2011年11月20日
スワンプ・ロッカーの休息
今回は、スワンプ・ポップ・レジェンドの一人、Rod Bernardの70年代のアルバムを聴きました。
Rod Bernardは、本アルバムのタイトル曲、バラードの"This Should Go On Forever"で知られるシンガーですが、Chuck Berryスタイルのロックンロールを好む一面を持っていた人でもありました。
本盤は、Heuy P. Meauxの制作により、78年にCrazy Cajun Recordsからリリースされたものです。
Side One
1. This Should Go On Forever (Miller, Jolivette)
2. Papa Thibodeaux (R. Bernard, E. Futch)
3. If You Call This Happy, Baby (D. Snead)
4. I Don't Miss You (D. Epps)
5. Cajun Blue (G. Latimer)
Side Two
1. Taxas Roller Coaster Feeling (Amos Boynton)
2. Help Me Put Myself Together (G. Latimer)
3. Wish I Could Get Up And Go To Bed (D. Epps)
4. Colinda (Adapted by Rod Bernard)
5. New Orleans Jail (Koppelman, Rubin)
70年代後半というのは、Huey P.Meauxが嬉々としてお気に入りのアーティストを手掛けた時期でした。
特に78年前後は精力的にリリースしていて、スワンプ・ポップで思いつくところだけでも、次のようなアーティストをプロデュースしています。
Tommy McLain : "If You Don't Love Me" (78年)
T. K. Hulin : "As You Pass Me By Graduation Night" (78年)
Warren Storm : "Family Rules" (78年)
Rod Bernard : 本盤 (78年)
そして、テキサス系では次の二人
Roy Head : "Rock 'n' Roll My Soul" (77年)
Joey Long : "Flyin' High" (78年)
Joey Long : "Rains Came" (78年) ……(これは未入手のため資料情報です。ジャケ写だけでも見たいです。)
いずれも、Crazy Cajunからリリースしています。
もちろん、切り札のFreddy FenderやB. J. Thomasは当然やっていますし、さらには、黒人ブルースマンも手掛けているはずです。
さすが気を見るに敏、チャンスには一気に攻めますね。
この時期を、仮にFreddy Fender特需と呼びましょう。
75年に爆発したFreddy特需は、まもなく急速に冷えていきます。
さて、本盤は、ヴィンテージ期のRod Bernardを知る方には、少し違った印象を受ける内容になっています。
前述のとおり、彼の代表曲をひとつあげるなら、スワンプ・ポップ・バラードの"This Should Go On Forever"ですが、その他の多くの曲は、ケイジャンの隠し味をもつ古いスタイルのロックンロールなのです。
英Aceからリリースされたコレクションのタイトルは、"Swamp Rock 'n' Roller"でした。
しかし、本盤から受ける印象は、ほとんどポップ・カントリー・アルバムのそれです。
伴奏は、ラップ・スチールが最も印象に残り、次いでドブロ、フィドルの順でしょうか。
ケイジャンらしいケイジャンは、A2の"Papa Thibodeaux"だけ、おまけしてB4の"Colinda"くらいでしょう。
"Colinda"とB5の"New Orleans Jail"は、ヴィンテージ期の作品の新録音ですが、元盤がロックンロールの元気さを感じるのに対して、本盤のバージョンはカントリー風味が強く、時代の違いを感じます。
最もケイジャンを感じさせる曲、"Papa Thibodeaux"ですが、50年代から活躍するケイジャン・フィドラーにRufas Thibodeauxという人がいて、あるいはパパ・ルーファスのことを歌っている曲かも知れません。
他に私が注目したのは、次の2曲です。
"I Don't Miss You" (A4)
"Help Me Put Myself Together" (B2)
"I Don't Miss You"は、正調カントリーですが、バックにフレンチ・ホルンのような音がリフを奏でていて、思わず耳を惹きます。
"Help Me Put Myself Together"は、本盤で最も元気な曲です。
ドブロをバックに快調に歌われる曲で、輝くような明るさを感じる、ウキウキ感たっぷりのメロを持つカントリーです。
続く"Wish I Could Get Up And Go To Bed"がサッドなブルー・バラードなので、流れの変化が強く印象に残りました。
"Wish I Could Get Up And Go To Bed"は、歌詞がゴスペルを連想させますが、悲しい曲調なので、単に日常のストレスを歌ったカントリー・ソングなのかも知れません。
アルバム全体の印象は、もう少しケイジャン風味が強いほうが私の好みです。
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トミーのお気に入り
スワンプ・レジェンドの帰還
77年のロイ・ヘッド
カオスの人、ジョセフ・ロンゴリア
Rod Bernardは、本アルバムのタイトル曲、バラードの"This Should Go On Forever"で知られるシンガーですが、Chuck Berryスタイルのロックンロールを好む一面を持っていた人でもありました。
本盤は、Heuy P. Meauxの制作により、78年にCrazy Cajun Recordsからリリースされたものです。
This Should Go On Forever
& Other Bayou Classics
Rod Bernard
& Other Bayou Classics
Rod Bernard
Side One
1. This Should Go On Forever (Miller, Jolivette)
2. Papa Thibodeaux (R. Bernard, E. Futch)
3. If You Call This Happy, Baby (D. Snead)
4. I Don't Miss You (D. Epps)
5. Cajun Blue (G. Latimer)
Side Two
1. Taxas Roller Coaster Feeling (Amos Boynton)
2. Help Me Put Myself Together (G. Latimer)
3. Wish I Could Get Up And Go To Bed (D. Epps)
4. Colinda (Adapted by Rod Bernard)
5. New Orleans Jail (Koppelman, Rubin)
70年代後半というのは、Huey P.Meauxが嬉々としてお気に入りのアーティストを手掛けた時期でした。
特に78年前後は精力的にリリースしていて、スワンプ・ポップで思いつくところだけでも、次のようなアーティストをプロデュースしています。
Tommy McLain : "If You Don't Love Me" (78年)
T. K. Hulin : "As You Pass Me By Graduation Night" (78年)
Warren Storm : "Family Rules" (78年)
Rod Bernard : 本盤 (78年)
そして、テキサス系では次の二人
Roy Head : "Rock 'n' Roll My Soul" (77年)
Joey Long : "Flyin' High" (78年)
Joey Long : "Rains Came" (78年) ……(これは未入手のため資料情報です。ジャケ写だけでも見たいです。)
いずれも、Crazy Cajunからリリースしています。
もちろん、切り札のFreddy FenderやB. J. Thomasは当然やっていますし、さらには、黒人ブルースマンも手掛けているはずです。
さすが気を見るに敏、チャンスには一気に攻めますね。
この時期を、仮にFreddy Fender特需と呼びましょう。
75年に爆発したFreddy特需は、まもなく急速に冷えていきます。
さて、本盤は、ヴィンテージ期のRod Bernardを知る方には、少し違った印象を受ける内容になっています。
前述のとおり、彼の代表曲をひとつあげるなら、スワンプ・ポップ・バラードの"This Should Go On Forever"ですが、その他の多くの曲は、ケイジャンの隠し味をもつ古いスタイルのロックンロールなのです。
英Aceからリリースされたコレクションのタイトルは、"Swamp Rock 'n' Roller"でした。
しかし、本盤から受ける印象は、ほとんどポップ・カントリー・アルバムのそれです。
伴奏は、ラップ・スチールが最も印象に残り、次いでドブロ、フィドルの順でしょうか。
ケイジャンらしいケイジャンは、A2の"Papa Thibodeaux"だけ、おまけしてB4の"Colinda"くらいでしょう。
"Colinda"とB5の"New Orleans Jail"は、ヴィンテージ期の作品の新録音ですが、元盤がロックンロールの元気さを感じるのに対して、本盤のバージョンはカントリー風味が強く、時代の違いを感じます。
最もケイジャンを感じさせる曲、"Papa Thibodeaux"ですが、50年代から活躍するケイジャン・フィドラーにRufas Thibodeauxという人がいて、あるいはパパ・ルーファスのことを歌っている曲かも知れません。
他に私が注目したのは、次の2曲です。
"I Don't Miss You" (A4)
"Help Me Put Myself Together" (B2)
"I Don't Miss You"は、正調カントリーですが、バックにフレンチ・ホルンのような音がリフを奏でていて、思わず耳を惹きます。
"Help Me Put Myself Together"は、本盤で最も元気な曲です。
ドブロをバックに快調に歌われる曲で、輝くような明るさを感じる、ウキウキ感たっぷりのメロを持つカントリーです。
続く"Wish I Could Get Up And Go To Bed"がサッドなブルー・バラードなので、流れの変化が強く印象に残りました。
"Wish I Could Get Up And Go To Bed"は、歌詞がゴスペルを連想させますが、悲しい曲調なので、単に日常のストレスを歌ったカントリー・ソングなのかも知れません。
アルバム全体の印象は、もう少しケイジャン風味が強いほうが私の好みです。
Recorded In England by Rod Bernard
66年頃は、英国勢来襲を受けてこんな感じでやってました。
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