アスペ嫁と苦悩夫の奇妙な冒険

現代で言うところの自閉症スペクトラムという概念。
統一されましたが一般的には非常に分かりづらいです。

内容が細分化されていたからと言っても、当事者がどこに位置づけられるかは
複雑な要因が重なるため正確に判断するのは医者でも難しいのは変わりませんが、
ADHD、LD、PDD、ASDなどなど症状の特徴を区別するには良いと思ってます。

自閉症スペクトラムの人々の大半は、単一的でなく複合的に障害が見られます。

先天的な物ばかりでなく、自己肯定感を高められず、周りから否定され続け
抗うつ状態になったり、人格障害として固定化したり、統合失調症など併発
している場合も珍しくありません。

一般的にアスペルガー症候群というと、
空気が読めなかったり、イライラさせられたり厄介な人たちという
ことが多いです。これは当事者と絡んだことがある人はそう思うでしょう。



当事者と絡んだことが無い人のイメージでは、
アスペは天才肌とか、発達障害の人はなにかしら特別のものを持っている。

みたいな解釈を先入観で持っている人も結構います。

ネット社会ならではと言えるのは、検索をすると、
歴史的な偉人はアスペだったとか、そう言う情報がわんさか
溢れています。

特異的にそう言う人は世の中に存在することは確かですが、
実際は殆どのアスペや発達障害の人は優秀という意味での天才や
私たちにとって評価に値する特別な能力を持っているというわけではありません。

こういう誤解が広まってしまい、苦しんでいる当事者の人も
結構いるのではないかと思います。同僚でも親子でも夫婦でもです。

「アスペなんだから、なにか特技あるんだろ？」

「あなたにはきっと才能が隠されているから」

私自身、アスペ嫁に対してこういう風に思って接していたときもあります。

しかし、見えてくるところはその逆ばかり、あらばかりが目に飛び込んできて、
イライラ、イライラと。

特技や才能を見つけられない自分に対する不甲斐なさと、我関せずで、
飄々と毎日をぼんやり生活しているアスペ嫁のお気楽さが拍車をかけます。

結果的にこの考えは、誤りでした。

私が勝手に相手に対するハードルを上げてしまっていたのです。

自分の思い描くアスペ嫁の才能や特別な資質を見つけようと孤立奮闘するが、
思うように行かないと言うことに対しての憤りなのです。


子供に対しても同じです。軽度の発達障害だろうと思ってからは、
「この子の隠れた才能を親として200％引き出してあげなくちゃ！」
みたいに意気込み、思うように行かず怒りの矛先は子供へ。

本人のために見えるこの慈愛というのか、情けというのか、
実は、「才能を引き出してあげた親としての凄い自分」という
潜在的な評価されたい欲求もあったと思います。

天才は天が与えてくれた才能と書き、うまれつきのものです。
一般的には、ずば抜けて優秀である様を指します。

私たち全ての人間が、天から何かしらの才能を与えられて生まれ来ます。
ただ、この才能とは、世間的に優秀とか素晴らしい物とは限りません。

平凡であることや、マイノリティであることも、それはそれで才能なのではないでしょうか。

そう考えると、人間は良い面も悪い面も誰もがあるわけですが、
人より優秀だとか、劣っているだとかで一喜一憂するのではなく、
その人が存在すること自体が才能だと思えるようになれれば、
期待や裏切り、嫉妬や憎悪という感情も薄められるのではないかと思います。

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