2011年01月15日
ブルーズン・ソウル・ブラザーズ
私は、ディープ・ソウルが好きです。
そして、ブルースもまた、大好きです。
このふたつが、1個の人間の中に昇華されたようなシンガーが、私の最も好むタイプです。
別の言葉に言い換えるなら、ブルーズン・ソウルが好みなのでした。
1. What Can I Do (Somebody Tell Me)
2. Engines And Wings : Kenn Chipkin
3. First You Cry : David Egan, Buddy Flett
4. Ever Since
5. Whatever It Takes : Dan Penn, Gary Nicolson
6. That's What I Want To Do
7. I've Been Watching You
8. I'm So Lonesome
9. Broken Hearted Man
10. What Do I Have To Do (To Make You Love Me)
11. My Darling
12. Baby Couldn't Be Found
このアルバムは、95年にリリースされたもので、発表当時は、その優れた内容が評判になった1枚でした。
どうやら、盲目のシンガー、ギタリストらしい、バスター・フォアハンドは、60年代に素晴らしくディープなシングルを吹き込んでいながら、ヒットに恵まれず、計画がありながらも、ついにアルバムを出せなかった人で、90年代に再発見された人でした。
このあと、もう1枚アルバムが出ていました。
ヴィンテージ期の録音は、このアルバムの発売を契機にコンプリート集が編まれ、Sequelからリリースされました。
そちらでは、サム・クック・フレイバーを感じさせる曲から、ニューヨーク・ディープ風のつくりの作品まで、素晴らしい曲をたくさん聴くことが出来ました。
久しく聴いていませんが、どディープ・スタイルのAll I Could Do Was Cryが印象に残っています。
この人は、ディープ・ソウル系のシンガーであるとともに、ギタリストでもあり、自ら弾くブルージーなリード・ギターは達者なものです。
ブルース・ギタリストで、ソウルが歌えるシンガーといえば、リトル・ミルトンが代表ですが、私は、ミルトンの何倍もこのリトル・バスターが好きです。
少しタイプは違いますが、ロバート・ウォードと似た匂いが感じられる人です。
このアルバムでは、リード・ギターの技が冴えまくっていて、シンプルにカッコイイと言いたいです。
まず、冒頭の What Can I Do (Somebody Tell Me)で、がつんと頭を殴られるような衝撃を受けます。
気力満タンのホーン陣(サックス2本、トランペット1本)がまず聴かせます。
そして、太い声と少し高い声を使い分けながら、どディープな歌声を聴かせる、リトル・バスターが登場すると、たちまちその世界に惹きこまれます。
さらに、曲の並びがまた良くて、次のブルース、Engines And Wingsのリード・ギターのイントロが耳に入ってくると、もはや虜状態です。
最高にブルージーで、最高にディープな歌世界に酔わされます。
そして、続くメンフィス・ソウル風のスロー・バラード、First You Cryが、これまた素晴らしいのでした。
静かに、荘厳に進行するこの曲は、実はルイジアナの白人ピアニスト、デイヴィッド・イーガンの作品なのでした。
作者イーガンのバージョンは、スワンプ・ポップのスーパー・グループ、Lil' Band O' Goldの演奏で聴くことが出来ます。
イーガンのヴィンテージ期の作品があれば聴いてみたいです。
また、First You Cryは、94年のパーシー・スレッジ盤もあります。
このアルバムでは、O. V.ライトか、ボビー・ブランドか、というような、リトル・バスターの素晴らしい歌唱を聴くことが出来ます。
私は、さきほど太い声と高い声を使い分けて、と表現しましたが、実は一時期、曲によっては、もう一人のシンガーがいるのではと思ったことがあります。
二つの声の入り方に、まるでソウル・デュオの掛け合いのような、そんな感じを受けていたからです。
おそらくは、リトル・バスターが、多重録音で声をかぶせているんでしょう。
ただ、その声の入れ方は、ビートルズや、パティ・ペイジのような、ダブル・ヴォーカルではなく、まるでもう一人のシンガーが合いの手をいれるかのような感じに仕上がっています。
クレジットには、バンド・メンバーの名前が記されていますが、楽器のみで、コーラスのクレジットはありません。
唯一バスター本人が、バッキング・コーラスをいれたと記されているのみですから、そういうことなんでしよう。
アタマの3曲でノックアウトされ、もはや一気にアルバム1枚をき通すほか、この世界から脱することはできないのでした。
ダン・ペン作のWhatever It Takesも、もちろん良いです。
しかし、ここでの相方、ゲイリー・ニコルソンさんは、どういう人なんでしょう。
なにしろ、色んな人とパートナーを組んでいる、気の多いダニエル・ペニントンさんなのでした。
この人は、本作でこそ元気ハツラツな印象の録音を残しましたが、内実はダークな面を持った人ではないかと、私は思っています。
このあとに出たアルバムは、同じようなブルーズン・ソウル路線の選曲でありながら、どこかダークな雰囲気が感じられ、このアルバムほど入れ込めなかったと記憶しています。
とにかく、本作は最高のブルーズン・ソウル・アルバムでした。
First You Cryです。
http://www.youtube.com/watch?v=x_JPAfDYHTg
関連記事はこちら
元祖ヘタウマ
そして、ブルースもまた、大好きです。
このふたつが、1個の人間の中に昇華されたようなシンガーが、私の最も好むタイプです。
別の言葉に言い換えるなら、ブルーズン・ソウルが好みなのでした。
Right On Time !
Little Buster And The Soul Brothers
Little Buster And The Soul Brothers
1. What Can I Do (Somebody Tell Me)
2. Engines And Wings : Kenn Chipkin
3. First You Cry : David Egan, Buddy Flett
4. Ever Since
5. Whatever It Takes : Dan Penn, Gary Nicolson
6. That's What I Want To Do
7. I've Been Watching You
8. I'm So Lonesome
9. Broken Hearted Man
10. What Do I Have To Do (To Make You Love Me)
11. My Darling
12. Baby Couldn't Be Found
このアルバムは、95年にリリースされたもので、発表当時は、その優れた内容が評判になった1枚でした。
どうやら、盲目のシンガー、ギタリストらしい、バスター・フォアハンドは、60年代に素晴らしくディープなシングルを吹き込んでいながら、ヒットに恵まれず、計画がありながらも、ついにアルバムを出せなかった人で、90年代に再発見された人でした。
このあと、もう1枚アルバムが出ていました。
ヴィンテージ期の録音は、このアルバムの発売を契機にコンプリート集が編まれ、Sequelからリリースされました。
そちらでは、サム・クック・フレイバーを感じさせる曲から、ニューヨーク・ディープ風のつくりの作品まで、素晴らしい曲をたくさん聴くことが出来ました。
久しく聴いていませんが、どディープ・スタイルのAll I Could Do Was Cryが印象に残っています。
この人は、ディープ・ソウル系のシンガーであるとともに、ギタリストでもあり、自ら弾くブルージーなリード・ギターは達者なものです。
ブルース・ギタリストで、ソウルが歌えるシンガーといえば、リトル・ミルトンが代表ですが、私は、ミルトンの何倍もこのリトル・バスターが好きです。
少しタイプは違いますが、ロバート・ウォードと似た匂いが感じられる人です。
このアルバムでは、リード・ギターの技が冴えまくっていて、シンプルにカッコイイと言いたいです。
まず、冒頭の What Can I Do (Somebody Tell Me)で、がつんと頭を殴られるような衝撃を受けます。
気力満タンのホーン陣(サックス2本、トランペット1本)がまず聴かせます。
そして、太い声と少し高い声を使い分けながら、どディープな歌声を聴かせる、リトル・バスターが登場すると、たちまちその世界に惹きこまれます。
さらに、曲の並びがまた良くて、次のブルース、Engines And Wingsのリード・ギターのイントロが耳に入ってくると、もはや虜状態です。
最高にブルージーで、最高にディープな歌世界に酔わされます。
そして、続くメンフィス・ソウル風のスロー・バラード、First You Cryが、これまた素晴らしいのでした。
静かに、荘厳に進行するこの曲は、実はルイジアナの白人ピアニスト、デイヴィッド・イーガンの作品なのでした。
作者イーガンのバージョンは、スワンプ・ポップのスーパー・グループ、Lil' Band O' Goldの演奏で聴くことが出来ます。
イーガンのヴィンテージ期の作品があれば聴いてみたいです。
また、First You Cryは、94年のパーシー・スレッジ盤もあります。
このアルバムでは、O. V.ライトか、ボビー・ブランドか、というような、リトル・バスターの素晴らしい歌唱を聴くことが出来ます。
私は、さきほど太い声と高い声を使い分けて、と表現しましたが、実は一時期、曲によっては、もう一人のシンガーがいるのではと思ったことがあります。
二つの声の入り方に、まるでソウル・デュオの掛け合いのような、そんな感じを受けていたからです。
おそらくは、リトル・バスターが、多重録音で声をかぶせているんでしょう。
ただ、その声の入れ方は、ビートルズや、パティ・ペイジのような、ダブル・ヴォーカルではなく、まるでもう一人のシンガーが合いの手をいれるかのような感じに仕上がっています。
クレジットには、バンド・メンバーの名前が記されていますが、楽器のみで、コーラスのクレジットはありません。
唯一バスター本人が、バッキング・コーラスをいれたと記されているのみですから、そういうことなんでしよう。
アタマの3曲でノックアウトされ、もはや一気にアルバム1枚をき通すほか、この世界から脱することはできないのでした。
ダン・ペン作のWhatever It Takesも、もちろん良いです。
しかし、ここでの相方、ゲイリー・ニコルソンさんは、どういう人なんでしょう。
なにしろ、色んな人とパートナーを組んでいる、気の多いダニエル・ペニントンさんなのでした。
この人は、本作でこそ元気ハツラツな印象の録音を残しましたが、内実はダークな面を持った人ではないかと、私は思っています。
このあとに出たアルバムは、同じようなブルーズン・ソウル路線の選曲でありながら、どこかダークな雰囲気が感じられ、このアルバムほど入れ込めなかったと記憶しています。
とにかく、本作は最高のブルーズン・ソウル・アルバムでした。
What Can I Do (Somebody Tell Me)てす。
Engines and Wingsです。
First You Cryです。
http://www.youtube.com/watch?v=x_JPAfDYHTg
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