−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−

éprouver:(他) 感じる、抱く、覚える
éprouver de la joie / 喜びを覚える
sensation:(f) 感覚、感じ、
atroce:(形) 残虐な、残忍な、ひどい、たまらない、
    ひどく不愉快な、耐え難い、いやな
l'être perdu:失われた存在→独りぼっちであること
marcher:(自) 歩く
fuyait:(3単半過去) <fuir (自) 逃げる
rentrer:(自) 帰る、帰宅する、(元の場所に)戻る
perdu:(形) 見捨てられた
on y est: 自分がそこにいる
chez soi:ホテルの自分の部屋で
on finit par + 不定詞:結局は〜することで終わる
      〜するはめになってしまう
tomber:<tomber + 属詞:〜の状態になる、陥る>
「〜の状態になる」というのは基本的に
   そういう状態に陥る、という意味が加わる.
sur la chaise:椅子の上に
tomber sur la chaise:座ってしまうことになる
d'un café illuminé:照明の明るい喫茶店
dorure:(f) ❶金箔塗り;❷dorures:(f/pl) 金色の飾り;
      ❸外観のきらびやかさ
lumière:(f) 光、光線、日光、電気、明り
accablent:(3複直現) < accabler (他) 打ちのめす
plus que les ombres de la rue:街路の薄暗さよりも
...mille fois plus que 〜:〜よりも千倍....


977番:ロックの娘(17)


ロックの娘(17)
La petite Roque



−−−−−−−−−−【17】−−−−−−−−−−−−−−

 Alors elle était morte; et il se trouvait en
présence d'un crime. À cette idée, un frisson
froid lui courut dans les reins, bien qu'il fût
un ancien soldat.


.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

 何と、この子は死んでいました;つまり彼は殺人犯罪
に直面したのです.こう思ったとき、元兵士だというの
に、ぞっとする戦慄がメデリックの背筋に走りました.


 

.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−

alors:❶さて、ところで、❷そのとき、そのころ、当時
❸[驚き] 何と!
se trouver en presence de ~ :〜に直面する
crime:(m) 犯罪、殺人、
frisson:(m) 震え、身震い、戦慄、悪寒;
  Un frisson me parcourut le dos.
戦慄が私の背筋を走った.背筋が寒くなった.
rein:[ラン](m) 腎臓、複数形[reins]で「腰」
  un frisson froid lui courut dans les reins.
寒い戦慄が彼の腰に走った.

日本語では「腰」ではなく背筋ですので

ぞっと戦慄が彼の背筋に走った.
★試験では「腰を走った」で大丈夫です.
bien que + 接続法:〜にもかかわらず、〜ではあるが'
ancien soldat:元兵士、「元軍人」と訳しても丸はもらえ
ますが、厳密に言うと、日本語の軍人は将校以上
(准尉以上)の階級で軍籍に名を置いた者.ただ
し仏和辞典にはsoldat:「兵士」、「軍人」、と訳出さ
れています.ご安心を!



2024年01月27日

976番:アルルの女(11)

 
アルルの女(11)
L'ARLÉSIENNE


−−−−−−−−−−−【11】−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
           
La fille passait pour*1 coquette*2, et ses parents
n' étaient pas du*3 pays. Mais Jan voulait son
Arlésienne à toute force*⁴. il disait:
−−Je mourrai*⁵ si on ne me la donner pas.
Il fallut*⁶ en *⁷passer par là. On décida de les
marier après la moisson*⁸.


 
−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 
その女は男たらしとの評判でした。そして彼女の両親
は土地の者ではなく、よそ者でした.それでもジャン
はそのアルルの女を是非とも(嫁に)のぞみました.
ジャンがいうには:
−−あの女をもらえなければ、死んでやる.
そうする以外にありませんでした。取り入れ時期がす
んだらふたりを結婚させることに決めたのです.



−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
       
*1) La fille passait pour coquette: 
[passait pour ~] は「〜と考えられている」、
     「〜という評判だ」.
      la fille とcoquette は主語と属詞の関係.
      つまり、On disait qu'elle était coquette. だといっています.
      passer やêtre のように
「主語と属詞の関係」を作る動詞は
     「繋合動詞(けいごうどうし)」と呼ばれます.
      乱暴な言い方ですが、
[主語=属詞] の関係
を作る動詞はこの繋合動詞に当たります.
*2) coquette: 辞書によって日本語に幅があります.
現代フランス語は「おしゃれな」
      という意味ですが、この作品の時代背景では、「浮気娘」
     「男を渡り歩く女」などのようです。
*3) ses parents n'étaient pas du pays.:
両親はその土地の出身ではなかった.
      du における de は <起源・出身>を表す.
Ex. Il est de Tokyo. 「彼は東京出身だ」.
*4) à toute force:「是が非でも」
*5) mourrai: 1人称単数の単純未来は、しばしば、「意志、意向」
      を表わします。
*6) il fallut:  falloirの単純過去、非人称構文
      < il faut + 不定詞 〜しなければならない
*7) en passer par ~: 「(あきらめて)それに従う」、
「(あきらめて)それをがまんする」
     「〜に甘んじる」se résigner とか céder àと同じ意味.
      尚、en passer par における(en) は
虚辞 (gallicisme, ガリシズム).意味はあまりなく飾り.
全然ないわけではなく、de cela という気持ちが
      こもります.第9回の学習で出てきたen savoir long
     「よく知っている」のen も、この虚辞(ガリシズム)です. 
*8) moisson: (f)(穀物、特に小麦の)取り入れ、収穫期 
 



975番:ボヴァリー夫人(8)


Gustave Flabert
Madam Bovary
ボヴァリー夫人


ボヴァリー夫人(8)


       
−−−−−−−−−−−【8】−−−−−−−−−−−−−−−−−
       
 Mais, soit qu'il n'eût pas remarqué cette manœuvre
ou qu'il n'eut osé s'y soumettre, la prière était finie
que le nouveau tenait encore sa casquette sur ses
deux genoux.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

 しかしこの帽子の取扱いに気がつかなかったのか、敢
えて従わなかったのか、祈祷が終わってからも尚、この
新入りはまだ帽子を膝の上に載せていた.



−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

soit que + 接続法、soit [ou] que + 接続法:
     〜にせよ、〜にせよ
Soit l'un, soit l'autre / 一方にせよ他方にせよ.
Soit oubli, soit paresse, il ne nous a pas écrit.
忘れたのか怠けていたのか彼は私たちに
手紙をよこさなかった.
     soit qu'il n'eût pas remarqué cette manœuvre
     ou qu'il n'eut osé s'y soumettre,
彼がこの 取扱方法に気づかなかったのか、, 彼が
彼が
remarqué:(p.passé) < remarquer (他) に気づく、
     注目する
manœuvre:(f) 取扱方法
se soumettre à ~ :〜に従う
prière:(f) ❶祈り、祈祷; ❷頼み、願い、懇願
que:このque は前文全体を受けて、「その時」
英語のwhen の使い方に似ていて、〜when...
そしてそのとき….品詞は何だろう?接続詞か
関係代名詞(英語の関係副詞)すみません、
よくわかりません.


974番:「アリス」(44)(フィリップ短篇集より)


「アリス」(44)(フィリップ短篇集より)
  
ALICE


  
.−−−−−−−−−−【44】−−−−−−−−−−−−−−−−

 Elle ne voulait même plus qu'on la touchât.Sa
mère essayait de la prendre sur ses genoux. Elle
se débattait avec une telle rage qu'il y fallait
renoncer.



.−−−−−−−−−−− (訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−

アリスは最早、人が彼女に触れることさえ望まなかっ
た.お母さんはアリスを膝の上にのせようとしました.
アリスは余りにも激しく怒って暴れるものですから、母
親は、それも諦めなければなりませんでした.


−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

se débattait:(3単半過去) < se débattre
se débattre:(pr) もがく、暴れる
telle ~ que ...:あまりに〜なので...だ
rage:(f) 激怒、avec rage / 猛烈に
fallait:(3単半過去) <falloir
  il faut + 不定詞 〜しなければならない
renoncer:[ルノンセ](自) ❶諦める、断念する;(à を)
 ❷放棄する
   y renoncer / それをあきらめる
 il y faut renoncer / それをあきらめなければ
   ならない.y がfalloir の前に出るのは文語表現
   普通の語順はil faut y renoncer.

973番:「湖畔」(23)(シュトルム作)


湖畔(23)
IMMENSEE(23)


−−−−−−−−−【23】−−−−−−−−−−−−−−−

Dann gingen sie beide hinein und setzten sich
auf die neue Bank. Elisabeth nahm ihre Ringelchen
aus der Schürze und zog sie auf lange Bindfäden;
Reinhard fing an zu erzählen: „Es waren einmal
drei Spinnfrauen − −“



−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−
  
それから彼ら2人は中に入っていき、その新しい椅子
に腰掛けた.エリーザベットはエプロンから小さな輪状
の種を取り出し、それらを長いひもに通した.ラインハ
ルトは、物語を語り始めた: 「昔、3人の糸つむぎ女
がいました− −.」



.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−

Ringelchen;辞書不掲載→Ringel + chen (縮小辞)
der Ringel:(同尾式) 小さな輪、輪状のもの;
das Ringelchen:(die Ringelchen) 小さな輪、輪状のもの
die Bindfaden:(複:Bindfäden) 結びひも、細ひも.
zog:(過去形) < ziehen (他) を引く、移す、移動する
ziehen−−zog−−gezogen
Spinnfrau:→Spinnerin (f) 糸つむぎ女、紡績女工



2024年01月26日

972番:ロンドリ姉妹(18)


ロンドリ姉妹(18)

−−−−−−−−−−【18】−−−−−−−−−−−−−−−−−

 On regarde ces figures qu' on n' a jamais vues,
qu' on ne reverra jamais; on écoute ces voix
parler de choses qui vous sont indifférentes, en
une langue qu' on ne comprend même point.


.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

通りで見る顔は、見たことのない顔ばかりだ.今後と
も再び見ることはないだろう.聞こえてくる話は、自分
に関係も関心もないことだ.それもさっぱり理解できな
い言語で話しているのだ.



...−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−

indifférent(e):(形) 関心がない [à に]
[à にとって] どうでもよい
en + 言語:〜語で
   s'exprimer en anglais / 英語で表現する
en une langue qu' on ne bcomprend même point.
さっぱりわからない言語で
même:それも、それさえも




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