2020年01月05日
【2020年予測】2020年政局の難解パズル!ピースは「衆院解散」「ポスト安倍」「野党合流」 5つの解散パターンを検討する最後の安倍主演イヤーに?
【2020年予測】2020年政局の難解パズル!
ピースは「衆院解散」「ポスト安倍」「野党合流」
5つの解散パターンを検討する最後の安倍主演イヤーに?
〜FNN.jpプライムオンライン 1/5(日) 11:31配信〜
2020年の政局を動かす要素
イヨイヨ幕開けした令和2年・2020年と云う節目の年。東京オリンピックイヤーであり、秋篠宮さまの立皇嗣の礼により皇位継承関連の儀式が締め括られる年であり、アメリカでは大統領選挙の年と為る。そして日本の政界に取っても極めて重要な1年と為りそうだ。
8年目に入った第2次安倍政権の終わりが見えて来た中で、その後の政界の構図を決める年に為る可能性があるからだ。その重要な要素は「ポスト安倍」を巡るレース、「野党合流」の行方、そして安倍首相による「衆院解散」の決断の3つだ。この3つの要素が複雑に絡み合って今年の政治ドラマを織り為して行く事に為る。
その主演は矢張り安倍首相である。そして助演は与野党の有力者達と云う事に為るが、安倍首相に取って今年は、最後の主演の年に為る可能性も孕んでいる。その事も踏(ふ)まえ、先の3つの要素を個別に見て行きたい。
ポスト安倍を巡る争い
後継トップ人気の石破元幹事長
現時点で安倍首相の任期は、自民党総裁としての任期が切れる2021年秋迄と為る。その後の首相の候補として現時点で取り沙汰されて居るのが、岸田文雄政調会長・石破茂元幹事長・菅義偉官房長官・河野太郎防衛相・小泉進次郎環境相・茂木敏充外相・加藤勝信厚労相等だ。しかし、何れも現状では決め手に欠けると言われて居る。
世論調査等で人気が高いのは、石破氏と小泉氏だが、石破氏は党内で孤立気味で、小泉氏は環境相として正念場を迎えて居る最中。2人共党内基盤は弱い状態だ。
一方、岸田政調会長は岸田派を中心に安倍首相や麻生副総理等の幅広い支持を得て次期総裁の座を射止めようと目論んでいるが、国民からの人気は現時点では低調で、党内全体からの期待感もソコまで膨らんで居ない。菅官房長官は、二階幹事長や古賀元幹事長から高い評価を受け首相候補に急浮上したが、国民からの「令和おじさん人気」は一服し、安倍首相周辺や麻生副総理周辺から菅氏の台頭を警戒する声も上がって居る。河野氏や茂木氏・加藤氏はダークホース的存在だが、党内や国民の間での待望論も現時点では広がっては居ない。
こうした本命無きポスト安倍レースに変化が表れるかが2020年の政局の大きなポイントだ。ポスト安倍に向け、誰が抜け出し誰が脱落するのか。更に誰も抜け出せ無い場合、麻生氏や二階氏が主張する「安倍4選論」が現実味を持って来る可能性もありそうだ。
野党の大連合は為るのか?カギは「野合」批判を乗り越える「旗印」
一方、野党に目を移すと、焦点は立憲民主党と国民民主党の合流を核として野党の大連合が実現するかどうかだ。昨年末に立憲・国民両党は年内の合流も視野に協議を行ったが、合流への方向性を確認するに留まり、肝心の政策等の細部に付いては、結論を今年に持ち越した。
野党連合為るか・・・仕掛ける枝野代表
両党の合流に向けた最大のハードルは、立憲民主党が脱原発を掲げているのに対し、国民民主党は電力総連や電機連合等原発を容認する労組出身の議員を抱えて居て、政策が折り合わ無い事だ。又安全保障や憲法改正を巡ってもスタンスに違いはある。
これらを乗り越えて合流し力を結集出来るかがポイントで、合流構想の行方は、通常国会での、桜を見る会問題等に関する政府与党への追及振りにも影響するだろう。
ダークホース 山本太郎氏
只、野党の大連合に向けたハードルは立憲・国民の合流だけでは無い。先の参院選で注目を集めた山本太郎代表率いる「れいわ新選組」との連携も課題で、そのハードルは消費税を巡る政策の違いだ。
去年の消費税率10%への引き上げに反対して居た立憲民主党は税率を8%に戻すべきだとの立場だが、これに対し「れいわ新選組」は、5%迄下げるべきだと強硬に主張して居て、折り合いを着けるのは難航が予想されている。そして仮にこれ等の折り合いを着けた場合に当然出て来るのが政策の違いを有耶無耶にしたママに合同してしまう「野合」だとの批判だ。
「野合」と云う言葉は、これ迄も幾多の政党の合流や連立の度に向けられて来た痛烈なものであり、野党内には「自民党と公明党の連立も言わば野合なのだから野合批判は気にするな」と云う声もあるが、選挙での有権者の反発を考えると、無視する訳にも行かない重いものだ。
仮にその「野合」批判を乗り越えるものがあるとする為らば、合流や大連合によって、何を成し遂げたいかと云う「旗印」だろう。
旧民主党政権の誕生前夜は曲がり為りにも、そうしたビジョンを示して居たが、今の立憲民主党等には、政権批判の姿勢が際立つ一方、政権政策や自らが作り上げる国の具体的デザインの発信は足り無いと指摘されて居る。そうした国民に判り易い具体的旗印を枝野代表や玉木代表等が掲げられるかは、合流の成否と並んで今年の焦点と為りそうだ。
安倍首相の「解散戦略」3つのパターン
こうした与野党夫々の事情をパズルピースにして、安倍首相が判断するのが衆議院の解散・総選挙のタイミングだ。衆院議員の任期は安倍首相の総裁任期が切れる来年9月の直後の10月だ。それを踏まえ安倍首相には、解散に付いて大きく分けて3つの選択肢がある。
1 今年中に解散
2 来年の前半に解散
3 解散せずに来年秋に誕生する新総裁に解散を託す
と云う3通りだ。では安倍首相の立場に立って、どの選択が望ましいのか考えてみたい。このうち「3」の安倍首相は自らの手でもう解散を行わ無いと云う見立ては、安倍首相の周辺を含めそれ為りに語られて居る。
只その場合、自民党総裁選が、直後の衆院選を意識した人気重視の選挙と為り、安倍首相が好ましく無いと思って居る石破氏への追い風が吹いてしまう恐れがあると云うデメリットが安倍首相に取ってはある。
「2」の来年前半と云うのも、安倍首相に取っては任期が残り少ない中での解散に為る訳で、長期政権の終盤に仕掛ける解散としてはそれ為りの大義名分が必要に為る。
例えば憲法改正の是非や、ロシアとの北方領土返還交渉の方針に付いての信を問うと云う様な場合だ。只憲法を争点にした解散には連立パートナーの公明党が否定的で、外交を争点にするには、交渉の進展が必要に為る為、自力だけでは何ともし難い所だ。
と為ると安倍首相が積極的に解散を打つ前提では「1」の今年中の解散と云うのが現実的と云う事に為る。そこで、今年中の解散のタイミングを考えると、幾つかに絞られる。
1 1月の国会冒頭解散
2 3〜4月の予算成立後解散
3 東京五輪前の都知事選とのダブル選挙
4 東京オリンピック・パラリンピック終了直後の解散
5 11月解散12月選挙
の5通りだ。「1」の通常国会冒頭解散は予算審議に影響が出てしまう事から、政府与党内でも可能性は極めて低いと見られている。
「2」の予算成立後解散に付いても、秋篠宮さまの立皇嗣の礼が4月19日に行われる事等を踏まえ否定的な声がある。
残りの選択肢の中で最も有力と見られているのが東京五輪終了後の「4」「5」のパターンだ。
「4」の場合は、パラリンピックが終了する9月6日以降、早い段階で臨時国会を召集し、冒頭に近い段階で解散するパターンと為るが、その際は東京五輪効果でどの位支持率が上昇したか、解散の大義名分は何に為るかが判断要素と為るだろう。
「5」の場合は、臨時国会で、全世代型社会保障の関連法案が提出される等し、与野党が激突した場合、その是非を問うのを大義名分に解散する可能性を指摘する向きがある。
一方で、この「4」「5」は、安倍首相が解散を仕掛けるシナリオとして、既に本命視されているシナリオである。
しかし安倍首相はこれ迄2回の衆院解散では、野党の機先を制する形で早めに仕掛けて来た。今回もそうした積極果敢な解散を仕掛けるとした場合「3」の5月末か6月に解散し、東京五輪直前の7月5日投開票の東京都知事選と同日選と云う案が浮上する可能性がある。既に飯島勲内閣官房参与が週刊誌でその可能性に言及して居る。
様々な政治家の思惑が蠢(うごめ)く2020年・・・安倍首相の決断は?
こうしたパターンを念頭に、後は安倍首相自身が、内閣と自民党の支持率、ポスト安倍を巡る情勢、経済情勢、国会の情勢、解散の大義名分と為るテーマ、野党の大連合に向けた進捗等を総合的に判断し決断する事に為る。
政策的にも、内政では、東京五輪後に景気は持つのか、社会保障改革で負担増の議論をどうするのか、憲法改正の行方と云った点が重要に為るし、北朝鮮との関係、日露交渉の行方、日米関係等も解散のタイミングを左右する可能性はある。
何れにしても、安倍首相に取って来年はレイムダック化の流れに抗い乍らの政権運営を余儀無くされるだけに、政界の主役として演じ切れるこの2020年をどう動かして行くかは、長期政権自体の評価も左右する重要な課題だ。
東京オリンピックに沸くことが確実なこの2020年、その裏では、政治家達の様々な思惑が蠢き、発露される1年と為りそうだ。
フジテレビ政治部デスク 高田圭太 FNN PRIME編集部 以上
【管理人のひとこと】
確かに2020年は安倍政治の転換点と為るのは必定だろう。無事にオリンピックを乗り越え、晩秋の解散と為るのが自然の様だが「突飛な戦略」好きな安倍氏の事だから何等かの「屁理屈」を着け、意表を突く解散が有力視される。が、果たして彼に「自らの力で解散を打つ」体力・気力が有るのかどうかだ。
野党がどの様な戦略を仕上げるのかも問題だが、果たして大きなウネリに為るかどうか・・・安倍氏が自民党政権の延長を真剣に願うのであれば、今までの失策全ての責任を負い速やかに身を引き、後継の総裁選を仕切ってから政界を引退すべきだろう。彼が政治家として残るのであれば、それ迄の全ての所業を洗い浚い質す「大陪審」を両院で開催し、更に検察に捜査を託し国民の前につまびらかに報告するべきだ。そうで無ければ、彼には今後一切の政治的発言をしては為ら無い・・・その程度の罪の贖罪は当然だ。
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