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2020年01月04日

藤井聡氏が語ったデフレ脱却への打開策 麻生氏切り




 藤井聡氏が語ったデフレ脱却への打開策 麻生氏切り

             〜日刊スポーツ 1/4(土) 8:00配信〜


        1-4-25.jpg

 安倍内閣で内閣官房参与を務めた藤井聡氏が2020年の日本経済を辛口分析した(撮影・大上悟)

 〜オリンピックイヤーの2020年、日本経済はどう動くのか・・・市民生活、社会保障の足場は固められるのか。第2次安倍内閣で内閣官房参与を務めた藤井聡氏(51 京都大学大学院教授)は厳しい状況に陥る可能性を指摘する。
 昨年10月に消費税が10%に増税された事の悪影響が逆風として吹き荒れる事を予測。過つて安倍政権のブレーンとして経済政策を支えて来た藤井氏が、デフレ脱却へ向けて打開策を示した〜



 ・・・東京五輪、パラリンピックイヤーの日本経済はどの様に推移しますか

 非常に厳しい年に為るのは間違い無いでしょう。第1に消費増税の影響が深刻化する。第2に内需・外需の環境も良好な方向を見い出し難い。しかもオリンピックのインフラ投資は終わり、内需も外需も駄目に為り、悲惨な状況と為ります。

 ・・・2%の消費増税は具体的にどの様な影響を与えたのでしょうか

 経済の凹み方が、前回8%に上がった2014年増税よりも酷い。2014年は3%アップで今回は2%だけのアップ。しかも今回は軽減税率を導入して居て食料品等が増税され無いし、ポイント還元等も含めて2014年時より可成りの消費増税対策を遣っている。
 にも関わらず、小売りは7・1%縮小、実質消費も5・1%縮小と2014年増税時を遥かに上回って居る。極端に悪いのが工業分野。機械器具が増税後に小売りは15%縮小し、自動車も同17%減った。日本工作機械工業会によると工作機械の受注額が37・9%も減った
 ハッキリ言って「経済クラッシュ」の状況です。2014年増税時も景気は冷え込んだが、今回はそれを更に上回る冷え込みを中長期的にもたらすだろう。

 ・・・10%への増税は決定打。前回8%増税とどう違うのでしょうか

 予想されて居た結果です。2014年は外需・輸出が伸びて居る時期だったから。消費増税による内需の縮小分を輸出増が埋め合わせた。しかし今回は外需が冷え込みつつ有る時の増税だから、見るも無残な結果に為る事は決定的です。しかも、消費税率が「10%」と云う極端に計算し易い数字に為った為、消費者の買い控えを大きく助長する。これが、更なる消費縮小をもたらす。

 ・・・政府は26兆円規模の経済対策を打ち出します

 一番大切な中身は真水の補正予算なんですが足った4兆円台だから「張りぼて」の様なもので大した事は無いんです。

 ・・・藤井さんが考えるカンフル剤はどんなものですか

 幾らでも遣り様はあります。消費税を5%に減税し、10兆〜15兆円規模の補正予算を「デフレが脱却出来る迄毎年続けます」とコミット(約束)すれば好い。でも、安倍内閣の振る舞いを見て居れば120%しないでしょう。
 今のママなら安倍内閣がデフレ脱却に成功する事は絶対有り得ない。安倍内閣が財務省・麻生太郎さん(副総理兼財務大臣)の顔色を覗っている限りデフレ脱却は無い。詰まり、国民を取るか麻生を取るかで今、選ばれて居るのは麻生であり国民は見捨てられて居る状況です。安倍内閣がデフレ脱却したいのなら、麻生さんに退陣して頂き、超積極財政を展開するしか無い。

 ・・・安倍首相は2012年(平24)12月の再登板以降、経済再生に重点を置いて来たのではないですか

 実はアベノミクスは実行を伴って居ないんです。アベノミクスは元来が金融政策よりも財政政策を遣ると云う事だったのですが実際には財政政策は全く遣って居ない。消費増税で5%の時よりも15兆円ずつお金をバキュームカーの様に国民から吸い上げて来た。
 毎年『逆補正予算』を打って居る様なもの。僕は5%の時から15兆円の補正予算を3年程度は遣るべきと言っていたが、有ろうことか15兆円を投入する処か逆に毎年吸い上げ続けて居る。

 ・・・「れいわ新選組」等が主張する「消費税5%」に戻した場合には

 物凄く景気が良く為りますよ。15兆円の補正予算を効果的に打つのと一緒ですから。消費そのものが15兆円拡大します。その15兆円は財務省の懐に入るのでは無く国民の財布に入ります。お金がドンドン回って行く様に為る。その上で更に10兆〜15兆円規模の景気対策を遣って行けば、2〜3年でデフレ脱却出来ます。
 それが唯一の政策だと理解して居る政治家は極一部で大半の国民も理解して居ない。だからこう云う記事を毎日毎日、買って読んで頂くと(笑い)状況も変わるかも知れないです。

 ・・・急務の経済政策は

 消費税の減税です。或いは軽減税率の範囲拡大と深掘りです。例えば、軽減税率(8%)を食料品だけじゃ無くて1品50万円以下は全て税率5%とする。既に軽減税率の仕組みは有るので一番手っ取り早い。これを採用すれば日本経済を立て直す事が出来る。

 ・・・49万9800円辺りの商品が多く登場しそうで非常に分かり易い

 軽減税率とするのは、例えば10万円以下でも100万円以下でも好いんですが、抜本的に遣らないといけ無い。このママでは経済格差は確実に広がり、行き詰まる人も増える。今年は政治家が本当に真剣に動かなくてはいけない。
 【聞き手 大上悟】

 藤井聡(ふじい・さとし) 1968年(昭43)10月15日生まれ 奈良県出身 京大土木工学科卒 京大大学院土木工学専攻修了 京大助教授 東京工大助教授 教授等を経て京大大学院工学研究科教授(都市社会工学専攻) 2012年から2018年12月まで安倍内閣・内閣官房参与(防災減災ニューディール担当)を務める ラジオ文化放送のニュース情報番組「おはよう寺ちゃん活動中」(月〜金曜午前5時〜7時)の水曜レギュラーコメンテーター 著書に「『10%消費税』が日本経済を破壊する」(晶文社)などがある








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