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2017年07月27日

「東海道お化け道中」本郷功次郎、戸浦六宏、大映


1969年製作の大映映画「東海道おばけ道中」は、妖怪と時代劇を組み合わせた怪奇映画である。

江戸時代、東海道藤川宿にある鬼塚の塚守り甚兵平(左卜全)はやくざにいいがかりをつけられて

殺されてしまう。

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次いで渡世人勘蔵の火車(ひぐるま)組は、不正を暴く書付を巡って、宮守の仁兵衛親分を殺害する。

しかし鬼塚を根城にする妖怪たちが火車組の暴挙をたしなめるが、勘蔵たちはいうことを聞こうとは

しない。

甚兵衛には孫娘の美代がいたが、死の間際に賽吉(戸浦六宏)がいることを知らされる。

美代は東海道を一路上り、一人で浜松の由比宿目指すが、仁兵衛の書付を拾ったために火車組


に追われることになってしまう。しかし旅の途中に銭座の百太郎(本郷功次郎)という

義侠心のある渡世人に助けられ一緒に父を探す旅に出る。


だが火車組は執念深く二人の命を狙ってくるのだった・・・


大映の「妖怪大戦争」「妖怪百物語」と並ぶ妖怪三部作と言われる作品で、丁半ばくち


や人の人情や絵に書いたような悪人を描いており、妖怪そのものの露出はそれほど多くはない。


だが妖怪の造形や効果音などはかなり不気味でそれなりに怖がらせてくれる。

脇役に漫才師の島田洋介や今喜多代、子役に穂積ペペが出ている。

監督は安田公義。音楽は渡辺宙明 出てきる妖怪もぬらりひょん、のっぺらぼう、泥田坊、

ひょうすべなど多彩で楽しませてくれる。



posted by ハヤテ at 13:52| ホラー映画

2017年07月24日

「ぼんち1960年」市川雷蔵、若尾文子、市川昆、山崎豊子

ぼんちと聞いてみなさんは何を思い浮かべるだろうか?漫才のザボンチなら40代以上の方

だろうか。あるいはおかきのぼんちだろうか?山崎豊子原作の「ぼんち」は大阪船場の老舗

足袋問屋のぼんぼんの女性遍歴を中心に描いた長編小説で、市川雷蔵主演で1960年に

映画化されている。

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船場の足袋問屋の跡取りの喜久治は5代目で一人息子だった。いつまでも独身では何かと

不自由であり世間体もあるので、祖母きの、母・勢以にすすめられ砂糖問屋から弘子(中村珠緒)


嫁に貰ったのだ。しかし弘子は二人にいびり倒されて実家へ帰るはめになった。

河内屋は養子が続いた家系だったので、嫁姑の力は絶大だったのだ。

喜久治の父喜兵衛(船越英二)も養子だったので、いいたいことも言えずにいたのだ。

しかし喜兵衛は肺炎をこじらせて病の床についてしまう。喜久治はせめてもの親孝行に

喜兵衛のめかけを付き添いと称して家に上げ看病させた。喜兵衛は息子の配慮に感謝

しつつ息を引き取った。

喜久治は弘子との間に息子を授かっていたが、料亭はまゆうの仲居をしていたお福

を嫁姑にくっつけられそうになる。

だが喜久治は芸者のぽん太(若尾文子)に魅かれていたのだ・・・



ぼんちとは器が大きい坊ちゃんという意味だが、原作者はこの映画が気に入らなかった

ようである。監督を市川昆がやり脚本は和田夏十の名コンビで、原作者の意図は

ともかく非常に面白い作品である。老舗の姑の陰湿ないじめや嫉妬心やミエなど

心理描写が実にうまい。

女優陣も山田五十鈴、越路吹雪、草笛光子、京マチコ、若尾文子と実に豪華なのだ。

この映画の特徴として昔の商家で使われていた上品な関西弁を聞くことができることだ。

いまではあまり使われていない大阪の言葉が、かなり正確に再現されているのがうれしい。

俳優たちのセリフもおかしなイントネーションもないので心地よい。


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posted by ハヤテ at 16:51| ドラマ

2017年07月17日

「アメリカを震撼させた夜(1975)」オーソンウェルズ、ヴィックモロー


「市民ケーン」などで知られる米国の俳優オーソンウエルズは才人としても有名で

 若いころラジオでHGウエルズの「宇宙戦争」のドラマ制作にかかわった。

 このドラマがあまりに迫真だったのでラジオを聞いていたリスナーが全米でパニックを


 起こした事件は教科書などでも取り上げられている。

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 1975年の「アメリカを震撼させた夜」は、このときのエピソードを元に制作された


 テレビムービーである。


 時は1938年欧州ではヒトラーのドイツが戦争を起こし、アメリカも参戦の是非をめぐり

 国内は風雲急を告げる情勢だった。

 
 当時23歳のオーソンウエルズ(ポール・シェナー)は、マーキュリー劇団を率いてCBSラジオで

 で「宇宙戦争」のドラマの準備に追われていた。


 ウエルズはこのドラマをヒンデンブルク号爆発事故の実況録音を参考に臨場感あふれる


 物語にしようと奔走していた。


 スタジオに劇団やオーケストラを集めた本格的なのもので、生々しい効果音や実況風の


 アナウンスを聞いて本物の火星人が襲来したと勘違いした市民が出てきた。


 中にはショットガンで武装して火星人狩りに出る自警団まで結成される騒ぎだった。


 また金持ちが集まったパーティーでは会場の参加者が放送を聞いて、真に受けて


 大パニックになっていた。最初から放送を聞いていてドラマだと知っている

 執事が主人に真実を伝えても一切耳を貸さないのである。


 離婚を覚悟して妻と言い争っていた中年男(ヴィックモロー)も放送を聞いて


 家族を連れて家から逃げ出したのだった・・・
 

 この宇宙戦争のパニック騒ぎは誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。


 マスコミのもつ威力を思い知らせる事件だった。だがこの当時の緊迫した


 世界情勢がこの事件の背景にあった。


 最近の研究では実はほとんどパニックはなかったという説もある。


 しかし23歳の若さで後世に残るドラマを作ったオーソンウエルズは


 大したものである。監督ジョセフサージエント


 残念ながら国内未DVDであるが、北米版DVDがアマゾンジャパンで


 入手できる。
posted by ハヤテ at 14:55| ドラマ
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