2017年02月15日
【ジャジャ(Jyajya)】マンガ 感想&あらすじ イタ車、旧車、マニアックなバイクネタ満載の単車ラブコメ漫画
月刊サンデージェネックス。2001年から連載中。既刊21巻
作者:えのあきら
大学受験失敗でフリーターになり、バイク便のライダーをして生計を立てている宮城進武、19歳。低家賃で単車を安全に保管できてイジるスペースもある好物件を紹介され即決するが、安い物件には安いなりの理由があった。
ミヤギが住むマンションの1階は、「GOBLIN(ゴブリン)」というイタリアンバイクの旧車をメインに扱う専門ショップ。ちょっとウルサイかもとは聞いていたが、昼間は雷のようなバイクの爆音が鳴り響いていた。
この店を経営しているのはミヤギより少し年上の女性・滝沢レナ。いつも元気で明るく、年代モノの旧車を愛するレナは、バイクの世界を多くの人に知ってもらいたいという思いはあるが、愛を感じられない客にはいくら金を積まれても売れない頑固者だった。
レナとミヤギの2人を中心に、ゴブリンへ訪れる旧車好きの友人や様々なお客たちが、バイクでつながるマニアックな日常を織り成す。
・滝沢レナ(タキザワ レナ)
主人公兼ヒロイン。おそらく20代。年代モノのイタリアンバイクをこよなく愛するマニア。主にイタリアンバイクの旧車を専門に扱う店「GOBLIN」の経営者。父親はどこで何をしているのかはレナ本人も不明。普段はツナギを着て髪をポニーテールで纏めた格好。旧車を販売しているにもかかわらず、愛が深すぎることが災いして、手放すまでの決心がなかなかつかない経営者。当初はミヤギのことを気の合うバイク仲間としか思っていませんでしたが、次第に異性としての好意を強めていきます。自ら想いを告げる気はない様子でしたが・・・。
・宮城進武(ミヤギ ススム)
もう1人の主人公。バイクショップ「ゴブリン」の2階に暮らしています。単車バカ。コレクター的な愛で方をするレナとは違い、単車には速さを求めがち。物語開始後しばらくはバイク便の仕事に就いていたが、レナのヒーローになるという目的からゴブリンで働くことを決意。先に就職していた「レストアの神」と称されるタブチに弟子1号とされ、現在修行中。レナとは両想いであることはなんとなく自覚していたものの、お互い煮え切らないせいでなかなか関係は進展しませんでしたが・・・。愛車はカワサキ・ZZR1100とカワサキ・ZX-6Rとドゥカティ175FIII。
・安達カナコ(アダチ カナコ)
レナの親友。元バイクレーサー。既婚者ではあるが、普段からゴブリンに入り浸っています。レナとは高校時代からの付き合い。男勝りで筋が通らないことを嫌う性格。レナやミヤギ等と共にツーリングに出かけたり、レースに出ることもたまにあります。元レーサーなだけにライディングテクニックはかなりの腕前。愛車はホンダ・RVFとヤマハ・TMAX。
・青田(アオタ)
バイクショップ「ビジブルウインド」の経営者を勤める実業家。レナに惚れています。物語開始当初はいけ好かない成金のような男でしたが、倒産の危機など様々な経験や出会いを経て、その姿勢には変化がみられるようになりました。性格の悪さは相変わらずだが、社員のヒロコから足蹴にされることもしばしば。
・佐倉ヒロコ(サクラ ヒロコ)
カナコのレーサー時代の元チームメイト。女王様気質の腹黒い狡猾な性格。元々は外資系企業で働いていたが、青田からヘッドハンティングを受けてビジブルウィンドへ入社。過去の出来事からカナコとは確執があったが、今ではそれなりに打ち解け、ゴブリンにもよく顔を出すようになりました。
・田淵健二(タブチ ケンジ)
レストアラー。業界内では知る人ぞ知る人物であり、「レストアの神」とまで称されるほどの凄腕。以前働いていた店が倒産し、フリーの状況だったことにチャンスと見たレナがスカウトしてゴブリンに就職しました。妻と娘とは絶縁状態にありましたが、現在は少しずつ家族関係を取り戻しつつあります。妻・ミズキの実家は財閥の大金持ち。弟子1号にミヤギ、弟子2号に娘のルナがいます。
【eBookJapan】 ジャジャ(Jyajya) 無料で試し読みできます
バイクショップを営む旧車好きの女性と、彼女に想いを寄せる単車バカの男性の2人を中心に、友人や店に訪れる人達とのバイクでつながる様々な人間模様と、人とバイクの歴史を描いた物語。
ドカ、アグスタなどの外車や旧車を主に扱い、ニッチなネタ満載で送る単車ラブコメ漫画。既に16年以上も続いている長期連載作品です。
あと、本編の登場人物の1人、昭和の単車乗りであるイトーさんの若かりし頃を描いたスピンオフ作品、『ミニじゃじゃ』という作品もあります。
作者さんが描きたいものを楽しんで描いてるという感じが強く伝わってくる作品ですね。特に単車に対しての造詣の深さがそれを物語ってます。それに、元本田技研工業のデザイナーさんだけに、バイクの描き込みはとても細かく丁寧でカッコイイ。
この作品には私がバイクに少し憧れを抱いてた大学生時代にたまたま書店で出会い、試しに読んでみたら90年代風の絵と意味分からない専門用語ばかりだったにも関わらず意外と楽しめ、2巻、3巻と読み進めていたらいつの間にかハマっていました。以来ずっと新刊出るたびに読んでます。
私がそうだったからといって誰もが同じとは限りませんが、バイクの知識が浅い人でも十分楽しめる内容。そもそも、扱っているのが主に外車、しかも旧車なので、バイク好きの中でもかなりマニアックな部類だと思います。
バイクに関連した漫画は他に『ばくおん!!』と『ケッチン』ぐらいしか読んだことありませんが、純粋なバイク漫画としては『ジャジャ』が個人的には一番ですね。
マニアックだということを作者本人も割り切ってるからなのか、1巻から趣味丸出し、フルスロットルで爆走してます。割合としてはラブコメや人間ドラマが「3」、バイク「7」といった具合でしょうか。
ストーリーとしては、毎回様々な年代モノ、珍しい旧車バイクが登場し、それに付随して主人公たちや関わりのある人たちがバイクを通したドラマを織り成していきます。心に沁み入る話もありますが、基本的には雰囲気も話の落ちもギャグ漫画的です。
1巻から終始メインがバイクであることに変わりはありませんが、最近はドラマの部分が開始当初よりもかなり色濃くなってきました。キャラに愛着も沸いてきてるので、バイクだけでなく人物の掘り下げもしてくれるのは嬉しい。
最大の魅力はなんといっても、ほとんどの人が見たことも聞いたこともないような珍しいバイクを数多く紹介してくれるところですね。
出てくるイタ車は私なんかでも知ってるのは「ドゥカティ」ぐらいでしたが、他にも「MVアグスタ」や「パリラ」、「モト・グッツィ」に「モト・モリーニ」など、現存するメーカーから既に会社自体は無くなっているメーカーまで様々。
メーカーはまだしも、バイクそのものになると「フレッチア・セレスト」や「FBモンディアル」など全く知らない機体ばかりで、マニアな登場人物たちと読んでる私との感動の温度差が激しいです。
そこで、多くの読者と同じ目線に立ってくれるのが主人公のミヤギ。バイクはとにかく「カワサキ」を信条にしているので、外車にも旧車にも全く精通しておらず、レナたちのテンションにも乗れてません。読者が思っていることをミヤギが代弁する役割を担い、初心者の彼と一緒にレナや歴戦のライダーたちから詳しく丁寧に、歴史、設計思想など様々なことを教えてもらえます。
呆れそうになるほどかなり詳しくうんちくを述べているので、全部読むと1巻読み終えるのに結構時間かかりますけど、私の場合は段々レナたちに感化されて教えてもらえることが楽しくなってましたね。
もちろんバイクの紹介だけではありません。鈍いレナと愚かなミヤギのなかなか進展しない恋愛模様、レナと父親のことやタブチの複雑な家族関係など、気になる人間ドラマもあちらこちらで繰り広げられています。
レナとミヤギに関しては「もうお前ら結婚しろよ」なんて思ってしまうほどお互い想い合ってるんですけどね。これといった胸キュンな告白はされないまま自然と恋人関係が成立しているものの、それ以降もじっくり育むにもほどがあるほど何も起こらないので、カナコが呆れるのもよく分かります。まあ、それがミヤギとレナらしいと言えばらしいところなんですけどね。
バイクが好きな人はもちろんのこと、そうでない人でも楽しめ、バイクにより興味を持たせてくれる漫画です。作者もキャラクターも皆生き生きしてるので読むのが楽しく、長い解説も苦になりませんでした。キャラ同士のやりとりもギャグテイストで話が進むので読みやすいと思います。
渋カッコイイ年配者が多く登場するだけでなく、メインは女性キャラが多いのも華やかでいいですね。可愛いだけでなくほぼ例外なく女性キャラは皆気が強いのも特徴。そんなキャラクターたちのちょっとした日常を垣間見ることが出来るのも楽しいところです。
派手さはありませんが、じっくり読みたくなる作品です。面白いのでよければ読んでみてください。おすすめさせていただきます。
作者:えのあきら
あらすじ
大学受験失敗でフリーターになり、バイク便のライダーをして生計を立てている宮城進武、19歳。低家賃で単車を安全に保管できてイジるスペースもある好物件を紹介され即決するが、安い物件には安いなりの理由があった。
ミヤギが住むマンションの1階は、「GOBLIN(ゴブリン)」というイタリアンバイクの旧車をメインに扱う専門ショップ。ちょっとウルサイかもとは聞いていたが、昼間は雷のようなバイクの爆音が鳴り響いていた。
この店を経営しているのはミヤギより少し年上の女性・滝沢レナ。いつも元気で明るく、年代モノの旧車を愛するレナは、バイクの世界を多くの人に知ってもらいたいという思いはあるが、愛を感じられない客にはいくら金を積まれても売れない頑固者だった。
レナとミヤギの2人を中心に、ゴブリンへ訪れる旧車好きの友人や様々なお客たちが、バイクでつながるマニアックな日常を織り成す。
主要登場人物
・滝沢レナ(タキザワ レナ)
主人公兼ヒロイン。おそらく20代。年代モノのイタリアンバイクをこよなく愛するマニア。主にイタリアンバイクの旧車を専門に扱う店「GOBLIN」の経営者。父親はどこで何をしているのかはレナ本人も不明。普段はツナギを着て髪をポニーテールで纏めた格好。旧車を販売しているにもかかわらず、愛が深すぎることが災いして、手放すまでの決心がなかなかつかない経営者。当初はミヤギのことを気の合うバイク仲間としか思っていませんでしたが、次第に異性としての好意を強めていきます。自ら想いを告げる気はない様子でしたが・・・。
・宮城進武(ミヤギ ススム)
もう1人の主人公。バイクショップ「ゴブリン」の2階に暮らしています。単車バカ。コレクター的な愛で方をするレナとは違い、単車には速さを求めがち。物語開始後しばらくはバイク便の仕事に就いていたが、レナのヒーローになるという目的からゴブリンで働くことを決意。先に就職していた「レストアの神」と称されるタブチに弟子1号とされ、現在修行中。レナとは両想いであることはなんとなく自覚していたものの、お互い煮え切らないせいでなかなか関係は進展しませんでしたが・・・。愛車はカワサキ・ZZR1100とカワサキ・ZX-6Rとドゥカティ175FIII。
・安達カナコ(アダチ カナコ)
レナの親友。元バイクレーサー。既婚者ではあるが、普段からゴブリンに入り浸っています。レナとは高校時代からの付き合い。男勝りで筋が通らないことを嫌う性格。レナやミヤギ等と共にツーリングに出かけたり、レースに出ることもたまにあります。元レーサーなだけにライディングテクニックはかなりの腕前。愛車はホンダ・RVFとヤマハ・TMAX。
・青田(アオタ)
バイクショップ「ビジブルウインド」の経営者を勤める実業家。レナに惚れています。物語開始当初はいけ好かない成金のような男でしたが、倒産の危機など様々な経験や出会いを経て、その姿勢には変化がみられるようになりました。性格の悪さは相変わらずだが、社員のヒロコから足蹴にされることもしばしば。
・佐倉ヒロコ(サクラ ヒロコ)
カナコのレーサー時代の元チームメイト。女王様気質の腹黒い狡猾な性格。元々は外資系企業で働いていたが、青田からヘッドハンティングを受けてビジブルウィンドへ入社。過去の出来事からカナコとは確執があったが、今ではそれなりに打ち解け、ゴブリンにもよく顔を出すようになりました。
・田淵健二(タブチ ケンジ)
レストアラー。業界内では知る人ぞ知る人物であり、「レストアの神」とまで称されるほどの凄腕。以前働いていた店が倒産し、フリーの状況だったことにチャンスと見たレナがスカウトしてゴブリンに就職しました。妻と娘とは絶縁状態にありましたが、現在は少しずつ家族関係を取り戻しつつあります。妻・ミズキの実家は財閥の大金持ち。弟子1号にミヤギ、弟子2号に娘のルナがいます。
【eBookJapan】 ジャジャ(Jyajya) 無料で試し読みできます
感想・見所
バイクショップを営む旧車好きの女性と、彼女に想いを寄せる単車バカの男性の2人を中心に、友人や店に訪れる人達とのバイクでつながる様々な人間模様と、人とバイクの歴史を描いた物語。
ドカ、アグスタなどの外車や旧車を主に扱い、ニッチなネタ満載で送る単車ラブコメ漫画。既に16年以上も続いている長期連載作品です。
あと、本編の登場人物の1人、昭和の単車乗りであるイトーさんの若かりし頃を描いたスピンオフ作品、『ミニじゃじゃ』という作品もあります。
作者さんが描きたいものを楽しんで描いてるという感じが強く伝わってくる作品ですね。特に単車に対しての造詣の深さがそれを物語ってます。それに、元本田技研工業のデザイナーさんだけに、バイクの描き込みはとても細かく丁寧でカッコイイ。
この作品には私がバイクに少し憧れを抱いてた大学生時代にたまたま書店で出会い、試しに読んでみたら90年代風の絵と意味分からない専門用語ばかりだったにも関わらず意外と楽しめ、2巻、3巻と読み進めていたらいつの間にかハマっていました。以来ずっと新刊出るたびに読んでます。
私がそうだったからといって誰もが同じとは限りませんが、バイクの知識が浅い人でも十分楽しめる内容。そもそも、扱っているのが主に外車、しかも旧車なので、バイク好きの中でもかなりマニアックな部類だと思います。
バイクに関連した漫画は他に『ばくおん!!』と『ケッチン』ぐらいしか読んだことありませんが、純粋なバイク漫画としては『ジャジャ』が個人的には一番ですね。
マニアックだということを作者本人も割り切ってるからなのか、1巻から趣味丸出し、フルスロットルで爆走してます。割合としてはラブコメや人間ドラマが「3」、バイク「7」といった具合でしょうか。
ストーリーとしては、毎回様々な年代モノ、珍しい旧車バイクが登場し、それに付随して主人公たちや関わりのある人たちがバイクを通したドラマを織り成していきます。心に沁み入る話もありますが、基本的には雰囲気も話の落ちもギャグ漫画的です。
1巻から終始メインがバイクであることに変わりはありませんが、最近はドラマの部分が開始当初よりもかなり色濃くなってきました。キャラに愛着も沸いてきてるので、バイクだけでなく人物の掘り下げもしてくれるのは嬉しい。
最大の魅力はなんといっても、ほとんどの人が見たことも聞いたこともないような珍しいバイクを数多く紹介してくれるところですね。
出てくるイタ車は私なんかでも知ってるのは「ドゥカティ」ぐらいでしたが、他にも「MVアグスタ」や「パリラ」、「モト・グッツィ」に「モト・モリーニ」など、現存するメーカーから既に会社自体は無くなっているメーカーまで様々。
メーカーはまだしも、バイクそのものになると「フレッチア・セレスト」や「FBモンディアル」など全く知らない機体ばかりで、マニアな登場人物たちと読んでる私との感動の温度差が激しいです。
そこで、多くの読者と同じ目線に立ってくれるのが主人公のミヤギ。バイクはとにかく「カワサキ」を信条にしているので、外車にも旧車にも全く精通しておらず、レナたちのテンションにも乗れてません。読者が思っていることをミヤギが代弁する役割を担い、初心者の彼と一緒にレナや歴戦のライダーたちから詳しく丁寧に、歴史、設計思想など様々なことを教えてもらえます。
呆れそうになるほどかなり詳しくうんちくを述べているので、全部読むと1巻読み終えるのに結構時間かかりますけど、私の場合は段々レナたちに感化されて教えてもらえることが楽しくなってましたね。
もちろんバイクの紹介だけではありません。鈍いレナと愚かなミヤギのなかなか進展しない恋愛模様、レナと父親のことやタブチの複雑な家族関係など、気になる人間ドラマもあちらこちらで繰り広げられています。
レナとミヤギに関しては「もうお前ら結婚しろよ」なんて思ってしまうほどお互い想い合ってるんですけどね。これといった胸キュンな告白はされないまま自然と恋人関係が成立しているものの、それ以降もじっくり育むにもほどがあるほど何も起こらないので、カナコが呆れるのもよく分かります。まあ、それがミヤギとレナらしいと言えばらしいところなんですけどね。
バイクが好きな人はもちろんのこと、そうでない人でも楽しめ、バイクにより興味を持たせてくれる漫画です。作者もキャラクターも皆生き生きしてるので読むのが楽しく、長い解説も苦になりませんでした。キャラ同士のやりとりもギャグテイストで話が進むので読みやすいと思います。
渋カッコイイ年配者が多く登場するだけでなく、メインは女性キャラが多いのも華やかでいいですね。可愛いだけでなくほぼ例外なく女性キャラは皆気が強いのも特徴。そんなキャラクターたちのちょっとした日常を垣間見ることが出来るのも楽しいところです。
派手さはありませんが、じっくり読みたくなる作品です。面白いのでよければ読んでみてください。おすすめさせていただきます。
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