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カントリー・アンド・ウエスタンを聴く

 カントリー・ミュージックは、以前は、カントリー・アンド・ウエスタンと呼ばれていました。
 えっ、今でもそうじゃないの、という疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょうが、現在は、単にカントリーと呼ばれるのが一般的です。

 ただ、今でもカントリー・アンド・ウエスタンという名称を使うCDなどが出ていて、必ずしも間違いだとは言い難い部分があるのも確かです。

 今回のアルバムは、邦題「カントリー&ウエスタンを歌う」というコニー・フランシスのカントリー集です。

  
Sings Country & Western Hits
Connie Francis

1. テネシー・ワルツ
2. ユア・チーティン・ハート
3. マイ・スペシャル・エンジェル
4. ハーツ・オブ・ストーン
5. ハーフ・アズ・マッチ
6. 夢の枕を
7. ウォルヴァートン・マウンテン
8. 迷わせないでね
9. ブルースを歌おう
10. ウォーク・オン・バイ
11. お金があればね
12. ミュール・スキナー・ブルース
13. メイキング・ビリーヴ
14. ブルー・ブルー・デイ
15. ノー・レター・トゥデイ
16. バイ・バイ・ラヴ
17. ワバッシュ・キャノンボール
18. 知りたくないの
19. アイ・フォール・トゥ・ピーセズ
20. サムデイ
21. 何でもないのに
22. アイム・ア・フール・トゥ・ケア
23. 愛さずにはいられない
24. 恋はつらいね

 このアルバムは、コニー・フランシスが発表した、3枚のカントリー・アルバムから選曲されたもので、概ね60年代前半の録音が収められています。

 オリジナル・アルバムのうち、最初の1枚のタイトルは、Country & Western Golden Hitsでした。
 レイ・チャールズがカントリーを取り上げたアルバムのタイトルは、Modern Sounds In Country and Western Musicと言いました。
 62年にリリースされています。
 このころは、まだまだカントリー・アンド・ウエスタンという名称が使われていたようです。

 ウエスタン・ミュージックは、カウボーイ・ソングと呼ばれるものとほぼ同じだと思われ、ロイ・ロジャースや、テックス・リッター、ジーン・オートリーなど、西部劇映画の劇中で自ら歌う、シンギング・カウボーイと言われたスター達によって代表される音楽だと、私は思っています。

 さて、このアルバムは、ポップスの女王、コニー・フランシスによる、カントリーのヒット曲のカバー集です。
 みんなよい曲ですので、単に流して聴いても普通に楽しめます。

 しかし、せっかくですから、ロックやブラック・ミュージックの視点から、聴き返してみたいと思います。

 問答無用の有名曲も多いですが、まずは、Cハーツ・オブ・ストーン(Hearts Of Stone)を聴きましょう。 
 原曲は、54年のジュエルズ盤です。
 ジュエルズは、リズム&ブルースのボーカル・グループで、なんとオリジナルは、ブラック・ミューシックなのでした。

 この曲を有名にしたのは、55年のオーティス・ウイリアムズ&チャームズ盤と、フォンテイン・シスターズ盤ではないかと思いますが、カントリーとしては、レッド・フォーリー盤で広まったのだと思います。
 ロック・ファンには、ジョン・フォガティのブルー・リッジ・レンジャーズ盤が有名です。
 マイナーなところでは、下積み時代のシェイキン・スティーヴンス盤もありました。
 コニー盤は、RCA王道ナッシュビル・サウンド・スタイルで歌われています。
 
 ナッシュビル・サウンドは、ロックンロールの嵐の洗礼を受けて登場した、ポピュラーに限りなくクロスオーバーした、カントリー・サウンドでした。
 当時大流行したサウンドですが、今の耳で聴くと、何ということはない軽音楽に聴こえます。
 所詮、現代の常識で過去の人々が感じたことを図るのは、無理があるのでした。

 Fウォルヴァートン・マウンテン(Wolverton Mountain)は、62年のNo.1カントリー・ヒットらしいですが、一般的にはほとんど知られていない過去の曲でしょう。
 しかし、ダグ・サーム・ファンにとっては、Texas Rock For Country Rollers収録曲として印象づけられています。
 このアルバムでは、ダグの自作、Cowboy Payton Placeや、Texas Ranger Manなど、それっぽいタイトルのナンバーに挟まれて収録されていました。

 G迷わせないでね(Please Help Me, I'm Fallin')は、ナッシュビル・サウンドの代表曲ともいうべき曲で、60年のハンク・ロックリン盤が原曲です。
 ジョン・フォガティのブルー・リッジ・レンジャーズ収録曲です。

 Hブルースを歌おう(Singing The Blues)は、56年のマーティ・ロビンス盤やガイ・ミッチェル盤が原曲だと思われますが、パブ・ロック・ファンには、もちろん、デイヴ・エドマンズ盤です。
 ロカビリーが爆発した時期に、体制側から提示された曲だというのは、意地悪でしょうか。
 マーティ・ロビンスは、エルヴィスとほぼ同時期に、That's All Rightも出していました。

 Jお金があればね(If You've Got The Money, I've Got The Time)は、マール・ハガードのアイドル、レフティ・フリーゼルの50年のホンキー・トンク・ヒットで、ドワイト・ヨーカム盤があったと思います。
 ウイリー・ネルソンは、当然やっています。

 ハンク・ジュニアとデュエットするコニー盤は、楽しさ満点のアレンジで、カントリー・ロックを先取りしたようなサウンドに仕上がっています。
 レフティの曲では、I Love You A Thousand Wayという名曲があって、オーギー・マイヤースのジャンプ・ブギ・スタイルの素晴らしいバージョンがあります。

 少し飛んで、Q知りたくないの(I Really Don't Want To Know)は、エディ・アーノルドの54年の名曲ですが、日本では、菅原洋一盤が有名で、カントリーが原曲だと知らない人も多いと思います。

 しかし、私にとっては、ソロモン・バークのジェントルなボーカルが忘れられません。
 バークは、R&B界きっての、最も表現の振幅が大きいボーカリストでした。
 ごりごりの教会風音楽から、お上品なカントリー・バラードまで、さらりと歌いこなせる人は、そうはいません。

 (21)何でもないの(He Thinks I Still Care 原曲はShe Thinks…)は、62年リリースのジョージ・ジョーンズの代表曲のひとつで、こちらも、ジョン・フォガティのブルー・リッジ・レンジャーズ収録曲です。
 誰がやっても名曲としかいいようがないです。 
 
 (22)アイム・ア・フール・トゥ・ケア(I'm A Fool To Care)は、40年代のスター、テッド・ダファンの名曲ですが、この人は、スワンプ・ポップと関連が深い人で、この曲は、ジョー・バリー盤、ボビー・チャールズ盤を始め、多くのティアドロッパー(スワンプ・ポップ歌手)に歌われているのではないかと思います。

 ジョー・キング・カラスコが、エル・モリーノ・バンド(オーギーを含むダグ・サーム人脈)とやった名演があります。
 ダファンの作品では、Bone To Looseというレイ・チャールズの名唱もありました。

 (24)恋はつらいね(Heartaches By The Number)は、バック・オーウェンスもまる1枚カバー集を出している、名コンポーザー、ハーラン・ハワードの作品です。
 オリジネイターは、59年のレイ・プライス盤だと思われますが、オーギー・マイヤースが、2ndソロで取り上げていた曲です。

 名曲中の名曲といってよく、たくさんのカバーが存在すると思います。
 クラレンス・フロッグマン・ヘンリー盤はゆるゆるで、私好みです。
 当然、ウイリー・ネルソン盤もあります。

 また、この人の曲は、サザン・ソウルとも関連があり、ジェイムズ・カーの名演、Life Turned Her That Wayや、ジョー・サイモンのThe Chokin' Kindは、ハワードの作品です。
 
 その他、まだ大有名曲が含まれていますが、有名すぎる曲はあえてオミットしました。
 このアルバムは、コニー・フランシスのチャーミングな声が一杯詰まった名盤だと思います。

 なお、取り上げなかった曲で、私のおすすめは、ウォーク・オン・バイ(Walk On By)です。
 こちらは、原曲は未聴ですが、アスリープの名演を、Western Standerd Timeというアルバムで聴くことが出来ます。




Walk On Byです。




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