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サンアントニオ・コネクション

 今回は、サンアントニオ・ソウル・レジェンドの一人、Rudy Tee Gonzalesが、99年にリリースした、"The Rudy Tee Show"名義のアルバムを聴きました。

 Rudy Teeについては、当初、彼の音楽よりも先に、ファミリー・ネーム(ゴンサレス)の語尾が"s"である点が気になりました。
 リトル・ジョー・エルナンデス(Hernandez)、フラコ・ヒメネス(Jimenez)のように、語尾の表記が"z"で、読み方がサ行のスに近い発音であるのが、よく目にするケースです。


 
Reflections
The Rudy Tee Show

1. Matilda (G.Khoury, H.Thierry)
2. Just Because (L.Price)
3. Knock On Wood (Cropper, Stephen Lee, Eddie Floyd)
4. Walk Through This World (Seamons Savage)
5. Shake, Rattle & Roll (Charles Calhorn)
6. On Bended Knee (R.Guidry)
7. Gratefully
8. Never Let Me Go (Hold Me, Thrill Me) (H.Noble)
9. I'm Your Puppet (Oldham, Penn)
10. Pledging My Love (Washington, Rovy)
11. Just A Dream (J.Clanton, C.Matassa)
12. Alfie's Theme (Sonny Rollins) [inst]
13. When A Man Loves A Woman (Calvin Houston Lewis, Andrew James Wright)
14. Old Time Rock & Roll (George Jackson, Tom Jones V)
15. Together Again (Buck Owems)
16. All I Could Do Was Cry (B.Davis)

 Rudy Tee Gonzalesは、60年代に、Heuy P.MeauxのTear Drop Recordsから、"Rudy Tee Y Sus Reno Bops"名義で4枚のアルバムを出していた人で、これは当時、同レーベルでは、Sunny & The Sunlinersの6枚に次ぐリリース数でした。

 素直に考えれば、需要があったということでしょう。
 Sunny & The Sunliners同様、チカーノR&Bから出発して、次第にスパニッシュ・コミュニティ向けのレパートリーへとシフトしていった人でしたが、英語曲の代表曲は、本盤でも再演している、"All I Could Do Was Cry"です。

 本盤は、全編英語曲、それも古いリズム&ブルース、ロックンロール、メンフィス・ソウルなど、一定の世代のチカーノに、Oldies(Chicano Oldies、Lawrider Oldies)などと呼ばれ、愛され続けている音楽のカバー集になっています。
 (若干スワンプ・ポップ寄りに感じます。)

 本盤でのプロジェクト、"The Rudy Tee Show"の主なメンバーは、以下のとおりです。

Rudy Tee Gonzales : vocal
Rudy Palacios : guitar, vocal
Fernando Aguilar : bass, vocal
Tony Pena : bass
Manuel T. Gonzales : drums
Mike Baez : keyboads, vocal
Joe Posada : sax
Joey Perez : sax
Sandy Sanchez : accordion

 このうち、Rudy Palaciosは、Sunny & The Sunlinersのギターリストだった人です。

 Sunliners(Sunglowsではありません)の設立時のギターは、Oscar Villanuevaという人でしたが、録音時期不明のアルバム、"Live In Hollywoodの頃には、Rudy Palaciosに交代していたようです。
 このライヴでは、その他のメンツも含め、それまでのスタジオ盤とは大幅に違うため、ツアーだけのメンバーだった可能性もなくはないです。
 しかし、その後のSunliners(〜Sunliner Band)の活動は、この時のメンバーがベースになったようです。

 本盤のジャケ写で、中央のRudy Teeの左斜め上に配置されている、額が広く髪が後退気味の人物がRudy Palaciosです。
 この人は、近年ソロ・アルバムを出しているため、顔が分かるのでした。
 (ソロ作は、スペイン語曲中心ですが、英語曲では、"What's Your Name"、"You Send Me"などをやっています。)

 そして、写真の特定ができませんが、ベースのFelnando Aguilarは、Rudy Tee & Reno Bops時代からの古参メンバーです。

 本盤のリード・ボーカルは、もちろんRudy Teeですが、他にも3名がリードをとっています。
 以下のとおりです。 

Rudy Palacios (g) 3曲
8. Never Let Me Go (Hold Me, Thrill Me)
9. I'm Your Puppet 
11. Just A Dream

Fernado Aguilar (b) 1曲 
10. Pledging My Love

Mike Baez (key) 2曲
13. When A Man Loves A Woman
14. Old Time Rock & Roll

 Rudy Tee Gonzalesは、残りの9曲でリード・ボーカルをとっています。(トラック12のみインスト)



 さて、本盤のサウンドは、99年としては、かなり古い音のような印象を受けます。
 20年くらい前の音といわれても納得したでしよう。
 私は、シンセ・ブラスは好きではなく、本盤の編成は結構なことですが、では生音のホーン陣が効果的かというと、さほどでもない、と言わざるを得ません。
 そもそも、ホーン陣というほど分厚くない。

 名曲ぞろいですが、現在の技術でかっこよく録音したといった感じが希薄で、なおかつ、当然ながら、古いR&Bが漂わせていた時代の熱気、独特の空気感は望むべくもありません。
 少し残念なミックスのような気がします。
 いっそのこと、華やかで能天気なラテン曲があれば、少しは受ける印象も変わったかも知れません。

 ここで大胆に言ってしまいましょう。
 Rudy Teeは、決してへたなシンガーではありませんが、本盤から受ける印象は、あまりソウルフルとはいいがたいです。
 むしろ、最初からうまさで勝負していない他の3人のボーカリストの方が、素朴な味わいがあってよく感じました。
 これは、選曲にも関わりがあると思います。

 Rudy Teeは、Doo Wopが似合うと思うので、コーラス入りで50年代のDoo Wopをやってほしかったです。
 Doo Wop以外では、他のアルバムでやった、スペイン語版"Sometimes"(もちろん、Gene Thomas作の名作にして、Doug Sahmの愛唱歌)は良かったです。

 先に触れましたが、今回の盤の選曲は、テハーノというよりも、スワンプ・ポップ寄りのそれです。
 まあ、"Just Because"、"Pledging My Love"、"Just A Dream"なんかは、ガルフコースト共通の人気曲ですね。

 本盤だけを聴いていると、Rudy Teeは、スペイン語曲がベストと思ってしまいそうです。
 でも、ヴィンテージ期ののどの艶を再現できる、彼の個性を引きす選曲とプロデューサーに出会えれば、まだまだ、良いサンアントニオ・ソウルのアルバムが作れるシンガーだろうと私は思います。



All I Could Do Was Cry by Rudy Tee & The Reno Bops




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