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甲高いだけぢゃない

 英Kentが、近々Ted Taylorの新しい編集盤をリリースします。
 レア・アンド・アンイシュードと副題が付けられているので、貴重なテイクが聴けるのだと思います。

 私は、テッド・テイラーに関心があるのですが、今までその全容が良くわかりませんでした。
 今回出されるRonn時代というのが、全盛期のものなのでしょうか?

 だとしたら、期待したいです。
 というわけで(?)、今回は手持ちの彼のCDを聴き返して、予習したいと思います。


Somebody's Gettin' It
Ted Taylor

1. Somebody's Gettin' It
2. Steal Away
3. Stick by Me
4. Standing in the Wings of Heartache
5. Wrapped up in a Good Woman's Love
6. I'm Gonna Hate Myself in the Morning
7. It Takes a Fool (To Be a Fool Again)
8. You Make Loving You So Easy
9. High Heel Sneakers
10. Everybody's Stealing
11. Talk to Me
12. Paying for My Love Mistakes
13. Two Minute Warning
14. Ghetto Disco
15. You Can Make It If You Try


 私がテッド・テイラーというシンガーを意識したのは、それほど以前のことではありません。
 きっかけは、Pヴァインからリリースされた3枚組の日本編集盤、The Jewel Deep Soul Storyでした。
 このコンピレーションに収録されている、Make Up For The Lost Timeという曲です。

 この曲は、モントクレアーズというソウル・グループのカバーのようで、スイート・ソウル系の曲です。
 これを聴いた私は、初めて彼を意識したのでした。
 「これはすごいシンガーだ、なぜ今まで気付かなかったんだろう」
 これはもう、名演というほかない傑作だと思います。

 しかし、グループもののカバーというのは、どうでしょう。
 彼の本道とは別の、偶然はまった異色の傑作という可能性もあります。

 それからです。
 私は、テッド・テイラーを意識して聴くようになりました。

 まず、最初に手に入れたのは、Shoutという会社が出したOkeh時代の作品集でした。
 多分、現在、最も容易に入手できる音源だと思います。

 初めて聴いたときは、正直いってがっかりしました。
 あまり個性の感じられない古いスタイルのリズム・アンド・ブルースだというのが、最初の感想でした。 
 曲はともかく、伴奏が古臭いという印象を受けました。 
 ボーカルも、甲高い声を張り上げるのが気に障ります。
 
 テッド・テイラーは、ハイ・テナー系のシンガーで、あえて例えるなら、クライド・マクファターや、リトル・ウイリー・ジョン系のシンガーだと思います。
 
 私は、クライド・マクファターは好きですが、リトル・ウイリー・ジョンは、嫌いではないくらいの感じです。
 まあ、日本では、あまり人気がないタイプですね。

 テッドと言う人は、実はキャリアの長い人で、ジャックス(又はカデッツ、実態は同じ)というドゥワップ・グループの出身で、どうやら、リズム・アンド・ブルースからソウルへと移行する時代を乗り切った人のようです。

 あるとき、私は意識にありませんでしたが、実は以前からテッドの歌声を聴いていたことが判明しました。
 英Aceの編集盤で、The Ebb Story Vol.2というコンピを持っていたのでした。

 この時代は、ソロ・キャリアをスタートしたころだと思われ、やはり古いスタイルです。
 確かに聴いたはずですが、改めて聴き返しても思い当たる節がありません。
 それくらい、印象に残ってなかったと言うことだと思います。

 そういうシンガーが、前述のスイート・ソウルを歌えるということが不思議でした。
 そして、私は思ったのです。
 テッド・テイラーの本質はどこにあるのか、全盛期はいつなのか?

 そんな思いから、いくつかのアルバムを入手しました。
 今回のアルバムは、そんなアルバムのうちの1枚です。

 まず、改めて仕切り直したいのですが、今の私は、テッドのオーケー時代もかなり好きになりました。
 ただ、楽しめる曲もありますが、どうも器用貧乏的な感じもします。
 
 様々な曲をそれなりに歌いこなしますが、あるときは、ジョニー・アダムズ風であったり、ボビー・ブランド風であったりと焦点が定まらない印象を受けます。

 これは、テッドのボーカルというより、プロデュースに問題があるのではないか、そう思いました。
 どの曲でも、テッドは熱のこもった歌唱を聴かせていると思います。
 ただ、伴奏が、いろいろと受けを狙った、○○風サウンドであることが多いです。

 オーケー時代には、I'll Release Youという、Release Meのアンサー・ソングのような曲があります。
 また、ゴスペル・ブルースのような曲も吹き込んでいます。

 これらは、その時々のヒット曲にすり寄って、あわよくば便乗しようという制作陣の意図ではないでしょうか。
 また、甘いストリングスが入ったアレンジも多いように感じます。

 このあたりの印象が、私にプロデュース次第ではないか、と思わせることになりました。
 英WestsideのJewelのコンピ、Soul Jewel Vol.2には、テッドが3曲収録されていますが、ブルースからディープ・ソウルまで、やはり器用にこなしていて、その思いはさらに強くなりました。

 今回取り上げたアルバムでも、いくつかの顔を見せてくれています。
 Steel Awayのようなブルージーな曲を聴くと、これが彼の本質かも知れないと思います。

 でも、フォー・トップス風のノーザン、Standing In The Wings Of A Heartacheを聴くと、「おおっ、こういうのも歌えるんだ、ただ歌えるだけじゃなくレベルが高い」と感心します。

 そして、私の思いは再び元へ戻るのでした。
 器用でうまい、なんでもそつなくこなし、時にはハイ・レベルの名演も残している。
 そういう感想に結局はいきつくばかりで、どうも全容があわあわと掴みどころがないのでした。

 ちなみに、07年にSoulscapeがリリースした、Sound City Soul Brothersというアルバムは、テッドとReuben BellEddie Gilesの三人をほぼ均等に収録したものでしたが、テッドの収録曲は、このアルバムとほとんどダブっていて驚いたことを思い出します。

 Soulscape盤のみの収録曲では、ブルック・ベントンのLookin Backがある意味聴きものです。
 私はこの曲に思い入れがあり、サーのジミー・アウトラー盤が一番好きです。

 さて、上手いけれども、本質がどこにあるのか見えにくい、そんなシンガーだと改めて思いました。

 ここまで、タイプしていて、米Fuelのリイシュー、An Introduction To Ted Taylorという編集盤を持っていたことに気が付きました。

 これは、Ronn時代の録音を中心に、Jewel録音2曲を加えた内容になっていて、予習としては、こちらの方がふさわしかったようです。

 まあ、私のCD棚の整理は、その程度のレベルです。

 願わくば、新しい英Kentのリイシュー盤が、テッドの決定盤になっていることを願いたいです。




Something Strange Is Goin' On In My Houseです。






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