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ピーナッツを求めて

 ブルー・アイド・ソウルという言葉があります。
 白人がやるソウル風の音楽を指す言葉で、ラスカルズとか、ライチャス・ブラザースとかを、連想される方も多いでしょう。古すぎますか?
 アトランティック時代のホール&オーツとか、ポール・ヤングとかならいかがですか…この2組も充分古いですね。

 でも、これのチカーノ版に当たる、ブラウン・アイド・ソウルをご存知でしようか? 
 またはシンプルに、ブラウン・ソウルという場合も多いようです。
 多分、Little Joeあたりが言いだしたのがはしりだと思われ、彼のアルバムには、そのものずばりのタイトルのものがあります。

 ここでいうLittle Joeとは、Little Joe Hernandezのことで、Sunny Oznaなどと並んで、古くから活動しているチカーノ・ヒーローの一人です。

 ここで話が飛びますが、私は、以前からチカーノに人気があるインスト曲、ピーナッツという曲が好きで、例によって原曲が誰か気になっていました。
 そんなとき、Little Joe and The Thrillersというグループがやっているピーナッツを収録しているコンピレーションを見つけました。

 その時、これはきっとLittle Joeが若いころにやっていたグループで、彼こそピーナッツのオリジネイターだったのだと確信したのでした。
 そのアルバムは、結局買わなかったんですが、「迷った時は買え」というコレクター道を極めた方の至言にあるように、スルーしたことを、後々まで後悔しました。
 そのThrillersのアルバムが、今回のお題です。


Little Joe & The Thrillers Meet The Schoolboys

1. This I Know
2. Peanuts
3. Lilly You
4. The Echoes Keep Calling Me
5. Let's Do The Slop
6. Please Don't Go
(以下、Schoolboys)
7. Shirley 
8. Please Say You Want Me
9. Mary
10. I Am Old Enough
11. Pearl
12. Carol

 結論からいいます。
このアルバムに入っているピーナッツは、私が思っていた曲とは同名異曲でした。
 なおかつ、このLittle Joeは、Little Joe Hernandezではなく、Little Joe Cookという黒人ボーカリストだったのでした。

 アルバム・タイトルから、推察される方もいらっしゃると思いますが、このアルバムは、Thrillers単独のものではなく、全12曲中半分の6曲が彼らのものですが、残る半分は、Schoolboysという、別のグループのものでした。

 先にこのグループについて一言でいいますと、明らかに、フランキー・ライモンの影響下に出てきたと思われる、キッズ・ドゥ・ワップ・グループです。
 フランキー・ライモンは、皆さんご存知のとおり、当時はマイケル・ジャクソン並みに影響力があった天才キッズ・シンガーでした。

 マーベレッツグラディス・ホートンも、フランキーをアイドルにしていたという話を聞いたことがあります。
 それはともかく、このグループは、おまけ的ではありますが、それなりの実力を持つ完成されたドゥ・ワップ・グループで、聴き損ということはありません。

 さて、今回の目的であるLittle Joeはどうでしょうか?
 こちらも、結論から言いますと、かなりの実力派のグループだと思います。

 特に、This I Knowと、Lilly Lou、そして問題のPeanutsが素晴らしいです。
 私は、自分の思い違いにがっかりしましたが、この素晴らしいパフォーマンスを聴いて、これはこれで、買う価値は充分にあると、強く思いました。

 This I Knowは、通常のテナーないしはバリトンのリード曲ですが、Peanutsは、ファルセットを多用した、スリリングな素晴らしい曲です。
 ドリーミーでマーベラスとでも形容しましょうか。

 クライド・マクファター時代のドリフターズ版、ホワイト・クリスマスを思い出して下さい。
 あの感動に近いものがここにもあります。(多少褒めすぎかも…)
 やはり、ベース・シンガーと、ファルセットとのからみ、または、その切り替わる瞬間などは、こういった曲の醍醐味です。

 どうも、このグループは、この1曲のワン・ヒット・ワンダー的なグループのようで、私は単独アルバムの存在を知りません。
 素晴らしいグループだと思うので、惜しく感じます。
 57年のヒット曲ですが、時代のタイミングが悪く、LPが出せなかったのかもしれません。

 とりあえず、私の当初の目的は、いまだに果たせていませんが、別の収穫を得たので、良しとしたいです。




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