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2020年01月05日
日本政治はどう為る?政権交代・政治動画・フラット化 3つの観点から考える【2020年の展望】
【2020年の展望】日本政治はどう為る?政権交代・政治動画・フラット化
3つの観点から考える
室橋祐貴氏(右端)
〜室橋祐貴 日本若者協議会代表理事 1/5(日) 10:00〜
野党の「合流」はどう為るか?
2020年の日本政治はどう為るか。個別の出来事に注目しながらも、今後重要に為る3つの観点に付いて夫々考えて行きたい。
政権交代は起きるのか?
2020年最も重要なのは野党の動きである。秋頃に予想される衆院選の結果次第で、ポスト安倍の行く末も大きく左右されるからだ。勿論、政権交代が起きる可能性もある。 そうすれば、現職の政治家が数多く落選する事に為る為、政治分野でのジェンダーギャップは大きく改善されるであろう。野党が女性を多く出馬させるのが前提だが。
これ迄何度も見て来た通り、現政権の支持理由は「他の内閣より良さそうだから」と云う「消極的支持」であり、野党が体制を整えれば、十分に政権交代の可能性はある。只、現状の動きを見て居る限り、次の総選挙で「政権交代」が起きる可能性は低そうだ。
細かい理由は多く有るが、野党間で協力体制を明確にする事、オリジナルの政権構想を示す事、最低限それらをしない限り有権者が野党に政権を任せる可能性は低い。
現在、立憲民主党が国民民主党・社民党と合流の方向で調整を進めて居るが、枝野代表を中心にトップダウン型の立憲民主党と地方自治を重視する社民党では組織文化が異なり、上手く行か無いのは目に見えて居るし「対決」よりも「議論」を重視する国民民主党とも国会運営の考え方で反りが合わ無いであろう。
その意味では、合流よりも選挙協力で「連立政権」を目指すのが現実的な処である。ソモソモ、ここ迄価値観が多様化して居れば、連立政権の方がより多くの国民をカバー出来「不満」は溜まり難い。
その上で「れいわ新選組」と選挙協力を出来るのか、共産党と何処まで協力するのか等、乗り越え無ければ為ら無いハードルは多い。各選挙区で共産党が持って居る票数と協力によって離れる票数・・・どちらが多いかはデータが無く断ずる事は難しいが、過去の首長選挙を見る限り、余り期待は出来無いのではないだろうか。
そして何より、民主党政権への「失望感」は未だに根強く残って居り、立憲民主党の枝野代表と云った民主党時代にも「顔」に為って居た人達を又野党の中心に据えて、国民からの期待を集める事が出来るのかは甚だ疑問である。
直近で「野党」に大きな期待が集まったのは希望の党であるが、当時の顔は「小池百合子」と云う新しい「野党像」であったし、政権運営能力と云う意味でも、自民党の脱藩者・・・石破茂議員が有力候補に為るだろう・・・を持ち上げるか、思い切って若手に任せるのが最も「政権交代」に近づく道では無いだろうか。
政治動画の本格化
自民党は「令和」と共に、若者向けに 「#自民党2019」キャンペーンを始める等、ネットを積極的に活用して居る
次に重要なのが、政治報道がどう為るかだ。2019年の参院選では、選挙報道の量自体が約3割減り、質的にも、従来通り、各論点に付いて専門家を交えて議論する機会が乏しく、各党の代表者が順に政策を説明するだけに留まる等、十分な判断材料を提供出来ていなかった。
一方で「れいわ新選組」やNHKから国民を守る党を中心に、政治側は動画を巧みに活用し始めて居る。N国はもう衰退の一途を辿るだろうが。
ネット先進国である韓国では、政治家の7割以上が自身のYoutubeアカウントを持って居り、衆院選に向けて日本でも益々活用が広がる一方だろう。更に、ドイツでは、2019年欧州議会選挙の時に26歳のYoutuberが「CDUの破壊」と云うタイトルの動画で与党CDUを糾弾、1500万回以上閲覧され、選挙結果に大きな影響を与えた。
当時15歳のスウェーデン人、グレタ・トゥーンベリさんが始めた「Fridays For Future」は世界的なムーブメントに為っており、SNS上で動画が拡散されて居る。
日本では未だ社会運動に動画は余り活用されて居ないが、2019年振り返りの記事で見た様に、若年層の運動が活発化してきて居り、動画の活用が広まるのも時間の問題であろう。問題は、政治をチェックし、適切な情報提供を行う役割を担う報道側だ。
政治家が発する情報は、どうしても自身に有利なポジショントークに為り勝ちであり、ファクトチェックも含め、キチンと報道機関が同じくネット上で良質な情報を流さ無ければ為ら無いが、動画の分野では、テレビ局も含め全く追い付いて居ない。
日本の「報道番組」は、専門家では無い何人もの毎回お決まりのコメンテーターが順にコメントする構成が多く、トピック単位で少数の専門家同士が議論を深める番組は殆ど無い。BSフジの「プライムニュース」で、萩生田光一文部科学大臣が「身の丈に合わせて頑張って」と発言した様に、生放送の番組は、遂「本音」が漏れる非常に重要な場である。しかし、現状こうした緊張感の伴う番組は「プライムニュース」位である。
「池上彰」以降、過度に「判り易さ」を求めた緩い番組は存在するが、今求められるのは、少数の専門家、政治家で国家像や政策的課題を議論する緊張感の伴った番組だ。Youtube上に「身内」で議論する番組は好くあるが。
「スキャンダル」や「不倫」判り易い「対立構造」に比べれば、政策的課題は複雑であり難しいが、現実に社会は複雑なものであり、だからコソ専門知を活用して多面的に議論を深めて行か無ければ為ら無い。そうした「努力」を放棄して来たのが、ここ10年〜20年程度のマスコミ報道である。
結果、キチンと学術論文を書いてる様な本物の専門家でテレビに出たい人は殆ど居なく為って居る。一方、テレビに出たい人は沢山居るので、ドンドン質の低い専門家の意見が広まる悪循環が続いて居るのだが。
テキストメディアでは今や、ウェブメディア発の話題をマスコミが後追いする報道が増えて来て居り、期待出来るのはネットであろう。 2019年末から、ハフポストとTwitterが、毎週生配信の就活生向けの番組を始める事に為ったが初回は50万viewを超え好評であった。政治の分野でも同様の番組が出て来る事を期待したい。
若者と高齢者、男女はよりフラットに
最後に、政策に付いても触れて置きたい。今後の日本で重要な視点は、年齢や性別で区別しない「フラット化」である。これ迄は年功序列、ジェンダー規範が強く社会を縛って来たが、今後は、そうした属性に囚われず、専門性の評価や実態・能力に合った利益・負担の均等化、性別役割分業の解放・特にワンオペからの解放が重要に為って来る。その一つの試金石と為るのが、2020年6月頃に発表される「全世代型社会保障検討会議」の最終報告である。
社会保障では、急速に進む高齢化と少子化を背景に、保険料負担が現役世代に重く圧し掛かって居り、余裕の有る高齢者に負担を求める事は最早避けられ無い。75歳以上の医療費は約16兆円に上り、この内の4割は現役世代が支払う健康保険料からの支援金が占める。2022年からは団塊世代が75歳以上に為り始める為更なる負担増が予測される。そこで今議論されているのが、75歳以上の後期高齢者が支払う医療費の窓口負担引き上げだ。
現状、現役並み所得(単身世帯で年収383万円以上)が有る人は3割、その他の90%以上の人は1割負担と為って居るが、一定額以上の所得が有る人も2割負担に変えようとして居る。
12月19日に発表された中間報告では「一定所得以上の方に付いては、その医療費の窓口負担割合を2割とし、それ以外の方に付いては1割」と、一定額の詳細は今後詰める形に為ったが、現役世代の生活は相当苦しく為って居り、30・40代でも「貯金ゼロ」の人が23.1%(SMBCコンシューマーファイナンス調べ)に為って居る事を考えれば、よりフラットな形に変えて行くべきであろう。
政権与党としては選挙への悪影響を懸念するだろうが、日経新聞が12月に行った世論調査を見ても、2割負担への引き上げに「賛成」と答えた人が過半数の52%に上り「反対」の41%を上回って居り、現役・将来世代の事を考えて、余裕が有る人には負担を求めて行くべきだ。
年代別で見ると、若い世代の方が賛成が多く、39歳以下では賛成が61%で反対が35%、40〜59歳は賛成56%・反対38%。近い将来、負担が増える事に為る60歳代でも賛成は52%に上り反対の42%より多かった。
既に後期高齢者に為った人も含む70歳以上では反対の方が多かったが、それでも賛成が45%に対し、反対が50%と、おおよそ拮抗して居り、キチンと引き上げる理由を伝えれば、十分に理解を得られるのではないだろうか。野党は政局にしたがるだろうが、現役・将来世代の事を考えれば与野党で協力して国民に正しい現状を伝えるべきである。
又、性別役割分業の解放・・・特にワンオペからの解放に向けては、家族を支援する為の家族関係社会支出の増加が欠かせ無いが、政府が2020年度から始める男性国家公務員の「1カ月以上の育休取得促進」が上手く機能するかも注目される。
これ迄育休を検討すると発言して来た小泉進次郎環境大臣が育休を取るか否かは、社会的な雰囲気を左右するものとして非常に重要だろう(別途記事にする)
各国の家族関係社会支出の対GDP比の比較
日本は、フランスやスウェーデン等の欧州諸国と比べて家族関係社会支出が低水準と為って居り、現金給付、現物給付を通じた家族政策全体の財政的な規模拡大が求められる。(出典:内閣府)
同様に、経済界では、徐々に年功序列が崩れ、新卒採用時点で報酬の幅も広がりつつあり、最近だとA.T.カーニーの日本代表に未だ30代である1981年生まれの関灘茂氏が就任した事が話題に為ったが、政界においても、IT分野の大臣に若手起業家を民間大臣として登用する等、当選回数順で短期に回すのでは無く、専門性で大臣を選ぶ形に変えて行くべきである。
そうでもし無ければ、平成30年間ズッと続いた日本の衰退を止める事は出来無いであろう。
室橋祐貴 日本若者協議会代表理事 1988年神奈川県生まれ 慶應義塾大学経済学部卒 慶應義塾大学政策・メディア研究科修士1年 若者の声を政策に反映させる「日本若者協議会」代表理事 専門・関心領域は社会保障や財政・労働政策・若者の政治参画などyukimurohashi0@gmail.com Yuki_muro YukiMurohashi official site日本若者協議会
以上
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「分断の時代」に終止符を(上)(下)【2020年を占う・社会】
「分断の時代」に終止符を (上)(下) 【2020年を占う・社会】
林信吾(作家・ジャーナリスト)
【まとめ】
・ネット上の「批判」には、誤爆や言い掛多く安易な信用は危険。
・「持つ者と持たざる者」との分断が進行中。
・「上級国民」や「セレブ」への反感を吐露するの増加は「勝ち組」の洗脳が溶けて来た兆し。
読者の皆様、新年あけましておめでとうございます。昨年も多くの記事を書かせて頂き、幾度もランキング入りした事で、大いに意を強くしている反面、批判的な声も少なからず寄せられた。マア、それも反響の内だが。
直近の例では、4月に東京・池袋で高齢者が引き起こした暴走事故に付いての記事に2件のコメントが寄せられて居る。1件は支離滅裂で答え様が無いが、もう1件は、シリーズのテーマとした「ネットに蔓延する見当違いな正義感」と密接に関わる事で、且つ今次のテーマである「2020年に日本が直面する問題」そのものでもあると思い、メディアでは異例の事乍ら反論メイタ返信を書かせて頂く事にした。
コメントの論点を整理させて頂くと、以下の3点に要約出来る。
「犯罪じゃ無いと言い切るのは納得出来ない」
「最初の物損で〈当て逃げ〉をして居る。混乱して停止出来なかったと云う言い訳が通用するなら、当て逃げ、轢き逃げは罪で無くなる」
「色んな意見を読んだが〈当て逃げ、轢き逃げ〉を指摘する人は少なく無かった」
先ず第一に、納得出来るか出来無いかは、読んだ方の自由だが、警察は事故として処理し、但し結果は重大なので「厳重処分を求める」との意見書を添えて書類送検した。詰まり「過失運転致死傷罪等で起訴され、有罪判決を受ける可能性は極めて高い」ものの、現段階で事故で無く犯罪だと言い切るのはそれコソ法理論的に無理がある。
最初の物損で〈当て逃げ〉して居るではないかと云う指摘も同様で、その辺りの事実関係に付いて、当事者の「言い訳が通用する」か否かは、これから裁判で明らかに為る事であるから、今ココでコメント主達と不毛な議論をする積りは無い。
問題は最後で、コメント主が読んだ「色んな意見」は、専らネット上で開陳されたものではないのだろうか。このJapan In−depthとてネットメディアであるしネットだから信用出来無い、等と自分で自分の首を絞める様な事を書いたりはしないが、当て逃げ・轢き逃げを指摘したと云う「多くの人」の中に、警察を差し置いて現場検証を行う権限を持って居たり、ソモソモ交通事故鑑定人たるスキルや経験値を備えた人が一人でも居たのか。
誰でも好き勝手な事を書けるネットは、便利だし強みもある反面、安易に信用するのは危険である。特にネット上での「批判」には、誤爆や言い掛が多い。この点も私は実例を挙げて指摘して来た。
サテ、本題。こうした議論が幾度も蒸し返されるのは、記事のテーマそのものであった、加害者が「上級国民」であったから警察も「忖度」して、逮捕し無かったに違い無いと皆が思って居る事と無関係だとは思え無い。
もう一つ、10月に関東を襲った台風19号で、川崎市・武蔵小杉のタワーマンション(30階建て以上の超高層マンション・以下タワマン)が被災した。多摩川が増水した結果、地下の機械室に汚水が流れ込み電気や水道が止まってしまったそうだ。これに対して、ネット上で「ざまあ」と云う書き込みが複数あり物議を醸した。ザマア見ろ、と云う意味であるらしい。
何でも、武蔵小杉のタワマンと言えば値段が高く、又生活環境も劇的に向上して、今や「セレブの街」と呼ばれて居る。そうした「セレブ」が、一転エレベーターもトイレも使え無い生活を強いられた事に対して、ザマア、と云う書き込みをした者が居た訳だ。
東京で生まれ育ち、横浜市中区に住民票を置いた事もある私等は、川崎市にセレブの街ですカア・・・と、差別発言スレスレの言葉を遂飲み込む事に為るが、そんな話はこの際どうでも好く、被災者に対して「ザマア」は無いだろうと単純に憤慨した。しかし、冷静に為って考えてみると、強(あなが)ち全否定は出来ないかも知れぬと云う風にも思えて来た。
ここ数年、経済を中心としたグローバリズムの流れに対して、反動と言うべきか、敢て「内向き」の政治を支持する人が増えて来て居る様に見受けられる。米国トランプ政権の誕生もそうだし、昨年後半に私が幾度もお伝えしたブレグジット・英国のEU離脱の問題もそうだ。
その様な反グローバリズムの流れに乗って登場した、トランプ大統領やジョンソン首相に対しては、移民を制限しようと云った政策に対して「国を分断させてしまった」と云う批判が根強く有る事は、既に幾多のメディアが報じた通りである。
そして日本では、景気が回復しつつあると政府が幾ら数字を示そうとも、庶民の暮らしが楽に為ったと云う実感は得られて居らず、寧ろ非正規雇用が拡大し、老後の不安処か結婚もママ為ら無いと云う層が増えている。
一方で、大企業程真面に税金を払わず、遂には、デフレからの脱却が果たされて居ないのに消費税を引き上げると云う大失政が強行されるに至った。
要するに、今この国は「持つ者と持たざる者」との分断が進行しつつある。その中で、自分達の生活が恵まれ無いのは、上級国民(叙勲される様なエリート官僚)や、タワマンで暮らす様なセレブ(グローバリズムの流れに乗って富を得た層)の所為だと考える人が現れて来たのではないだろうか。更に言えば、こうした人達が自分達のことを「勝ち組」等と位置づけ「所得の低い人達=努力し無かった人達」と云った偏見を広く根強く持って居る事も、残念ながら事実なのではないだろうか。
誤解の無い様に断って置くが、今次被災されたタワマンに住む人達がそうだと決め着けて居る訳では無い。全否定出来ないかも知れ無いと私が考えたと云うのも、実は二重の意味があって、これ迄非正規で働き恵まれ無い生活を強いられて来た若い人達程、例えば世に言う「派遣切り」に遭っても「こんな事に為ったのは、チャンと就職し中ったり、会社を直ぐに辞めてしまった自分が悪い」と思い込む傾向があったからで、早い話が「勝ち組」に洗脳されて来たのである。
言い換えれば、昨今「上級国民」や「セレブ」への反感を吐露する人が増えて来たのは、洗脳が溶けて来た兆しなのかも知れ無い。後は、感情的に反発するだけでは、そこから何も生まれ無いと云う事に皆が早く気づいて欲しい。
その前提で、現在進行中の「分断の時代」に終止符を打つ為の方策は、次稿で私なりに考えてみたいと思う。
下に続く 全2回
林信吾(作家・ジャーナリスト)「分断の時代」に終止符を (下)
【まとめ】
・MMTが話題に為って居る。
・財政健全化=黒字化ばかり追求し財政出動躊躇するとデフレ脱却遅れる。
・「取り易い処から取る」税制から「払うべき層に払って貰う」税制へ。
昨年、経済の分野でMMT・モダン・マネタリー・セオリー。新貨幣理論が一時期話題に為った。一時期、と云うのは麻生財務大臣が「日本を(新貨幣理論の)実験場にする積りは無い」と斬り捨ててしまったので、新奇なものには直ぐ飛びつくマスコミも「これは〈来ない〉な」と云う判断を下した様に見受けられるからだ。
どのような理論なのか、煎じ詰めて紹介すると、貨幣(通貨)を物と見做して来たこれ迄の経済学は「天動説」で、MMTが「地動説」だと言い得るのは、貨幣とは物では無く貸借の記録・情報であると、正しく理解出来ているからだとされる。
そうである以上、日本の様に国債を「政府の子会社」である日銀が引き受けて居る様な国では〈国債=政府の借金〉と云う図式が成立し無いので、国債の発行残高等心配する必要は無く、寧ろそれコソ経済発展の原動力と認識せよと主張する。
当然ながら貨幣の過剰供給によるインフレが心配されるが、その点は、インフレの傾向が出た為らば、直ちに金融引き締め等の対応策を採れば好いそうだ。実は私自身、この理論に付いては勉強を始めたばかりなので、その全体に付いては未だ肯定も否定も出来ないが、一寸可笑しくないかと思える点はある。
1 国債は利子を着けて償還せねば為らず、その利払いが今や国家予算の8%を超えて居る。これはどう考えても「有利子負債」で、心配無いは言い過ぎだろう。
2 確かに国債のおよそ半分は、日銀当座預金にシフトされて居るので「既に半分返済済み」と云う理論は成り立つ。しかし、残り半分の更に半分、即ち25%強は海外の投資マネーが保有して居る。もしも日本経済の先行きを不安視する人が増え、売りに回られた場合を想定した為らば、国債暴落のリスクと見做すに充分ではないのか。
先ず1に付いてだが、これは貨幣論がどうのこうのでは無く「太陽は東から昇る」と云うレベルの話であって、そんなのは天動説だと言われては、それコソ議論に為らない。
問題は2で、MMTを信奉する人達は「国債金利は史上最低を更新し続けて居るではないか。皆国債を欲しがっているのだ」「日本経済のポテンシャルを考えれば、日本国債が急に売られる事等考えられ無い」で片付けてしまう様だが、これに対して,私は端的に答えられる。「そんな事、誰が保証出来るのか」これである。経済は生き物なのだ。
但し私は、MMTを全く認め無い態度も正しく無いと考えている。確かに経済政策論の面では未だ緻密な議論に達して居らず、MMTを主張したり信奉する人達も、そこは認めて居る。彼らに言わせれば〈枝葉末節〉らしいが笑、今の処国の財政に反映させるのは危険極まり無いが、財政健全化=プライマリー・バランスの黒字化ばかりを追求して財政出動を躊躇すると、デフレからの脱却が遅れるばかりで結局は誰の利益にも為らない、と云う議論は、日本の現状に合致して居るのではないか。
私は『納税者だけが知らない消費税』(共著・電子版アドレナライズ。原著は『今こそ知りたい消費税』NHK生活人新書)と云う本の著者であるから、税制や財政に関しても、少なくともズブの素人では無い。
その立場から言わせて頂くと、確かに日本の財政赤字は深刻である。世界には、借金で首が回ら無く為った様な国が幾つもあるが、それらの国の負債額を全部合わせたより日本国債の発行残高は大きいのだ。
只、それは飽く迄中長期的な課題で、次世代にツケを残すな、と云う表現も、その文脈に於いて理解されるべきである。冒頭でMMTを紹介したのも、話がここに繋がって来るので、日本の様に国債の大部分を国内で引き受ける事が可能な国は、負債と言っても返済期限が厳然と有る個人や民間企業のそれとは違い「何時か必ずお返しします」で済まされるのだ。勿論「今の処は」だが。
更に言えば、何事も「ものには順序」と云う事がある。東京オリンピック・パラリンピックがイヨイヨ開催され、一方では今後30年以内に首都直下型地震が起きる確率は70%以上だと言われて居るのに、首都高速道路や学校・病院等の耐震化工事が遅々として進ま無いのは一体どう云う事か。
更に税金と財政の関係に付いて話をさせて頂くと、税金には二つの機能がある。ひとつは政府の財源。そしてもうひとつは、富の再分配と云う機能だ。
ごく簡単に言うと、沢山稼いで居る人には税金も沢山納めて貰い、それを所得の低い人達の為に使って行く事で、格差が止めど無く拡大する事を防いで行く機能がある。社会の自動安定化装置と言っても好い。処が、バブル崩壊以降の日本の税制は、これとは逆の方向に進んで来た。詳しくは前掲書をご一読頂きたいが「大企業や富裕層からチャンと税金を取ら無かったから、消費税を繰り返し引き上げねば為ら無く為った」と云う事は、様々なデータから、ハッキリ読み取れるのだ。
財政出動に付いて言うと、安倍政権下で数次に渉って既に行われ、総額は国家予算のおよそ1年分、80兆円強に達して居る。しかし、その多くは災害復興支援等に使われたもので、必要な事ではあったが、悪く言えば後手後手に回った感は否め無いし、これ又既に述べた、中長期的な財政再建のヴィジョンも見えて来ない。だから私は、デフレ脱却が果たせて居ない現状下での消費税引き上げを「大失政」だと糾弾したのだ。
敢て言おう。2020年一杯の時限措置で好いから、消費税は5%に引き下げるべきである。一方、ココで更に100兆円規模の財政出動を行っても、日本経済が直ちに破綻する気遣いは無い。この事は財務省のデータからも明らかだ。
その使い道だが、一つは今も述べた、災害対策と原発事故の後始末。そしてもうひとつは、政策的に最低賃金を引き上げたり、EU諸国で既に実行されて居る様に、新規雇用に対しては当初の給与や研修費用を政府が補助したり、所謂子育て支援を充実させる事だ。
その結果、安倍政権が当初から掲げて来た「インフレ率2%」を超え、4%位に為ったら、ソコで増税に転じて好いのだが、その際は所得税の累進制を見直し、更にはフランスの経済学者トマ・ピケティが提唱する「金融資産への課税」も検討に値する。
ヨーロッパでは、そんな事をすれば富裕層の資産は容易にタックス・ヘイブンに流出してしまう、との反論があるが、日本では監視や徴税が緻密なのでそのリスクも低い。要は「取り易い処から取る」税制から「払うべき層に払って貰う」税制への転換である。
若い世代を中心に「自分達〈下流〉は、努力しても報われ無い」と云う閉塞感が蔓延し、その副作用としてネットが荒れ放題と云う様な世相には、一日も早く終止符を打たねば為ら無い。今年を、その手始めと為る年にしようではないか。
以上
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【2020年予測】2020年政局の難解パズル!ピースは「衆院解散」「ポスト安倍」「野党合流」 5つの解散パターンを検討する最後の安倍主演イヤーに?
【2020年予測】2020年政局の難解パズル!
ピースは「衆院解散」「ポスト安倍」「野党合流」
5つの解散パターンを検討する最後の安倍主演イヤーに?
〜FNN.jpプライムオンライン 1/5(日) 11:31配信〜
2020年の政局を動かす要素
イヨイヨ幕開けした令和2年・2020年と云う節目の年。東京オリンピックイヤーであり、秋篠宮さまの立皇嗣の礼により皇位継承関連の儀式が締め括られる年であり、アメリカでは大統領選挙の年と為る。そして日本の政界に取っても極めて重要な1年と為りそうだ。
8年目に入った第2次安倍政権の終わりが見えて来た中で、その後の政界の構図を決める年に為る可能性があるからだ。その重要な要素は「ポスト安倍」を巡るレース、「野党合流」の行方、そして安倍首相による「衆院解散」の決断の3つだ。この3つの要素が複雑に絡み合って今年の政治ドラマを織り為して行く事に為る。
その主演は矢張り安倍首相である。そして助演は与野党の有力者達と云う事に為るが、安倍首相に取って今年は、最後の主演の年に為る可能性も孕んでいる。その事も踏(ふ)まえ、先の3つの要素を個別に見て行きたい。
ポスト安倍を巡る争い
後継トップ人気の石破元幹事長
現時点で安倍首相の任期は、自民党総裁としての任期が切れる2021年秋迄と為る。その後の首相の候補として現時点で取り沙汰されて居るのが、岸田文雄政調会長・石破茂元幹事長・菅義偉官房長官・河野太郎防衛相・小泉進次郎環境相・茂木敏充外相・加藤勝信厚労相等だ。しかし、何れも現状では決め手に欠けると言われて居る。
世論調査等で人気が高いのは、石破氏と小泉氏だが、石破氏は党内で孤立気味で、小泉氏は環境相として正念場を迎えて居る最中。2人共党内基盤は弱い状態だ。
一方、岸田政調会長は岸田派を中心に安倍首相や麻生副総理等の幅広い支持を得て次期総裁の座を射止めようと目論んでいるが、国民からの人気は現時点では低調で、党内全体からの期待感もソコまで膨らんで居ない。菅官房長官は、二階幹事長や古賀元幹事長から高い評価を受け首相候補に急浮上したが、国民からの「令和おじさん人気」は一服し、安倍首相周辺や麻生副総理周辺から菅氏の台頭を警戒する声も上がって居る。河野氏や茂木氏・加藤氏はダークホース的存在だが、党内や国民の間での待望論も現時点では広がっては居ない。
こうした本命無きポスト安倍レースに変化が表れるかが2020年の政局の大きなポイントだ。ポスト安倍に向け、誰が抜け出し誰が脱落するのか。更に誰も抜け出せ無い場合、麻生氏や二階氏が主張する「安倍4選論」が現実味を持って来る可能性もありそうだ。
野党の大連合は為るのか?カギは「野合」批判を乗り越える「旗印」
一方、野党に目を移すと、焦点は立憲民主党と国民民主党の合流を核として野党の大連合が実現するかどうかだ。昨年末に立憲・国民両党は年内の合流も視野に協議を行ったが、合流への方向性を確認するに留まり、肝心の政策等の細部に付いては、結論を今年に持ち越した。
野党連合為るか・・・仕掛ける枝野代表
両党の合流に向けた最大のハードルは、立憲民主党が脱原発を掲げているのに対し、国民民主党は電力総連や電機連合等原発を容認する労組出身の議員を抱えて居て、政策が折り合わ無い事だ。又安全保障や憲法改正を巡ってもスタンスに違いはある。
これらを乗り越えて合流し力を結集出来るかがポイントで、合流構想の行方は、通常国会での、桜を見る会問題等に関する政府与党への追及振りにも影響するだろう。
ダークホース 山本太郎氏
只、野党の大連合に向けたハードルは立憲・国民の合流だけでは無い。先の参院選で注目を集めた山本太郎代表率いる「れいわ新選組」との連携も課題で、そのハードルは消費税を巡る政策の違いだ。
去年の消費税率10%への引き上げに反対して居た立憲民主党は税率を8%に戻すべきだとの立場だが、これに対し「れいわ新選組」は、5%迄下げるべきだと強硬に主張して居て、折り合いを着けるのは難航が予想されている。そして仮にこれ等の折り合いを着けた場合に当然出て来るのが政策の違いを有耶無耶にしたママに合同してしまう「野合」だとの批判だ。
「野合」と云う言葉は、これ迄も幾多の政党の合流や連立の度に向けられて来た痛烈なものであり、野党内には「自民党と公明党の連立も言わば野合なのだから野合批判は気にするな」と云う声もあるが、選挙での有権者の反発を考えると、無視する訳にも行かない重いものだ。
仮にその「野合」批判を乗り越えるものがあるとする為らば、合流や大連合によって、何を成し遂げたいかと云う「旗印」だろう。
旧民主党政権の誕生前夜は曲がり為りにも、そうしたビジョンを示して居たが、今の立憲民主党等には、政権批判の姿勢が際立つ一方、政権政策や自らが作り上げる国の具体的デザインの発信は足り無いと指摘されて居る。そうした国民に判り易い具体的旗印を枝野代表や玉木代表等が掲げられるかは、合流の成否と並んで今年の焦点と為りそうだ。
安倍首相の「解散戦略」3つのパターン
こうした与野党夫々の事情をパズルピースにして、安倍首相が判断するのが衆議院の解散・総選挙のタイミングだ。衆院議員の任期は安倍首相の総裁任期が切れる来年9月の直後の10月だ。それを踏まえ安倍首相には、解散に付いて大きく分けて3つの選択肢がある。
1 今年中に解散
2 来年の前半に解散
3 解散せずに来年秋に誕生する新総裁に解散を託す
と云う3通りだ。では安倍首相の立場に立って、どの選択が望ましいのか考えてみたい。このうち「3」の安倍首相は自らの手でもう解散を行わ無いと云う見立ては、安倍首相の周辺を含めそれ為りに語られて居る。
只その場合、自民党総裁選が、直後の衆院選を意識した人気重視の選挙と為り、安倍首相が好ましく無いと思って居る石破氏への追い風が吹いてしまう恐れがあると云うデメリットが安倍首相に取ってはある。
「2」の来年前半と云うのも、安倍首相に取っては任期が残り少ない中での解散に為る訳で、長期政権の終盤に仕掛ける解散としてはそれ為りの大義名分が必要に為る。
例えば憲法改正の是非や、ロシアとの北方領土返還交渉の方針に付いての信を問うと云う様な場合だ。只憲法を争点にした解散には連立パートナーの公明党が否定的で、外交を争点にするには、交渉の進展が必要に為る為、自力だけでは何ともし難い所だ。
と為ると安倍首相が積極的に解散を打つ前提では「1」の今年中の解散と云うのが現実的と云う事に為る。そこで、今年中の解散のタイミングを考えると、幾つかに絞られる。
1 1月の国会冒頭解散
2 3〜4月の予算成立後解散
3 東京五輪前の都知事選とのダブル選挙
4 東京オリンピック・パラリンピック終了直後の解散
5 11月解散12月選挙
の5通りだ。「1」の通常国会冒頭解散は予算審議に影響が出てしまう事から、政府与党内でも可能性は極めて低いと見られている。
「2」の予算成立後解散に付いても、秋篠宮さまの立皇嗣の礼が4月19日に行われる事等を踏まえ否定的な声がある。
残りの選択肢の中で最も有力と見られているのが東京五輪終了後の「4」「5」のパターンだ。
「4」の場合は、パラリンピックが終了する9月6日以降、早い段階で臨時国会を召集し、冒頭に近い段階で解散するパターンと為るが、その際は東京五輪効果でどの位支持率が上昇したか、解散の大義名分は何に為るかが判断要素と為るだろう。
「5」の場合は、臨時国会で、全世代型社会保障の関連法案が提出される等し、与野党が激突した場合、その是非を問うのを大義名分に解散する可能性を指摘する向きがある。
一方で、この「4」「5」は、安倍首相が解散を仕掛けるシナリオとして、既に本命視されているシナリオである。
しかし安倍首相はこれ迄2回の衆院解散では、野党の機先を制する形で早めに仕掛けて来た。今回もそうした積極果敢な解散を仕掛けるとした場合「3」の5月末か6月に解散し、東京五輪直前の7月5日投開票の東京都知事選と同日選と云う案が浮上する可能性がある。既に飯島勲内閣官房参与が週刊誌でその可能性に言及して居る。
様々な政治家の思惑が蠢(うごめ)く2020年・・・安倍首相の決断は?
こうしたパターンを念頭に、後は安倍首相自身が、内閣と自民党の支持率、ポスト安倍を巡る情勢、経済情勢、国会の情勢、解散の大義名分と為るテーマ、野党の大連合に向けた進捗等を総合的に判断し決断する事に為る。
政策的にも、内政では、東京五輪後に景気は持つのか、社会保障改革で負担増の議論をどうするのか、憲法改正の行方と云った点が重要に為るし、北朝鮮との関係、日露交渉の行方、日米関係等も解散のタイミングを左右する可能性はある。
何れにしても、安倍首相に取って来年はレイムダック化の流れに抗い乍らの政権運営を余儀無くされるだけに、政界の主役として演じ切れるこの2020年をどう動かして行くかは、長期政権自体の評価も左右する重要な課題だ。
東京オリンピックに沸くことが確実なこの2020年、その裏では、政治家達の様々な思惑が蠢き、発露される1年と為りそうだ。
フジテレビ政治部デスク 高田圭太 FNN PRIME編集部 以上
【管理人のひとこと】
確かに2020年は安倍政治の転換点と為るのは必定だろう。無事にオリンピックを乗り越え、晩秋の解散と為るのが自然の様だが「突飛な戦略」好きな安倍氏の事だから何等かの「屁理屈」を着け、意表を突く解散が有力視される。が、果たして彼に「自らの力で解散を打つ」体力・気力が有るのかどうかだ。
野党がどの様な戦略を仕上げるのかも問題だが、果たして大きなウネリに為るかどうか・・・安倍氏が自民党政権の延長を真剣に願うのであれば、今までの失策全ての責任を負い速やかに身を引き、後継の総裁選を仕切ってから政界を引退すべきだろう。彼が政治家として残るのであれば、それ迄の全ての所業を洗い浚い質す「大陪審」を両院で開催し、更に検察に捜査を託し国民の前につまびらかに報告するべきだ。そうで無ければ、彼には今後一切の政治的発言をしては為ら無い・・・その程度の罪の贖罪は当然だ。
2020年01月04日
「れいわ新選組」代表・山本太郎が全国ツアーの手応え 重度障害者議員の実績 そして衆院選に向けた2020年の活動を語る!
「れいわ新選組」代表・山本太郎が全国ツアーの手応え
重度障害者議員の実績 そして衆院選に向けた2020年の活動を語る!
〜週プレNEWS 1/4(土) 6:20配信〜
「集まった一人一人が途轍も無く濃くて個性的で、このメンバーを紹介し無い事には始まら無いと思った」と語る山本太郎氏
〜2019年夏の参院選で「れいわ旋風」「れいわ現象」と呼ばれる一大ムーブメントを作り出した「れいわ新選組」代表の山本太郎がこの度「れいわ新選組」の全てが判る著書『#あなたを幸せにしたいんだ 山本太郎とれいわ新選組』を上梓(じょうし)した。
先の参院選では約228万票を獲得し、重度障害者二人を国会に送り出した「れいわ新選組」はどの様に結党されたのか。そして約99万票を獲得し「史上最高得票数の落選議員」と為った山本太郎が今伝えたい事とは?〜
・・・本書は、参院選の候補者10人のベストスピーチとロングインタビューで構成されて居ます。何故この本を出版しようと思ったのでしょう?
集まった一人一人が途轍も無く濃くて個性的で、このメンバーを紹介し無い事には始まら無いと思ったからです。読み返して改めて、自分を無茶な奴だと思いました(笑)
沖縄創価学会壮年部の野原善正(よしまさ)さんの例が判り易いですが、参院選出馬の打診をしたのが公示の6日前の6月28日。返事は明後日迄にくださいと伝えてOKを貰いました。それだけで既に無茶なんですが、今度は公示日の前日に「比例じゃ無くて東京選挙区から出て下さい」「2時間以内に返事を下さい」とお願いした訳です。自分でも本当に無茶過ぎると思いました(笑)
・・・その参院選で重度障害者二人を特定枠で当選させました。ご自身は落選後、2019年9月から12月に掛けて全国各地で街頭演説等をして居ましたが、手応えはどうでしたか?
「れいわ新選組」を旗揚げした昨年4月から、既に全国各地を回って居ましたが、選挙前、選挙中と比べても、今が一番手応えを感じてますね。
・・・街宣では、聴衆にマイクを渡し、彼等の訴えに耳を傾けて居ますね。生活が苦しい、低賃金で先が見え無い等。印象に残って居る事は?
どの現場に行っても「奨学金の返済がシンドイ」と云う声を聞きます。今のママでは結婚も子供を作る事も絶対無理だと。他にも、ロスジェネの苦境を何とかしてください、妻の介護で仕事を辞めて生活が苦しいと云った声等です。
そう云う声を聞く度に、今、自分が議員だったら来週の委員会でこの事を質問出来るのにと悔しいです。国会の中で、皆から聞いた声をダイレクトに伝える事が出来る権利を失った事は大きいですね。
・・・山本代表は街宣で、感極まって涙する事もあります。一部であれは「演技では?」と云う声もありますが。
ギャラの出無い演技はしません(笑)好く「どうせ役者だから演技に決まってる」と言われますが、ヤッパリ今の政治に対して「悔しい」と云う思いが強いんですね。世の中が凄いスピードで壊れて行って居るのに、そのスピードを緩める事が出来ない悔しさです。
・・・毎日の様に全国何処かで街宣し、時に酔っぱらいに絡まれたり批判される事もありますが、辛く為りませんか?
この前、久々に会った先輩に「オマエ、ヨウ自殺せぇへんな」って言われました(笑)アンだけ叩かれて嫌に為ら無いのかと。勿論人間なので凹むこともあります。だけど私自身が遣りたいこと、目的がハッキリしている。
それと、空気は読めるけど読ま無い事にしてるんです。空気を読ま無い事で、大人の事情やシガラミに与くみし無い様にして居ます。一部の人では無く、全員に忖度(そんたく)する意気込みで遣って行きます。
・・・舩後(ふなご)靖彦議員、木村英子議員は「重度障害者に何が出来る」とバッシングされながらも、国会の委員会質問で確実に実績を上げて居ます。
どれ位活躍出来るかに付いては想定もして居ませんでした。ですが、二人は初登院する前からバリアフリー化と云う形で国会を動かして居ます。通勤や仕事中に使え無い「重度訪問介護」の制度に付いて議論が始まったのも、二人の当選があってコソです。
それだけじゃ無い。木村議員は国土交通委員会に所属して居ますが、委員会質問で既に二つの実績を上げました。一つは、障害者用トイレに付いて。もう一つは新幹線のバリアフリー化に付いて。これに対して赤羽一嘉(あかば・かずよし)国交相は直ぐに見直す方向で省内に指示し、JR各社を集めた検討会も設置するそうです。木村議員の質問によって現実に物事が動いて居る。
舩後議員の対応も早い。私は全国を回って聞いた声を両議員に届けて居るんですが、沖縄に行った際、知的障害の子供を持つご両親が「定員内不合格」に付いて話して呉れました。障害が有ると云う理由で、定員に余裕が有るのに高校が受け入れて呉れ無いと云う訴えです。
本人は学びたいのにそれが叶(かな)えられ無い。この声を伝えると、舩後議員は自身が所属する文教科学委員会で、早速その件を質問して呉れました。二人とも、1期か2期経験した議員位の仕事を既にされて居る。
・・・衆院選に向けて、2020年はどの様な活動を?
衆院選迄ズッと全国をドサ回りする予定です。衆院選は、二つの戦い方があると思って居ます。野党共闘に入るか独自でやるか。野党共闘では「政権交代したら消費税を10%から5%にします」と云う判り易いパワーワードが必要です。消費税5%で一致するのが無理で有れば独自で100人以上の候補者を擁立します。
・・・本書には濃過ぎる10人のメンバーが登場して居ます。只、この後れいわが政権を取る為に組織を拡大させると、どうしても切っちりした組織運営が必要に為る段階が来ると思うんです。例えばベンチャー企業あるあるで、50人超えると個性有る凸凹な初期メンバーが付いて行け無く為り、創業者の声も直接届き辛くなって、官僚的な組織に為らざるを得ない。れいわは、最大の魅力の一つである個々の凸凹を生かしながら、大きな組織に為れますか?
私は組織に属した事が無いし、どう組織運営して行くのかって云うノウハウも無いですが、誰もが何かしらの居場所があると思うんです。寧ろ私自身が器用じゃ無いですから「付いて行け無い」って云う人達をどうするのかに関して、逆に自分事として考えられると。
「れいわ新選組」は、色んな人を含んだママ、ソモソモの考え方に沿って行きながら、大きく為って行きたいと思います。
山本太郎(やまもと・たろう)1974年生まれ 兵庫県出身 1990年に芸能界入り 俳優等として活躍した後2013年の参議院選挙に出馬し初当選 2014年に「生活の党」に合流し「生活の党と山本太郎となかまたち」に改称(2016年に「自由党」に改称)小沢一郎氏と共同代表に 19年4月「れいわ新選組」を旗揚げし7月の参院選に比例区より出馬 同党は政党要件を満たす票を得るものの本人は落選
『#あなたを幸せにしたいんだ 山本太郎とれいわ新選組』(集英社 1300円+税)山本太郎代表率いる「れいわ新選組」が打ち出したハッシュタグ付きの「#あなたを幸せにしたいんだ」このメッセージはSNSで爆発的に拡散、れいわ新選組は2019年の参議院選挙で得票率2%を獲得し、国政政党に為った。
山本自身は99万1756票と云う最多得票を得るも、比例特定枠で重度障害者の候補者二人を押し上げた事で落選 他に立候補したメンバーは創価学会員・元東京電力社員・元セブン-イレブンオーナー・元派遣労働者など日本の「当事者」"れいわ旋風"と呼ばれた彼らの戦いの舞台裏、衆院選に向けた次なる一手、メンバー全員のスピーチ、インタビューを収録
インタビュー・文 雨宮処凛 撮影 有高唯之 以上
【関連記事】驚異のドブ板全国ツアー中の「れいわ新選組」代表・山本太郎が目論む「2020年の一手」
〜週プレNews 2019年12月16日 06:20 3956〜
〜今年7月の参議院選挙で"れいわ旋風"を巻き起こした張本人は今、何をしているのか?「れいわ新選組」の山本太郎代表は全国で、街宣、おしゃべり会、ポスター張りを行なうツアー中。聴衆にマイクを渡し、ガチンコの質問に山本代表が答える。
新聞、テレビから黙殺されながらも比例特定枠で議員2名を国会に送り出した山本太郎(やまもと・たろう)は前参議院議員と為った後、全国を飛び回っていた。12月13日(金)には、常識破りの選挙戦の舞台裏、そして今後の野望を綴った著書『#あなたを幸せにしたいんだ 山本太郎とれいわ新選組』(集英社)を上梓した本人を直撃した!〜
落選直後から全国ツアーに出発
自称「永田町の野良犬」6年務めた参議院議員時代の特技は「牛歩」戦術。そんな政治家・山本太郎の最新の自称は「変わった生き物」だ。
今年7月、山本が代表を務める「れいわ新選組」(以下、れいわ)は、参議院議員選挙で2議席を獲得した。当選したのは「特定枠」の舩後靖彦(ふなご・やすひこ)と木村英子(きむら・えいこ)一つの政党から重度の身体障害が有る国会議員が二人同時に誕生したのは世界初だろう。その上、れいわは全国での得票率2%のハードルを越え、日本に9つしか無い国政政党の一つと為った。
「れいわ旋風」に「れいわ現象」新聞・テレビなどのマスメディアは躍進を華々しく報じた。しかし、その多くは投票箱が閉じた後に為された「後追い報道」に過ぎなかった。れいわは既存メディアに頼らず、自力で支持を拡大して永田町に乗り込む事に成功したのだ。
この参院選で、山本太郎個人に投じられた票は99万2267票にも上る。これは比例代表の全候補者中、最多の数字だ。しかし、れいわは特定枠の二人を優先して国会に送る戦略を取って居た為、代表の山本自身は落選した。
少数政党の代表で、現在は浪人中。その上、マスメディアの大スポンサーである経済界への批判も躊躇わない。当然、メディアでの露出機会は減り、今や山本の動向を報じるのは雑誌やネットメディアが中心と為って居る。しかし、山本は落選後に何もして居ない訳では無い。実は落選直後から全国ツアーに出発し、次期総選挙に向けた動きを加速させて来たのだ。
「野党共闘で譲れ無いのは消費税5%への減税。もし野党がこれに乗れ無いなら、私達は次の総選挙で100人の候補を立てて独自に戦う!」
今、山本は全国各地でマイクを握り、集まった聴衆に熱い呼びかけを続けている。北海道、九州、沖縄、東北、北信越、東海、近畿、関東。全国ツアーで訪れた都市は、間も無く50を超える。そこでは山本自身が商店や民家を一軒一軒回り、れいわのポスターを壁に張らせて貰う交渉を泥臭く続けて居る。
「元参議院議員の山本太郎と申します。れいわ新選組のポスターを張らせて頂けないかとお願いに上がりました」
家主の許可が下りれば、ポスターを張るのも山本自身。断られても「責めてチラシだけでも」と語り掛けてコミュニケーションを取る。昼間のポスター張りが終われば、夜は屋外での「街頭記者会見」や屋内での「おしゃべり会」を開く。正に草の根。握手した人の数以上の票は出ないとばかりに、驚異のドブ板活動を展開して居る。
山本が各地で開く街頭記者会見は、聴衆にマイクを渡し、ガチンコの質問に山本が答えて行くスタイルだ。台本は無い。その為北海道では、高校生がれいわの主張する「消費税ゼロ」を論破しようとマイクを握った。九州では、怒りに任せてマイクを投げ突けて立ち去る者が居た。東海では「やらせじゃないか」と叫ぶ男性がいた。
山本はそうした声が上がる度、声の主にマイクを渡して主張に耳を傾ける。そして「5万枚は用意している」と云うスライドの中から瞬時に最適解を探し出し、集まった聴衆も含めて説明を続ける。
「アホ!」「バカ!」「太郎さんにそんなこと言うな!」途中で別の聴衆から質問者に対する批判の声が上がると、山本はその声を制止する。「皆さん一寸待って。この方の話を聞きましょう」溝が埋まる事もあれば、埋まら無い事もある。それでも山本はこのスタイルを辞めない。何故なのか。
「私はリアルに人と繋がらなきゃ意味が無いと思っています。リアルに繋がって、リアルに話して居る処を判断して貰う。その事による"その後の影響"の方が大きい。非常に効率が悪い様に見えますけど、先々に繋がって行けば好いと云う思いでの"投資"ですね」
玉砕覚悟の無謀な戦いではないか?
12月7日、小泉進次郎環境大臣のお膝元、神奈川県横須賀市内のホテルで開かれた「おしゃべり会」会場は立ち見も出る程の超満員。聴衆の半分以上が地元・横須賀から駆け着けた人々。そこで筆者は、予てからの疑問を山本に直接ブツけた。「野党共闘が実現せずに独自路線で戦う場合、結果的に与党を利する可能性が高い。これは玉砕覚悟の無謀な戦いではないか? 本気だとは思うが、正気なのか?」山本は大爆笑した後、マイクを持って真面目に答えた。「結果、そう為ってしまうかも知れません」でも、と山本は続けた。
「だからなん何ですかって話。与党にも野党にも嫌がられる様な、国会に緊張感を持たせる勢力を拡大して行かないと変わら無い。古い政治と新しい政治の戦いです」
聴衆からは拍手が起きる。「玉砕覚悟か」との問いに対する答えはこうだった。 「私は玉砕だとは思っていません。計画的に小選挙区に立てて行きながら、比例で如何に受からせるかを考える。参院選の結果を衆議院に割り振って考えた場合、最低4・5議席は取れるんじゃないか」12月4日時点までに、れいわの候補者公募に応じた人は261名。それでも未だ、山本は野党共闘を諦めて居ない。
「野党が政権を握ったら消費税5%に為ると云う旗を立てるのが一番破壊力がある。だから皆さんも支持する政党、政治家に働き掛けてください」
野党共闘か、独自路線か。筆者が何度聞いても、山本は「未だ決断の時期では無い」と言い続けている。12月9日、全国ツアーの第8弾「関東」の2ヵ所目と為る千葉・船橋駅前での街頭演説の様子。寒空の下、多くの聴衆が山本代表の話に聞き入って居た。
しかし、一つだけ確実なことがある。12月9日に千葉県船橋市での街頭演説を終えた後、山本は筆者に来年以降の彼らしい野望を力強く明かしたのだ。
「私が総理に為ったら、水着に為りますよ!(笑)」
山本太郎の原点、「メロリンQ」(※)見られるかどうかは有権者次第だ。(文中敬称略)
(※)1990年『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ)内の「ダンス甲子園」で山本が披露した海パン&キャップでの一発芸。
以上
藤井聡氏が語ったデフレ脱却への打開策 麻生氏切り
藤井聡氏が語ったデフレ脱却への打開策 麻生氏切り
〜日刊スポーツ 1/4(土) 8:00配信〜
安倍内閣で内閣官房参与を務めた藤井聡氏が2020年の日本経済を辛口分析した(撮影・大上悟)
〜オリンピックイヤーの2020年、日本経済はどう動くのか・・・市民生活、社会保障の足場は固められるのか。第2次安倍内閣で内閣官房参与を務めた藤井聡氏(51 京都大学大学院教授)は厳しい状況に陥る可能性を指摘する。
昨年10月に消費税が10%に増税された事の悪影響が逆風として吹き荒れる事を予測。過つて安倍政権のブレーンとして経済政策を支えて来た藤井氏が、デフレ脱却へ向けて打開策を示した〜
・・・東京五輪、パラリンピックイヤーの日本経済はどの様に推移しますか
非常に厳しい年に為るのは間違い無いでしょう。第1に消費増税の影響が深刻化する。第2に内需・外需の環境も良好な方向を見い出し難い。しかもオリンピックのインフラ投資は終わり、内需も外需も駄目に為り、悲惨な状況と為ります。
・・・2%の消費増税は具体的にどの様な影響を与えたのでしょうか
経済の凹み方が、前回8%に上がった2014年増税よりも酷い。2014年は3%アップで今回は2%だけのアップ。しかも今回は軽減税率を導入して居て食料品等が増税され無いし、ポイント還元等も含めて2014年時より可成りの消費増税対策を遣っている。
にも関わらず、小売りは7・1%縮小、実質消費も5・1%縮小と2014年増税時を遥かに上回って居る。極端に悪いのが工業分野。機械器具が増税後に小売りは15%縮小し、自動車も同17%減った。日本工作機械工業会によると工作機械の受注額が37・9%も減った。
ハッキリ言って「経済クラッシュ」の状況です。2014年増税時も景気は冷え込んだが、今回はそれを更に上回る冷え込みを中長期的にもたらすだろう。
・・・10%への増税は決定打。前回8%増税とどう違うのでしょうか
予想されて居た結果です。2014年は外需・輸出が伸びて居る時期だったから。消費増税による内需の縮小分を輸出増が埋め合わせた。しかし今回は外需が冷え込みつつ有る時の増税だから、見るも無残な結果に為る事は決定的です。しかも、消費税率が「10%」と云う極端に計算し易い数字に為った為、消費者の買い控えを大きく助長する。これが、更なる消費縮小をもたらす。
・・・政府は26兆円規模の経済対策を打ち出します
一番大切な中身は真水の補正予算なんですが足った4兆円台だから「張りぼて」の様なもので大した事は無いんです。
・・・藤井さんが考えるカンフル剤はどんなものですか
幾らでも遣り様はあります。消費税を5%に減税し、10兆〜15兆円規模の補正予算を「デフレが脱却出来る迄毎年続けます」とコミット(約束)すれば好い。でも、安倍内閣の振る舞いを見て居れば120%しないでしょう。
今のママなら安倍内閣がデフレ脱却に成功する事は絶対有り得ない。安倍内閣が財務省・麻生太郎さん(副総理兼財務大臣)の顔色を覗っている限りデフレ脱却は無い。詰まり、国民を取るか麻生を取るかで今、選ばれて居るのは麻生であり国民は見捨てられて居る状況です。安倍内閣がデフレ脱却したいのなら、麻生さんに退陣して頂き、超積極財政を展開するしか無い。
・・・安倍首相は2012年(平24)12月の再登板以降、経済再生に重点を置いて来たのではないですか
実はアベノミクスは実行を伴って居ないんです。アベノミクスは元来が金融政策よりも財政政策を遣ると云う事だったのですが実際には財政政策は全く遣って居ない。消費増税で5%の時よりも15兆円ずつお金をバキュームカーの様に国民から吸い上げて来た。
毎年『逆補正予算』を打って居る様なもの。僕は5%の時から15兆円の補正予算を3年程度は遣るべきと言っていたが、有ろうことか15兆円を投入する処か逆に毎年吸い上げ続けて居る。
・・・「れいわ新選組」等が主張する「消費税5%」に戻した場合には
物凄く景気が良く為りますよ。15兆円の補正予算を効果的に打つのと一緒ですから。消費そのものが15兆円拡大します。その15兆円は財務省の懐に入るのでは無く国民の財布に入ります。お金がドンドン回って行く様に為る。その上で更に10兆〜15兆円規模の景気対策を遣って行けば、2〜3年でデフレ脱却出来ます。
それが唯一の政策だと理解して居る政治家は極一部で大半の国民も理解して居ない。だからこう云う記事を毎日毎日、買って読んで頂くと(笑い)状況も変わるかも知れないです。
・・・急務の経済政策は
消費税の減税です。或いは軽減税率の範囲拡大と深掘りです。例えば、軽減税率(8%)を食料品だけじゃ無くて1品50万円以下は全て税率5%とする。既に軽減税率の仕組みは有るので一番手っ取り早い。これを採用すれば日本経済を立て直す事が出来る。
・・・49万9800円辺りの商品が多く登場しそうで非常に分かり易い
軽減税率とするのは、例えば10万円以下でも100万円以下でも好いんですが、抜本的に遣らないといけ無い。このママでは経済格差は確実に広がり、行き詰まる人も増える。今年は政治家が本当に真剣に動かなくてはいけない。 【聞き手 大上悟】
藤井聡(ふじい・さとし) 1968年(昭43)10月15日生まれ 奈良県出身 京大土木工学科卒 京大大学院土木工学専攻修了 京大助教授 東京工大助教授 教授等を経て京大大学院工学研究科教授(都市社会工学専攻) 2012年から2018年12月まで安倍内閣・内閣官房参与(防災減災ニューディール担当)を務める ラジオ文化放送のニュース情報番組「おはよう寺ちゃん活動中」(月〜金曜午前5時〜7時)の水曜レギュラーコメンテーター 著書に「『10%消費税』が日本経済を破壊する」(晶文社)などがある
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「野党合流前に自ら整理整頓を」政治ジャーナリスト角谷浩一氏
「野党合流前に自ら整理整頓を」政治ジャーナリスト角谷浩一氏
〜Japan In-depth 1/4(土) 19:03配信〜
政治ジャーナリスト角谷浩一氏
【まとめ】
・老後に二千万円貯蓄必要とのデータに、国民の間に懸念広がる。
・来年の都知事選は小池氏の立場等複雑な部分が多く不透明である。
・野党の力不足が著しいが、国民に選ばれた自覚を持って欲しい。
ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2019年12月28日放送の要約
今回のゲストは政治ジャーナリストの角谷浩一氏。今年最後の放送と云う事で、この一年の政治に付いて振り返った。2019年は、平成31年から令和元年への代替わりもあり、政治に限って見るとどの様な一年であったのか、政治ジャーナリストの細川珠生が問うた。
角谷氏は、前半は代替わりの為の国家行事が続き、可成り政治日程が縛られる事で、国会の会期に延長が事実上無い前提で物事が進んだと述べた。
又、今年の中盤、老後に二千万円必要だと云うデータが出て来て、国民が大騒ぎに為った事に触れ「(国民の多くは)年金だけでは生きていけ無い事に気付いては居たものの『二千万円足り無い』と云う一つの指針が出た事で、年配の方を初めとして国民は心配に為った。政府は火消でその答申自体無かった事にし、参議院選挙には影響が無かった様に思われて居るが、国民は忘れ無いだろう」と述べ、影響は少なからず有るとの考えを示した。
来年は都知事選もある。細川氏は、衆議院選挙のタイミング、又、ソモソモこの都知事選にもし小池都知事が再選を目指して出馬する事に為った場合の対抗馬を自民党は立てられるのか、自民党の力が測られるだろうと述べた。
これに対し角谷氏は、小池都知事は二階幹事長には支持されて居るが、自民党都連や自民党全体からは評判が好くない状況にある事を指摘。
「小池氏は自分で離党の進退伺を当時の谷垣幹事長に出したが、未だ処理されてい無いまま谷垣氏が怪我で退き二階氏が就任した。あのペーパーは何処へ行ってしまったのか、ソモソモ小池氏は党員なのか党員で無いのかと云う問題が出て来ている」と述べ、これまで有耶無耶に為って来た小池氏の自民党における身分が取りざたされる可能性を示唆した。
また「現在公明党都連は小池知事と密であり、小池氏を推すだろうが、すると都議会で自民党と袂を分かつ事に為る。同時にもし衆議院選挙と都知事選がW選挙にでも為れば、公明党は大混乱に陥るだろう」と述べ、都知事選で混乱が予想されるとの考えを示した。
角谷氏は、2020年4月の予算成立後か、又はオリンピック後までは現実的に解散は無いと予測した。又、それ迄に自民党も野党も、今の小池氏に対抗出来る候補を見付けられるかどうかは疑問で、現実的には小池氏再選の可能性があるとの考えを示した。
更に角谷氏はカジノ問題に触れ、小池氏が、この問題に一切与し無いとの立場をとるのか意欲を示すのか、ドチラかの選択を迫られるだろうと述べた。次に細川氏は、今年一年は野党の存在感が薄く、何をして居たのか分から無かった、と述べ、野党勢力は来年どう為って行くのか角谷氏に聞いた。
角谷氏は、今年の参議院選挙でも野党統一候補を立てられた処、統一候補には為ら無かったが、野党候補が一人立った処等色々在ったと述べた上で、善戦したとは言え、マダマダ力不足は否め無いとの考えを示した。又「覚悟を早く決めた処の方が浸透度が高かった。参議院選挙に向けて準備が間に合わ無かったのは、体たらく以外の何ものでも無い」と述べた。
又、立憲民主党と国民民主党は政策のレベルでは無くて、只の感情論であると述べ「好きか嫌いか、許すか許さないか、そう云うレベル。それは民主党時代から絶えず起きて居た。政党と云うレベルにも為って居ない」と、強く批判した。
更に「選挙後はマトマらなきゃと反省するが、選挙前には又忘れてしまう。参議院選挙でも、鍔迫り合いを遣って居た政党間の関係が裏では随分色々な選挙協力が行われて居た。選挙の時だけ一生懸命遣る、と云う姿勢に対して、もう宛に出来ないな、と云う思いがある」と野党の姿勢を批判した。
又現在進行中の合併騒動に付いては「仮に合併したとしても、その後、社民党はどうする、人事はどうする、共産党とはどう付き合う、等と始まるだろう。自民党と戦う前に自分達を整理整頓してからでないとエントリー出来ないと云う位厳しい目で国民は見ている」と述べ、野党に猛省を促した。
最後に両氏は「色んな人に自分を知って貰うよりも、自分の小選挙区をクリア出来れば好いと云う人が多い。国民全体に選ばれて居ると云う自覚を持って欲しい」との意見で一致した。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2019年12月28日放送の要約です)
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細川珠生(政治ジャーナリスト) Japan In-depth編集部 油井彩姫 以上
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安倍首相4選すべきか 田原総一朗氏と屋山太郎氏の意見
安倍首相4選すべきか 田原総一朗氏と屋山太郎氏の意見
〜NEWS ポストセブン 1/4(土) 16:00配信〜
〜2020年には国論を二分する論争が幾つかあるが、その一つが安倍晋三首相 は「4選目指すべき」か「早期退陣すべき」か?・・・と云うものだ。本誌・週刊ポストの読者アンケート(※)では【続投】28.8%・【交代】71.2%だった。此処では見解の異なる2人の識者の意見を紹介しよう〜
屋山太郎氏(政治評論家・「続投」派)
ポスト安倍の目ぼしい存在が居ない以上、安倍首相の4選は有り得るし、下手な人間が首相に為るよりは、安倍首相の方がズッと好いでしょう。日本の首相を任せられる大きな資質は、中国と韓国に舐められ無い事です。中国に対してケンカをしろと言って居る訳では無く、初めから頭を下げる必要は無いと云う事。
中国や韓国を甘やかす政治家には政権を任せられ無い。米中のケンカは新しい冷戦構造なのだから、米国の同盟国である日本がシャシャリ出て中国に好い顔をしてはいけ無い。年末の訪中でも取り沙汰されたが、習近平を国賓として迎える様な外交は以ての外だと思う。.
安倍首相は外交を熟知して居る。トランプ大統領が再選した時に誰なら太刀打ち出来るのか。北朝鮮が突然攻撃して来た時に、誰なら遣り返せるのか。反発する力を持って居る政治家は、今の処安倍首相位しか見当たら無い。
森友問題や加計問題、桜を見る会が批判されたが、アレはスキャンダルでも何でも無い。特に加計問題は、獣医不足で学部が少なく、手を挙げる経営者も居ないから安倍首相の友達が遣ると言っただけ。桜を見る会も、長期政権に為れば当然支援者が増えると云うだけの話だ。
安倍首相は人使いも上手い。「お友達を優遇する」ナンて批判もあるが、気脈の通じて居る政治家を使うのは、自分の政策を進めて行く上で非常に大事なことです。長期政権で自民党が腐敗して居ると4選を批判する声もあるが、大袈裟過ぎる。駄目な議員は与野党問わず幾らでも居るんだから。
田原総一朗氏(ジャーナリスト・「交代」派)
僕は安倍首相の4選は有っては為ら無いと思う。今ですら自民党は安倍首相に凭(もた)れ掛かって居るからだ。例えば桜を見る会の様な事柄が明るみに出れば、反安倍派から批判の声が上がる筈なのに、その声が聞こえ無い。森友・加計問題も然(しか)りで、党内から「安倍辞めろ」と云う声が一切出て来ない。今や自民党議員の殆どが安倍首相のイエスマンに為ってしまって居る。
昔の自民党には反主流派や非主流派等があり、主流派が反主流派や非主流派との論争に負ければ、首相が交代した。処が選挙制度が中選挙区制から小選挙区制に変わり、一つの選挙区から基本的に一人しか立候補出来無く為った。当選しようと思えば党に公認して貰わ無ければ為ら無いから、結果として自民党議員が皆安倍首相の顔色を窺う様に為ってしまった。
もし安倍首相が4選したら、自民党が主体性を失い、自民党何て無く為っちゃう。僕はその事を安倍首相に直接言ったし、安倍首相も理解して居ると思う。
過つては、自由で民主的な自民党だったから、自由闊達な議論が出来て意見が言えた。前回の総裁選でも出馬したのは石破茂だけ。僕は石破さんに「アンたが出無かったら、北朝鮮と同じだよ」と言った。二階幹事長や菅官房長官から「総裁4選」と云う声が聞こえて来るが、それは今のポストにシガミ付きたいから、安倍首相のご機嫌取りをして居るだけでしょう。
7年間続いた長期政権で自民党議員は気が弛み捲って居る。緊張感が無いから閣僚が政治とカネの問題で辞任したり、軽率な発言をしてしまう。安倍首相の4選だけは絶対にしては為ら無い。
【※本誌読者アンケート「2020年日本の重要問題に付いて意見をお伺いします」から集計。998人が回答。100%に満た無い部分は無回答】
※週刊ポスト2020年1月17・24日号 以上
【管理人のひとこと】
尾山氏の言葉が何か面白い。この様な発言をすると、大多数の人々から大きな反発を食らう事は百も承知で、敢て聞く人に刺激を与えて居るのだろう。判り切って居る事をそのママ反芻するのでは、選ばれた政治評論家とは言われ無い。
だから、視点を変えた別の角度から物事を見詰め、安倍氏を支持した反面教師の振りをしたのでは無かろうか。詰まり、尾山氏の指摘する全ての反対語で安倍氏を批判しなさいと。例えば「ポスト安倍の目ぼしい存在が居ない・・・」との言葉に対しては「その様なことは無い。石破氏を筆頭に゛隠れ反安部゛も居ないでは無い」
次に「安倍首相は外交を熟知して居る・・・」に対しては「安倍氏は外交で何ものも成果を上げて無い。拉致でも北方領土でも韓国との諍いでも、米国と中国に諂(へつら)うだけだ・・・」と。その他色々な面を挙げれば判るだろう。詰まり、正直で素直な感覚が田原氏の言葉だ。尾山氏と田原氏は互いに裏表の表現をして居るだけで、中身は「正当な安倍批判」を繰り広げて居るのだ。
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「都合の悪い真実を隠す」お手盛り安倍長期政権がもたらした数々の弊害
「都合の悪い真実を隠す」お手盛り 安倍長期政権がもたらした数々の弊害
〜文春オンライン 望月 衣塑子 1/3(金) 6:00配信〜
〜第1次内閣を含めた安倍晋三首相の通算在職期間は、2019年11月に桂太郎内閣を超えて憲政史上最長と為り、同年末には第2次内閣発足から数えて8年目に突入する。自ら「得意分野」と語る外交を振り返ると〜
安倍首相の「得意分野」と云う外交では、1年毎に首相が交代して居た頃に比べれば、国際的なプレゼンスも交渉力も高い筈だが、拉致問題や領土問題で結果を出せて居ない処か、対米追従の結果、農畜産と防衛分野で大きな負担を国民に強いて居るのが実態だ。
私は武器輸出解禁と米国製兵器の「爆買い」を取材して来た。日本の2019年度の防衛予算は5兆2500億円を突破し、これには総額1757億円超と言われるイージス・アショア等のミサイル防衛システムの購入費が含まれて居る。
対米交渉はトランプ大統領に押し込まれて居る。2019年9月の日米貿易協定交渉では、日本が米国から購入する牛肉・豚肉の関税に付いて、TPP・環太平洋パートナーシップ並みまで引き下げる事で合意したが、日本が求めていた自動車関係の関税撤廃は棚上げされ、再交渉の時期すら明記され無かった。安倍首相は会談後、「自動車関係の追加関税を課さ無い趣旨を確認した」と成果を強調した。だがそれは、1年前に武器の爆買いで一度阻止した筈だ。
自動車関税でカードを切らされた日本
2018年9月、国連総会後の会見でトランプ大統領は「貿易赤字はモウ嫌だと日本に言ったら、日本は凄い量の武器を買う事に為った」と述べ、その後、貿易格差是正の為、F35AB戦闘機計147機に総額1兆5000億円が費やされる事が判った。
官邸周辺を取材すると、乗用車の輸入関税を2.5%から25%へ引き上げる事を検討して居たホワイトハウスを思い留まらせる為に切った「カード」だと云う。詰まり、自動車関税で日本は2枚もカードを切らされたのだ。完全に負けである。
2019年のG7で約束したトウモロコシの爆買いも然(しか)り。安倍首相は「害虫対策の観点で輸入が必要」と説明したが、輸入量は害虫被害を大きく超える。
外務省の力が低下している安倍政権
他の外交でも成果が無い。トップ会談を重ねたロシアとは、平和条約・領土問題交渉が進まず、2019年度の外交青書からは、北方四島に絡み「日本に帰属する」の記述が消えてしまった。
北朝鮮とは、交渉の糸口すら見えず、拉致問題の解決の見通しは立た無い。徴用工訴訟の大法院判決を切っ掛けに輸出管理強化に至った日韓関係も1965年の国交正常化後で最悪だ。首相官邸に権限が集中した結果、外務省の力が相対的に低下し、国会議員や民間のチャンネルは細り、交渉の弾力性を失って居る。
9月に国家安全保障局長が、外務省出身の谷内正太郎氏から警察庁出身の北村滋・前内閣情報官に交代した事で、この傾向は更に強まるだろう。
目立つ強弁と責任転嫁
一方、内政に目を向けると長期政権の歪(ひず)みと硬直化が現れて居る。カジノ法案、改正水道法案、外国人労働者受け入れ拡大に向けた入管法改正法案等が相次いで強行採決され、国会軽視も甚だしい。これでは憲法改正で野党が協議に応じる筈も無く、今や「改憲ヤルヤル詐欺」と揶揄される始末だ。
政権で目立つのが強弁と責任転嫁だ。入管法改正法案の委員会採決では、朝日・毎日・東京の各紙が「採決強行」と見出しで報じたが、菅義偉官房長官は「強行採決なんか遣って居ない」と言い張った。
衆参で僅か計約35時間の審議だったにも関わらずだ。辺野古沖埋め立てでも、明らかに赤土混じりの土砂が目の前で投入されて居るが、土砂の性状検査の結果は示さ無いまま「適切」と主張した。
官僚への責任転嫁は更に見苦しい。森友学園問題を巡り、安倍首相が国会で「私や妻が関係して居れば、首相も国会議員も辞める」と啖呵を切ると、財務省が辻褄合わせの為決裁文書を改竄し自殺者も出た。処が、安倍首相は「確りと調査し、膿(うみ)を出し切り、組織を立て直す」と財務省に全責任を押し着けた。膿の原因が誰なのかは明らかだ。
加計学園の獣医学部設置問題では「総理のご意向」発言があったと記した文部科学省の文書を「怪文書」と決め着け、防衛大臣が「無い」と答弁したイラク派遣自衛隊日報は存在が隠されて居た。
「アベノミクス」に「老後2000万問題」まで
「アベノミクス」はどうか。GDPの成長率、実質賃金、物価上昇率の何れも低調で失敗は明らかだ。それ処か、景気動向や賃金の指標と為る毎月勤労統計の不正が発覚し、政府の統計に対する国民の信頼が損なわれて居る。
直近では「95歳迄に夫婦で2000万円不足する可能性がある」と試算した金融審議会の市場ワーキング・グループの報告書が批判を浴びると、麻生太郎金融担当大臣は受理を拒否。不手際があったとして金融庁長官が陳謝させられた。
安倍首相は「対案も無いまま、只不安を煽る様な無責任な議論は決して在っては為ら無い」と批判したが、諮問機関の報告書は、政策を議論する為の重要な材料だ。もし政策に失敗したとしても、その原因を分析して改善策を打つのが政治だ。だが、客観的データから目を背ける事は、改善の切っ掛けを失う事に為り二重の罪だ。
お手盛り成果の限界
首相の権力基盤は、麻生財務相と菅官房長官、二階俊博自民党幹事長がキーマンで、誰か1人でも代わることが有ればパワーバランスが崩れ政権は衰退する。責任転嫁も強弁も改竄も誤魔化しも、政権に都合の悪い真実を国民の目から隠すと云う目的と動機が共通して居る。
7月の参院選。安倍首相は福島市での第一声で「アノ時代に逆戻りする訳にはいか無い」と民主党政権を引き合いに出した。民主党政権は1200日。その後の安倍政権は倍以上だ。今更「あの頃よりもマシ」とアピールせざるを得無い事が、お手盛り成果の限界を示して居る。目を逸らされては為らない。
望月 衣塑子 文春ムック 文藝春秋オピニオン 2020年の論点100 以上
【関連記事】安倍総理の分身「官邸官僚」が霞が関を牛耳る 省庁幹部680人の人事を握って居る
〜PRESIDENT 文藝春秋前社長 松井 清人 2019年9月13日号〜
絶大な権力を振るう、従来の「官僚」像とは異なる存在
「今井チャンは何て頭が好いんだ。頭の中を見てみたい」安倍総理にそう言わしめた今井尚哉政務秘書官は、経済産業省出身。自他ともに認める「総理の分身」だ。
前川喜平文科省事務次官(当時)に「総理が自分の口からは言え無いから、私が代わって言う」と、加計学園の獣医学部新設を迫ったとされる和泉洋人首相補佐官(国土交通省出身)「総理の影」が官房長官なら、補佐官は「影の影」か。
森 功『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』(文藝春秋)
警察庁出身の杉田和博内閣官房副長官は「総理の守護神」同じ警察官僚・北村滋内閣情報官との杉田・北村ラインで政権のインテリジェンスを一手に握って来たと云う。
出身省庁を離れて居るが、官邸を根城に絶大な権力を振るう、従来の「官僚」像とは異なる存在が「官邸官僚」で有ると著者は書く。彼等は決して古巣の役所のトップを走って来た訳では無いが、宰相の絶大な信を得て思いのママ権勢を振るって居る。裏を返せば、その権勢は首相の威光が無ければ成り立た無い。「忖度」「総理のご意向」の原点はソコにあると指摘するのだ。
問題はその官邸官僚達が、総理や当人達が思って居る程の結果を出せて居ない事だ。今井政務秘書官が力を入れたトルコ、英国への原発輸出は、伊藤忠、三菱重工、日立が白旗を掲げホボ全滅。同じく今井発案の「経済成長年3%」「出生率1.8」「介護離職ゼロ」を目指す新三本の矢は画餅に帰して居る。
対ロシア、対中国、北朝鮮問題と、外交政策にも首を突っ込むが、成果を上げる処か、数々のスタンドプレーで、外務省との間に深刻な亀裂を生んでしまった。
忖度による様々な不正が明るみに出て来る
それでも霞が関が反旗を翻さ無いのは、安倍政権が新設した「内閣人事局」が、1府12省庁の幹部680人の人事を握って居るからだ。2017年8月、杉田官房副長官が内閣人事局長の座に就いた時、官邸による官僚支配が確立したと云う。霞が関のバランスは崩れ、忖度による様々な不正が明るみに出て来る。
その象徴が、森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんだ。主犯は元理財局長の佐川宣寿。安倍本人や昭恵夫人の関わりを初め、十四の関連文書の中で政権に都合の悪い300カ所を削除し、書き換えた重大犯罪なのに、佐川は何の刑事罰にも問われず、退職金迄手にして財務省を去った。
陰に見え隠れするのが「官邸の守護神」殊(こと)、黒川弘務法務事務次官。法務省に在って長く安倍政権を支えて来た。検察まで忖度とは思いたく無いが、正に「政治判断による捜査終結」と云う以外に言葉が見当たら無い。
安倍官邸に正面から向き合い「あるものはある」と書く気骨のあるライターが居る。森功は間違い無く、今では数少ないその1人だ。
森 功氏
松井 清人(まつい・きよんど) 文藝春秋前社長 1950年生まれ。東京教育大学アメリカ文学科卒業後 文藝春秋入社 『諸君!』『週刊文春』『文藝春秋』編集長等を経て文藝春秋社長 2018年退任 著書に『異端者たちが時代をつくる』がある
以上
【編集部お勧めの関連記事】 安倍首相が怯える山本太郎の発想と爆発力
〜PRESIDENT Online プレジデントオンライン編集部〜
「1強」が、足った2議席の新政党に怯えて居る
参院選が終わってからも、永田町の話題は山本太郎氏が率いる「れいわ新選組」が独占して居る。山本氏は、相変わらず歯切れ好く破天荒な発信を続けて居る。「れいわ」から当選した重度障害者の2人の為に国会は突貫工事でバリアフリー化を進める。
安倍晋三首相は、早ければ今秋にも衆院解散する選択肢を持って居たのだが、今は「来年の五輪後」に傾いて来た。これは「れいわ」の実力を慎重に見定めようと云う判断によるものだと云う。「1強」が、足った2議席の新政党に怯えて居ているのか。
「総理大臣を目指す」とテレビ番組で明言
25日朝、山本氏は、テレビ朝日の「モーニングショー」に出演した。参院選挙期間中は政党要件の壁に阻まれ、テレビでの露出は殆ど無かった山本氏。冒頭は「『放送禁止物体』としてこれ迄生きて来たので、今日、地上波で呼ばれるナンてビックリです」とお道化て見せた。しかしコメンテーターの玉川徹氏から「総理大臣を目指すのですか」と聞かれると「そう云う事に為ります。本気じゃ無かったら(れいわを)旗揚げし無いですよ」と神妙な顔で語った。
参院選で「れいわ」が2議席獲得したとは言え、山本氏自身は議員バッジを失った。「首相を目指す」と言っても普通なら誰も見向きもし無いだろうがが、今の彼の口から出る言葉は「大風呂敷」には聞こえ無い。
小泉進次郎氏でも進められ無かった国会改革に動き
山本氏の発言以外でも「れいわ」は注目を集める。筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後靖彦さんと、重度障害者の木村英子さんの当選を受け、与野党は参院議院運営委員会を開き国会の改修や、代理投票を認める等の改革方針を確認した。
「日本で一番改革が遅れて居る所」と揶揄される事が多い国会。単にバリアフリー化が進んでいないだけで無く、ペーパーレスなど民間企業なら当たり前の改革が手付かずの部分が多い。自民党の小泉進次郎衆院議員らが、妊娠中や出産直後の議員が「遠隔投票」出来る改革などに取り組み「平成のうちに」実現しようとしたが、実現には至ら無かったことは記憶に新しい。
にも関わらず「れいわ」の2人が当選した事で、これ迄崩され無かったバリアーがアッと云う間に崩された。障害が有る当事者が議席を得た事のインパクトと、山本氏の存在感の賜物だろう。
「当分、衆院の選挙は無い」と森元首相が暴露
山本氏は政見放送で「(重度障害者の擁立を)発表した際、コンな声が届きました。『障害者を利用する積りか』。この言葉に対して私は言います。上等です、障害者を利用して障害者施策を変えようじゃないか」と訴えて居る。選挙が終わってから、僅か数日で山本氏は公約を実現した事に為る。
「当分、衆院の選挙は無いと安倍首相は言って居る」東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は24日、都内で開かれた五輪関係の会合で、こう語った。
現職衆院議員である組織委副会長の遠藤利明氏に「選挙は未だ先だから五輪に向けた仕事に専念して欲しい」と云う意図での発言だったが、会場に居た人達は前段の「当分衆院選は無い」と云う部分に驚き、ざわついた。
森氏は安倍氏の「元上司」に当たる。森氏が首相の時、安倍氏を官房副長官に抜てきした事もある。引退したとは言え、生臭い政界情報好きの森氏に対し、安倍氏は報告を怠ら無い。その森氏の発言だけに、多くの人は「ガセネタでは無い」と受け取った。
「太郎」への警戒で解散戦略は変更に
元々、参院選に合わせて衆院解散し衆参同日選に持ち込む事を考えて居た安倍氏は、同日選を見送った後も、今秋に衆院解散する「時間差同日選」を軸に政治日程を組み立てて居た。しかし選挙結果を踏まえて「五輪後の20年秋以降」に軸足を移した様だ。理由は2つある。
1つ目は、参院で自民、公明、日本維新の会による「改憲勢力」で、改憲に向けた国会発議に必要な「3分の2」を割り込んだ事。足り無いのは「4」なので、今後野党に揺さ振りを掛ける事で回復は不可能では無いが、その前に衆院選を行って衆院の方も「3分の2」割れに為ると、憲法改正への動きが事実上ゲームオーバーに為ってしまう。だから、衆院選は「3分の2」回復後にしたい。
もう1つの理由が、正に山本太郎氏の存在だ。参院選で「れいわ」が獲得したのは僅か2議席だが、安倍氏はその存在感を過小評価して居ない。特に都市部での爆発力には脅威を感じる。
例えば東京都では、比例代表で「れいわ」は45万8151票獲得した。これは日本維新の会の47万9908票とホボ同じ。社民党は勿論、国民民主党よりも多い。最早主要政党と言って好い。
今の勢いのママ衆院選に突入したら「れいわ」は、無党派の若者層から大量得票して多くの議席を獲得する。その場合、最近の選挙では若者層の支持が高い自民党に対する影響は甚大だ。
山本氏のスキャンダルをジックリ待つ作戦へ
「れいわ」の躍進を受けて今、日本新党と云う1990年代に存在した政党が再注目される。細川護熙氏が立ち上げた日本新党は緒戦と為る1992年の参院選で4議席確保。翌年の衆院選では35議席獲得して注目を集めた。そして同年8月、党代表の細川護熙氏は非自民連立政権の首相の座に駆け上がる。
「れいわ」は「令和の日本新党」に為るのではないか。自民党は警戒して居る。この辺りの経緯は「山本太郎の『政権奪取宣言』に中身はあるか」を参照頂きたい。但し安倍氏は、山本氏の事を過大評価もしていない。今が旬の政治家である事は確かだが、今がピークである事も見切って居る。
多くの人も同意するだろうが、山本氏は攻めには強いが守りは弱いタイプ。それをカバーする組織も無い。時間が経てば、スキャンダルが噴出したり、党内で内輪もめが起きたりするに違い無いと踏んで居る。又、山本氏のスタンドプレーで野党共闘がボロボロに為る事も考えられる。
それだけに、衆院選は暫く先送りして「れいわ」の自壊を待つと云う作戦に出たと云う事なのだろう。勿論、衆院解散を先送りする事で「れいわ」が更に大きく為り、来年には手が着けられ無い様な勢力に為って居る可能性もあるが、安倍首相はそうは見て居ないと云う事だろう。
幽霊の 正体見たり 枯れ尾花
「れいわ」は今、政界を揺るがす幽霊だ。それが実体を伴う政権を狙う勢力に成長して行くのか。それとも、枯れ尾花で終わるのか。
【編集部お勧めの関連記事その2】山本太郎の政権奪取宣言に中身は有るか 「次の衆院選には100人を立てる」
〜PRESIDENT Online プレジデントオンライン編集部〜
今回の参院選で唯一の勝者と為った「れいわ新選組」
今回の参院選は、勝者無き戦いだった。自民党は3年前より獲得議席を僅かに増やしたが、安倍晋三首相が執念を燃やす改憲の発議に必要な参院での「3分の2」を失った。野党・立憲民主党は議席を伸ばしたとは言え、17議席では野党第1党の迫力には欠ける。
そんな中で唯一の勝者を挙げるとすれば、山本太郎氏が率いる「れいわ新選組」だろう。当初、泡沫政党扱いをされて居たがが比例代表で2議席を獲得した。今後、更なる飛躍を遂げる事はあるのだろうか。
「小泉フィーバー」や「民主党政権」を超える盛り上がり
「お早うございます、元気やな。もう直ぐ(電車の)始発が出ますよ皆さん」
参院選の大勢が判明した7月22日午前4時半過ぎ、山本氏は底抜けに明るい笑顔で記者団に声を掛けた。公職選挙法等で政党要件を持た無い「れいわ」は、新聞、テレビ等では「その他大勢」を意味する「諸派」扱いをされ、殆ど報道され無かった。新聞、テレビだけを情報源にして居た人は、存在すら知ら無かったかも市れない。
しかしツイッター等のSNSを介して「れいわ現象」は急速に広がった。選挙戦最終日の20日夕刻から東京・新宿駅西口で行われた街頭演説は、SNSで知って集まった人で埋め尽くされ異様な盛り上がりと為った。
長年、選挙取材をして来た全国紙記者は「1989年の参院選での社会党・土井たか子委員長『郵政選挙』と言われた2005年衆院選での小泉純一郎首相、2009年の民主党ブーム等よりも遥かに大きなウネリだった」と証言する。それ位の「事件」だったと云う。
「消費税廃止」に焦点を絞った訴えが奏功
知名度も無く、マスコミにも無視される中での2議席獲得は大健闘ではある。但し、街頭の熱狂は、モッと議席を獲得するのではないかと予感させるものだった。比例区に「特定枠」として2人を擁立した為、3議席以上獲得し無ければ当選出来ない立場に身を置いて居た山本氏も議席は得られ無かった。そう云う意味では「嬉しさも中位」の結果だった。
それでも山本氏は「10人擁立して10人通せ無かったのは私の力不足。私自身も議席を得られ無かったのは残念な事だ。しかし、一切後悔は無い」と前を向いた。次に繋がる結果だったと受け止めて居るのだろう。
何故「れいわ」の声は国民に届いたのか。これは山本氏の存在感と演説に尽きる。元俳優だけにトーク力の高さは国会質問等で実証済みだったが、今回の選挙戦では「消費税廃止」に焦点を絞った訴えが分かり易かった。他の野党の訴えが「10%に上げるのは反対」等と回り諄(くど)かったのとは対照的だった。
次の選挙では「100人位候補者を立てないといけ無い」
中でも最も歯切れ好かったのが「政権を獲る」と宣言したことだ。今回の参院選で国会に足掛かりを作り、来る衆院選等を通じて国会で多数派を形成すると断じて居る。その実現性はサテ置き、兎に角聞く者に響いた。安倍1強と言われる現状に不満を持って居た人達の受け皿と為ったのだ。
山本氏は22日未明の会見で「私達は無視出来ない存在に為って居る。次期衆院選には100人位候補者を立てないといけ無いだろう。メンバーも揃えて皆さんの力を借りながら政権を取りに行く気迫で行きたい。「自身も候補者として出るしか無いのでは無いか」と自ら衆院選に出馬する考えも明らかにした。
「れいわ」がイメージするのは、細川護熙氏が代表を務めた日本新党ではないか。日本新党は1992年の参院選で国政初挑戦し4議席を獲得。そして翌年の衆院選では35人の当選者を出し、その流れで同年8月、細川氏は首相の座に上り詰める。正にホップ、ステップ、ジャンプ。ゼロからスタートして1年で政権政党に上り詰めた日本新党の再来を「れいわ」は目指す事に為る。
今の政治状況を観ると早ければ年内に衆院選があると云う予測もある。遅くとも2021年秋の衆院任期満了迄には必ず有る。山本氏も日本新党の事は頭の中に在る筈だ。
同じ選挙区に野党が乱立すれば、共倒れに為るだけ
但し山本氏と「れいわ」の前途がバラ色と云う訳では無い。先ず難しいのは、野党の枠組みの中での立場だ。山本氏は「最も厄介な抵抗勢力」を自任するだけに安易な妥協は出来無いだろう。この為立憲民主、国民民主等の野党の中には、山本氏の発言を「人気取りのスタンドプレー」と見る向きもある。
共闘関係が築け無ければ、同じ選挙区に野党が乱立して共倒れに為る。そう為れば共通の敵である自民党を利するだけだ。一方、野党内には「れいわ」との連携に期待を抱く向きもある。そこで野党共闘を優先して、山本氏が参院選で発言して居た事と違う事を口にし始めたとしたらどう為るか。参院選で山本氏の訴えに熱狂した人達は一気に冷めるだろう。
「100人と云う数字には野党共闘も入って来る」
山本氏は22日未明の会見では次の様に述べ、野党共闘に含みを持たせた。
「消費税廃止は譲ら無い。しかし、他党が減税と云う事で舵を切る為らば、話し合いの余地は有る。一番は、この国に生きる人々の為に、本気で仕事をする気があるかってこと。そう為った上で一緒に為れる方とは一緒に遣って行く。政権を捕る為らば、衆院選には100人位候補者を立てないといけ無い。この数字には野党共闘も入って来るので、立てる場所立て無い場所も話し合いで出るだろう」
社会党の土井氏、民主党の鳩山由紀夫氏、希望の党の小池百合子氏・・・野党側からは新党や新しい指導者が次々に誕生して時代を作ったが、人気のピークは長続きしなかった。2017年の衆院選でブームを起こした立憲民主党の枝野幸男代表も、今回の参院選では集客力に陰りが見られた。
それらの原因は、選挙では歯切れの好い事が言えても、現実の政治はそう簡単では無いからだ。過去の新党と同じ轍を踏ま無い為には、どうすれば好いのか。山本氏が支持を拡大する為には、他の野党との連携を意識しながら「最も厄介な抵抗勢力」で有り続ける必要がある。山本氏の道のりは険しい。
以上
【管理人のひとこと】
今回の記事の内容(巻頭)は、全て今までのTV・新聞等のメディアで多くの国民が周知の筈だ。しかし、指摘された個々の問題を振り返ると「一体、この男は何をしているのだ!」と腹の虫が収まら無く為る・・・そして、更に彼の言動全てに「嫌な感じダ、無知蒙昧の〇〇野郎!」とのヤジをお返ししたく為る。〇〇の中にはお好きな文字を入れて頂きたい。
国会の予算委員会等には、決まって野党の質問にヤジって茶化すのが得意だが「貴方に野党をヤジる権限も資格も無い。見苦しい! 静かに拝聴しなさい!」と委員長がキツク注意すべきだろう。臆面も無く平気で嘘を言い、誤魔化しを何度も何度も続ける・・・「一体、この男は何をしているのだ!」と二度目の怒りが沸き起こる。
安倍氏が何一つもの成果を残せ無かったのは、贔屓目に見て、半分は彼自身の能力の無さだが、後半分は「ご時世」と「運」に巡り合わさ無かった「身に着いた不幸」が災いして居る様だ。折角の長期政権が、日本をズルズルと不幸のドン底に道連れにする・・・7年から8年もの政権に就いたら可成りの事が成し遂げられたのだが誠に残念だ。
彼を選んだのは、消極的で在っても多くの国民に責任の一端は有る。国民自ら選択したのだから、彼に引導を渡すのも国民の責任だ。その責任を令和2年に果たすべく、取り敢えずは新たな歳を祝おうではないか。
2020年01月03日
知の巨人が「欧州では有り得無い」と嘆息した事
知の巨人が「欧州では有り得無い」と嘆息した事
〜プレジデントオンライン 1/3(金) 11:16配信〜
「日本アカデメイア」が東京都内で開催したシンポジウム「東京会議」 写真提供 日本アカデメイア
〜10年後の日本はドンな国に為って居るか。「ヨーロッパ最高の知性」と称されるジャック・アタリ氏は、産官学の各界が連携する「日本アカデメイア」主催のシンポジウム「東京会議」出席の為に来日し「日本の今後は『女性の地位』がカギを握る」と話した。「知の巨人」の提言をダイジェストでお届けする(第3回/全5回)〜
世界的な課題を解決する6つの方法とは
「東京会議」開催に向けてアタリ氏は、世界の諸問題解決に向けた具体的方策を提言した。1つは既存する国際協定の維持。そしてもう1つは新たな機構の構築だ。
1.既存の国際協定を維持する 即ち、気候に関してはパリ協定・貿易に関しては世界貿易機関・WTO・労働に関しては国際労働機関・ILO・国際紛争に関しては国連総会及び安全保障理事会・核軍縮に関しては既存の条約を保持する。
2.新たな問題に対処する為の新たなフォーラム又は機構を構築する
a.経済協力開発機構・OECDにおいて脱税防止の為のプラットフォームを構築しGAFAへの国際課税を体系化する
b.人工知能開発(特に兵器に関わるもの)を制限する為の憲章を導入する
c.遺伝子操作の開発を制限する為の憲章を導入する
d.CO2排出への国際課税を導入する
e.アラユル人、特に未だ国民登録の無い10億人の人々を対象として「世界市民パスポート」を交付する
f.アラユル場所で、児童の権利、女性の権利、あらゆるマイノリティーの権利を保護する
既存の国際機関は、生き乍ら得無ければ為りません。但し現実に合わせて調整する事も可能だと思います。例えばオープンに議論して国連安保理の構成を変える。安保理は、何時までも今の様な構成では居られ無いと思います。インド、アフリカ、ラテンアメリカ諸国が安保理の常任理事国に入って居ないことは、正当性に欠けます。制度を強化し無ければいけません。
今年、大阪で20カ国・地域(G20)サミットが開催されました。G20も常設の事務局を作る事が賢明です。G20を1つの場として、何が決定されたか、制度的な記憶を持ち、フォローアップをする。議長国の変更はあっても好いのですが、事務局を持つ事がG20を生かす1つの遣り方だと思います。GAFAや炭素への課税に付いては、今は只議論されて居るだけです。
10億人の無名の人達に身分の保障を
・・・この提言の中で、特に目を引くのが国民登録の無い10億人の人々を対象とした「世界市民パスポート」の交付だ。アタリ氏の持論でもある「世界市民パスポート」とはどの様なものなのか。
私は「世界市民のパスポート」を提言しています。今、多くの人達が無名のママ死んでいます。難民として酷い状況から海を越えて逃げて来る間に、誰にも知られぬまま亡くなります。もし一人ひとりが世界市民として国連の人権宣言と国連憲章に基づいた条件で明記されたパスポートを持っていれば、ドンな人でも必ず何等かの権利を有する筈です。
10億の人達には身分の保障が全く無いので、この人達に名前、写真、そして威厳をパスポートによって与える事は非常に大事です。
我々(世界)は一つの小さな村なのです。気候変動に対して壁は作れません。或る1国だけの為に効率的な気候変動の政策等は有り得ません。これは世界の問題です。中国の川に行ってみてください。そこには沢山のプラスチックが捨てられています。更にブラジルやオーストラリアでの大規模火災もあります。これ等は全て局地的では無く、世界的な問題です。それに我々はグローバルな形で対面していか無ければ為りません。
私のコンセプトは「合理的な利他主義」です。我々は自己利益に基づいて居るのは事実ですが、我々が利他主義に為る事は我々の自己利益に為るのです。ポピュリストが自己中心だと云うのは好いですが、1番利己的なのは利他主義に為る事です。本当にハッピーに為るには、他者がハッピーに為る事です。
例えば製品を売る時には、お客様がハッピーであってコソ、貴方の利益に叶うのです。お客さまがハッピーであれば、貴方自身がハッピーに為るのです。それがポピュリズムに対する最も大事なイデオロギー的な戦いです。
日本は世界で最も「次世代への準備」が遅れて居る
・・・シンポジウムの中でアタリ氏は日本に対してもメッセージを発した。親日家でもあるアタリ氏だが、日本の現状に付いての受け止めは厳しい。
1970年代、アメリカの社会学者であるエズラ・ヴォーゲルの『ジャパン・アズ・ナンバーワン』と云う有名な本がありました。彼はその中で、これから何十年も日本が世界においてナンバーワンに為ると言ったのですが、そうは為りませんでした。
私の財団「ポジティブプラネット」では、人口、汚職の度合い、報道の自由と云った47のパラメーターを用いて、全てのOECD諸国のポジティビティを測定し、その結果を公表して国のランク付けを行っています。夫々の国が次世代の為にチャンと準備して居るかどうかを測定しているのです。
このデータで上位を占めるのはスカンディナビア諸国です。アイスランド、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、ニュージーランドも上位に入っています。フランスは38カ国中20位です。真ん中位です。最下位の4国がトルコ、イタリア、ギリシャそして日本です。「次世代に備える」と云う点では、世界の中で日本は最下位です。
私は何も日本が悪いと云う事を言いたい訳では無く、それを取り上げて検討し、改善出来ると日本に言って頂きたいのです。10年後に私が日本に来た時に、日本が1位に為って居るのを楽しみにしています。
今後の課題は「女性」の一言に尽きる
・・・日本が10年後「次世代に備えた」国に為るにはどうしたら好いか。アタリ氏は、敢て挑戦的な提言をした。大半の参加者が男性の会場を見回しながら、ユックリと語り始める。
日本の将来に付いてですが、敢て挑戦的なお答えをします。日本は私に取っては親しみに満ちた国ですが、一言だけ選ぶとすれば、女性の地位(向上)にあります。
そもそもヨーロッパのシンポジウムで女性の登壇者が居ないと云う事は有り得ません。女性にもっと力を与えれば力を発揮出来ます。女性が更なる社会の発展に貢献するでしょう。法制度を整備すれば、出生率も上がり社会も豊かに為ります。日本の今後に関して私からは只この一言「女性」です。
女性に関して何をしたら好いのか。私は国内政治には関与したくは無いですが、1つだけ例を言いましょう。矢張りクオータ制・人数割当制を導入すべきだと思います。実は、私はクオータ制に反対していました。しかし、一過性、一時的なクオータ制は有っても好いと思います。
クオータ制を導入して、例えば今後、10年間は強制的に半分は女性にし無ければいけ無いと云う事にしてみる訳です。上場会社のボード・取締役の半分も、10年間は女性にし無ければいけ無い。そして10年経ったら、女性の地位は十分に向上してクオータ制等忘れても好いと云う事にすることが出来ると思います。ヨーロッパでもそう云う事が行われて居て、今では随分変わって居ます。
ひとつの課題を他国と協力して解決して行く
私だけでは無く、色々な事が言われ無ければいけ無いだろうと思います。例えば女性が働き易い条件の整備は大変大きな政策問題だと思います。兎に角日本の人口動態をドラスチックに変え様と思えば、その様な事が必要だと思います。
それから、マルチラテラリズム・多国間主義は鍵だと思います。それが世界の生存の為の条件だと思います。
これは何度も繰り返して言わ無いといけません。GAFAやCO2への課税等、色々な分野で遣って行く必要があります。グローバルな考え方を色々な処に援用して行くのです。これに関しては、日本は他の国と同じ様に大きな役割を果たせると思います。それをする事が日本の国益に適うと思います。
ジャック・アタリJacques Attalli 経済学者 1943年アルジェリア生まれ。フランス国立行政学院(ENA)卒業。フランス・ミッテラン仏大統領特別補佐官、欧州復興開発銀行の初代総裁などを歴任。ソ連の崩壊、金融危機、テロの脅威、トランプ米大統領の誕生などを的中させた。『2030年 ジャック・アタリの未来予測』(プレジデント社)など著書多数。
経済学者 ジャック・アタリ 構成 プレジデントオンライン編集部 以上
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100人の顔)石垣のりこ(45)立憲民主党参院議員「国の情報管理が危機的状況にある」
100人の顔)石垣のりこ(45)立憲民主党参院議員「国の情報管理が危機的状況にある」
〜〈週刊朝日〉AERA dot. 1/2(木) 17:00配信〜
石垣のりこ氏 事務所提供
議員1年目から注目度が高い。今夏の参院選宮城選挙区で、現職に競り勝ち初当選した元FM仙台アナウンサーの石垣のりこ氏。初めて質問に立ったのが、11月12日の農林水産委員会だ。「桜を見る会」疑惑について、こう切り込んだ。
「事実が明らかに為れば為る程この内閣の下品さ、下劣さには呆れるばかりでございます。一国の首相が何と吝嗇(けち)なことを為さるのでしょうか。この場で憤りや疑義を問い質したい処ですが、ここは農政を議論する場……」
自民党から抗議を受けたと云うが、本人は意に介さ無い。苦笑しながらこう語る。
「『下品』はOKだけど、『下劣』はダメだとか言われまして(笑)。1年生議員の女があんなことを偉そうに言うなんてけしからん、ということじゃないですかね。いま、『桜を見る会』を入り口にして、国の情報管理というものが危機的状況にあることが明らかに為って居ます」
内閣府は、招待者名簿はシュレッダー廃棄、電子データも削除、さらには削除した記録も残っていないという。野党議員が担当者への確認を求めても「確約した訳では無い」と逃げる。
野党の追及本部で、石垣氏は名簿調査班のサブキャップを担当。11月22日の野党合同ヒアリングでは、内閣府の官僚に鋭く迫った。
「国の中枢機関である内閣府の記録が、コンな杜撰な管理をされて、好い訳がございません」
そのうえで「公文書記録用サーバーの仕様書」「文書削除を行う際の運用マニュアル」等7点の文書提出を求めた。公文書が通常どの様に管理され、削除する場合にはどの様な手順を踏むのか。そのプロセスを理解すれば、文書の廃棄が意図的に為されたものかどうかが明白に為る。
内閣府の担当者は言い逃れ出来ず、言葉に窮した。この時の動画はSNS上で拡散され絶賛された。戦史・紛争史研究家の山崎雅弘氏も<これが本当の追及の仕方。官僚がのらりくらりはぐらかす遁辞(とんじ)など一蹴して構わない>とツイート。
石垣氏はこう語る。
「在る筈の名簿が本当に無いのであれば、確実に無いと云う証拠、削除したと云う証拠、復元出来ないと云う証拠を出して頂かなければ為りません」
もう一つ、石垣氏が強く拘っているのが「消費税廃止」だ。立憲民主党の「増税凍結」方針から踏み込む。先ずは5%に減税し、段階的に無くして行く考えだ。
「消費税は、日本の景気を悪化させた主な要因の一つです。弱い者から取って行く逆進性の高い税金を、社会保障費に充てる事も矛盾があります。私達は消費税が無いと社会保障が成り立た無いと思い込まされ、30年間当たり前の様に払わされて来ました。
消費税の税収が増えている分、法人税や所得税は減って居ます。代替財源と云うのなら、他の税制でも好い筈なのに、そこから先に思考が進ま無いのです。消費税がイヤだと思いながら手放せ無い」
同じように疑問を持つ野党有志議員で「日本の未来を立て直す公平な税制を考える会」を結成。消費減税と、大企業・富裕層への累進課税強化が骨子だ。衆参院で計54人が名を連ねる。12月9日付で、立憲の枝野幸男氏、国民民主党の玉木雄一郎氏ら会派を構成する各党代表に提言書を提出した。
「先ずは内部で議論を尽くそうと云う事です。会の中でも色々な考え方があって、先ずは8%に下げると云う人も居ますし、私の様にゼロにした方が好いと云う人も居るかも知れません。先輩方のお知恵を頂きつつ、多角的に検討して行きたいと思います」
消費税廃止の姿勢は参院選立候補の時から曲げて居ない。選挙時、県連顧問の安住淳元財務相から「個人的信条としては好いけど、党の公約と誤解される」と、電話で2時間近く説得されたが首を縦に振ら無かった。初志貫徹で20年は更にブレークするか。
※週刊朝日オンライン限定記事 本誌・亀井洋志 以上
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