2010年11月06日
ケイティ・ザ・フィーメル・ジュークボックス
ワンス・アポン・ア・タイム…、LP時代のことです。
私は、ワニのマークのレコードを、わりと買っていた時期がありました。
たとえば、白人では、デルバート・マクリントンのライヴ盤、ジョニー・ウインター、黒人では、アルバート・コリンズ、ジェイムズ・コットン、ロニー・ブルックスなど、ブルース関連のアルバムをよく買っていました。(ハウンドドッグ・テイラーは、CD時代になってから買いました。)
アリゲーター・レコードです。
そして、女性黒人シンガーでは、88年リリースの、このアルバムがお気に入りでした。
Side A
1. Who's Making Love / Banks、Jackson、Crutcher、David
2. Sea Of Love / Batise、Khoury
3. Black Satin / Webster
4. After You Get Rid Of Me / Webster
5. Fa-Fa-Fa-Fa-Fa(Sad Song) / Redding、Cropper
Side B
1. Try A Little Tenderness / Connelly、Woods、Cambell、Robbins
2. Hold On To What You Got / Tex
3. Somebody's On Your Case / Randle
4. On The Run / Webster
5. Lord、I Wonder / Webster
Katie Wbsterは、60年代から、エクセロやゴールドバンドなどで録音していた人で、ブルース、リズム・アンド・ブルースからソウルまで、そして、ブギからバラードまで、なんでも歌える人間ジュークボックス的なシンガーでした。
ピアノとギターの違いこそありますが、女性版スヌークス・イーグリンとでも言うべき存在です。
あるいは、スヌークスのほうを、男性版ケイティ・ウェブスターと呼ぶべきかも知れません。
なにしろ、引き出しが多く、ふところの深いシンガーです。
ニューオリンズR&Bからスワンプ・ポップ、ブルース、メンフィス・ソウル、ゴスペルまで何でもありです。
しかし、このアルバムでは、メンフィス・ホーンズをバックに迎え、ソウルの要素が強めになっています。
ジョニー・テイラーのファンキーなWho's Making Loveでは、当時話題の人だった、ロバート・クレイがゲストで、かっここいギター・ソロを弾いているほか、キム・ウイルソンがボーカルで参加しています。
そして、次のSea Of Loveでは、一転、フィル・フィリップスのワン・ヒット・ワンダーで、聴きてをドリーミーなスワンプ・ポップの世界へといざなってくれます。
また、ビアノ・インストでのタッチは、力強くロールします。
オーティスを2曲、ジョー・テックスを1曲やっていますが、このアルバムのハイライトは、オーティスのTry A Little Tendernessと、ジョー・テックスのHold On To What You Gotでしょう。
Try A Little Tendernessは、オーティスが乗り移ったかのような、雰囲気満点のカバーです。
メンフィス・ホーンズが、さすがのプレイを聴かせていて、心が洗われる気持ちなる名唱です。
そして、Hold On To What You Gotもまた、優しさと力強さがあいまったエモーショナルな歌いくちで、プリーチの箇所も切々とした語り口が素晴らしいです。
また、ボニー・レイットが2曲でゲスト参加していて、Somebody's On Your Caseでは、デュエットしているほか、On The Runでは、レイットが得意のスライドを聴かせます。
ラストのLord、I Wonderは、タイトルからゴスペルかと思いきや、ブルースの偉人たちの名前を次々と唱えていくブギになっています。
さて、実は、あえてコメントを最後に回した曲があります。
私と趣味が近い方なら、聴くと「あれっ」と思う曲があるのです。
それは、自作となっている、After You Get Rid Of Meなんですが、これは、まんまチャーリー・リッチのWho Will The Next Fool Beではないですか?
ブルージーな主旋律から、ピアノのイントロも、特徴的なブレイクも、そしてなんと、Who Will The Next Fool Beという、そのままの歌詞まで出てくるではありませんか?
ケイティ盤の出だしはこうです。
After You…(ここでためます) Get Rid Of Me
Tell Me Who Will (Your) Next Fool Be ? …こう聴こえます。
I Know, I Know, I Know, I Love To Be The One …こう聴こえます。
I Love So Be The One
To Tell That Other Woman So (Yeah)
'Cause After All is Said And Done
(Wow) You Won't Be Satisfied, No, No No Anyone But Me
So After You Get Rid Of Me (You… Better Tell Me Baby…早口でアドリブ言ってます。)
Who Will The Next Fool Be ?
そして、チャーリー・リッチはこうです。(Sunのバージョンを聴きました。)
After You Get Rid Of Me
Who Will The Next Fool Be ?
I Know, I Know, I Know, I Know
There's Things I Gotta Know 'Bout The Girl That I Love So
And After All is Said And Done
You Won’t Be Satisfied With Anyone
So After You Get Rid Of Me
Who Will The Next Fool Be ?
うーん、ここまでやると、いっそ見事というべきでしょう。
(ただし、リッチ盤の歌詞は、録音時期によって、微妙に違うようです。SUNとHI以外にも録音ががあるようで、以前、リッチの記事に貼りつけた動画は、SUNでもHIでもないようです。)
私のおすすめは、クレイのギターがかっこいいWho's Making Love、胸に迫る2曲のサザン・ソウル・バラード、Try A Little TendernessとHold On To What You Got、そして、このアルバムをお持ちの、すべてのチャーリー・リッチ・ファンに、ぜひとも再度聴き返してほしい、 After You Get Rid Of Meです。
追記 : ケイティは、ダク・サームと同じく99年に天に召されました。
チャーリー・リッチの関連記事はこちら チャーリー・リッチのこの1枚
私は、ワニのマークのレコードを、わりと買っていた時期がありました。
たとえば、白人では、デルバート・マクリントンのライヴ盤、ジョニー・ウインター、黒人では、アルバート・コリンズ、ジェイムズ・コットン、ロニー・ブルックスなど、ブルース関連のアルバムをよく買っていました。(ハウンドドッグ・テイラーは、CD時代になってから買いました。)
アリゲーター・レコードです。
そして、女性黒人シンガーでは、88年リリースの、このアルバムがお気に入りでした。
The Swamp Boogie Queen
Katie Webster
Katie Webster
Side A
1. Who's Making Love / Banks、Jackson、Crutcher、David
2. Sea Of Love / Batise、Khoury
3. Black Satin / Webster
4. After You Get Rid Of Me / Webster
5. Fa-Fa-Fa-Fa-Fa(Sad Song) / Redding、Cropper
Side B
1. Try A Little Tenderness / Connelly、Woods、Cambell、Robbins
2. Hold On To What You Got / Tex
3. Somebody's On Your Case / Randle
4. On The Run / Webster
5. Lord、I Wonder / Webster
Katie Wbsterは、60年代から、エクセロやゴールドバンドなどで録音していた人で、ブルース、リズム・アンド・ブルースからソウルまで、そして、ブギからバラードまで、なんでも歌える人間ジュークボックス的なシンガーでした。
ピアノとギターの違いこそありますが、女性版スヌークス・イーグリンとでも言うべき存在です。
あるいは、スヌークスのほうを、男性版ケイティ・ウェブスターと呼ぶべきかも知れません。
なにしろ、引き出しが多く、ふところの深いシンガーです。
ニューオリンズR&Bからスワンプ・ポップ、ブルース、メンフィス・ソウル、ゴスペルまで何でもありです。
しかし、このアルバムでは、メンフィス・ホーンズをバックに迎え、ソウルの要素が強めになっています。
ジョニー・テイラーのファンキーなWho's Making Loveでは、当時話題の人だった、ロバート・クレイがゲストで、かっここいギター・ソロを弾いているほか、キム・ウイルソンがボーカルで参加しています。
そして、次のSea Of Loveでは、一転、フィル・フィリップスのワン・ヒット・ワンダーで、聴きてをドリーミーなスワンプ・ポップの世界へといざなってくれます。
また、ビアノ・インストでのタッチは、力強くロールします。
オーティスを2曲、ジョー・テックスを1曲やっていますが、このアルバムのハイライトは、オーティスのTry A Little Tendernessと、ジョー・テックスのHold On To What You Gotでしょう。
Try A Little Tendernessは、オーティスが乗り移ったかのような、雰囲気満点のカバーです。
メンフィス・ホーンズが、さすがのプレイを聴かせていて、心が洗われる気持ちなる名唱です。
そして、Hold On To What You Gotもまた、優しさと力強さがあいまったエモーショナルな歌いくちで、プリーチの箇所も切々とした語り口が素晴らしいです。
また、ボニー・レイットが2曲でゲスト参加していて、Somebody's On Your Caseでは、デュエットしているほか、On The Runでは、レイットが得意のスライドを聴かせます。
ラストのLord、I Wonderは、タイトルからゴスペルかと思いきや、ブルースの偉人たちの名前を次々と唱えていくブギになっています。
さて、実は、あえてコメントを最後に回した曲があります。
私と趣味が近い方なら、聴くと「あれっ」と思う曲があるのです。
それは、自作となっている、After You Get Rid Of Meなんですが、これは、まんまチャーリー・リッチのWho Will The Next Fool Beではないですか?
ブルージーな主旋律から、ピアノのイントロも、特徴的なブレイクも、そしてなんと、Who Will The Next Fool Beという、そのままの歌詞まで出てくるではありませんか?
ケイティ盤の出だしはこうです。
After You…(ここでためます) Get Rid Of Me
Tell Me Who Will (Your) Next Fool Be ? …こう聴こえます。
I Know, I Know, I Know, I Love To Be The One …こう聴こえます。
I Love So Be The One
To Tell That Other Woman So (Yeah)
'Cause After All is Said And Done
(Wow) You Won't Be Satisfied, No, No No Anyone But Me
So After You Get Rid Of Me (You… Better Tell Me Baby…早口でアドリブ言ってます。)
Who Will The Next Fool Be ?
そして、チャーリー・リッチはこうです。(Sunのバージョンを聴きました。)
After You Get Rid Of Me
Who Will The Next Fool Be ?
I Know, I Know, I Know, I Know
There's Things I Gotta Know 'Bout The Girl That I Love So
And After All is Said And Done
You Won’t Be Satisfied With Anyone
So After You Get Rid Of Me
Who Will The Next Fool Be ?
うーん、ここまでやると、いっそ見事というべきでしょう。
(ただし、リッチ盤の歌詞は、録音時期によって、微妙に違うようです。SUNとHI以外にも録音ががあるようで、以前、リッチの記事に貼りつけた動画は、SUNでもHIでもないようです。)
私のおすすめは、クレイのギターがかっこいいWho's Making Love、胸に迫る2曲のサザン・ソウル・バラード、Try A Little TendernessとHold On To What You Got、そして、このアルバムをお持ちの、すべてのチャーリー・リッチ・ファンに、ぜひとも再度聴き返してほしい、 After You Get Rid Of Meです。
こちらは、Hold On What You Gotです。
そして、こちらが問題のAfter You Get Rid Of Meです。
こちらは、チャーリー・リッチのWho Will The Next Fool Beのサン録音です。
ハイ録音は、ベースのイントロで始まり、女性コーラスが入っています。
ハイ録音は、ベースのイントロで始まり、女性コーラスが入っています。
追記 : ケイティは、ダク・サームと同じく99年に天に召されました。
チャーリー・リッチの関連記事はこちら チャーリー・リッチのこの1枚
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