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2024年10月04日

1189番:ロンドリ姉妹(45)


ロンドリ姉妹(45)


−−−−−−−【45】−−−−−−−−−−−−−−−

Paul me jeta un coup d'œil ravi; et,
d'un geste machinal, il frisa sa courte
moustache, puis, soulevant un peu sa
coiffure, il glissa, comme un peigne, ses
cinq doigts ouverts dans ses cheveux fort
dérangés par cette nuit de voyage. Puis
il s'assis en face de l'inconnue.


−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 ポールはぼくに喜びの視線を飛ばした.そして
無意識なしぐさで、短い口ひげをくるくる巻いた
り、夜旅に乱れた頭髪を5本指で櫛のようになで
た. それからこの見知らぬご婦人の真向かいに座
った.
 

−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−−

coup d'œil:一瞥;
jeter un coup d'œil:一瞥する、ちらっと見る
ravi, e:(形) 大喜びの、とてもうれしい
geste:(m) 身振り、しぐさ
machinal, e:(形) 機械的な、無意識的な
frisa:(直単過/3単) < friser (他) (髪を)カールする.
soulevant:(p.pré) < soulever (他) 持ち上げる 
peigne:(m) 櫛
comme un peigne:櫛のように
ouvert:(p.passé) < ouvrir (他) 開ける
il glissa comme un peigne ses cinq doigts ouverts:
   5本の指を広げ櫛のように滑らせた.
dans ses cheveux fort:髪の中で強く   
dérangé, e:(p.passé) 乱れた < déranger (他)
 乱す、散らかす



1188番:イヴェット(5)


『イヴェット』(5)
Yvette



−−−−−−【5】−−−−−−−−−−−−−−−−

Et sur la chaussée, les fiacres aux yeux
rouges, bleus ou vert, passaient brusque-
ment dans la lueur vive de la devanture
illuminée, montrant une seconde la si-
lhouette maigre et trottinante du cheval,
le profil élevé du cocher, et le coffre
sombre de la voiture.

    
−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

車道上は赤や青、緑といった灯火をつけた辻馬車
が明るい店先の鮮やかな閃光の中を不意に通り過
ぎていった.その刹那に小刻みに動く痩せた馬の
影や、高い位置の御者のシルエットと車両の薄暗
い車体を見せていた.


−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−
yeux (pl) <œil (m) 目、ただしここでは比喩で
   車の2つの灯火(ヘッドライト)のことだ
   と思います.灯火と訳しました.
chaussée:[ショッセ](f) ❶車道、❷堤防
fiacre:(m) 辻馬車、
passaient:(直半過/3複) < passer
brusquement:(副) 突然、いきなり、だしぬけに
lueur:(f) ❶弱い光、微かな光、微光;
   ❷閃光、きらめき
vif, vive:(形) (光が)強烈な、鮮明な  
devanture:(f) 店の正面、店先、店頭
illuminé, e:(形、p.passé) 照明された、
   イルミネーションで飾られた;
   avenue illuminée / 照明で明るい大通り
montrant:(p.pré) < montrer (他) を見せる、示す
une seconde:ほんのしばらくの間、一瞬、
silhouette:[スィルエット](f) シルエット、
   (くっきり浮かび出た)形、影法師、影絵.
maigre:(形) やせた
trottinante:(p.pré) < trottiner (自)
trottiner:(自) ちょこちょこ歩く、
(馬が)小刻みの速歩(はやあし)をする
cheval:[複chevaux](m) 馬
profil:(m) 横顔、輪郭、外形;
★la silhouette maigre et trottinante du cheval:
   小刻みに動く痩せた馬の影
élevé, e:(形) 高い、
cocher:(m) (馬車の)御者
★le profil élevé du cocher:
   高い位置の御者のシルエット
coffre:(m) (車の)トランク、ここでは車体、
   車のボディーを指すようです.
sombre:(形) ❶暗い、薄暗い;
   ❷黒っぽい、くすんだ、❸陰気な
★le coffre sombre de la voiture.
   黒っぽい車のトランク
★文法に沿うならば、★は全て「通り過ぎていった」
 の前に入れて、1つの文で訳します.文が長く
 なってわかりづらくなるのですが、試験ではそう
 したほうが無難です.試験官は正しく解釈できて
 いるかどうかを判定しますので!

 【試験での答案用】
車道上は赤や青、緑といった灯火をつけた辻馬車が
明るい店先の鮮やかな閃光の中を、小刻みに動く痩
せた馬の影や、高い位置の御者のシルエットと車両
の薄暗いボディーを見せながら、不意に通り過ぎて
ゆくのであった.



1187番:ペルル嬢(12)


ペルル嬢(12)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant



−−−−−−−−−【12】−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 On finit cependant par se mettre d' accord et
par fixer les quantités de chaque chose dont on
se pourvoira pour trois mois: sucre, riz, pru-
neaux, café, confitures, boites de petits pois, de
haricots, de homard, poissons salés ou fumés, etc.

−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

それから夫人は3か月間準備しておく品目のそれぞれの
数量を書いて、ペルル嬢と合意することでやっと終わる:
記す分量と箱の数の品目は砂糖、米、干しスモモ、コー
ヒー、ジャムの分量、グリンピース、インゲン豆、オマ
ールエビ、塩漬けもしくは燻製の魚の箱の数である.


−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

cependant:その間に(=pendant ce temps-là )
se mettre d' accord:合意する、和解する
fixer:(他) 〜を書き留める
quantité:(f) 量、数量
se pourvoira:(未来3単)
   < se pourvoir (pr) を準備する、用意する
pruneau:[プリュノー](複_x) プルーン、干しスモモ
confiture:(f) ジャム
boites:辞書不掲載; boîte (m) 「箱」のことか?
pois:(m) エンドウ
petits pois:(m, 複数扱い) グリンピース
†haricot:(m) インゲン豆
homard:[オマール](m) ロブスター、オマール
poisson:(m) 魚
salé:(p.passé) < saler (他) 塩漬けにする
fumé:(形) 燻製の


2024年10月03日

1186番:ピエールとジャン(4)


ピエールとジャン(4)
PIERRE ET JEAN



−−−−−−−−−−【4】−−−−−−−−−−−−

Ses deux fils, Pierre et Jean, qui te-
naient, l' un à bâbord, l' autre à tribord,
chacun une ligne enroulée à l' index, se
mirent à rire en même temps et Jean
répondit;


−−−−−−−−−−⦅訳⦆−−−−−−−−−−−−

 ロラン氏のふたりの息子、ピエールとジャン
は、それぞれ船の左舷と右舷を受け持っていた.
各々が人差し指に釣り糸を巻きつけたまま、同
時に笑い出した.ジャンが父の癇癪に答えた:


−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−

bâbord:[バボール](m) (船の)左舷;aborder par
bâbord / 左舷で接岸する /
    左舷から接近する
tribord:[トリボール](m) (船の)右舷;
    à tribord / 右舷に
tenaient, l'un à bâbord l'autre à tribord:
一人は左舷を、もう一人は右舷を受け持
っていた.  
enroulée:(p.passé/f) < enrouler (他) 巻きつける;
    enrouler du fil autour d'une bobine /
糸巻に糸を巻く
index:[アンデクス](m) 人差し指、食指.
chacun une ligne enroulée à l'index:(絶対詞節)
    各々釣り糸を人差し指に巻きつけており
   【過去分詞の分詞節では「状態」描写】
se mirent à:(直単過/3複) < se mettre à
se mettre à + 不定詞:〜し始める
rire:(自) 笑う 
en même temps:同時に
répondit:(直単過/3単) < répondre (他)
répondre:(自/他)、本文は(自) 答える
Jean répondit. / ジャンが答えた.
本文訳に「父の癇癪に」を勝手に付け足
しました.répondre がJean répondit à
son père. のことだと解釈するためです.

1185番:「湖畔」(49)(シュトルム作)


湖畔(49)
IMMENSEE(49)


−−−−−−−−−−【49】−−−−−−−−−−−−−−−

Der stundenlange Weg bis an den Saum
des Waldes wurde zu Wagen zurückgelegt;
dann nahm man die Proviantkörbe herunter
und marschierte weiter.


−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

森の入口までの数時間の道のりは馬車で進むこと
となり、それから食料の籠を降ろして、さらに歩い
て進んでいきました.


−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−

der Saum:[-(e)s / Säume] ❶(衣服などの)縁、へり;
   ❷(地域の)境;der Saum des Waldes / 森のへり
zurückgelegt:(過去分詞) < zurück/legen
zurück/legen:(他) (ある道程を)あとにする、進む、
einen langen Weg zurücklegen / 長途の旅をする
der Proviant:[-s/⦅まれ⦆-e] (ハイキングなどの) 弁当、
   (備蓄、携帯用の)食糧、食料
der Korb [-(e)s / Körbe]:籠、バスケット
der Proviantkorb:食料籠、食料バスケット
  本文die Proviantkörbe は複数4格 
herunter:(副、及び分離前綴り) こちらの下へ
marschierte:(過去形) < marschieren (自s) 行進する、
  すたすたと長い距離を歩いていく
weiter:さらに先へと

1184番:ロンドリ姉妹(44)


ロンドリ姉妹(44)



−−−−−−−【44】−−−−−−−−−−−−−−−

 Jusqu'à Marseille, rien de nouveau.
Nous descendîmes au buffet pour
déjeuner.
Quand nous remontâmes dans notre
wagon une femme y était installée.


−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 マルセイユまでは何も変ったことはなかった.
 ぼくたちは昼食をとるため、列車を降りてビ
ュッフェに行ったんだ.
 そして列車に再び戻って来ると、ぼくたちの
席にひとりの女性が座っていた.


−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−−

installée:(p.passé) < installer (他) 落ち着かせる
    座らせる. 
   Ils ont été installés dans un petit appartement.
 彼らは小さなアパルトマンに落ち着いた.


1183番:イヴェット(4)


『イヴェット』(4)
Yvette


−−−−−−【4】−−−−−−−−−−−−−−−−

De place en place, un café jetait une
grande clarté sur le tas de buveurs assis
sur le trottoir devant les petites tables
couvertes de bouteilles et de verres, en-
combrant le passage de leur foule pres-
sée.


−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

あちこちに喫茶店は歩道脇の瓶やグラスがいろ
いろ置いてある小さなテーブルの前に座ってい
る大勢の客の上に明るい光を投げかけていたが
通りを急ぐ人の群れの邪魔になるほどの大勢の
飲み客たちだった.


−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−

de place en place:あちこちで;On voit des balcons
   fleuris de place en place. / あちこちに花いっ
   ぱいのバルコニーが見える.
encombrant, e:(形) 場所ふさぎの、邪魔な、
   厄介な、迷惑な;
   paquet encombrant / かさばる荷物 
   paquet peu encombrant / コンパクトな荷物
   personnage encombrant / とかく煩わしい人物
passage:(m) 通路、通り道
foule:(f) 群衆、人だかり、雑踏
pressé, e:(形) 急ぐ

1182番:ペルル嬢(11)


ペルル嬢(11)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−【11】−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Puis, quand elle a inscrit beaucoup de chiffres,
elle se livre d' abord à de longs calculs et
ensuite à de longues discussions avec Mˡˡᵉ Perle.  


.−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

それから夫人はたくさんの数字を書き入れてから、まず
長い計算に没頭し、それから長々とペルル嬢との話し合
いに専念するのだ.


−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

inscrit :(p.paasé) < inscrir (他) 書き入れる、記入する
chiffre:(m) 数字、桁
se livre:(pr) [à に] 身を委ねる、ふける、
      〜に我を忘れる
d'abord:(副) まず、何よりもまず、
calculs:[カルキュル](m) 計算
ensuite:それから
discussion:[ディスキュスィヨン](f) 長い話し合い、討議、討論
 

2024年09月12日

1181番:ピエールとジャン(3)


ピエールとジャン(3)
PIERRE ET JEAN


−−−−−−−−−−【3】−−−−−−−−−−−−

−−Eh bien !... eh bien !... Gérôme !
Le bonhomme furieux répondit:
  −−Ça ne mord plus du tout.
Depuis midi je n'ai rien pris. On ne
devrait jamais pêcher qu'entre hommes;
les femmes vous font embarquer toujours
trop tard .


−−−−−−−−−−⦅訳⦆−−−−−−−−−−−−

 「何?どうしたの、ジェローム.」
 激怒した男は答えた:
 「もうさっぱり食いつかないんだ.正午以来
何も釣れやしない.男同士以外で釣りに来ちゃい
けないってことよ.女連中はいつでも乗船を長々
と遅らせてくれるからね.」 


−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−

eh bien:なんだって?
Gérôme:(人名) ジェローム
bonhomme:(m) ❶人、男、やつ;❷坊や、❸亭主、
furieux, se:(形) 激怒した、怒り狂った、激昂した、 
répondit:(直単過/3単) < répondre (他)
répondre:(自/他) (à に)答える
ça mord. 食いつく、齧りつく:<mordre (自/他)
mordre:(自/他) 噛む;ここでは(自)
   (魚が)(餌に)食いつく;
   Un poisson a mordu à l'appât. /
魚が餌に食いついた.
ne...jamais:決して…でない
ne...que:…しかない、…だけである
ne ... jamais pêcher qu'entre hommes:
   男同士でしか決して釣りをしない
ne devrait jamais pêcher qu'entre hommes:
   男同士でしか決して釣りをすべきでは
   なかった.
les femmes vous font embarquer toujours trop tard.
女連中がいつもみんなの乗船を遅らせる. .
* vous:ここでは「あなた」ではなく一般論で
   「人」を指す.「人」「みんな」「我々」


−−−−−−−−−≪文法≫−−−−−−−−−−−−−−

mordre:(噛む) 曲用
❶直説法現在
mords−−−mordons
mords−−−mordez
mord −−−mordent

❷直説法半過去
mordais−−−mordions
mordais−−−mordiez
mordait −−−mordaient

1180番:「湖畔」(48)(シュトルム作)


湖畔(48)
IMMENSEE(48)


−−−−−−−−−−【48】−−−−−−−−−−−−−−−

Es war im Juni; Reinhard sollte am
andern Tage reisen. Nun wollte man noch
einmal einen festlichen Tag zusammen begehen.
Dazu wurde eine Landpartie nach einer der
nahe belegenen Holzungen in größerer Gesell-
schaft veranstaltet.


−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

6月でした.ラインハルトは翌日旅立つことにな
りました.さてそこで、みんなはもう一度行楽の日
を共にしようと思った.そのために、かなりの人数
で近隣の森にハイキングに出かけることになりまし
た.


−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−

am andern Tage:翌日に、次の日に;
   ander には「次の」「第二の」という意味も
   あります.
nun:(副) 辞書では「今」「今や」、などですが、
   物語では「さて、そうなると」などの意味
   にしばしば拡張されます.翻訳機が越えら
   れない壁ですね.
festlichen:(en = 弱男4格語尾) < festlich
festlich:(形) 華やいだ、祝祭の、にぎやかな、
   テキストでは「行楽の」となっています.
begehen:(他) (記念日などを)祝う、(祝典を)催す
テキストでは「行楽の日を」を受け持つ動詞
   となっているので意味は弱く「する」
dazu:(副) そのために
die Landpartie:(-/-n) (田舎への)遠足、ピクニック、
  テキスト訳は「ハイキング」です.ピクニック
  とハイキングがどう違うのか私にはわかりません
  ので、テキストに合わせておきます.
nach einer der nahe belegenen Holzungen:わかりにくい
  のでまず...einer をはずしましょう.
nach der nahe belegenen Holzungen:近くにある森に
  森は1つだけではないので、その1つein を
  つけますが、nach は3支配、einer とします.
  そのあとは2格で連結されるので先ほどの
der nahe belegenen Holzungen は複数2格、
  これでnach einer der nahe belegenen Holzungen
  は、「近隣にある森のひとつに(遠足に行った)」
  となります.実は2格でも3格でもいいと思いま
  す.その場合は並列で読みます.
  nach einer Holzungen / ある近くの森へ
  nach der nahe belegenen Holzungen近くにある森に
  をまとめて言ったものと解釈します.
  ドイツ語は冠詞と名詞との間がかなり自由なので
  いろいろ放り込めます.倉庫みたいです.
belegen:(形) ある、存在する
die Holzung:(-/-en) <まれ> 森
in größerer Gesellschaft:かなりの人数で
die Gesellschaft:(-/-en) 一行、仲間、一座の人々
veranstaltet:(過去形) < veran/stalten (他)
   催す、実施する、とりおこなう、おこなう


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