2014年02月09日
牛乳と乳飲料って何が違うの?「牛乳と名乗れるのは、元の乳を加熱殺菌しただけのもの」
現代人が不足しがちなカルシウム。牛乳なら手軽に補えそうだが、「ビタミンD」「低脂肪」など、種類が多すぎて迷ってしまう。
牛乳と呼べるのは加熱殺菌しただけのもので、濃厚/低脂肪は加工乳と呼ばれる。ビタミンやカルシウムが加わると「乳飲料」に名前が変わり、コーヒーを混ぜてもコーヒー牛乳と呼んではいけない、不思議な飲み物なのだ。
■「いちご牛乳」は牛乳じゃない?
牛乳は「食品衛生法に基づく乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(以下、乳等省令)及び「飲用乳の表示に関する公正競争規約」で、厳密な規定がなされている。学校給食にも並ぶ製品だけに、安全かつ健康な食品でなければならないからだ。
乳等省令によると、牛乳の名がつくのは「牛乳」「特別牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」の5種類で、このほか「加工乳」「乳飲料」を合わせて7種類が飲用と定められている。
まず5種類の牛乳の特徴をあげると、
・牛乳 … 乳脂肪分3.0%以上、加熱殺菌のみOK
・特別牛乳 … 乳脂肪分3.3%以上
・成分調整牛乳 … 水分や乳脂肪を除去したもの
・低脂肪牛乳 … 乳脂肪分0.5〜1.5%
・無脂肪牛乳 … 乳脂肪分0.5%未満
で、このグループは殺菌と成分を「減らす」ことだけしか許されていない。
本来の牛乳が持っていない成分を加えると、
・加工乳 … 脱脂粉乳やクリームなど乳製品を加えたもの
・乳飲料 … カルシウムや果汁など牛乳由来以外の成分を添加したもの
となり、乳飲料は色の違いでさらに白物/色物と分類される。つまり、何かを加えた時点で「牛乳」ではなくなってしまうのだ。
それでは「いちご牛乳」はどうなるのか? 製品名はNGで、いちごの風味が加えられているので乳飲料、クリームなどで風味を増した「濃厚」は加工乳なので、これも牛乳と呼べない。○○牛乳の名で呼ばれるものの、厳密には牛乳ではなくなっているのだ。
■「コーヒー牛乳」はコーヒーじゃない?
牛乳と同様にコーヒーにも分類があるのをご存じだろうか?
コーヒーの場合、材料となるコーヒー豆がどれくらい使われているのかがポイントで、公正取引委員会の定める「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」から、名称と、製品100gに使われるコーヒー生豆の重さをあげると、
・5g以上 … コーヒー
・2.5〜5g未満 … コーヒー飲料
・1〜2.5g未満 … コーヒー入り清涼飲料
となっている。市販のレギュラーコーヒーは、カップ1杯(約140cc)に対して10g目安が一般的なので、100g換算なら豆7.14gとなり5gでも少々薄めの設定だ。
また、原料はインスタント・コーヒーでもOKで、計算式は省略するが、元をたどって規定量以上の生豆が使われていればコーヒーと名乗れる。材料を確認しないで「やっぱりインスタントとは一味違うね!」なんて言うと、恥ずかしい思いをするかも知れない。
カフェ・オ・レや、いわゆる「コーヒー牛乳」はどちらに分類されるのか? これは含まれる乳固形分によって決まり、3%以上は乳製品、それ未満はコーヒーのグループになる。コーヒーの定めが公正取引委員会なのは、色や香りでごまかしたインチキ商品が出回らないためで、対して牛乳関連は栄養や菌が関係するため、食品衛生法で定められている。
そのため乳固形分が多い場合は、食品衛生法が優先される仕組みなのだ。
逆も真なりで、カフェ・オ・レながらもコーヒー飲料の製品も多く見かける。つまり牛乳らしさが少ない、の意味だ。「レ」はフランス語で牛乳の意味だけに、ちょっと損した気分だ。
■まとめ
・牛乳と名乗れるのは、加熱殺菌しただけの製品
・乳製品を加えると加工乳、その他の成分をたすと乳飲料
・○○牛乳の名称は禁止
・乳成分が少ないカフェ・オ・レも存在する
本来の味や栄養を求めるなら、牛乳もコーヒーもストレートで飲むのが良さそうだ。
(関口 寿/ガリレオワークス)
マイナビウーマンより引用しました。
牛乳と呼べるのは加熱殺菌しただけのもので、濃厚/低脂肪は加工乳と呼ばれる。ビタミンやカルシウムが加わると「乳飲料」に名前が変わり、コーヒーを混ぜてもコーヒー牛乳と呼んではいけない、不思議な飲み物なのだ。
■「いちご牛乳」は牛乳じゃない?
牛乳は「食品衛生法に基づく乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(以下、乳等省令)及び「飲用乳の表示に関する公正競争規約」で、厳密な規定がなされている。学校給食にも並ぶ製品だけに、安全かつ健康な食品でなければならないからだ。
乳等省令によると、牛乳の名がつくのは「牛乳」「特別牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」の5種類で、このほか「加工乳」「乳飲料」を合わせて7種類が飲用と定められている。
まず5種類の牛乳の特徴をあげると、
・牛乳 … 乳脂肪分3.0%以上、加熱殺菌のみOK
・特別牛乳 … 乳脂肪分3.3%以上
・成分調整牛乳 … 水分や乳脂肪を除去したもの
・低脂肪牛乳 … 乳脂肪分0.5〜1.5%
・無脂肪牛乳 … 乳脂肪分0.5%未満
で、このグループは殺菌と成分を「減らす」ことだけしか許されていない。
本来の牛乳が持っていない成分を加えると、
・加工乳 … 脱脂粉乳やクリームなど乳製品を加えたもの
・乳飲料 … カルシウムや果汁など牛乳由来以外の成分を添加したもの
となり、乳飲料は色の違いでさらに白物/色物と分類される。つまり、何かを加えた時点で「牛乳」ではなくなってしまうのだ。
それでは「いちご牛乳」はどうなるのか? 製品名はNGで、いちごの風味が加えられているので乳飲料、クリームなどで風味を増した「濃厚」は加工乳なので、これも牛乳と呼べない。○○牛乳の名で呼ばれるものの、厳密には牛乳ではなくなっているのだ。
■「コーヒー牛乳」はコーヒーじゃない?
牛乳と同様にコーヒーにも分類があるのをご存じだろうか?
コーヒーの場合、材料となるコーヒー豆がどれくらい使われているのかがポイントで、公正取引委員会の定める「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」から、名称と、製品100gに使われるコーヒー生豆の重さをあげると、
・5g以上 … コーヒー
・2.5〜5g未満 … コーヒー飲料
・1〜2.5g未満 … コーヒー入り清涼飲料
となっている。市販のレギュラーコーヒーは、カップ1杯(約140cc)に対して10g目安が一般的なので、100g換算なら豆7.14gとなり5gでも少々薄めの設定だ。
また、原料はインスタント・コーヒーでもOKで、計算式は省略するが、元をたどって規定量以上の生豆が使われていればコーヒーと名乗れる。材料を確認しないで「やっぱりインスタントとは一味違うね!」なんて言うと、恥ずかしい思いをするかも知れない。
カフェ・オ・レや、いわゆる「コーヒー牛乳」はどちらに分類されるのか? これは含まれる乳固形分によって決まり、3%以上は乳製品、それ未満はコーヒーのグループになる。コーヒーの定めが公正取引委員会なのは、色や香りでごまかしたインチキ商品が出回らないためで、対して牛乳関連は栄養や菌が関係するため、食品衛生法で定められている。
そのため乳固形分が多い場合は、食品衛生法が優先される仕組みなのだ。
逆も真なりで、カフェ・オ・レながらもコーヒー飲料の製品も多く見かける。つまり牛乳らしさが少ない、の意味だ。「レ」はフランス語で牛乳の意味だけに、ちょっと損した気分だ。
■まとめ
・牛乳と名乗れるのは、加熱殺菌しただけの製品
・乳製品を加えると加工乳、その他の成分をたすと乳飲料
・○○牛乳の名称は禁止
・乳成分が少ないカフェ・オ・レも存在する
本来の味や栄養を求めるなら、牛乳もコーヒーもストレートで飲むのが良さそうだ。
(関口 寿/ガリレオワークス)
マイナビウーマンより引用しました。
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