高島漁港の猫たち: ホラー好きのフライマン
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2014年06月19日

高島漁港の猫たち

  漁港内で釣りをしていると、いつの間にか傍に猫が寄ってきたという経験は、釣人ならば少なからずあるはず。動物は嫌いではない。どちらかというと猫よりも犬に対して好感を持っているが、漁港内で子猫でさえも必死で生きている姿を見ると、哀れでならない。
 街なかでは「環境を守るために餌を与えるな」という人もいるが、漁港内は別だ。釣人や漁師、船員ほか誰もが優しい。傍に来たときにはできるだけ食べるものを与えている。
 こうした猫たちはたくましい。初めは遠巻きに、こちらの様子を探っていたものが、少しずつ距離を詰めて寄ってくる。しまいには、釣りを行っているすぐ後ろで腹を見せて寝転がるなど、愛嬌を見せる。これも、生きていくために身に着けた知恵だろう。
 
  3週間前の小樽の高島漁港での事。そのとき初めて三毛とトラの兄弟猫と出会った。なぜ兄弟と分かったかというと、2匹の母親らしい猫が姿を現して2匹が甘えていたからで、母猫は人間を警戒して子猫の行動を心配そうに見つめていた。その子猫に、体長が子猫を上回る釣ったばかりの油子を差し出した。どうするのか見ていると、魚が跳ねるたびに後ろ足で遠のく。その戸惑った様子がおかしかった。
 3週間ぶりに高島漁港に行くと、例の兄弟猫が車を止めて5分とかからずに姿を見せた。今回は母猫ともう1匹の子猫の4匹連れだ。この4匹のギャラリーが見守る中で釣りを開始したが、いっこうにあたりがない。暇つぶしに、NHK「世界ネコ歩き」の岩合さんではないが、写真を撮らせてもらった。

  動物が食べるものを求めて釣人の傍に寄ってくるのは、漁港内だけとは限らない。北海道では、湖や渓流釣りで北きつねと出会うことがある。大概はこちらの動きを黙って見ているだけだが、10年前にさっぽろ湖に行った時には、体長が80センチほどの北きつねが、まるで飼い犬のように3メートルと離れずに座りこんだことがあった。人を見ると傍に寄ってくるのは、誰かに食べ物をもらった経験からだろう。ただ、漁港内の猫とは異なる自然界の動物。エヒノコックスを警戒して追い払った。その後、あのキツネに会ったことはないが、その国道では車と衝突したキツネの屍骸をよく見る。あのキツネは無事であれば良いが。
 写真は高島漁港を住処としている兄弟猫。たくましく生きている。この兄弟を含め、漁港内では最低5匹の猫が生活しているようだ。


高島漁港の猫

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