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2017年07月28日
大腸CT検査アカデミー 内視鏡を受けるまでの期間は大腸がんのリスクに影響するのか!?
PubMedから、今日のつぶやき − 39 −
Corley DA, et al. Association Between Time to Colonoscopy After a Positive Fecal Test Result and Risk of Colorectal Cancer and Cancer Stage at Diagnosis. JAMA 2017; 317: 1631-1641.
今日は、T橋さんからの二つ目のリクエスト論文です。
既にお伝えしたように、
便潜血陽性になってから大腸CT検査を受診するまでの期間の
検討研究を立ち上げたいと考えています。
その研究デザインを考える上で大変参考になる論文ですね。
T橋さん、グッド・ジョブです!
この論文は、便潜血陽性後から大腸内視鏡検査を受けるまでの期間の違い(早い・遅い)が
大腸がん診断のステージやリスクに影響するかを検討した研究です。
著者陣が面白いです。
大学や病院の研究者ではなく、保険会社の研究チームなんですね。
筆頭著者は米国のHMO(Health Maintenance Organization:米国の医療保険システムの1つ)
に分類される最大の保険会社「カイザーパーマネンテ」の研究部門になります。
保険会社としては、内視鏡を受ける期間(遅くなると)が大腸がんのリスクを高めるのであれば、
それは医療費の交付増大を意味することになります。
そこで、内視鏡を受けるまでの早い遅いが大腸がんのリスクにどのくらい影響したのか調査したのです。
理にかなっていますね。
投稿先としたジャーナルの選択も理にかなっています。
一流雑誌『JAMA」ですね。
『JAMA』はThe Journal of the American Medical Associationの略で、
日本語では「米国医師会雑誌」になります。
今回の調査研究は、医療制度や内視鏡の体制などに大きく関係します。
米国の医療制度に関係が深いので「米国医師会雑誌」に投稿することは、
読者層やジャーナルの趣旨からも適合していますね。
同じく一流紙の『BMJ』 (British Medical Journal)は英国医師会雑誌ですので、
今回の調査は掲載されにくいと思います。
もちろん、JAMAは米国以外の研究を受け入れないわけでも、
BMJが英国以外の研究を受け入れないわけではありません。
科学的解明などの真実は国の違い関係ないのですから、米国以外の研究もたくさん掲載されます。
ただし、人種や文化の違いなどを考慮しなければいけない場合もあります。
だいぶ脱線をしてしまいました。
論文の要約です。
●研究の重要性●
便潜血検査陽性になった場合には、
大腸がんの有無を調べるために大腸内視鏡検査をすることが多い。
でも、内視鏡を受けるまでの期間の長短が大腸腫瘍の進展に影響するのか分かっていない。
●目的●
便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が
大腸がん診断のステージやリスクに影響するのかを評価した。
●研究デザイン●
南北カリフォルニアのカイザーパーマネンテ加入者を後ろ向きに評価した。
対象は2010−2014年の5年間で、便潜血陽性となり大腸内視鏡検査を受けた50−70歳の7万人あまり。
結果が気になりますね。
皆さんはどのように考えますか?
検査間隔の長短は関係しない?
それとも関係する?→この場合、早く受診する制度(受診勧奨)が必要になりますね。
気になるところで、明日に続きます〜
それでは、また。
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28444278
★★最新ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA−03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
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Corley DA, et al. Association Between Time to Colonoscopy After a Positive Fecal Test Result and Risk of Colorectal Cancer and Cancer Stage at Diagnosis. JAMA 2017; 317: 1631-1641.
今日は、T橋さんからの二つ目のリクエスト論文です。
既にお伝えしたように、
便潜血陽性になってから大腸CT検査を受診するまでの期間の
検討研究を立ち上げたいと考えています。
その研究デザインを考える上で大変参考になる論文ですね。
T橋さん、グッド・ジョブです!
この論文は、便潜血陽性後から大腸内視鏡検査を受けるまでの期間の違い(早い・遅い)が
大腸がん診断のステージやリスクに影響するかを検討した研究です。
著者陣が面白いです。
大学や病院の研究者ではなく、保険会社の研究チームなんですね。
筆頭著者は米国のHMO(Health Maintenance Organization:米国の医療保険システムの1つ)
に分類される最大の保険会社「カイザーパーマネンテ」の研究部門になります。
保険会社としては、内視鏡を受ける期間(遅くなると)が大腸がんのリスクを高めるのであれば、
それは医療費の交付増大を意味することになります。
そこで、内視鏡を受けるまでの早い遅いが大腸がんのリスクにどのくらい影響したのか調査したのです。
理にかなっていますね。
投稿先としたジャーナルの選択も理にかなっています。
一流雑誌『JAMA」ですね。
『JAMA』はThe Journal of the American Medical Associationの略で、
日本語では「米国医師会雑誌」になります。
今回の調査研究は、医療制度や内視鏡の体制などに大きく関係します。
米国の医療制度に関係が深いので「米国医師会雑誌」に投稿することは、
読者層やジャーナルの趣旨からも適合していますね。
同じく一流紙の『BMJ』 (British Medical Journal)は英国医師会雑誌ですので、
今回の調査は掲載されにくいと思います。
もちろん、JAMAは米国以外の研究を受け入れないわけでも、
BMJが英国以外の研究を受け入れないわけではありません。
科学的解明などの真実は国の違い関係ないのですから、米国以外の研究もたくさん掲載されます。
ただし、人種や文化の違いなどを考慮しなければいけない場合もあります。
だいぶ脱線をしてしまいました。
論文の要約です。
●研究の重要性●
便潜血検査陽性になった場合には、
大腸がんの有無を調べるために大腸内視鏡検査をすることが多い。
でも、内視鏡を受けるまでの期間の長短が大腸腫瘍の進展に影響するのか分かっていない。
●目的●
便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が
大腸がん診断のステージやリスクに影響するのかを評価した。
●研究デザイン●
南北カリフォルニアのカイザーパーマネンテ加入者を後ろ向きに評価した。
対象は2010−2014年の5年間で、便潜血陽性となり大腸内視鏡検査を受けた50−70歳の7万人あまり。
結果が気になりますね。
皆さんはどのように考えますか?
検査間隔の長短は関係しない?
それとも関係する?→この場合、早く受診する制度(受診勧奨)が必要になりますね。
気になるところで、明日に続きます〜
それでは、また。
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28444278
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「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA−03】」
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に掲載されました!!
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<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
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