2011年06月21日
サムデイ・ベイビー
アナザー・ガンボでしょうか。
私は、このアルバムを聴きながら、やはりドクター・ジョンの日本盤LPを思い出していました。
手元にある「ガンボ」のCDは、私をがっかりさせてくれます。
1. Trick Bag (Earl King)
2. Worried Life Blues (Major Merriweather, Big Maceo, Sleepy John Eates)
3. Big Chief (Earl King, Wardell Quezerque)
4. Singing In My Soul (L. Johnson)
5. Doing Something Wrong
6. Lights Out (Mac Rebennack)
7. Hey, Now Baby (Roy Byrd)
8. Happy Tears
9. Pink Champagne (Joe Liggins)
10. River's Invitation (Percy Mayfield)
私が、「ガンボ」がニューオリンズ録音でないことを知ったのはいつごろだったでしょう。
そんなこと、思いもしないことでした。
「ガンボ」は、多感な10代を黄金時代の只中で過ごし、早熟な天才としてシーンに関わった人物が、喧噪の時代を音楽で振り返った真の傑作でした。
それは、生きた音楽でありながらも、アカデミックな1枚だと思いました。
私は、「ガンボ」の日本盤LPが好きです。
なぜなら、そこには多くの示唆に富んだ文章を含む、ライナーノーツが入っていたからです。
そこには、演者のDr.Johnにより、収録曲との出会いや、演奏のアレンジの狙いなど、わくわくするようなエピソードが、思い入れたっぷりに記されていました。
あの対訳は素晴らしい仕事だったと思います。
ですが、私が持っている輸入盤CDには、ライナーそのものが入っていません。
腹立たしいです。
日本盤はどうなんでしょう。
気を取り直したいと思います。
本作もまた、メインはL.A.録音のようです。
このアルバムは、いろいろとジャケ違いが存在するようですが、これはオーストラリア盤です。
私は、オリジナルかどうかは別として、この「釣糸を垂れるスナフキンの後ろ姿」といった、このジャケのたたずまいが気に入っています。
Ronnie Barronは、Mac Rebennackの2〜3才下で、彼とは子供のころからの音楽仲間でした。
そして、このアルバムにも、ニューオリンズR&Bへの愛情と敬意に溢れた、演者ロニーによる各曲への簡単な紹介が記されています。
「ガンボ」を連想したのは、音楽性やコンセプトだけではなかったのでした。
そこでは、当時、15歳のDr.Johnが書いた"Lights Out"を、13歳のRonnieが、Dr.John自身から教わったと語っています。
収録曲では、プロフェッサー・ロングヘアの作品が特に光っていると感じます。
ヒューイ・スミスと長髪教授は、やはり凄いです。
そして、スワン・シルバートーンズをやっているのが興味深いです。
"Singing In My Soul"です。
私は、スワンズでは、ここには入っていませんが、似たような曲調を持つ、"Mary Don't You Weep"という曲に思い入れがあり、そちらがより好みです。
まあ、クロード・ジーターの第一声が入ってくる瞬間のスリルは、両者に共通しています。
さて、私が本作で最も好きな曲は、2曲目の"Worried Life Blues"です。
冒頭の"Trick Back"も悪くはないですが、曲順が入れ替わって入れば、衝撃度がさら増して良かったのに、と思っています。
"Worried Life Blues"は、別名"Someday Baby"と呼ばれることも多く、おそらくはレコーディングの歴史が始まる前から、すでにあった曲だと思われます。
ここでのRonnie Barronのバージョンは、私にいくつかの曲を連想させます。
まずは、Ray Charlesです。
Rayは、ニューオリンズへ出向き、Guitar Slimの伴奏を仕切ったことを契機に、大きな音楽的飛躍を遂げました。
一方、Rayの仕事もまた、ニューオリンズR&Bへ多大な影響を与えたのでした。
Ronnieの"Worried Life Blues"は、"I Got A Woman"のリズム・パターンを使っています。
そこへ、あの「サムデイ・ベイビー、エーニモー」というくせになる決めフレーズが乗ってくるのでした。
かっこよすぎます。
私が、これを聴いて真っ先に思い出したのが、Rayの"I Got A Woman"と、もう1曲、唐突に思われるかも知れませんが、Muddy Watersの"Trouble No More"です。
すぐ手元にこの曲の収録アルバムがある方は、ぜひ聴いていただきたいです。
Muddyは、シカゴ・ビートに乗せて「サムデー・ベイべー、トラボー・フォー・ミー・エーニモー」とぶっきらぼうに歌い飛ばしています。
この曲での攻撃的なアップのチェス・サウンドもまた、紛れもなくダンス・ビートなのでした。
習慣性の高いビートと、魔術のようなアイデア溢れるソロが、たっぷり詰まった極上の1枚だと思います
私は、このアルバムを聴きながら、やはりドクター・ジョンの日本盤LPを思い出していました。
手元にある「ガンボ」のCDは、私をがっかりさせてくれます。
Singing In My Soul
"Classic New Orleans Rhythm & Blues"
Ronnie Barron
"Classic New Orleans Rhythm & Blues"
Ronnie Barron
1. Trick Bag (Earl King)
2. Worried Life Blues (Major Merriweather, Big Maceo, Sleepy John Eates)
3. Big Chief (Earl King, Wardell Quezerque)
4. Singing In My Soul (L. Johnson)
5. Doing Something Wrong
6. Lights Out (Mac Rebennack)
7. Hey, Now Baby (Roy Byrd)
8. Happy Tears
9. Pink Champagne (Joe Liggins)
10. River's Invitation (Percy Mayfield)
私が、「ガンボ」がニューオリンズ録音でないことを知ったのはいつごろだったでしょう。
そんなこと、思いもしないことでした。
「ガンボ」は、多感な10代を黄金時代の只中で過ごし、早熟な天才としてシーンに関わった人物が、喧噪の時代を音楽で振り返った真の傑作でした。
それは、生きた音楽でありながらも、アカデミックな1枚だと思いました。
私は、「ガンボ」の日本盤LPが好きです。
なぜなら、そこには多くの示唆に富んだ文章を含む、ライナーノーツが入っていたからです。
そこには、演者のDr.Johnにより、収録曲との出会いや、演奏のアレンジの狙いなど、わくわくするようなエピソードが、思い入れたっぷりに記されていました。
あの対訳は素晴らしい仕事だったと思います。
ですが、私が持っている輸入盤CDには、ライナーそのものが入っていません。
腹立たしいです。
日本盤はどうなんでしょう。
気を取り直したいと思います。
本作もまた、メインはL.A.録音のようです。
このアルバムは、いろいろとジャケ違いが存在するようですが、これはオーストラリア盤です。
私は、オリジナルかどうかは別として、この「釣糸を垂れるスナフキンの後ろ姿」といった、このジャケのたたずまいが気に入っています。
Ronnie Barronは、Mac Rebennackの2〜3才下で、彼とは子供のころからの音楽仲間でした。
そして、このアルバムにも、ニューオリンズR&Bへの愛情と敬意に溢れた、演者ロニーによる各曲への簡単な紹介が記されています。
「ガンボ」を連想したのは、音楽性やコンセプトだけではなかったのでした。
そこでは、当時、15歳のDr.Johnが書いた"Lights Out"を、13歳のRonnieが、Dr.John自身から教わったと語っています。
収録曲では、プロフェッサー・ロングヘアの作品が特に光っていると感じます。
ヒューイ・スミスと長髪教授は、やはり凄いです。
そして、スワン・シルバートーンズをやっているのが興味深いです。
"Singing In My Soul"です。
私は、スワンズでは、ここには入っていませんが、似たような曲調を持つ、"Mary Don't You Weep"という曲に思い入れがあり、そちらがより好みです。
まあ、クロード・ジーターの第一声が入ってくる瞬間のスリルは、両者に共通しています。
さて、私が本作で最も好きな曲は、2曲目の"Worried Life Blues"です。
冒頭の"Trick Back"も悪くはないですが、曲順が入れ替わって入れば、衝撃度がさら増して良かったのに、と思っています。
"Worried Life Blues"は、別名"Someday Baby"と呼ばれることも多く、おそらくはレコーディングの歴史が始まる前から、すでにあった曲だと思われます。
ここでのRonnie Barronのバージョンは、私にいくつかの曲を連想させます。
まずは、Ray Charlesです。
Rayは、ニューオリンズへ出向き、Guitar Slimの伴奏を仕切ったことを契機に、大きな音楽的飛躍を遂げました。
一方、Rayの仕事もまた、ニューオリンズR&Bへ多大な影響を与えたのでした。
Ronnieの"Worried Life Blues"は、"I Got A Woman"のリズム・パターンを使っています。
そこへ、あの「サムデイ・ベイビー、エーニモー」というくせになる決めフレーズが乗ってくるのでした。
かっこよすぎます。
私が、これを聴いて真っ先に思い出したのが、Rayの"I Got A Woman"と、もう1曲、唐突に思われるかも知れませんが、Muddy Watersの"Trouble No More"です。
すぐ手元にこの曲の収録アルバムがある方は、ぜひ聴いていただきたいです。
Muddyは、シカゴ・ビートに乗せて「サムデー・ベイべー、トラボー・フォー・ミー・エーニモー」とぶっきらぼうに歌い飛ばしています。
この曲での攻撃的なアップのチェス・サウンドもまた、紛れもなくダンス・ビートなのでした。
習慣性の高いビートと、魔術のようなアイデア溢れるソロが、たっぷり詰まった極上の1枚だと思います
【リズム・アンド・ブルースの最新記事】
投稿者:エル・テッチ|04:00|リズム・アンド・ブルース
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