2016年10月19日
【BE BLUES!〜青になれ〜】マンガ 感想&あらすじ 心振るわせる熱きサッカー漫画
週刊少年サンデー。2011年9号から連載中。既刊24巻
著者:田中モトユキ
他作品:リベロ革命!!
将来、サッカーで日本代表選手になることを夢見ている少年・一条龍。「オレの計画!!」というノートに記した18歳での代表入り(A代表)を目指し、目前に控えた全日本少年サッカー大会で優勝するため、幼馴染の双子兄妹・優人と優希と一緒に日々練習に励んでいた。
県内でも天才と呼び声高い龍は、ユースのスカウトからも注目され、将来を有望視されている選手。しかし、全国行きを決めた試合の帰り道、車に轢かれそうになった優人を助けたのだが、その勢いで階段から転落してしまい、サッカーどころか普通の生活を送ることすら困難な大怪我を負ってしまった。
しかし、そんな状態でも夢をあきらめることをしなかった龍は、それから2年間にも及ぶ過酷なリハビリ生活を乗り越え、長いブランクとハンデを抱えながらピッチに舞い戻り、再び代表を目指すサッカー人生を歩み始めるのだった。
・一条 龍
主人公。小学生のときは天才と評されていたサッカー少年。夢は日本代表。困難を跳ね除ける強靭なメンタルの持ち主。全国行きを決めた当日、そしてユース入りも決まった翌日、選手生命を脅かす大怪我を負ってしまいました。夢を諦めず2年間のリハビリ生活を乗り越えて中学の部活でサッカーに復帰。恋愛に関しては鈍感。
・青梅 優希
ヒロイン。龍の幼馴染、優人の双子の妹。気が強くて明るい性格。小学生のときは選手としてプレイしていたが、龍が怪我した後は選手から離れてリハビリをサポートをするために彼を支えていました。中学を経て、高校でも彼のサポートをするためにメネージャーになることを選びます。龍に対して恋心を抱いています。
・青梅 優人
龍の幼馴染、優希の双子の兄。妹の優希と比べておとなしく控えめな性格をしています。龍を怪我させてしまったことに負い目を感じていましたが、彼から励ましの言葉を受け取ったことでサッカーを続けることを決意。中学、高校共に龍と同じ学校に進み、サイドバックとしてチームを支えていきます。
・滝沢 アンナ
ヒロインその2。コヴァッチの孫娘。フィギュアスケート選手。十字靭帯を損傷したことで悲嘆に暮れ、そのときに龍と出会いました。リハビリを乗り越え必死にサッカーと向き合う彼の姿が励みになり、リハビリを積極的に取り組むようになります。そのことがきっかけで、龍に想いを寄せるようになりました。
・ミルコ・コヴァッチ
アンナの祖父。元ユーゴスラビア代表監督。選手時代は各国でプレーしており、その経験から語学も堪能です。当時小学生だった龍のプレーをたまたま目撃したことで興味を持ち、アンナの入院した病院で再会し、その後は度々サッカーのアドバイスを与えてくれます。後に武蒼サッカー部の監督を務めることに。
【eBookJapan】 BE BLUES!〜青になれ〜 登録不要で試し読みできます
サッカーを愛し、サッカーに愛された少年の、苦難に阻まれてもめげることなく、夢に向かって突き進む姿を描いた物語。選手生命を危ぶまれるほどの大怪我を負った天才サッカー少年の復活劇であり、チームメイトとの絆を深めて共に成長していく姿を描いた青春物語でもあり、さらに日本代表という確固たる目標を目指して奮闘する熱血モノでもあります。
元々私がサッカー好きということもあって、これまでサッカー漫画は多く読んでいますが、個人的には現在連載されてる中ではトップ3には入るぐらい好きな作品です。
ストーリーを現時点で大きく分けると、小学生編・中学生編・高校生編の3編。
小学生編では龍が溢れる才能をいかんなく発揮する姿が描かれていて、天才と呼ばれるにふさわしい活躍をしていました。1巻読んだときは、最初からこんなに出来上がってる人物を主人公に据えてこの後どう盛り上げるんだろうと不安に思いもしましたが、全国行きとクラブユース入りが決まってこれからという矢先に大怪我です。
天才が怪我からの復帰という演出は予想の1つとしてはありました。ただ、それが予想を遥かに超える大怪我だったことに唖然・・・。階段から転落した直後の姿、病院のベッドで全身を包帯に巻かれていた姿、くやし涙を流す姿はあまりにも痛ましく、さすがに見ていてかなり辛かったです。
大怪我を負っても諦めないと決意し、復帰試合で怪我を思わせない大活躍・・・なんていう安易な復活劇にしなかったところも良かったです。そんな安っぽいドラマ展開になってたら私は読むのやめてたかもしれません。
小学6年、中学1年、伸び盛りであろう一般的にゴールデンエイジと呼ばれる大切な時期を、主人公はリハビリに費やすことになり、大きなブランクとハンデを抱えての部活動復帰。中学編冒頭ではやっと杖なしで歩けるようになり、復帰したサッカー部は弱小にもかかわらず練習についていくのも困難な状態。
身体の成長期に怪我を負ったことで感覚にズレが生じ、今までのようにボールを操れなくなっていました。それは、いかに苦しいリハビリを乗り越えた強靭なメンタルの持ち主でも、挫折にも繋がりかねない辛すぎることだと思います。それが才能に溢れていた人なら尚の事。でも、彼はすごい考えたんでしょうね。今の状態で出来るベストは何なのかを模索し、華麗なプレイは出来なくなっても泥くさく喰らいつき、新たな道を見つけて歩み始めます。
元々強靭なメンタルを持ってた子なんですけど、あの事故がきっかけでさらに磨きがかかったんじゃないかと思います。
周りをワクワクさせて奮い立たせること自体は怪我をした前も後も変わりませんね。天才と呼ばれた華麗なテクニックは見る影もありませんが、どん底から這い上がる姿には胸が熱くなりました。
中学生編では龍の復帰してからの苦難を描き、今まで適当にサッカーをしていた部員たちが、彼に触発されて本気になっていくという流れですね。ここからの試合描写はとにかく見る者の心を熱くさせるだけではなく、涙してしまう感動もあるので必見。この章で第2のヒロインであるアンナも登場したことで、色んな意味でさらに作品が鮮やかに彩られていきます。
高校生編では双子と一緒にサッカー強豪高・武蒼に入学し、これまでライバルとして戦ってきた人物が仲間になったり、個性溢れる新キャラも多数登場してさらに面白さが増してきます。勇希も龍を異性として強く意識するようになりそうですし、そこにアンナも加わるため、さてどうなることかとニヤつきが抑えられません。
サッカー描写は鋭角に落ちるドライブなシュートを撃ったり、GKやDFを吹き飛ばしてしまうシュートを撃つなんていうファンタジーはなく、リアリティを重視した緻密で丁寧なサッカーが描かれています。まあ、見る人によっては地味に感じてしまう人もいるかも。
サッカー戦術について頻繁に語られていますが、それほどくどい解説ではなく、説明相手が素人であることが多いので、わかりやすい解説になっていたと思います。監督が外国人ということもあって、今の日本サッカーに不足している要素を指摘することもあり、それが結構納得できるのも良かったです。
最初これを読んだときにはもう18巻まで出てたんですが、読み始めたら飽きるどころか読む手が止まらなくなり、続きが気になって即効読み終えていました。
とにかく熱い漫画です。どれだけ辛く苦しい状況に陥ろうと、立ち塞がる壁を撃ち破って突き進む主人公に熱くされ、そんな彼を信じて支え応援する周囲の人達の姿に胸が震えます。今ではむしろ珍しくなった少年誌における「友情・努力・勝利」の3要素をいかんなく発揮している作品です。ただ根性で突き進むのではなく、しっかりとした根拠や理論に基づいているから説得力もあったと思います。
サッカーが好きな人、熱血モノを読みたい人、そんな人達には特に自信を持っておすすめできますので、よければ読んでみてください。
著者:田中モトユキ
他作品:リベロ革命!!
あらすじ・概要
将来、サッカーで日本代表選手になることを夢見ている少年・一条龍。「オレの計画!!」というノートに記した18歳での代表入り(A代表)を目指し、目前に控えた全日本少年サッカー大会で優勝するため、幼馴染の双子兄妹・優人と優希と一緒に日々練習に励んでいた。
県内でも天才と呼び声高い龍は、ユースのスカウトからも注目され、将来を有望視されている選手。しかし、全国行きを決めた試合の帰り道、車に轢かれそうになった優人を助けたのだが、その勢いで階段から転落してしまい、サッカーどころか普通の生活を送ることすら困難な大怪我を負ってしまった。
しかし、そんな状態でも夢をあきらめることをしなかった龍は、それから2年間にも及ぶ過酷なリハビリ生活を乗り越え、長いブランクとハンデを抱えながらピッチに舞い戻り、再び代表を目指すサッカー人生を歩み始めるのだった。
主要登場人物
・一条 龍
主人公。小学生のときは天才と評されていたサッカー少年。夢は日本代表。困難を跳ね除ける強靭なメンタルの持ち主。全国行きを決めた当日、そしてユース入りも決まった翌日、選手生命を脅かす大怪我を負ってしまいました。夢を諦めず2年間のリハビリ生活を乗り越えて中学の部活でサッカーに復帰。恋愛に関しては鈍感。
・青梅 優希
ヒロイン。龍の幼馴染、優人の双子の妹。気が強くて明るい性格。小学生のときは選手としてプレイしていたが、龍が怪我した後は選手から離れてリハビリをサポートをするために彼を支えていました。中学を経て、高校でも彼のサポートをするためにメネージャーになることを選びます。龍に対して恋心を抱いています。
・青梅 優人
龍の幼馴染、優希の双子の兄。妹の優希と比べておとなしく控えめな性格をしています。龍を怪我させてしまったことに負い目を感じていましたが、彼から励ましの言葉を受け取ったことでサッカーを続けることを決意。中学、高校共に龍と同じ学校に進み、サイドバックとしてチームを支えていきます。
・滝沢 アンナ
ヒロインその2。コヴァッチの孫娘。フィギュアスケート選手。十字靭帯を損傷したことで悲嘆に暮れ、そのときに龍と出会いました。リハビリを乗り越え必死にサッカーと向き合う彼の姿が励みになり、リハビリを積極的に取り組むようになります。そのことがきっかけで、龍に想いを寄せるようになりました。
・ミルコ・コヴァッチ
アンナの祖父。元ユーゴスラビア代表監督。選手時代は各国でプレーしており、その経験から語学も堪能です。当時小学生だった龍のプレーをたまたま目撃したことで興味を持ち、アンナの入院した病院で再会し、その後は度々サッカーのアドバイスを与えてくれます。後に武蒼サッカー部の監督を務めることに。
【eBookJapan】 BE BLUES!〜青になれ〜 登録不要で試し読みできます
感想
サッカーを愛し、サッカーに愛された少年の、苦難に阻まれてもめげることなく、夢に向かって突き進む姿を描いた物語。選手生命を危ぶまれるほどの大怪我を負った天才サッカー少年の復活劇であり、チームメイトとの絆を深めて共に成長していく姿を描いた青春物語でもあり、さらに日本代表という確固たる目標を目指して奮闘する熱血モノでもあります。
元々私がサッカー好きということもあって、これまでサッカー漫画は多く読んでいますが、個人的には現在連載されてる中ではトップ3には入るぐらい好きな作品です。
ストーリーを現時点で大きく分けると、小学生編・中学生編・高校生編の3編。
小学生編では龍が溢れる才能をいかんなく発揮する姿が描かれていて、天才と呼ばれるにふさわしい活躍をしていました。1巻読んだときは、最初からこんなに出来上がってる人物を主人公に据えてこの後どう盛り上げるんだろうと不安に思いもしましたが、全国行きとクラブユース入りが決まってこれからという矢先に大怪我です。
天才が怪我からの復帰という演出は予想の1つとしてはありました。ただ、それが予想を遥かに超える大怪我だったことに唖然・・・。階段から転落した直後の姿、病院のベッドで全身を包帯に巻かれていた姿、くやし涙を流す姿はあまりにも痛ましく、さすがに見ていてかなり辛かったです。
大怪我を負っても諦めないと決意し、復帰試合で怪我を思わせない大活躍・・・なんていう安易な復活劇にしなかったところも良かったです。そんな安っぽいドラマ展開になってたら私は読むのやめてたかもしれません。
小学6年、中学1年、伸び盛りであろう一般的にゴールデンエイジと呼ばれる大切な時期を、主人公はリハビリに費やすことになり、大きなブランクとハンデを抱えての部活動復帰。中学編冒頭ではやっと杖なしで歩けるようになり、復帰したサッカー部は弱小にもかかわらず練習についていくのも困難な状態。
身体の成長期に怪我を負ったことで感覚にズレが生じ、今までのようにボールを操れなくなっていました。それは、いかに苦しいリハビリを乗り越えた強靭なメンタルの持ち主でも、挫折にも繋がりかねない辛すぎることだと思います。それが才能に溢れていた人なら尚の事。でも、彼はすごい考えたんでしょうね。今の状態で出来るベストは何なのかを模索し、華麗なプレイは出来なくなっても泥くさく喰らいつき、新たな道を見つけて歩み始めます。
元々強靭なメンタルを持ってた子なんですけど、あの事故がきっかけでさらに磨きがかかったんじゃないかと思います。
周りをワクワクさせて奮い立たせること自体は怪我をした前も後も変わりませんね。天才と呼ばれた華麗なテクニックは見る影もありませんが、どん底から這い上がる姿には胸が熱くなりました。
中学生編では龍の復帰してからの苦難を描き、今まで適当にサッカーをしていた部員たちが、彼に触発されて本気になっていくという流れですね。ここからの試合描写はとにかく見る者の心を熱くさせるだけではなく、涙してしまう感動もあるので必見。この章で第2のヒロインであるアンナも登場したことで、色んな意味でさらに作品が鮮やかに彩られていきます。
高校生編では双子と一緒にサッカー強豪高・武蒼に入学し、これまでライバルとして戦ってきた人物が仲間になったり、個性溢れる新キャラも多数登場してさらに面白さが増してきます。勇希も龍を異性として強く意識するようになりそうですし、そこにアンナも加わるため、さてどうなることかとニヤつきが抑えられません。
サッカー描写は鋭角に落ちるドライブなシュートを撃ったり、GKやDFを吹き飛ばしてしまうシュートを撃つなんていうファンタジーはなく、リアリティを重視した緻密で丁寧なサッカーが描かれています。まあ、見る人によっては地味に感じてしまう人もいるかも。
サッカー戦術について頻繁に語られていますが、それほどくどい解説ではなく、説明相手が素人であることが多いので、わかりやすい解説になっていたと思います。監督が外国人ということもあって、今の日本サッカーに不足している要素を指摘することもあり、それが結構納得できるのも良かったです。
最初これを読んだときにはもう18巻まで出てたんですが、読み始めたら飽きるどころか読む手が止まらなくなり、続きが気になって即効読み終えていました。
とにかく熱い漫画です。どれだけ辛く苦しい状況に陥ろうと、立ち塞がる壁を撃ち破って突き進む主人公に熱くされ、そんな彼を信じて支え応援する周囲の人達の姿に胸が震えます。今ではむしろ珍しくなった少年誌における「友情・努力・勝利」の3要素をいかんなく発揮している作品です。ただ根性で突き進むのではなく、しっかりとした根拠や理論に基づいているから説得力もあったと思います。
サッカーが好きな人、熱血モノを読みたい人、そんな人達には特に自信を持っておすすめできますので、よければ読んでみてください。
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