2008年08月31日
復帰初V打!李が巨人も「金」に導く
![](/gianst/file/38/MjAwODA4MzAtMDAwMDAwMjgtamlqcC1zcG8tdmlldy0wMDBTOA.jpg)
笑顔はなかった。李は一塁ベース上で大きく息を吐いた。「とにかく結果が出てよかった」わき返る三塁ベンチに目をやると、じわじわと喜びがこみ上げてきた。
原監督の期待にひと振りで応えた。4月9日の横浜戦(横浜)以来、約5か月ぶりに「5番」を任された。初回、2死一、三塁、カウント0―1からの金村暁の真ん中に甘く入ったフォークをとらえた。「当たりは今ひとつだったけど、コースがよかった」鈍い音を残した打球は、一、二塁間を抜けていった。先制の右前適時打。北京五輪からチーム復帰後、初打点をマークし、安堵(あんど)感が全身を包み込んだ。
記憶は確かだった。ロッテ時代の04年と05年、日本ハムの金村暁と対戦した。対戦成績は打率3割1分3厘(16打数5安打)、1本塁打、4打点。打席では低めの変化球で勝負してくる右腕の姿を思い浮かべていた。「以前と同じイメージだったよ」狙い通りのスイングで、虎の出はなをくじいた。
完全に吹っ切れた。先頭で迎えた6回に江草から左前安打を放ち、追加点のきっかけを作った。8回には大きくバウンドして投手の頭を越えるラッキーな二塁内野安打。今季初の猛打賞を記録し、これで前日(29日)の同カードから四球を挟み5打数連続安打となった。「状態はよくなってきている。振れてきているし、運もある」と満足げにうなずいた。
開幕直後から不振に陥り、長い2軍生活が続いたが、北京五輪で完全復活への手応えをつかんだ。準決勝の日本戦で岩瀬から決勝2ラン。続くキューバとの決勝でも初回に先制2ランを放ち、金メダルに大きく貢献した。「今は自信を持って打席に入れている」と胸を張った。
五輪の疲れはある。しかし、決して口にはしない。入念なマッサージやストレッチを欠かさず、白坂トレーニングコーチも「五輪後もコンディションを保てている」と太鼓判を押す。毎日のケアの積み重ねが、結果につながった。
クリーンアップ起用の期待に一発回答した背番号25の姿に、原監督も「今日はラッキーボーイ的な存在で、非常にいい仕事をしてくれた」と目を細めた。クライマックスシリーズ進出マジック25を再点灯させ、阪神とのゲーム差は再び7。バーンサイドの抹消期間に結果を残す必要のある李は言葉に力を込めた。「毎日が勝負です」目を覚ましたアジアの大砲が、逆転Vへの道を切り開く。
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