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町一番のぐーたら娘

 大切にとっておいた宝物
 早くから手に入れていたんですが、なんだか聴くのが惜しくて、先延ばしにしていたアルバムをついに聴きました。


The Laziest Girl In Town
Elizabeth McQueen

1. You're to Blame
2. Just Let Go
3. Mind of Men
4. Laziest Girl in Town : Cole Porter
5. Gone Solid Gone : Mcqueeen, Sanger
6. Anyone But You
7. Love Isn't Like That
8. Lonely Madman : Dan Hicks
9. Skeletons In My Closet : David Sanger
10. You're My Only Home : Stephin Merritt


 このアルバムは、10年にリリースされたもので、Elizabeth McQueenのソロ作として、3作目に当たります。

 彼女は、2作の素晴らしいソロ・アルバムを出したあと、Asleep At The Wheelのドラマー、David Sangerと結婚したことをきっかけに、Asleepに正式に加入し、10年の新作、It's A Good Dayでも存在感を発揮しています。

 今作は、彼女がAsleepに加入し、恐らくは出産を経験したのちに、新たな気持ちでリリースした最新作です。

 彼女の1stは、バンド志向が強い女の子が全力でてがけた、しかし中身は、古い曲好きの正体が見え隠れする、シンガー・ソング・ライター的な1枚でした。

 対して2ndアルバムは、英国産パブ・ロックへの溢れるような愛情を、大声で宣言したかのような、最高にキャッチーかつ激渋嗜好のおじさん殺しの1枚でした。
 選曲のしぶさがたまりません。

 そして今作は、軽快なアコーステイック・スイング調でスタートし、クラリネットとコルネット(私は基本的に同じものだと思っていました。)を、そこかしこに効果的にフィーチャーした、ジャジーな雰囲気のサウンドに仕上がっています。

 このアルバムは、彼女と夫のデイヴ・サンガーの共同制作となっています。
 伴奏メンツの中には、元アスリープのピアニストで、たびたびゲスト参加している、フロイド・ドミノの名前をみることが出来ます。

 リズのボーカルは、ジャズ小歌的な曲では、ときにマリア・マルダーを連想させるような、メランコリックで、レイジーな香りを漂わせた小悪魔的な歌声を聴かせています。

 私は、レイ・ベンスンが制作した、スージー・ボガスのソロ作を頭に浮かべました。
 ボーカルの感じは違いますが、女性ロカビリアンのイメージもあった彼女が、ジャジーでスイング感あふれる小粋なナンバーを歌いこなすのを聴いて、新鮮な驚きと若干期待を外された想いが交錯して、複雑な気分になったものでした。

 リズの場合は、やはり思い切り趣味に走ったギークなアルバムを作ってほしい、そう思う一方で、もしかしたら、これもありかも、どうせなら、ジャネット・クライン並みにとことん突っ切って欲しい、そんな風にも思いました。

 比較的オリジナル曲が多いですが、ディートリヒで知られる(らしい)、コール・ボーター作のアルバム・タイトル曲と、他の曲との間には、さほどの違和感はありません。
 ダン・ヒックスの作品は、もちろんおしゃれです。

 それこそ、いつレイジー・ムーンとか、ザット・オールド・ラッキー・サンなどが出てきても可笑しくない、そんな1枚です。

 アスリープの最新作では、テキサス・プレイボーイズの後期のリード・シンガーだった、リオン・ローシュとタメを張ってデュエットしていた彼女です。
 もともと古い音楽が好きな人なのです。

 パブ・ロック好きも、オールドタイム好きも、同じ一人の女性にごく自然と同居する、伝えたいという欲求が生みだした、楽しい表現の形なのでした。



You're To Blameです。




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追記(お知らせ)

 Googleアラートというサービスをご存知でしょうか?
 関心のあるキーワードを登録しておくと、世界中のサイトを巡回しているGoogleのクローラ・ロボットが、指定したワードを含む新着ニュースやブログなどを抽出して、メールで通知してくれるサービスです。

 私は、好きなアーティストや作家などの名前を複数登録していますが、必ずしも有益な情報のみが通知されるわけではなく、ショップやオークションなどの情報も含まれています。
 しかし、まれに興味深いサイトや、ブログを発見するきっかけとなることがあり、あなどれません。

 今回、そのアラートで、Youtubeと和訳した歌詞でbluesを楽しもう!、というブログを知ることが出来ました。
 ブルースを中心に、ブラック・ミュージックの歌詞に出てくる慣用句などを楽しく紹介されている、たいへん興味深いブログです。

 なるほど、こういう歌詞だったのか、と感心することしきりで、英語がわからない私などには、とてもありがたいブログです。
 リンク集に追加しましたので、興味を持たれた方は、一度覗かれてはいかがでしょうか?



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