2017年02月14日
漫画『ソフトメタルヴァンパイア』1巻の感想とあらすじ
『ソフトメタルヴァンパイア』1巻の感想。
ソフトメタルヴァンパイア
著者:遠藤 浩輝
掲載:月刊アフタヌーン
1巻発売日:2016年11月30日
人間が世界を支配した時代は終わり、全ては吸血族の統制下に置かれている時代。法律が変わったことで銀の所有はもとより、採掘・加工・流通・販売が世界中で禁止されるようにはなったが、圧制によって虐げられることも略奪を受けることもなく、吸血族の穏やかな支配を甘受しながら人々は平和な日常を送っていた。
幼い頃に金属を操る不思議な力を持っていた人間の少女・斎美井香は、16歳の誕生日を迎えたその日、登校途中に「僕の子供を 沢山 生んでくれるかい?」と口走る謎の変態少年・アランと出会い、上段蹴りをお見舞いして撃退する。その後、転校生として訪れたアランと再会するも、直後に吸血族が管理する無人機の攻撃によって教室は血の海と化す。
吸血族に対して脅威となりうる「銀」を操る「元素使い」だと判明したミイナは、レジスタンスと吸血族の戦いに巻き込まれていく。
吸血族(ヴァンピール)の緩やかな統制下で暮らしていた少女が、吸血族の変態少年・アラン砂辺と出会ったことで自身が吸血族の脅威となる能力者だと判明し、それを皮切りに平穏な日々は終わりを遂げ、残酷で過酷な世界へと身を投じていく物語。
中二感溢れるネオ・セカイ・ダーク・ファンタジー。著者は『EDEN』『オールラウンダー廻』で知られる遠藤浩輝さんです。試し読み1話が面白かったので1巻読んでみました。『EDEN』から『廻』へリアル路線に方向転換したと思ったら、またガラリと作風を変えてきましたね。
世界観がユーニクで面白いです。人間が世界の支配者の座から下り、吸血族(ヴァンピール)という種族が人の上に君臨している世界。基本不死である吸血族を唯一死に至らしめる物質「銀」の扱いは全面的に禁じられてる他、人間は満16歳になると納血を義務づけられるなどの決まりはありますが、なにも過酷な圧制を敷かれているわけではなく、人々は今までと大して変わらない日常生活を営んでいます。
吸血族(ヴァンピール)というのは、主にヨーロッパ圏の伝承や物語に登場する吸血鬼と酷似した特徴を持った種族です。どんなに粉みじんに体を損傷したとしても、長い年月をかければ元通りに回復する基本不死の存在。不死という特徴以外にも、「窒素族使い」「炭素族使い」など特定の元素を操り物質を生成することが可能です。あと、壁を走れる。
元素記号がよく出てきますが、理系に弱い私でもついていける(ギリギリ)のでそれほど難しくはないと思います。まあ、解説のない分からない専門用語もあったので、そこは素直にググっておきました。
ストーリー自体は分かりやすいかったです。
主人公の斎美井香(イツキ ミイカ)は幼少のときに銀を操る能力を発現させていましたが、10歳になる頃には消えていたため普通の生活を送っていました。しかし、16歳の誕生日を迎えたその日に「納血の義務」による採血を受け、その血液検査から吸血族を脅かす銀を操る素養があることがバレてしまい、「俺たちには危険だから消してしまおう」的な流れでミイカは命を狙われ出します。
そこで、元々ミイナの力に気づいていた父親が娘を守るため、アランも所属する「G.D.F.」という組織に保護の依頼を出しました。「G.D.F.」は主にヴァンビールと人間の間に生まれた混血児「ダンピール」で構成される組織。
人類を支配したい吸血族(ヴァンピール)、人類と共存共栄したいダンピール、そして人類、それら陣営が唯一吸血族を葬ることができる「銀」を操る少女を奪い合うという話です。
最初は食パンくわえて登校する少女が「ちこく、ちこくーっ!」と駆けながらイケメンとぶつかるという古典的な展開を見せ、その後の流れも結構コミカルなノリで始まったのでギャグなのかと錯覚しかけたんですが、和やかな光景は突如一変し、ミイナ1人を消すために学校全体を巻き込んだ大虐殺を始めました。頭だの腕だのが容赦なく吹っ飛ぶので、グロ耐性がない人は注意が必要です。何よりもグロいと感じたのは、吸血族の口が『プレデター』のエイリアンのようにパカっと割れたとき。黒髪美女のキーラ・マチダが吸血族たらしめる姿を見せたときはかなり引きました。
ただ、相変わらず下ネタ好きの作者さんがはっちゃけてるので、残虐で冷酷な血みどろシーンはあってもそれほど雰囲気は重くありませんね。
バトルはオーソドックスですけど絵に力があり、見せ方も上手いの見応えは満載でした。元素を操る能力者が化学変化を用いた戦闘を繰り広げます。黒歴史を持ってる人は、奥底に封印した中二心に刺激を受けないように注意しましょう。
1巻は登場人物の紹介と舞台設定やストーリーの流れを大まかに説明した内容です。なので、まだまだ分からないことばかりですが、先の展開が気になるストーリーと個性的なキャラクター、見応えあるバトルシーン、あと化学のおさらいもできてなかなか楽しめました。
少しずつ世界観が明らかになっていく作品なので長く続いて欲しいですが、2巻が肝になるでしょうね。面白くはあっても題材やジャンルは「異能バトル」「吸血鬼」とさほど珍しくはないので、他とは異なる設定や展開を見せるのか、あえて正統派を貫くのか、やり方次第でさらに面白い作品にもつまらない作品にもなりそうなので次巻は要注目ですね。
【eBookJapan】 ソフトメタルヴァンパイア
↑無料で試し読みできます
ソフトメタルヴァンパイア
著者:遠藤 浩輝
掲載:月刊アフタヌーン
1巻発売日:2016年11月30日
人間が世界を支配した時代は終わり、全ては吸血族の統制下に置かれている時代。法律が変わったことで銀の所有はもとより、採掘・加工・流通・販売が世界中で禁止されるようにはなったが、圧制によって虐げられることも略奪を受けることもなく、吸血族の穏やかな支配を甘受しながら人々は平和な日常を送っていた。
幼い頃に金属を操る不思議な力を持っていた人間の少女・斎美井香は、16歳の誕生日を迎えたその日、登校途中に「僕の子供を 沢山 生んでくれるかい?」と口走る謎の変態少年・アランと出会い、上段蹴りをお見舞いして撃退する。その後、転校生として訪れたアランと再会するも、直後に吸血族が管理する無人機の攻撃によって教室は血の海と化す。
吸血族に対して脅威となりうる「銀」を操る「元素使い」だと判明したミイナは、レジスタンスと吸血族の戦いに巻き込まれていく。
吸血族(ヴァンピール)の緩やかな統制下で暮らしていた少女が、吸血族の変態少年・アラン砂辺と出会ったことで自身が吸血族の脅威となる能力者だと判明し、それを皮切りに平穏な日々は終わりを遂げ、残酷で過酷な世界へと身を投じていく物語。
中二感溢れるネオ・セカイ・ダーク・ファンタジー。著者は『EDEN』『オールラウンダー廻』で知られる遠藤浩輝さんです。試し読み1話が面白かったので1巻読んでみました。『EDEN』から『廻』へリアル路線に方向転換したと思ったら、またガラリと作風を変えてきましたね。
世界観がユーニクで面白いです。人間が世界の支配者の座から下り、吸血族(ヴァンピール)という種族が人の上に君臨している世界。基本不死である吸血族を唯一死に至らしめる物質「銀」の扱いは全面的に禁じられてる他、人間は満16歳になると納血を義務づけられるなどの決まりはありますが、なにも過酷な圧制を敷かれているわけではなく、人々は今までと大して変わらない日常生活を営んでいます。
吸血族(ヴァンピール)というのは、主にヨーロッパ圏の伝承や物語に登場する吸血鬼と酷似した特徴を持った種族です。どんなに粉みじんに体を損傷したとしても、長い年月をかければ元通りに回復する基本不死の存在。不死という特徴以外にも、「窒素族使い」「炭素族使い」など特定の元素を操り物質を生成することが可能です。あと、壁を走れる。
元素記号がよく出てきますが、理系に弱い私でもついていける(ギリギリ)のでそれほど難しくはないと思います。まあ、解説のない分からない専門用語もあったので、そこは素直にググっておきました。
ストーリー自体は分かりやすいかったです。
主人公の斎美井香(イツキ ミイカ)は幼少のときに銀を操る能力を発現させていましたが、10歳になる頃には消えていたため普通の生活を送っていました。しかし、16歳の誕生日を迎えたその日に「納血の義務」による採血を受け、その血液検査から吸血族を脅かす銀を操る素養があることがバレてしまい、「俺たちには危険だから消してしまおう」的な流れでミイカは命を狙われ出します。
そこで、元々ミイナの力に気づいていた父親が娘を守るため、アランも所属する「G.D.F.」という組織に保護の依頼を出しました。「G.D.F.」は主にヴァンビールと人間の間に生まれた混血児「ダンピール」で構成される組織。
人類を支配したい吸血族(ヴァンピール)、人類と共存共栄したいダンピール、そして人類、それら陣営が唯一吸血族を葬ることができる「銀」を操る少女を奪い合うという話です。
最初は食パンくわえて登校する少女が「ちこく、ちこくーっ!」と駆けながらイケメンとぶつかるという古典的な展開を見せ、その後の流れも結構コミカルなノリで始まったのでギャグなのかと錯覚しかけたんですが、和やかな光景は突如一変し、ミイナ1人を消すために学校全体を巻き込んだ大虐殺を始めました。頭だの腕だのが容赦なく吹っ飛ぶので、グロ耐性がない人は注意が必要です。何よりもグロいと感じたのは、吸血族の口が『プレデター』のエイリアンのようにパカっと割れたとき。黒髪美女のキーラ・マチダが吸血族たらしめる姿を見せたときはかなり引きました。
ただ、相変わらず下ネタ好きの作者さんがはっちゃけてるので、残虐で冷酷な血みどろシーンはあってもそれほど雰囲気は重くありませんね。
バトルはオーソドックスですけど絵に力があり、見せ方も上手いの見応えは満載でした。元素を操る能力者が化学変化を用いた戦闘を繰り広げます。黒歴史を持ってる人は、奥底に封印した中二心に刺激を受けないように注意しましょう。
1巻は登場人物の紹介と舞台設定やストーリーの流れを大まかに説明した内容です。なので、まだまだ分からないことばかりですが、先の展開が気になるストーリーと個性的なキャラクター、見応えあるバトルシーン、あと化学のおさらいもできてなかなか楽しめました。
少しずつ世界観が明らかになっていく作品なので長く続いて欲しいですが、2巻が肝になるでしょうね。面白くはあっても題材やジャンルは「異能バトル」「吸血鬼」とさほど珍しくはないので、他とは異なる設定や展開を見せるのか、あえて正統派を貫くのか、やり方次第でさらに面白い作品にもつまらない作品にもなりそうなので次巻は要注目ですね。
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