2010年11月15日
ルーファスおじさんのダンス
アーティストを好きになるきっかけって、後から考えると忘れてしまっていることが多いです。
もちろん、一目ぼれの場合は当てはまりません。
そうではなく、それまでから聴いていて、さほど好みでもなかったのに、何かのきっかけで、急にたまらなく好きになってしまった、そういうことはないでしょうか?
私は、最近アナログLPを聴き返すことが増えたのですが、「ああ、このアルバムがきっかけだ」と、一瞬で景色が変わるように記憶が鮮明に蘇り、晴れ晴れとした気分になる経験を何度かしました。
私のRufus Thomas観をがらりと変えさせ、好きでたまらなくさせたのが、この1枚です。
Side 1
1. Jump Back
2. All Night Worker
3. Little Sally Walker
4. Chiken Scratch
5. The World Is Round
6. Sister's Got A Boyfriend
7. Talkin' Bout True Love
8. Sophisticated Sissy
Side 2
1. Memphis Train
2. Greasy Spoon
3. The Dog
4. Walking The Dog
5. Can Your Monkey Do The Dog
6. I Want To Be Loved
7. I Want To Get Married
8. Fine And Mellow
これは、英エドセルから、84年に出された編集盤で、一聴して私のルーファス・トーマス観は、180度転換しました。
これは、後から思ったことですが、それまで、私が持っていたルーファス・トーマスのイメージは、ストーンズ版のWalking The Dogに支配されることが大でした。
ノベルティっぽいダンス・チューンだというのが固定されたイメージで、ストーズの他のチェス・サウンドのカバーなどと比較すると、シリアスさに欠けている感じがしてさほど好きになれませんでした。
もうひとつ思いつきました。
オーティス・レディングの1stに入っている、The Dogという曲もまた、私をルーファスから遠ざける一因だったと思います。
今ではかなり印象が変わりましたが、オーティスを聴き始めたころは、1stに入っているカバー曲からは、もさっとしたさえない印象を受けていました。
オーティスのアルバムは、ヘイズ、ポーターの影響力が大きくなって、しっかりとプロデュースされたと思われる後期のアルバムと、いかにもバンマスのヘッド・アレンジで、何回もテイクを重ねて徐々に出来あがりました、といった初期のアルバムでは、あまりにも印象が違います。
今ではどちらも好きですが、当時、初期のアルバムに持っていた印象は、どうにも輪郭がはっきりしない、いなたいサウンドだという思いでした。
その印象が変わったのにも、きっかけがあるのですが、ここでは触れません。
ルーファス・トーマスについて言えば、真剣に聴いていなかった、というのがそもそもの原因です。
しかし、このアルバムに出会い、A面1曲目が耳に飛び込んできて以来、私は、この世界で一番年をとったティーンネイジャーの魅力に、魂を奪われたのでした。
ルーファスの伴奏が、ブッカーT&MGsであることは、頭では理解していました。
しかし、このアーシーで、ブルージーなグルーヴに、ルーファスの鋼の喉がのった音をまとめてきっちりと聴いたとき、私の周囲の世界はその色を変えたのでした。
ルーファス・トーマスは、ジャンプ・ナンバーやブギが最も合っている人だと思います。
その後、ファンキー・マスターのようになり、悪くはないですが、やはり私には、南部産ダンス・チューンや、ブギが一番しっくりきます。
このアルバムには、ブギ・ナンバーがないのが、少し残念てす。
特にこのアルバムでは、スティーヴ・クロッパーのギターが、かなりソロも弾いていて、目が覚めるようなスリルを感じました。
基本はバッキングの人だと思いますし、そのリズム・ギターには、麻薬のような習慣性があると思います。
しかし、ブルース好きを公言するクロッパーのオブリガードもまた、たまらない魅力が詰まっていると思います。
Green Onionや、Time Is Tightで、連鎖するグルーヴに鋭く切り込んでくるギターには、他に代え難いものがあります。
このルーファスの伴奏でも、スリルに溢れた、アイデア満点の凝縮されたフレーズが出てきて、背中がぞくぞくするような快感を覚えます。
メインは、ジャンプ・ナンバーですが、スロー・ブルースにも定評があるのがルーファスです。
その魅力を形作っている大きな要素は、間違いなくMGsのサウンドだと思います。
私はこのアルバムでは、A面の頭3曲が特にお気に入りです。
クロッパーのギターも冴えまくっています。
そして、アルバムとして、気持ちよく聴ける流れも好きな理由です。
また、B面では、3曲のDogソングとラストのスロー・ブルースが印象的です。
今なら、もっと曲数も多い、英ACEあたりの同趣向のCDがあるかと思いますが、私には、やはりこのアルバムの、曲のセレクト、曲順などがあまりにも強く刷り込まれているので、時々は引っ張り出して聴きたい、強力な1枚なのでした。
もちろん、一目ぼれの場合は当てはまりません。
そうではなく、それまでから聴いていて、さほど好みでもなかったのに、何かのきっかけで、急にたまらなく好きになってしまった、そういうことはないでしょうか?
私は、最近アナログLPを聴き返すことが増えたのですが、「ああ、このアルバムがきっかけだ」と、一瞬で景色が変わるように記憶が鮮明に蘇り、晴れ晴れとした気分になる経験を何度かしました。
私のRufus Thomas観をがらりと変えさせ、好きでたまらなくさせたのが、この1枚です。
Jump Back
Rufus Thomas
Rufus Thomas
Side 1
1. Jump Back
2. All Night Worker
3. Little Sally Walker
4. Chiken Scratch
5. The World Is Round
6. Sister's Got A Boyfriend
7. Talkin' Bout True Love
8. Sophisticated Sissy
Side 2
1. Memphis Train
2. Greasy Spoon
3. The Dog
4. Walking The Dog
5. Can Your Monkey Do The Dog
6. I Want To Be Loved
7. I Want To Get Married
8. Fine And Mellow
これは、英エドセルから、84年に出された編集盤で、一聴して私のルーファス・トーマス観は、180度転換しました。
これは、後から思ったことですが、それまで、私が持っていたルーファス・トーマスのイメージは、ストーンズ版のWalking The Dogに支配されることが大でした。
ノベルティっぽいダンス・チューンだというのが固定されたイメージで、ストーズの他のチェス・サウンドのカバーなどと比較すると、シリアスさに欠けている感じがしてさほど好きになれませんでした。
もうひとつ思いつきました。
オーティス・レディングの1stに入っている、The Dogという曲もまた、私をルーファスから遠ざける一因だったと思います。
今ではかなり印象が変わりましたが、オーティスを聴き始めたころは、1stに入っているカバー曲からは、もさっとしたさえない印象を受けていました。
オーティスのアルバムは、ヘイズ、ポーターの影響力が大きくなって、しっかりとプロデュースされたと思われる後期のアルバムと、いかにもバンマスのヘッド・アレンジで、何回もテイクを重ねて徐々に出来あがりました、といった初期のアルバムでは、あまりにも印象が違います。
今ではどちらも好きですが、当時、初期のアルバムに持っていた印象は、どうにも輪郭がはっきりしない、いなたいサウンドだという思いでした。
その印象が変わったのにも、きっかけがあるのですが、ここでは触れません。
ルーファス・トーマスについて言えば、真剣に聴いていなかった、というのがそもそもの原因です。
しかし、このアルバムに出会い、A面1曲目が耳に飛び込んできて以来、私は、この世界で一番年をとったティーンネイジャーの魅力に、魂を奪われたのでした。
ルーファスの伴奏が、ブッカーT&MGsであることは、頭では理解していました。
しかし、このアーシーで、ブルージーなグルーヴに、ルーファスの鋼の喉がのった音をまとめてきっちりと聴いたとき、私の周囲の世界はその色を変えたのでした。
ルーファス・トーマスは、ジャンプ・ナンバーやブギが最も合っている人だと思います。
その後、ファンキー・マスターのようになり、悪くはないですが、やはり私には、南部産ダンス・チューンや、ブギが一番しっくりきます。
このアルバムには、ブギ・ナンバーがないのが、少し残念てす。
特にこのアルバムでは、スティーヴ・クロッパーのギターが、かなりソロも弾いていて、目が覚めるようなスリルを感じました。
基本はバッキングの人だと思いますし、そのリズム・ギターには、麻薬のような習慣性があると思います。
しかし、ブルース好きを公言するクロッパーのオブリガードもまた、たまらない魅力が詰まっていると思います。
Green Onionや、Time Is Tightで、連鎖するグルーヴに鋭く切り込んでくるギターには、他に代え難いものがあります。
このルーファスの伴奏でも、スリルに溢れた、アイデア満点の凝縮されたフレーズが出てきて、背中がぞくぞくするような快感を覚えます。
メインは、ジャンプ・ナンバーですが、スロー・ブルースにも定評があるのがルーファスです。
その魅力を形作っている大きな要素は、間違いなくMGsのサウンドだと思います。
私はこのアルバムでは、A面の頭3曲が特にお気に入りです。
クロッパーのギターも冴えまくっています。
そして、アルバムとして、気持ちよく聴ける流れも好きな理由です。
また、B面では、3曲のDogソングとラストのスロー・ブルースが印象的です。
今なら、もっと曲数も多い、英ACEあたりの同趣向のCDがあるかと思いますが、私には、やはりこのアルバムの、曲のセレクト、曲順などがあまりにも強く刷り込まれているので、時々は引っ張り出して聴きたい、強力な1枚なのでした。
【リズム・アンド・ブルースの最新記事】
投稿者:エル・テッチ|01:17|リズム・アンド・ブルース
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