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2017年02月15日

【ジャジャ(Jyajya)】マンガ 感想&あらすじ イタ車、旧車、マニアックなバイクネタ満載の単車ラブコメ漫画

月刊サンデージェネックス。2001年から連載中。既刊21巻
作者:えのあきら



あらすじ

大学受験失敗でフリーターになり、バイク便のライダーをして生計を立てている宮城進武、19歳。低家賃で単車を安全に保管できてイジるスペースもある好物件を紹介され即決するが、安い物件には安いなりの理由があった。

ミヤギが住むマンションの1階は、「GOBLIN(ゴブリン)」というイタリアンバイクの旧車をメインに扱う専門ショップ。ちょっとウルサイかもとは聞いていたが、昼間は雷のようなバイクの爆音が鳴り響いていた。

この店を経営しているのはミヤギより少し年上の女性・滝沢レナ。いつも元気で明るく、年代モノの旧車を愛するレナは、バイクの世界を多くの人に知ってもらいたいという思いはあるが、愛を感じられない客にはいくら金を積まれても売れない頑固者だった。

レナとミヤギの2人を中心に、ゴブリンへ訪れる旧車好きの友人や様々なお客たちが、バイクでつながるマニアックな日常を織り成す。

主要登場人物

・滝沢レナ(タキザワ レナ)
主人公兼ヒロイン。おそらく20代。年代モノのイタリアンバイクをこよなく愛するマニア。主にイタリアンバイクの旧車を専門に扱う店「GOBLIN」の経営者。父親はどこで何をしているのかはレナ本人も不明。普段はツナギを着て髪をポニーテールで纏めた格好。旧車を販売しているにもかかわらず、愛が深すぎることが災いして、手放すまでの決心がなかなかつかない経営者。当初はミヤギのことを気の合うバイク仲間としか思っていませんでしたが、次第に異性としての好意を強めていきます。自ら想いを告げる気はない様子でしたが・・・。

・宮城進武(ミヤギ ススム)
もう1人の主人公。バイクショップ「ゴブリン」の2階に暮らしています。単車バカ。コレクター的な愛で方をするレナとは違い、単車には速さを求めがち。物語開始後しばらくはバイク便の仕事に就いていたが、レナのヒーローになるという目的からゴブリンで働くことを決意。先に就職していた「レストアの神」と称されるタブチに弟子1号とされ、現在修行中。レナとは両想いであることはなんとなく自覚していたものの、お互い煮え切らないせいでなかなか関係は進展しませんでしたが・・・。愛車はカワサキ・ZZR1100とカワサキ・ZX-6Rとドゥカティ175FIII。

・安達カナコ(アダチ カナコ)
レナの親友。元バイクレーサー。既婚者ではあるが、普段からゴブリンに入り浸っています。レナとは高校時代からの付き合い。男勝りで筋が通らないことを嫌う性格。レナやミヤギ等と共にツーリングに出かけたり、レースに出ることもたまにあります。元レーサーなだけにライディングテクニックはかなりの腕前。愛車はホンダ・RVFとヤマハ・TMAX。

・青田(アオタ)
バイクショップ「ビジブルウインド」の経営者を勤める実業家。レナに惚れています。物語開始当初はいけ好かない成金のような男でしたが、倒産の危機など様々な経験や出会いを経て、その姿勢には変化がみられるようになりました。性格の悪さは相変わらずだが、社員のヒロコから足蹴にされることもしばしば。

・佐倉ヒロコ(サクラ ヒロコ)
カナコのレーサー時代の元チームメイト。女王様気質の腹黒い狡猾な性格。元々は外資系企業で働いていたが、青田からヘッドハンティングを受けてビジブルウィンドへ入社。過去の出来事からカナコとは確執があったが、今ではそれなりに打ち解け、ゴブリンにもよく顔を出すようになりました。

・田淵健二(タブチ ケンジ)
レストアラー。業界内では知る人ぞ知る人物であり、「レストアの神」とまで称されるほどの凄腕。以前働いていた店が倒産し、フリーの状況だったことにチャンスと見たレナがスカウトしてゴブリンに就職しました。妻と娘とは絶縁状態にありましたが、現在は少しずつ家族関係を取り戻しつつあります。妻・ミズキの実家は財閥の大金持ち。弟子1号にミヤギ、弟子2号に娘のルナがいます。


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感想・見所

バイクショップを営む旧車好きの女性と、彼女に想いを寄せる単車バカの男性の2人を中心に、友人や店に訪れる人達とのバイクでつながる様々な人間模様と、人とバイクの歴史を描いた物語。
ドカ、アグスタなどの外車や旧車を主に扱い、ニッチなネタ満載で送る単車ラブコメ漫画。既に16年以上も続いている長期連載作品です。
あと、本編の登場人物の1人、昭和の単車乗りであるイトーさんの若かりし頃を描いたスピンオフ作品、『ミニじゃじゃ』という作品もあります。

作者さんが描きたいものを楽しんで描いてるという感じが強く伝わってくる作品ですね。特に単車に対しての造詣の深さがそれを物語ってます。それに、元本田技研工業のデザイナーさんだけに、バイクの描き込みはとても細かく丁寧でカッコイイ。
この作品には私がバイクに少し憧れを抱いてた大学生時代にたまたま書店で出会い、試しに読んでみたら90年代風の絵と意味分からない専門用語ばかりだったにも関わらず意外と楽しめ、2巻、3巻と読み進めていたらいつの間にかハマっていました。以来ずっと新刊出るたびに読んでます。
私がそうだったからといって誰もが同じとは限りませんが、バイクの知識が浅い人でも十分楽しめる内容。そもそも、扱っているのが主に外車、しかも旧車なので、バイク好きの中でもかなりマニアックな部類だと思います。
バイクに関連した漫画は他に『ばくおん!!』と『ケッチン』ぐらいしか読んだことありませんが、純粋なバイク漫画としては『ジャジャ』が個人的には一番ですね。

マニアックだということを作者本人も割り切ってるからなのか、1巻から趣味丸出し、フルスロットルで爆走してます。割合としてはラブコメや人間ドラマが「3」、バイク「7」といった具合でしょうか。
ストーリーとしては、毎回様々な年代モノ、珍しい旧車バイクが登場し、それに付随して主人公たちや関わりのある人たちがバイクを通したドラマを織り成していきます。心に沁み入る話もありますが、基本的には雰囲気も話の落ちもギャグ漫画的です。
1巻から終始メインがバイクであることに変わりはありませんが、最近はドラマの部分が開始当初よりもかなり色濃くなってきました。キャラに愛着も沸いてきてるので、バイクだけでなく人物の掘り下げもしてくれるのは嬉しい。

最大の魅力はなんといっても、ほとんどの人が見たことも聞いたこともないような珍しいバイクを数多く紹介してくれるところですね。
出てくるイタ車は私なんかでも知ってるのは「ドゥカティ」ぐらいでしたが、他にも「MVアグスタ」や「パリラ」、「モト・グッツィ」に「モト・モリーニ」など、現存するメーカーから既に会社自体は無くなっているメーカーまで様々。
メーカーはまだしも、バイクそのものになると「フレッチア・セレスト」や「FBモンディアル」など全く知らない機体ばかりで、マニアな登場人物たちと読んでる私との感動の温度差が激しいです。
そこで、多くの読者と同じ目線に立ってくれるのが主人公のミヤギ。バイクはとにかく「カワサキ」を信条にしているので、外車にも旧車にも全く精通しておらず、レナたちのテンションにも乗れてません。読者が思っていることをミヤギが代弁する役割を担い、初心者の彼と一緒にレナや歴戦のライダーたちから詳しく丁寧に、歴史、設計思想など様々なことを教えてもらえます。
呆れそうになるほどかなり詳しくうんちくを述べているので、全部読むと1巻読み終えるのに結構時間かかりますけど、私の場合は段々レナたちに感化されて教えてもらえることが楽しくなってましたね。

もちろんバイクの紹介だけではありません。鈍いレナと愚かなミヤギのなかなか進展しない恋愛模様、レナと父親のことやタブチの複雑な家族関係など、気になる人間ドラマもあちらこちらで繰り広げられています。
レナとミヤギに関しては「もうお前ら結婚しろよ」なんて思ってしまうほどお互い想い合ってるんですけどね。これといった胸キュンな告白はされないまま自然と恋人関係が成立しているものの、それ以降もじっくり育むにもほどがあるほど何も起こらないので、カナコが呆れるのもよく分かります。まあ、それがミヤギとレナらしいと言えばらしいところなんですけどね。

バイクが好きな人はもちろんのこと、そうでない人でも楽しめ、バイクにより興味を持たせてくれる漫画です。作者もキャラクターも皆生き生きしてるので読むのが楽しく、長い解説も苦になりませんでした。キャラ同士のやりとりもギャグテイストで話が進むので読みやすいと思います。
渋カッコイイ年配者が多く登場するだけでなく、メインは女性キャラが多いのも華やかでいいですね。可愛いだけでなくほぼ例外なく女性キャラは皆気が強いのも特徴。そんなキャラクターたちのちょっとした日常を垣間見ることが出来るのも楽しいところです。
派手さはありませんが、じっくり読みたくなる作品です。面白いのでよければ読んでみてください。おすすめさせていただきます。



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2017年02月14日

漫画『ソフトメタルヴァンパイア』1巻の感想とあらすじ

『ソフトメタルヴァンパイア』1巻の感想。


ソフトメタルヴァンパイア
著者:遠藤 浩輝
掲載:月刊アフタヌーン
1巻発売日:2016年11月30日

人間が世界を支配した時代は終わり、全ては吸血族の統制下に置かれている時代。法律が変わったことで銀の所有はもとより、採掘・加工・流通・販売が世界中で禁止されるようにはなったが、圧制によって虐げられることも略奪を受けることもなく、吸血族の穏やかな支配を甘受しながら人々は平和な日常を送っていた。
幼い頃に金属を操る不思議な力を持っていた人間の少女・斎美井香は、16歳の誕生日を迎えたその日、登校途中に「僕の子供を 沢山 生んでくれるかい?」と口走る謎の変態少年・アランと出会い、上段蹴りをお見舞いして撃退する。その後、転校生として訪れたアランと再会するも、直後に吸血族が管理する無人機の攻撃によって教室は血の海と化す。
吸血族に対して脅威となりうる「銀」を操る「元素使い」だと判明したミイナは、レジスタンスと吸血族の戦いに巻き込まれていく。

吸血族(ヴァンピール)の緩やかな統制下で暮らしていた少女が、吸血族の変態少年・アラン砂辺と出会ったことで自身が吸血族の脅威となる能力者だと判明し、それを皮切りに平穏な日々は終わりを遂げ、残酷で過酷な世界へと身を投じていく物語。
中二感溢れるネオ・セカイ・ダーク・ファンタジー。著者は『EDEN』『オールラウンダー廻』で知られる遠藤浩輝さんです。試し読み1話が面白かったので1巻読んでみました。『EDEN』から『廻』へリアル路線に方向転換したと思ったら、またガラリと作風を変えてきましたね。

世界観がユーニクで面白いです。人間が世界の支配者の座から下り、吸血族(ヴァンピール)という種族が人の上に君臨している世界。基本不死である吸血族を唯一死に至らしめる物質「銀」の扱いは全面的に禁じられてる他、人間は満16歳になると納血を義務づけられるなどの決まりはありますが、なにも過酷な圧制を敷かれているわけではなく、人々は今までと大して変わらない日常生活を営んでいます。
吸血族(ヴァンピール)というのは、主にヨーロッパ圏の伝承や物語に登場する吸血鬼と酷似した特徴を持った種族です。どんなに粉みじんに体を損傷したとしても、長い年月をかければ元通りに回復する基本不死の存在。不死という特徴以外にも、「窒素族使い」「炭素族使い」など特定の元素を操り物質を生成することが可能です。あと、壁を走れる。
元素記号がよく出てきますが、理系に弱い私でもついていける(ギリギリ)のでそれほど難しくはないと思います。まあ、解説のない分からない専門用語もあったので、そこは素直にググっておきました。

ストーリー自体は分かりやすいかったです。
主人公の斎美井香(イツキ ミイカ)は幼少のときに銀を操る能力を発現させていましたが、10歳になる頃には消えていたため普通の生活を送っていました。しかし、16歳の誕生日を迎えたその日に「納血の義務」による採血を受け、その血液検査から吸血族を脅かす銀を操る素養があることがバレてしまい、「俺たちには危険だから消してしまおう」的な流れでミイカは命を狙われ出します。
そこで、元々ミイナの力に気づいていた父親が娘を守るため、アランも所属する「G.D.F.」という組織に保護の依頼を出しました。「G.D.F.」は主にヴァンビールと人間の間に生まれた混血児「ダンピール」で構成される組織。
人類を支配したい吸血族(ヴァンピール)、人類と共存共栄したいダンピール、そして人類、それら陣営が唯一吸血族を葬ることができる「銀」を操る少女を奪い合うという話です。

最初は食パンくわえて登校する少女が「ちこく、ちこくーっ!」と駆けながらイケメンとぶつかるという古典的な展開を見せ、その後の流れも結構コミカルなノリで始まったのでギャグなのかと錯覚しかけたんですが、和やかな光景は突如一変し、ミイナ1人を消すために学校全体を巻き込んだ大虐殺を始めました。頭だの腕だのが容赦なく吹っ飛ぶので、グロ耐性がない人は注意が必要です。何よりもグロいと感じたのは、吸血族の口が『プレデター』のエイリアンのようにパカっと割れたとき。黒髪美女のキーラ・マチダが吸血族たらしめる姿を見せたときはかなり引きました。
ただ、相変わらず下ネタ好きの作者さんがはっちゃけてるので、残虐で冷酷な血みどろシーンはあってもそれほど雰囲気は重くありませんね。
バトルはオーソドックスですけど絵に力があり、見せ方も上手いの見応えは満載でした。元素を操る能力者が化学変化を用いた戦闘を繰り広げます。黒歴史を持ってる人は、奥底に封印した中二心に刺激を受けないように注意しましょう。

1巻は登場人物の紹介と舞台設定やストーリーの流れを大まかに説明した内容です。なので、まだまだ分からないことばかりですが、先の展開が気になるストーリーと個性的なキャラクター、見応えあるバトルシーン、あと化学のおさらいもできてなかなか楽しめました。
少しずつ世界観が明らかになっていく作品なので長く続いて欲しいですが、2巻が肝になるでしょうね。面白くはあっても題材やジャンルは「異能バトル」「吸血鬼」とさほど珍しくはないので、他とは異なる設定や展開を見せるのか、あえて正統派を貫くのか、やり方次第でさらに面白い作品にもつまらない作品にもなりそうなので次巻は要注目ですね。


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2017年02月13日

【ガンパレード・マーチ 〜新たなる行軍歌〜】アニメ 感想&あらすじ 凄惨な非日常世界で繰り広げられる青春ラブストーリー



ガンパレード・マーチ 〜新たなる行軍歌〜
2003年2月放送
全12話
監督:桜美かつし
原作:ソニー・コンピュータエンタテインメント
脚本:新宅純一、水上清資、高山文彦
速水厚志の声:石田彰
芝村舞の声:岡村明美

あらすじ

西暦1945年、人類は史上最悪の敵となる謎の生命体と遭遇した。

突如出現した「幻獣」と呼ばれる生物は容赦なく人々へ牙を向き、人類は抵抗を試みるも最強の破壊兵器さえ来訪者には効果なく、ただひたすら消耗戦を強いられ続けていた。

それから50年、西暦1999年7月。幻獣と人類との熾烈な戦いは今なお終わりは見えず、日本政府はまだ年若い少年少女まで戦場に送り出さなければいけないほど緊迫した状況にあった。

「5121部隊」に所属する速水厚志もその1人として、幻獣に対抗するため開発された人型戦車「HWT」に搭乗し、最前線に立っていた。対幻獣殲滅兵器「PBE」の攻撃に巻き込まれた速水等は、そこでHWTを駆る謎の少女・芝村舞に助けられる。

登場人物

・速水厚志(はやみ あつし)
主人公。HWT士魂号複座型パイロット。趣味はガーデニング。優しい心根の持ち主ですが、優柔不断でのんびりした性格をし、仲間からは「ぽややん」と呼ばれることもあります。一見頼りなさげに見えますが、どんな状況でも仲間は決して見捨てることはなく、勇敢な一面を見せることもあります。舞を仲間としてだけでなく異性としても慕っています。

・芝村舞(しばむら まい)
ヒロイン。HWT士魂号複座型オペレーター。日本有数の企業体である芝村グループ会長の娘。表情は険しく、生真面目でお堅い性格。HWT操縦では天才的な素質を持つ少女。複雑な家庭環境で父親に反発し、お嬢様の身でありながらパイロットに志願しました。周囲には厳しく振舞いがちですが、ののみ等幼い子供の前では優しい顔をみせます。

・善行忠孝(ぜんぎょう ただたか)
5121部隊司令官。常に冷静沈着に物事を観察し、的確な指示で部隊をまとめる司令塔。同部隊員の原素子とはかつて恋人関係にありました。戦場には友情は必要だが愛情は不必要という考え。表にはあまり出さないが、意外と仲間思い。

・原素子(はら もとこ)
5121部隊整備班長。容姿端麗で才能にも恵まれ、クールで大人の雰囲気漂わせる5121部隊のお姉さま的存在。善行の元恋人。女性隊員のまとめ役的な立場にもあり、同じ整備班の森精華には特に慕われています。

・東原ののみ(ひがしはら ののみ)
PBE起動要員。 無垢で無邪気な部隊の可愛いマスコット的存在。PBEの起動には遺伝子操作された幼児が必要なため、体・精神共に8歳で成長が止まっています。子供らしく舞たちに甘える様子も見せ、戦いに身を置く隊員たちを和ませてくれます。

感想・見所

突如世界中に現れ人類の脅威となった謎の生物に対抗するため、戦場に投入されたまだ年端もゆかぬ少年少女たちが、命がけの死闘を繰り広げるなかで、恋に、友情に、青春の日々を送る物語。
青春SFロボットアニメ。ソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されたPS版シミュレーションゲーム、『高機動幻想ガンパレード・マーチ』を原作とした作品です。ゲームプレイ済みの人にはあまり高い評価を得られなかったようですが、私は未プレイなせいかとても楽しませてもらえましたね。

世界観はかなり緊迫してます。突如現れた幻獣は人類の天敵となり、各地で猛威を奮いながら着実にその支配地域を広げています。人類は当然抵抗を試みていますが、圧倒的な物量で押し寄せてくる来訪者にじわりじわりと生存圏内を縮小させられてる状態。さらに、幻獣の中でも「ブレイン」と呼ばれるとりわけ大型の指揮型幻獣が存在し、その相手には通常兵器はほとんど効果を成さず、最終手段であるはずの最強破壊兵器を用いたにも関わらず、結果は灰と霧を撒き散らせただけで幻獣の進行は一切防げなかったという絶望感。
それから半世紀の月日が流れた1999年、状況は全く好転していないどころか、人類の生存圏は日本を含めたごくわずかという敗色濃厚な状況から始まります。
政府はヒロイン・芝村舞の実家である芝村グループが開発した人型戦車「HWT」と対幻獣殲滅兵器「PBE」を用い、幻獣の進行を抑えて殲滅・撃退を図ろうとしています。ほとんど後がない状況であるため、パイロット適性のある者は年端もゆかぬ子供であっても選抜徴兵され、適性が認められれば自ら志願も可能。そんな少年少女たちだけで組まれた部隊が、主人公の速水や舞たちが所属する「5121部隊」です。

ストーリーは、人類が幻獣に対して完全に劣勢な状況で進行し、容赦なく人が命を落としていく絶望感もある「戦争モノ」・・・という一面も確かにありますが、実はかなり濃い「ラブストーリー作品」だったという意外性ある内容。しかもかなり出来の良い恋愛・青春描写を見せてくれます。
前半こそ、戦争モノ・ロボットものとしてのの要素が強いんですが、中盤から次第に内容の変化が現れ、特に終盤になってからはラブで青春な方向へと大きく舵を切るという思い切ったストーリー展開。

前半は人類にとっても5121部隊にとってもシビアでシリアスな状況を見せながら、見応えある本格的なミッションとロボット戦闘を繰り広げています。
部隊員の中からまさかの犠牲者が出てしまったときは少し衝撃でしたね。最初はメインの2人に次ぐ活躍と成長を見せてくれるのではないかと予想していただけに、あの子の脱落は非常に残念でなりませんでした。結構好きなキャラだったので個人的には数少ないマイナスポイント。
まあ、それだけ主人公たちは甘えの許されない死と隣り合わせな世界に立っているということ、それを改めて強く印象づけさせる効果はありましたけどね。そして、そんな世界観を前半で見ていたからこそ、中盤・終盤での個々の内面に踏み込んだラブコメ展開は秀逸なものになったんだと思います。

大きな変化を見せたのは雪山辺りからですかね。絶望的な状況は何も変わっていないにも関わらず、作品やキャラクターの雰囲気は途端に明るくなります。前半部分での幻獣との存亡をかけた熾烈な展開が面白かっただけに、この変化には正直戸惑ってしまったわけですが、見終わってみればとても満足してる自分がいましたね。後半のラブコメ展開こそがこの作品最大の見所だと思います。まさか最後まであの調子で突っ走るとは思いませんでした。
幻獣も一応出てはきますが、「幻獣は?」「人類存亡は?」と疑問を持ってしまうほど、あれほど猛威を奮っていた奴等の出番はおまけ程度になってしまいます。

速水と舞に焦点を当て、じっくり丁寧に2人が距離を縮める様子を見せてくれたのが吉と出ましたね。開始当初の間に壁でも立ち塞がっているのかのような距離感から、いろいろなすれ違いを経て、仲間としての絆が芽生え、次第にそれは愛情へと感情を深めていきます。
前半部での凄惨な出来事が強く印象付けられているため、初々しくなかなか素直になれない甘酸っぱい恋愛や、仲間たちとの日常の温かさが一層際立って見えたのだと思います。厳しい世界であるからこそ、速見と舞の関係を、仲間たちと、告白に少し絡んでくる駄菓子屋のおばあちゃんやTVのリポーター等と一緒に応援したくなりますね。

幻獣という人類の脅威と戦い続ける非日常の中で織り成す、緩やかな青春の日常を描いた良質なラブストーリーでした。戦闘やロボットを期待すると肩透かしくらうかもしれないので注意が必要。
ゲームプレイした人の評価が低かったので原作の設定を少し調べてみましたが、かなり複雑なうえに奥深い。これは確かにゲーム設定をそのままアニメに組み込んでいたら12話ではまとめきれないなかったでしょうね。あくまで原作を知らない立場からの意見ですが、大胆に複雑な要素を削り落として速見と舞の関係を主軸に据えたおかげで、重きを置いた2人の深く掘り下げた内面を覗くことができ、恋愛ものとして王道でわかりやすいストーリー展開を生み出せていました。12話という尺を考えたら恋愛に絞ったのは英断だったと思います。
ロボットもの・戦争ものとしてではなく、学園ラブロマンスとして良質なアニメ作品です。よければ観てください。




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posted by ハネ吉 at 18:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2017年02月12日

【紹介した作品の新刊発売情報】ノラガミ 第18巻 他8作品

2017年2月13日〜2月19日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。



鬼娘恋愛禁止令 第2巻 2017年2月13日発売

鬼娘恋愛禁止令の過去記事はこちら


ノラガミ(18) (講談社コミックス月刊マガジン)

2017年2月17日発売

ノラガミの過去記事はこちら



星野、目をつぶって。 第4巻 2017年2月17日発売

星野、目をつぶって。の過去記事はこちら



らんま1/2 第9巻 2017年2月17日発売

らんま1/2の過去記事はこちら


BE BLUES!~青になれ~(26): 少年サンデーコミックス

2017年2月17日発売

BE BLUES!〜青になれ〜の過去記事はこちら


柊様は自分を探している。 3 (少年サンデーコミックス)

2017年2月17日発売

柊様は自分を探している。の過去記事はこちら



秘密のレプタイルズ 第2巻 2017年2月17日発売

秘密のレプタイルズの過去記事はこちら



試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。



雨天の盆栽 第01巻
著者:つるかめ
掲載:MAGCOMI(マグコミ)
2017年2月14日発売


ちょっと空想癖がある女子高生の小日向楓。幼い頃は今よりも正直に笑い、素敵な想像を膨らませていたが、楓の世界はいつの頃からか色あせたように暗く沈み、息苦しさを感じるようになっていた。
そんな時、街で偶然同級生の雨宮雨天に出会った楓は、自分とは違って他人と合わることは決してせず、いつも堂々と振る舞う彼女に興味を持つようになる。後日、気になって後をつけた楓は、雨天の実家が盆栽園を営み、彼女自身も盆栽に深く精通していることを知った。
盆栽を愛する雨天と親しくなり、彼女から様々なことを教えてもらうようになった楓。雨天や盆栽の魅力に触れていくなかで、暗く覆われていた楓の世界は色鮮やかに染まり出す。

日本屈指の盆栽郷として知られる埼玉県大宮を舞台に送る、ガールズ・盆栽・グラフィティ。
ポップに、キュートに、本格的に描かれる盆栽漫画です。

一般人や特に若い人にとっては馴染みが薄く、どちらかというと年配の方やお金持ちの娯楽というイメージを持たれやすい盆栽。最近では国内よりも海外の人たちに高い人気を得るようになっていますね。
本作はそんな盆栽を題材として扱っていながら、若い人でも育てたことのない人でも楽しめる内容になってます。

ポップにキュートに送る女子高生達が盆栽のとっつきにくいイメージを変えてくれます。
雨宮雨天(あまみや うてん)さんは容姿端麗、才色兼備なクールでカッコイイ少女。他人に合わせることを決してしないため、周囲の人たちからは距離をとられ気味。実家が盆栽園を営んでいることから彼女自身も盆栽について学んでおり、常に盆栽道具を持ち歩いています。
主に雨天さんを通して盆栽についての本格的な知識を学ぶことができます。基本的なところから始まるので、盆栽初心者にも優しい内容。

とはいえ、あまりにも淡々と盆栽の紹介だけをいしていたのでは、人によってはそれが退屈に感じてしまわれる恐れがあります。そこで活躍してくれるのが雨天さんの同級生・小日向楓(こひなた かえで)さん。空想癖がある妄想ガールという特性を生かし、様々な空想世界を生み出して読者に別角度から盆栽の魅力を伝える役割を担っています。彼女の豊かなイメージによって、盆栽そのものの美しさとは違った見せ方で視覚的に楽しませてくれます。

可愛いキャラクターが日常を軽快に織り成しながら本格的な盆栽知識を披露してくれるため、とても読みやすくてわかり易いのが良いですね。盆栽の入門書としてもお役立ちの作品になるかもしれません。

世間一般ではあまり馴染まれていないジャンルを漫画によって身近にしてくれる作品は好きなので、1巻にはとても期待してます。

試し読みはMAGCOMICさんの公式サイトで1話と他数話を配信しています。(こちら)




RYOKO 第01巻
著者:三ツ橋 快人
掲載:週刊少年サンデー
2017年2月17日発売


日本の食料自給率改善のため、政府はあらゆる食材へある秘薬を投与したのだが、思わぬ副作用の発現により国から人の姿はほとんど消えてしまった。薬剤投与により食材は巨大化、さらに自我を持ち、人間を襲い出したことで被害を恐れた人たちは国を捨て、街には僅かな人を残すのみとなっていた。
この壊れた世界に今なお留まるセーラー服を着た料子は、今日も一緒に暮らす父と弟に美味しいごはんを作るため、日本刀を携え怪物となったじゃがいもやニンジンと戦って食材を刈り取る。
そして、力と技を磨き続けてきた料子は、ついに母親の仇である牛と対峙することに・・・。

セーラー少女が食材と戦う、今日の献立バトルアクション漫画。
新世代サンデー賞史上初の大賞を受賞した新鋭漫画家・三ツ橋快人さんの連載作品です。受賞作をそのまま連載開始されたのは、河合克敏さんの『帯をギュッとね!』、藤田和日郎さんの『うしおととら』以来の快挙だそうです。

グルメバトル漫画の代表作と言えば『トリコ』が有名ですが、それとはまた違った面白さがありますね。
狂暴化したあらゆる食材の化け物が闊歩する壊れた日本が舞台。野菜一つ手に入れるためにも命懸けの危険性があり、下手をすれば刈り取るどころか食材の餌食になってしまう恐ろしい世界。

ほとんどの国民が国外へと避難する中、パパと弟と一緒に育った街に残って暮らしているのが、料子という名の少女。学校なんて当然機能してないと思いますが、セーラー服姿で日本刀を腰に携え、日々料理の材料を求めて食材と戦う逞しい子です。
普通の少女が何故化け物みたいな食材と渡り合えるのかと言うと、料子たち家族には「師匠」と呼ばれる唯一のご近所さんがおり、その男性から戦い方を学んだようです。

ディストピア的な世界で戦う料子はとても勇ましい姿を見せますが、一度家族のもとへ帰った彼女は年相応のカワイイ少女へと戻り、ホームドラマのように皆で仲良く食卓を囲む温かい光景を見せてくれます。崩壊した世界と温かい家族団欒、シリアスと心地よい家庭の場面との対比を上手く利用できていたと思います。

ストーリーにしろ絵にしろ、この作者さんは見せ方が上手いんでしょうね。作品にも作者さん本人にも将来性を強く感じさせてくれる内容でした。

試し読みは少年サンデーさんの公式サイトで1話を配信しています。(こちら)

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2017年02月11日

漫画『恋と嘘』1巻の感想とあらすじ

『恋と嘘』1巻の感想。


恋と嘘
著者:ムサヲ
掲載:マンガボックス
1巻発売日:2015年1月9日

「好き」とはいったい何なのだろう・・・?この罠に、人はいつの間にか落ちてしまう。
すこし先の未来、恋愛の自由が失われた世界の話。少子化への対策として政府が打ち出した超・少子化対策基本法、通称「ゆかり法」。遺伝子情報を分析・把握し、満16歳になると国が決めた遺伝的に最良のパートナーを指名され、通知を受けた後は自由な恋愛が禁止されるようになっていた。
約束された幸せ、安定した輝く未来、しかし・・・ここに「まっぴらごめん」と思う少年がひとり。高校1年生の根島由佳吏は同じクラスの高崎美咲に熱い恋心を抱いていた。許してもらえなくても高崎さんと恋がしたい由佳吏は、公園に彼女を呼び出し、「好きです」とついに想いを伝える。想いを受け取った高崎さんも実はずっと由佳吏のことが好きだったことを知り、2人は想いを通わせキスをしたのだが、その直後に由佳吏の元へ政府通知が届いてしまい・・・。

16歳になると国に結婚相手を決められてしまう世界で、許されない恋をしてしまった少年少女たちが、恋を、愛を、嘘を抱えながら禁じられた恋愛へ走り出す物語。
高校生男女の三角関係(四角関係?)を描いたラブストーリー。この作品の存在自体は依然から知っていたんですが、放置していたらいつの間にやら5巻まで発売されており、しかも結構な人気を得ていたので「出遅れた・・・」と思い読んでみました。先が見えない展開、なかなか良かったですね。

本来ならするもしないも、誰を選ぶかも、一般的には個人の自由意志の範疇で行われる結婚なんですが、作品世界ではあまりにも少子化が進んでしまったことに危惧した政府がそのエリアに介入したことで、選択の権利は失われ、自由な恋愛も禁止されてしました。
超・少子化対策基本法(通称「ゆかり法」)―――国民の遺伝子情報を分析・把握し、導き出された最良の組み合わせで結婚相手を決める制度。簡単に言ってしまうと国主催のお見合い結婚(強制)。満16歳になると政府通知により将来の結婚相手が知らされ、以降はその相手以外の異性との恋愛はタブーとなります。
恋愛・結婚の自由すら失われた管理社会ですね。好きだから結婚するのではなく、決められてるから結婚する、その後好きになるかどうかは重要ではなく、結婚して子を成すことが当たり前。個人的には嫌過ぎる政策ですが、少なくとも結婚にあぶれる人はいなくなりますね。遺伝子レベルで最良のパートナーというのは、いわゆる運命の赤い糸とも言えなくもないかと。

主人公の根島由佳吏は一途で素直だけどちょっとバカっぽい男子高校生。頭が悪いという意味ではなく、行動と思考が少しズレてますね。顔は童顔。いつも必死で自分にさえ余裕がないのに他人には優しい子。周囲の人たちが彼に惹かれるのはなんとなくですけど分からなくはないです。
そんなゆかり法に対して「まっぴらごめん」と考える由佳吏の想い人は、同級生の高崎美咲。すごい可愛いけど裏表がありそうなとても女の子らしい女の子といった感じのキャラです。上のあらすじでも書いたように実は昔からずっと両想いだったことが判明し、想いが通じ合ったことでキスまで交わすんですが、その直後に待ったをかけるように由佳吏のもとへ幸福から絶望へ突き落とす政府通知です。高崎さんの「今日 この30分の思い出だけで あと70年は生きていける気がする」というセリフ、辛過ぎますね。
由佳吏の結婚相手となったのは、真田莉々奈。見た目は人形みたいに可愛く、恋に強い憧れを持つツンデレ気質な女の子です。学校でもツンケンしてるせいで周囲から避けられてるようですが、とても純粋で素直な子。彼女の提案により、由佳吏の恋が終わったのか始まったのかよく分からないややこしい事態に突入します。
と、思ったら、事態はさらに複雑な展開になりました。由佳吏には仁坂くんというイケメンの親友がいるんですが、その彼が衝撃すぎる行動へ・・・。

生まれた時から既にそういう社会だった人とでは考え方は異なると思いますが、実際どうなんでしょうね。16歳で自分のあずかり知らぬ所で結婚相手が決まるというのは、結婚に悩む必要がなくなるので考えか方次第では良いモノとして捉えることもできますが、一部でも選ぶ意志を放棄するというのは人として大事なものが欠けてしまいそうな気もします。
作中でもその制度のなかで揺れ動く由佳吏たちの姿が描かれています。恋した相手、国に決められた婚約者、同性の親友、それぞれが「恋」「愛」「嘘」を抱え、自分の感情と制度に思い悩みながら深めていく関係も見所のひとつですね。

結末というか、どこに収まるのかが非常に気になる作品ですね。先がなかなか読み辛いところも興味を引かれました。伏線になっていそうな不審な点もちらほら点在しているので掴みの1巻としては良くできてる方だと思います。
画力が高い方なので見やすく読みやすいのも良いですね。その画力を生かしたキス描写は慣れていないはずなのに最初から結構濃厚で驚かされましたが、お互いの熱い想いは強く伝わってきました。
由佳吏、高橋さん、莉々奈、仁坂の関係が今後どのように進むのか、誰が誰と結ばれるのか、とても楽しみです。


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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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