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2020年01月03日
【2019年を振り返る】日本政治3つの潮流
【2019年を振り返る】日本政治3つの潮流
〜 日本若者協議会代表理事 室橋祐貴 1/3(金) 10:00〜
〜2020年の日本政治はどう為るのか。7月に東京都知事選、秋頃には衆院選も予想され、東京五輪後の日本の方向性を定める重要な1年と為るが、先ずは、3つの重要な観点・事象から2019年を振り返ってみたい〜
答責性(アカウンタビリティ)の欠如
新元号、参院選、消費税増税、相次ぐ不祥事等、様々な出来事が起きた2019年。政治の中枢である永田町を中心に見ると、安倍一強の「負の側面」が表面化した1年であった。具体的には、安倍一強、強い官邸と弱い国会を背景にした、答責性(アカウンタビリティ)の欠如である。
アカウンタビリティは一般的に「説明責任」と訳されることが多いが、正確には、単に説明するだけでは無く、責任者が責任を取る事まで含めた概念である。
1990年代の政治改革によって、勝者総取りの小選挙区制が導入され、 首相(官邸)の権限が強化される様に為ったが、その分、責任者を明確にし答責性を強化するのが改革の趣旨であった。
しかし、安倍政権では、アベノミクスの「成果」等は政治家が誇る一方で、公文書改竄などの不祥事が起きれば、政治では無く行政側の責任に帰す、若しくは、責任の所在を曖昧にする態度が目立つ。特に2019年の後半にはそうした場面が多く見られた。
臨時国会での「桜を見る会」の疑惑を巡っては、首相官邸では、安倍首相が「国会から求められれば、説明責任を果たすのは当然」と話す一方で、予算委員会を開かず、審議拒否。技術的にはホボ確実に可能なのに、廃棄した招待者名簿の電子データの復元も「できない」と回答する。
将又(はたまた)、公選法違反などの疑惑が報じられた、河井案里参議院議員と大臣を辞任した夫の河井克行衆議院議員は「説明責任を果たす」として居たにも関わらず、ズッと公の場から姿を消したママである。これでは政治不信が高まる一方だ。
更に、曖昧な回答が長続きすれば、その分国会やメディア等のリソースがソコに費やされ、他の課題に割け無く為ってしまうのも大きな問題である。制度的にどう答責性を確保するか、議論を深めて行く必要があるだろう。
一つは、委員会を開く・開か無いと云った「日程闘争」を無くす、少数者調査権の導入等の改革を行い、国会を強化すべきである。又、根本的には野党が「弱過ぎて」牽制が効いて居ない側面も大きく、制度的に野党をどう強化して行くべきかも、議論すべきだ。
日本が議院内閣制の範とするイギリスでは、公的資金を野党に配分する「ショート・マネー」が有り、議会では、野党が自由に議題を設定出来る「野党日」等、必然的に人的・資金的リソースが欠ける「野党の為のアファーマティブ・アクション」が導入されて居る。
官僚機構の悲鳴
一方、政治を支える官僚機構も限界を迎えつつある。2019年8月、厚生労働省の働き方改革に取り組む若手チームが、業務・組織改革のための緊急提言を根本匠厚労大臣(当時)に提言。内容は人事制度改革から国会改革まで多岐にわたり、その中では、現場の悲鳴の声も取り上げられている。
⊡ 「厚生労働省に入省して、生きながら人生の墓場に入ったとずっと思っている」(大臣官房、係長級)
⊡ 「毎日いつ辞めようかと考えている。毎日終電を超えていた日は、毎日死にたいと思った。」(保険局、係長級)
⊡ 「家族を犠牲にすれば、仕事はできる」(社会・援護局、課長補佐級)
⊡ 「今後、家族の中での役割や責任が増えていく中で、帰宅時間が予測できない、そもそも毎日の帰宅時間が遅い、業務量をコントロールできない、将来の多忙度が予測できないという働き方は、体力や精神的にも継続することはできないと判断した」(退職者)
出典 厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言
近年、統計不正の問題なども起こっているが、大きな原因の一つが人手不足であり、従来の「削る」方向性を変えていかなければもう保たない状態になりつつある。何故か日本は「大きな国家」と云うイメージを持つ人が多いが、国際比較をすると先進国で最も「公務員の少ない国」である。
厚生労働省の過酷な労働環境が引き起こす「負のスパイラル」
この様な過酷な労働環境は、更なる悪循環を引き起こしている。厚生労働省においては、近年、毎年のように不祥事が継続して発生しているが、昨年に発覚した毎月勤労統計調査における不適切な取扱い事案についても、一昨年の裁量労働制データの不適切な比較事案に付いても、夫々の調査報告では、不十分な人員体制による業務遂行・チェック体制の不備が、事案発生の理由の一つとして掲げられている。
出典 厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言
10月には台風が迫る中でも帰宅できない、国会対応の大変さ(異常さ)が大きな話題と為ったが、国会改革や人員の増加も含め、労働環境を早急に改善し無ければ、政策立案や公的サービスの質が低下し、国民に大きな不利益を与えることに為るだろう。
政治参加の多層化
統一地方選挙と参院選が重なる亥年となった2019年。参院選の投票率は50%未満となり、特に若者の投票率は大幅に低下した。一方で、2019年のはじめに「徐々に広がりつつある「投票」以外の若者の政治参加。政策提言で社会を変える方法」という記事を書いたが、政治参加の多層化がさらに進んだ1年でもあった。
勿論投票が重要であることは言うまでもないが、実際に社会に変化を及ぼす為には、政治家の構成や政策、世論が変わら無ければならない。そしてそれを変える手段は、数年に一回程度の選挙の時にしかできない投票だけでは無く、他にも多く存在する。
ドイツやスウェーデンなどの欧州各国では、小学生の頃から社会を変える手段として、世論形成の仕方(メディアの活用や署名)やデモ、陳情の方法が教えられるが、日本でも要約こうした手段が若年層にも浸透し、成功事例が着々と積み重なってきている。
特に、従来からあったような党派性の強い「倒閣運動」では無く・・・最初は違っても結果そちらに流れていくパターンが多い、飽くまで課題解決にフォーカスした運動が活発化しているのが近年の特徴である。
署名やデモによる世論喚起
2019年は特にジェンダー関係の動きが活発な1年であった。国が企業に求めるハラスメント対策には盛り込まれなかったものの、グラビア女優の石川優実さんが署名を立ち上げた#KuTooや、学生らが署名やデモで訴える就活ハラスメントは社会的なアジェンダとなっている。
議会への陳情
こうした動きは小学生や中学生にまで広がっている。沖縄県・糸満市の西崎中学校では、生徒会が女子生徒の制服に関する校則の変更を求めた陳情書を学校側に提出、今年1月からスカートとズボンの着用を自由に選ぶことが可能になった。
又、東京都・板橋区では、小学生が公園やグラウンドの使用改善を求めて議会に陳情、公園の利用可能時間が延長されるなどルール変更を勝ち取る事が出来た。
与党部会への参加
筆者が代表理事を務める日本若者協議会では参院選を中心に様々な政策提言を行い、数多くの提言が公約に反映されたが、大学入試の記述式延長に関しても、12月2日、与党・公明党の文部科学部会ワーキングチーム(部会長・浮島智子衆議院議員)に出席し、高校生が問題点を指摘、延期を訴えた。結果、12月5日に公明党の斉藤鉄夫幹事長らが萩生田光一文科大臣に延期の検討を求め、延期が決定された。
◆記述式 公明の提言書 転機 概略
12月5日、党幹事長の斉藤鉄夫は文科省で萩生田に提言書を手渡し、記述式問題の導入について見直し・延期の検討を求めた。提言書は、党文部科学部会長の浮島智子がまとめた。浮島は11月19日以降、部会のワーキングチーム(WT)で関係者から意見を聞いて居た。心を動かされたのは、12月2日のWTに招いた高校生の切実な意見だった。「結論を早く出して欲しい」「地方の高校生の声を聞いて挙げてください」
浮島はその日のうちに提言書を書き上げた。初稿は曖昧な表現だったが、高校生の声を思い起こし「ボヤッとした書き振りで好いのか」と自らに言い聞かせた。修正後は「見直し・延期」を明確に打ち出した。
斉藤から提言書を受け取った萩生田は「重く受け止めたい」と応じた。翌6日には首相官邸で安倍に会い、「記述式に関しても、これ以上改善が図れません。何らか決断しなければなりません」と伝えた。安倍は「任せるよ。受験生のことを考えるのが一番だよね」と理解を示した。
出典 2019.12.30読売新聞「[検証・大学共通テスト]民間試験延期「任せるよ」首相の一言 文科相決断」
この様に、従来は若者の政治参加=投票と見られて来たが、近年は徐々に多層化が進み、より影響力の強い、アジェンダ・セッティングや政策立案過程に若者が入りつつある。今後は、より若者の声を社会に反映させるために、各党内の学生部・青年部の権限強化(意見の吸い上げ)、若い政治家を増やすことが大きな課題となるだろう。その為にも、現状25歳・30歳に為って居る被選挙権年齢を早急に引き下げるべきだ。
ちなみにフィンランドで34歳の女性首相が誕生したが、フィンランドは女性に被選挙権を与えた世界で初めての国であり(1906年)政治の中に参画して貰う為には被選挙権が非常に重要である。
日本若者協議会代表理事 室橋祐貴 1988年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、慶應義塾大学政策・メディア研究科修士1年。若者の声を政策に反映させる「日本若者協議会」代表理事。専門・関心領域は社会保障や財政、労働政策、若者の政治参画など。yukimurohashi0@gmail.com
Yuki_muroYukiMurohashi official site日本若者協議会 以上
【管理人のひとこと】
地方・国政選挙の投票率の低さには普段から憤慨して居たのだが、昨年の秋に地元の市議選の選挙が有った際、私は何故か投票を棄権してしまった。全く誰かも判断のしようが無かったのだ。それは言い訳であり弁解の程も無いのは承知している。
個人の事を全く知ら無いのなら、候補する色々な人の演説や所属する政党や支援する団体を調べ、判った範囲内で考えれば好いだけだ。それなら、どの様にしてそれらを調べるか・・・地方の市議選などは地元の新聞かラジオでやってる・・・だろう。しかし、それまでの熱意が無いだけである。興味も無いから⇒調べもせず⇒知ろうともしない⇒棄権のスパイラルに落ち込んでしまうのだ。
一番の動機は「興味」が湧くかどうかだ。我が市で「緊急な政策決定」を必要とするものが有るのだろうか? 市民としてそれに興味が有れば必然的に積極的に情報を求め行動し、賛否を判断し同調者に投票し政策実現に貢献したい・・・する一連の行動となる。
国政選挙の場合は、TV・新聞・ラジオ等で嫌に為る程の情報が流れ興味も深まり、自然と自分から情報を求め、結果として投票するのだが、先ずはそれ程の情報自体が少なく、その先へと進まなく見逃してしまう。我が家では女房が知人に頼まれたからと一人投票したらしい。
この様なことは、普通の市民では普通に起こり得るのだが、今回の記事を見て一つ「目から鱗」の思いがしたのは「投票以外の意思表示」を子供の頃から習慣付ける社会制度を育てる大切さだ。私達も学校では、生徒会や学級委員の選挙を学び模擬して来た経験がある。これを日常的に周りの決まりとか不満・不便・疑問に思う事が有れば「・・・と思う、改善して欲しい」と云う運動を皆で起こす「習慣」を身に着ける事なのだろう。そうすれば大人に為っても「権利であり義務でもある投票行動」にスムーズに足を運ぶことが出来るのでは無かろうか・・・結果、一つ二つの成功事例を得られれば、大きな励ましと喜びが得られるだろう。
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「愛国心」を否定するインテリたちへ 東京大学名誉教授のメッセージ
「愛国心」を否定するインテリ達へ 東京大学名誉教授のメッセージ
〜デイリー新潮 1/2(木) 11:31配信〜
平川祐弘・東京大学名誉教授
「愛国心」を否定するインテリ達へ東京大学名誉教授のメッセージとは?
令和と云う新しい時代を迎えるに当たっての、皇室の様々な行事を見て、改めて日本人で有る事に何らかの感慨を抱いた人は少無くないだろう。無数の日の丸が振られる光景を見て、自らの中に有る愛国心を確認する事も出来たかも知れない。
一方で、愛国心と云う言葉は、往々にして警戒の対象と為る様だ。朝日新聞等では「愛国心」と戦前の体制を結び付けて心配するのが一つの定番と為って居る。又、ドチラかと云えば愛国心を唱える人よりも「危険性を懸念する」と云う人の方がインテリっポイ扱いを受ける傾向もある様だ。その為「日本が好き」と口にする事に多少の抵抗を覚える、と云う日本人も居る。
こうした風潮は戦後長らく続いて居り、今も根強いものがある。しかし、これ等は一種のファッションに過ぎ無い・・・と厳しく批判するのは、平川祐弘・東京大学名誉教授である。比較文化史家である平川氏は、著書『日本人に生まれて、まあよかった』の中で、ファッションとしての自国批判の心理を読み解き、その問題点を指摘して居る。日本人で有る事を再認識する場面の多い正月にコソ読むべきその文章の一部を同書から抜粋してみよう(以下、引用はすべて同書より)
『朝日新聞』だけを定期購読し、岩波ブックレット系の出版物を中心に読み、センター試験を受けた程度の歴史知識を身に付けて大学に進学する様な人は、可成りのパーセントで、日本に付いて否定的な考え方に傾くらしい。
言い換えると、日本の主要メディアの刺戟を受けて暮らして居ると、頭の好い人程天皇制民主主義の国日本に付いて不満気な口を利く様に為る。少なくともそうした口吻(こうふん・口ぶり)を洩らし始める。国際的な統計を見ると、自国を肯定的に捉えて居ない人の割合が日本だけ突出して居ます。
最も愛国心のみが強調されるのは概ね専制国家ですから、その事を踏まえて考えると、日本国民であるより世界市民であれ、と云う理想が説かれて居るこの国の現状は一見結構です。自国を批判する方にも立派な方は大勢居られます。
しかし日本の悪口を云うのが格好好い、と云う知的ファッションに乗って居るだけの人も結構居る。愛国を口にするのは野暮(やぼ)である、と云うのは青年子女の心理で、或る意味では健全なのかも知れません。
それと云うのも、右翼には、純情だが頭の悪い人も居て、只管日本を礼賛(らいさん)します。万邦無比(ばんぽうむひ※全ての国の中で最も優れて居る)とは流石に言わ無く為ったが、外国語も習わなくて好い、外国へも行か無い。そんな愛国主義者の中から、大東亜戦争は正しかった、等と三分(さんぶ)の理を主張するお山の大将が出て来る様では困ります。
アンな悲惨な敗戦に日本を導いた軍部が、何で正しい筈があるものか。一体、日本の軍の学校では世界の中の日本に付いてどんな教育を授け、どんな認識をして居たのか。彼等は井の中の蛙だったのではないか。私は先ずその点で旧軍部を批判したい。
そんな右翼の盲目的愛国主義を、左翼の人が叩いて批判するのは結構です。戦前・戦中の日本の行動には、相手国の行動にも大いに問題はありましたが、肯定し難い点が多々あった。だがしかし、その様な日本に批判的な日本人の中から、自国に対して冷淡な知的青年子女が増えると云うのは如何なものか。
日本批判が高ずると純粋な若者には、日本人として自己嫌悪が生じる、日本否定に走ります。一番の問題点は、そうした否定的精神には、屡々或る錯覚(さっかく)が潜んでいることです。
反日を唱(とな)えれば、それがインターナショナリズムだと思っている。それを唱えるだけで本人が世界に通用する人間に為るわけではないのですが、それについての自覚が不足しています。自国を批判すれば、それで国際主義者になれる訳では無い。
外国で優れた友人知己(ちき)に恵まれて「もてる」人に為る為には、それだけの人間的実力が無ければ為りません。処が今の処増えて居るのは概ね根無(ねな)し草の日本人で、国内でももて無い、増してや世界市民として外国で通用する実力は凡そ無い。それが戦後民主主義世代と言われる人々の可成りの部分の実態ではないでしょうか。(略)
反日的日本人が出て来るのは、今の日本の生活水準や暮らしの環境が悪くてそう為るのかと云うと、どうもそうでは無い。原因は経済環境よりも情報教育環境に有るらしい。新聞・テレビ・教科書など日本を悪く言う事がファッショナブルな雰囲気の中で育った戦後民主主義世代の優等生達が、日本が好きで無い様な事を云う。
日本が過去にした事が全て正当化出来る訳ではありませんから、日本人が自国を批判する事も大切です。しかし『日の丸』掲揚(けいよう)反対『君が代』斉唱(せいしょう)反対等と云って、しかもそれが良心的日本人の証(あか)しだと思い込んで、日本は大した国では無いと他人事(ひとごと)みたいな口をきいている。しかし自国に対し自敬(じけい)の念self-respectのある人コソ、隣人や隣国をも大切にする人ではないでしょうか。
日本の国立大学の多くは日の丸を掲揚しない。反対者が居るからです。東京外国語大学では学園祭に、大学で教えて居る26の外国語の国旗を掲(かか)げます。それに伍(ご)して日章旗がヤッと掲げられたのは、外国人の為の日本課程が開設されたつい先年からです。それ迄は左翼教授が大学院生を嗾けて日の丸の旗を降ろさせたのだと学長が苦笑して居りました。
私は自分の親や先生を素直に愛する事の出来る子供は幸せだと思います。同様に素直に国を愛する事の出来る子供の方が幸せなのではないかとも思います。
しかし世間には親が嫌いな子供も居る。確かに親に楯突(たてつ)く事で子は育ちます。そんな反抗期の子に親孝行を説いても無駄でしょう。そんな造反児(ぞうはんじ)に似て、親が嫌いな子供も居れば国家が嫌いな大人も居る。又大人子供(おとなこども)と云うべき教師もインテリも日本には居る。
ミッション左翼の学校では、日の丸掲揚や君が代に反対し、特定の国を他国より愛するのは平等の精神に反すると云う。私はそう云う人には『特定の女を妻として他の女よりも愛するのは平等の精神に反しないのですか』と茶々を入れるのですが、西洋のキリスト教学校で、自国の国旗掲揚や国歌斉唱に反対する処はあるのか。
自分達の主張を裏付ける為に、日本人は日の丸の旗を掲げて悪い事をしたから、と日本の歴史を殊更に悪く言い出す人も居ます。西洋人が外地や植民地にキリスト教の寺院を建てたのは文明開化の事業だとして肯定するが、日本人が台北に神社を建てたのは怪しからん事のように言う。
しかし、多くの日本人は神道に付いて学校でも家庭でも殆ど何も習わ無いから、好いのか悪いのかも考えた事が無いと云うのが正直な処でしょう。
戦争を体験し、フランス、イタリア、ドイツへの留学経験を持ち、更に北米、中国、台湾で教壇に立ったこともある碩学の言葉は、令和を生きる日本人への強いメッセージに為って居るのではないか。
デイリー新潮編集部 2020年1月2日 掲載 新潮社 以上
【管理人のひとこと】
確かに、管理人が今までの人生で「日本の国が好きだ」と真面に話した人は殆ど存在しなかった。愛国心とは、その様な言葉から発し、そして、それを受け留める様なモノでは無く、何かの機会・・・例えば、国際親善試合だったり何かの国際的大会で、日本の代表選手を心から応援したいとする、自然な感情だった様に思う。
しかし、管理人は日の丸と君が代には何と無く「嫌な感情」を捨て切れ無い。それが戦後教育の所為なのかは判らないが、如何しても戦前のママを引き継いだ明治以来の「東洋初の文明開化」の驕りとその裏の劣等感がギラギラと沁み込んで居る様な気がして為らないからだ。
全てが「お上の云う通り」進められた明治維新後から戦争が終わった迄の間、我が国にはズ〜っと明治時代の延長の時代だった。その間の何度もの民主化運動を弾圧し抹殺し、空想上の「神の国」を演出して来た為政者は、結局は国と国民を裏切り日本を破滅の道へと追い込んでしまった。
そして、全ての明治時代が終焉し連合国・アメリカの支配の元「新たな民主国家」が生まれようとした際、又もや日の丸と君が代が復活してしまったのだ。これに、意義を唱える人が居ても不思議では無かろう。今でも各種スポーツでの国際試合の際、両国の国旗掲揚・国歌斉唱が行われるが、私は「君が代」と国旗「日の丸」に何と無く違和感を持ち「起立し唄わされる選手達」が可哀想で為ら無く為る。国歌だけでも、何か元気の出る様なものに替えられたら・・・と思う日々である。
2020年01月02日
ゴーンさん「海外逃亡」と我が国の人質司法 および前田恒彦さんの本件事件への言及について
ゴーンさん「海外逃亡」と我が国の人質司法
及び前田恒彦さんの本件事件への言及に付いて
〜山本一郎 情報法制研究所 事務局次長 上席研究員1/1(水) 23:53〜
日産元会長で、刑事事件の被告人と為り現在保釈中であったカルロス・ゴーンさんが、年末にトルコ経由でレバノンに海外逃亡して居た件で、ゴーンさん自身もレバノンから声明を出す一方、各メディアもゴーンさんの逃亡に付いては批判的に報じる一幕がありました。
ゴーン被告逃亡、国内メディアも一様に卑劣さ非難(AFP 20/1/1)
一方、本件に付いてはコンテクストがあり、既に郷原信郎さんが指摘されて居る様に、日本の刑事司法における非人道的で・人権保障的に問題の有る状況である事に変わりは無く、法律上は一定の条件が揃えば保釈されるべき処、長期勾留も有り得る状況である問題は重視されて然(しか)るべき事です。
ゴーン氏出国は「単なる刑事事件」の被告人逃亡では無い〜日本の刑事司法は、国際的な批判に耐えられるのか(ヤフーニュース個人 郷原信郎 20/1/1)
只、それは制度全般に掛かる問題で、制度に問題があるからと言って、日本のルールに則ってゴーンさんの弁護人弘中惇一郎さんらの奔走もあって保釈と為ったゴーンさんが、保釈の条件にも有る「海外渡航の禁止」をブッチ切ってトルコ経由でレバノンに逃走してしまう問題とは別のものです。
人質司法の問題と、特別背任の容疑で起訴されて公判待ちをして居るゴーンさんの海外逃亡の問題とは本来別問題であり、確かに問題が有る制度が日本で常態化して居るからと云って日本のルールを自ら破って海外に逃げて好いのかと云う話に為ります。
又、逃亡先のレバノンでの裁判をゴーンさんが模索して居るとの報道がアメリカでも出て居る様ですが、レバノンだけの問題では無いのでしょうが、内戦状態が続いて居た頃から汚職が蔓延し、司法の独立性が60位台のレバノンに何を期待して居るのか良く分から無い部分があります(日本の司法の独立性は世界5位)
ゴーン被告出国、準備に数週間か レバノンでの裁判模索―米紙(時事ドットコム 20/1/1)
カルロス・ゴーンさんのレバノンへの無断出国は、日本の司法にどの様な傷を残すのか(YouTube 山本一郎 19/12/31)
一連の事件で我が国の検察庁に付いてフォローする必要は無いのでしょうが、結果として意図せず日本の司法の後進性をよりによって、ゴーンさんに海外で喧伝されてしまう事を考えれば、悪夢以外の何者でもありません。今の日本の刑事司法はセーフなのだと強弁する事では無く、これを機に、法律通り保釈に付いては求められた場合に適切な条件の下で行われる様にして欲しいと願います。
この場合の人質司法とは、未だ犯罪者とは確定して居ない被告人を、実に劣悪な環境である拘置所に長期間勾留する事が出来てしまう事を含むのですが、これがゴーンさんの海外逃亡の理由としては不充分であるとしても、一石を投じる事には為るのでしょうか。
Satoshi Ikeuchi 池内恵@chutoislam レバノン人ジャーナリストの怒りと諦めのツイート。汚職容疑者のゴーンは追われて居る時だけ祖国レバノンを思い出すんだよナ、こう云う時はフランスに行か無いんだよな、まあレバノンは汚職犯がデカい顔して歩いて居る国だからな、てな事を書いている。 https://twitter.com/dianamoukalled/status/1211957733555101697 …ديانا مقلد Diana Moukalled @dianamoukalled
كارلوس غصن المتهم بقضايا فساد كبرى تذكر لبنان حين بات ملاحقاً فقط.. لم يذهب الى فرنسا ولا الى اي مكان اخر.. اتى الى لبنان البلد الذي يتسع للفاسدين ويضيق بالمنتقدين والرافضين... https://daraj.com/%d9%84%d8%a8%d9%86%d8%a7%d9%86-%d9%8a%d8%aa%d8%b3%d8%b9-%d9%84%d9%83%d8%a7%d8%b1%d9%84%d9%88%d8%b3-%d8%ba%d8%b5%d9%86-%d9%88%d9%8a%d8%b6%d9%8a%d9%82-%d8%a8%d8%b1%d8%a8%d9%8a%d8%b9-%d8%a7%d9%84%d8%a3/ …18,023 10:52 - 2020年1月1日 Twitter広告の情報とプライバシー
11,694人がこの話題について話しています また、意外と日本では忘れられて居るかも知れませんが、ゴーンさんはルノーでのトラブルも有ってフランス警察から家宅捜索を受けて居ます。ゴーンさんの件ではフランス政府の態度は比較的冷淡で、今回の逃走劇にフランス政府が強く関与したと云う情報は特に出て居ません。
仏警察、ゴーン被告宅を捜索 ベルサイユ披露宴の捜査で(AFP 19/6/14)
何れにせよ、レバノンや我が国の報道を見る限りでは、情念としては「こんな事を平気で遣る人がルノー・日産・三菱アライアンスの会長だったのか」と思わずには居られませんが、それ以上に海外逃亡を行ったゴーンさんに付いては、キチンと粛々と問題視して対処する一方、批判の絶え無い人質司法の問題に付いては本来有るべき法律通りの運用に戻し、適切な形で定められた条件さえ整えば逃亡の恐れの無い被告人に対しては保釈されるべきと思います。
処で、今回一連の事件の解説において、前田恒彦さんがコメントを寄せて居られました。内容的には納得出来る部分もあり、多くのユーザーから「参考に為った」が点けられています。
読売新聞「弘中弁護士『寝耳に水』・・・ゴーン被告の出国『報道で知った』」に対する前田恒彦さんのオーサーコメント(19/12/31)
しかし乍ら、この元特捜部主任検事の前田恒彦さんには、この事件に付いて間接的に遠因があり、厚生労働省・村木厚子さんの冤罪事件では、前田恒彦さんが担当検事として証拠を捏造して争って居た処、その前田恒彦さんの証拠捏造を暴いて村木厚子さんの無罪を勝ち取った弁護人こそ、今回ゴーンさんの弁護人として「寝耳に水」発言をされた弘中惇一郎さんだった訳です。
飽くまで報道の通りであれば、ゴーンさんは海外逃亡するに当たり、弁護人である弘中さん等にその計画を打ち明けるメリット自体がゴーンさんに取って皆無であり、もしも、打ち明けた処で助けに為ら無いばかりか、弘中さんが弁護人を辞任する様な騒ぎに為ってしまえば、計画が露顕したり失敗に終わるリスクが高く為ってしまいます。
弘中さんとしても、この件においては忸怩(じくじ)たる思いでしょうし、遣り場の無い感情を抱いても可笑しく無い、同情すべき事案であったと思わざるを得ません。
本当に弁護人の言う通り「寝耳に水」だったのであれば「無罪請負人」や「刑事弁護界のレジェンド」と云った綺羅星の如き弁護団は、ゴーン氏から全く信頼されて居なかったと云う事に為ります。ゴーン氏は絶対に逃げないし、弁護団が責任を持って逃さ無いと大見得を切って居た訳で、完全にハシゴを外された形です。
常識で考えて、この様な事案で「信頼されて居なかった」と外部から判断出来る要素は、現段階では全くなく、仮に弁護人が十全な対策を取って居たのだとしても、富裕層の被告人が海外逃亡をする為の方法論は可成り選択肢が有る事も含め、弁護人に黙って本気で(後先考えずに)海外逃亡を企図しようとした為らば、これは弁護人が幾ら気を付けて居ても、又保釈者の監視を所轄警察署長が行って居たとしても、防ぎ切る事は難しかったのではないかと思います。
飽くまで依頼者の為に先ずは保釈を勝ち取る目的で「責任を持って逃さ無い」と大見得を切ったとしても、流石に因縁浅からぬ前田恒彦さんが、弘中惇一郎さんを本件で酷評するのは適切とは思えません。
もしも、本件の様な事件を論じられるのであれば、村木厚子さんの無罪判決において主任検事であった前田恒彦さんが、フロッピーディスクの証拠改竄を図り、それを弘中惇一郎さん等に暴かれた結果、前田恒彦さんは法曹資格を剥奪され、又、東京地検特捜部以下我が国の捜査機関の社会的信頼を地に堕とした事も又、知られて置くべきだと思います。
何れにせよ、本件ゴーンさんの事件に付いては、本人の海外逃亡の件はこれはこれで違法で卑怯なものであるとした上で、一方で、人質司法批判に対して適切に日本の裁判所・検察当局もあるべき処へ立ち返る必要はあるのでしょう。この問題の行く末も含めて、興味深く見守って行きたいと思います。
山本一郎 情報法制研究所 事務局次長 上席研究員 1973年東京都生まれ。一般財団法人情報法制研究所事務局次長・上席研究員、個人投資家・作家。慶應義塾大学法学部政治学科卒。ICT技術・サービス関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの投資、企画・制作に携わる一方、社会・通商政策全般の評価や高齢社会・少子化研究や幼少期教育、時事問題の状況調査を行う。専門は計量調査、技術評価。「ズレずに生き抜く(文藝春秋)」、「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。介護を手掛けながら、夫婦で四人兄妹と犬、猫を育てる。
kirik_news ichiro.yamamoto 以上
【管理人のひとこと】
ゴーン氏の海外逃亡・・・連日の様にトップニュースとして、TV・ラジオ・新聞・ネット上で賑わせ居てます。このニュースが、日本の司法の在り方を批判するゴーン被告の大きな怒りから出発している、と云う特殊な事情から起きて居る事です。単なる犯罪者が海外へ逃げた・・・のとは異なる、国家と他の国家間との軋轢迄引き起こす事態にも繋がるでしょう。
ゴーン被告の弁護には、日本の弁護士としては最高峰と呼ばれる弘中氏が引き受け「白に近いと信じる・・・」と言わしめた事件です。今までの検察や司法が慣例として行って来たそのものが、国際法に果たして準じて居たのかをも問われるのです。
そして、彼と彼の家族がどの様な手段で、日本の法の網を潜り抜けレバノン迄逃げ果(おう)せたのかの活劇的なミステリーも興味の元です。色々な新たな情報が次から次と発信されます・・・恐らく、世界的ニュースとして取り上げられて居るのでしょう。
日本は国際的批判に如何に対処出来るのか、果たして日本の司法・裁判の遣り方が理解を得られるか、この事件の真贋を経済事件として問えるのかが、今後益々問われて行くのです。
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北朝鮮は第3次世界大戦のトリガーに為り得る?
北朝鮮は第3次世界大戦のトリガーに為り得る?
〜プレジデントオンライン 1/2(木) 11:15配信〜
朝鮮労働党中央軍事委員会 第7期第3回拡大会議を指導する金正恩党委員長 日時・場所は不明 朝鮮中央通信が2019年12月22日報じた 写真・朝鮮通信 時事通信フォト
〜第3次世界大戦が起きる可能性は有るのか。「ヨーロッパ最高の知性」と称されるジャック・アタリ氏が、産官学の各界が連携する「日本アカデメイア」主催のシンポジウム「東京会議」出席の為に来日した。
4時間に及ぶシンポジウムの中でアタリ氏は「2020年の最大の問題は北朝鮮だ」と明言した。「知の巨人」の分析をダイジェストでお届けする〜(第2回/全5回)
ヨーロッパ最高の知性と称されるジャック・アタリ氏
トランプ大統領が金正恩氏と会ったのは恥ずべきこと
・・・米国が凋落し、中国も覇権を奪え無いと云う極めて不安定な世界を予見するアタリ氏。第3次世界大戦の可能性に付いて語り始める時、真っ先にカギを握る国として北朝鮮の名を上げた。
第3次世界大戦を避けられるか。それは出来ると思います。しかし「回避は可能である」と思わ無ければ、避ける事は出来ません。2020年の最大の問題は北朝鮮です。
今、北朝鮮の脅威に付いて十分に議論されて居ないと思います。ミサイルや核兵器の開発を許し、北朝鮮がミニチュア化されたミサイルや核兵器を造るのであれば、イランも同じ事をするでしょう。どの国も同じ事をするでしょう。韓国や日本もそう云う事をしたいと思うかも知れません。
そう為れば、これは核不拡散レジームの終焉(しゅうえん)と為ります。第1次世界大戦の時はロシアとポーランドが対立し、そして他の国も幾つか入って、色々なバカ気た偶発的な事で戦争が起こりました。ですから、この様なローカルな問題を発生させては為りません。
トランプ大統領が彼(金正恩朝鮮労働党委員長)と会ったのは恥ずべき事だったと思います。イギリスのチェンバレン首相とフランスのダラディエ首相が、ヒトラー総統と会ったのと同じ位、恥ずべき事だった。1938年、ミュンヘンで行われたこの会談が、戦争へのプロセスを加速化したと言わ無ければいけません。手遅れに為る前に何かをし無ければいけ無いと思います。
アメリカは外に敵を作る事で発展して来た
・・・北朝鮮の危機が手遅れに為る前に手を打つにはどうしたら好いか。しかし、米国・中国の2大国は、その危機に対応出来ないと予測する。
アメリカはグローバル戦争勃発のリスクを晒しています。そして、アメリカがその予防策を講じることも少なく為って居ます。アメリカの孤立主義のスタートを切ったのはトランプ氏ではありません。オバマ大統領です。
アメリカは長い間、敵が居ないと国内を整える事が出来なかった。敵が居る事で巨大な軍事費用を出す事が出来たのです。アメリカは色々な敵のバランスを取って来ました。インディアンだけでは無くて、後に為って、色々な敵が出て来ました。
しかしソ連が崩壊すると、アメリカはどうして好いか分から無くなりました。ロシアは旧ソ連だから敵なのか、どの国は敵なのかと云う事に為りました。処が、そこにテロリズムが敵として出て来ました。そこでアメリカはテロリストを代理敵として戦争に行く事に為りました。
しかしながら、その後、それだけでは十分で無いから別の敵が必要であると分かりました。ですから、大統領の政権毎に新しい敵を考えました。それが中国なのか未だ最終決定は出て居ません。中国の方がロシアよりも敵なのか決められて居ません。
中国には未だ戦争する余裕が無い
・・・世界の紛争に対応出来なく為って来たアメリカ、一方、中国はどうなのか。
中国はアメリカの敵で有り続けるかどうか。私は、1972年、物凄く若い教授の時、初めて中国に行きました。それだけ中国を知って居る人間の積りです。
その立場で言うと、中国は自分達が敵として思われたく無いのです。彼等は非常に賢い人達であり、自分達が脆弱(ぜいじゃく)だと云う事は分かって居ます。人口動態的にもお金持ちに為る前に高齢化のリスクがあると云う事を知っています。そして、未だ発展途上の部分もあります。
日本はリッチに為ってから高齢化しました。フランスも同じです。アフリカはどうでしょう。未だ全然、お金持ちには為って居ません。中国はリッチに為る前に高齢化したく無いのです。ですから、彼等はこれから戦争等出来る訳がありません。お金持ちに為ってから初めて、それが出来ると云う事です。
それ以外にも困難性は沢山あります。水、インフラ、公害、人権など、色々あります。中国はその真っ只中にあります。ですから、中国は色々な処に出て行く余裕が無いのです。
しかしながら、国内的にアメリカ社会が敵を必要として居ると云う事を認識し無ければ為りません。ヨーロッパはこれ迄の悲劇を分かって居るので、自分のアイデンティティーを考えるべきであって、敵を考えるべきでは無いと云う事を知りました。
友人によって、我々のアイデンティティーは決まるのであり、敵によって決まるのでは無いと云う事を知りました。個人的な生活においてもそうだと思います。敵があることによって自分が決まるのでは無くて、友人の存在で自分が決まるのです。
「ヨーロッパに移民の津波がある」と云うのはウソだ
・・・アタリ氏はポピュリズムに付いて語り始める。世界で同時多発的に台頭するポピュリズムによって世界の混乱が更に広がると云う見方が多い。欧米での反移民の動きやイギリスの欧州連合(EU)離脱も、ポピュリズムが蔓延する影響を受けたものだと云う分析もある。しかし、アタリ氏は冷静な対処を呼び掛ける。
ポピュリズムの台頭は、我々を何処に連れて行くのでしょうか。本当に撹乱(かくらん)するのだろうか。ヨーロッパにポピュリストが存在する事は否定出来ません。イギリスやハンガリーも然(しか)り。各地でポピュリスト的なリーダーが生まれて居ます。イギリスはEUからの離脱を決めました。
しかし、一方でEU加盟諸国に取って、離脱のコストはドンドン高く為って居ます。欧州の中で10カ国程のEUの非加盟国がドアを叩いて「入りたい」と希望して居ます。詰まり、EUは人気があって、現在、ポピュリストがリスクに為る事は無いと思います。
勿論、妄想の様な事はあります。例えば移民の問題。私の国・フランスの人口は7000万人で、本年度、フランスで公式に発表された移民の数は7万3000人です。詰まり移民はフランス人口の1000人に1人に過ぎません。移民が大変な数に為って居ると云うのはファンタジーに過ぎず、ヨーロッパに移民の津波があると云うのは全く事実ではありません。今はリスクは無いと申し上げたいと思います。
ジャック・アタリ(Jacques Attali) 経済学者 1943年アルジェリア生まれ フランス国立行政学院(ENA)卒業 フランス・ミッテラン仏大統領特別補佐官 欧州復興開発銀行の初代総裁などを歴任 ソ連の崩壊・金融危機・テロの脅威・トランプ米大統領の誕生等を的中させた 『2030年 ジャック・アタリの未来予測』(プレジデント社)など著書多数。
経済学者 ジャック・アタリ 構成 プレジデントオンライン編集部 以上
【関連1】10年後、世界の指導役は国家からGAFAに変わる 中国は「第2のアメリカ」に為ら無い
〜PRESIDENT Online ジャック・アタリ〜
〜世界は何処に向かうのか。米国と中国の2大国は破滅的な衝突を回避出来るのか。気候変動、人口問題、海洋汚染、核拡散などの地球規模の危機に世界はどう立ち向かえば好いのか。「ヨーロッパ最高の知性」と称されるジャック・アタリ氏が、産官学の各界が連携する「日本アカデメイア」主催のシンポジウム「東京会議」出席の為に来日した。「知の巨人」が語った地球の未来に向けての処方箋とは(第1回/全5回)〜
中国は5000年の歴史の中で常に「内憂」を抱えていた
・・・12月12日、東京・六本木のグランドハイアット東京で開かれた「東京会議」冒頭、アタリ氏は、混沌とした世界の未来を予見する為には、先ず過去を知る事が必要だと力説した。
我々が今後何処に行くのかを知る為には、これまで何処に居たのかを知る事が大事です。今、世界は混沌としています。地政学、環境、人口動態、イデオロギーと云った様々な危険な問題がありますが、これらは突然現れた訳では無く、カオスには原因があり過去がある。カオスは、立場によって見え方が違います。ですから、問題を見る時には我々がどう云う立ち位置に有るかを知る必要がある。
ヨーロッパに取って関心の深いことが必ずしも日本に取ってはそうで無いと云う事もあります。その一方で、グローバルな問題もあります。現時点の状況を長期的なトレンドで考える為に経済的・地政学的な歴史を振り返ってみたいと思います。
これ迄世界は、常にリーダーが支配して居ました。中国は5000年の歴史を持ちますが、統一された中国帝国で在ったと云う訳ではありません。戦いや内戦を経て様々な困難や脆弱脆弱性を抱えて来ました。これ迄の中国は、西の文明が考える様なものではありませんでした。中国は常に内向きであり、様々な理由から文化的イデオロギーがありました。
アメリカも中国も巨大だが、脆(もろ)さがある
中国もアメリカも今は巨大な国ですが、それは「脆(もろ)い巨人」です。アメリカは酷い脆弱性を抱えています。中国も矢張りそうです。中国共産党が永遠に支配するとは思えませんし、中国の不均衡な成長が社会に及ぼす大きな影響や内乱が発生する可能性も排除出来ません。
今、豚コレラが流行っていますが、これも中国に取って重要な危機の引き金に為るかも知れません。安定して居るもの等何も無く、且つ、永遠なものもありません。世界は12世紀以来、多くの異なる社会によって支配されて来ました。世界には様々な中心地がありました。ベニスの様な地中海都市もありました。アムステルダム、ブルージュ、アントワープ・・・大西洋側にはロンドンがあります。それから太平洋に移り、カリフォルニアから、今ではアジアにその中心地がシフトしました。
最終的な覇権は、争いの外に居る第三者が捕る
我々が忘れては為らないのは、中心地に取って代わる者が沢山あると云う事です。それはテクノロジー、新しいリーダーを引き付ける様なもの、財力、発明、自由、冒険をする能力等、様々あります。リーダーがリーダーたる為には他者と競争する必要があります。
必ず誰かが新しいリーダーに為ろうとします。誰かがライバルの攻撃を受けると、常にライバルが負け、第三者が勝つのです。
例えばオランダが世界一の大国であった時代は、オランダが世界を支配し、日本まで遣って来て範囲を拡大しました。その当時のライバルはフランスでした。しかしフランスは敗退しました。結局、何処が勝ったかと云うと、オランダでは無くてイギリスでした。
また、20世紀初頭にドイツがイギリスに戦いを仕掛けて英独が戦いましたが、勝者はドイツでは無くてアメリカでした。そこから将来を占ってみれば、リーダー同士の戦いで潜在能力の有るリーダーと云うのは最初に戦うリーダーでは無くて、何処か別の所から現れると云う法則を見い出すことが出来ます。
トランプ大統領で無くても下落して行く
・・・アタリ氏は過去の歴史から、2つのライバルが争うと、第三者が「漁夫の利」を得る、と云う法則を見い出す。そして、その歴史の法則から米中の近未来の予測を始める。
新しい別の中心地が出て来るかも知れません。中心地が地中海⇒北海⇒大西洋⇒太平洋の西側に繋がって、引き続いて行き⇒中国が新しいリーダーだと言う人が沢山います。私はこの先の段階は次の様に為ると思います。
先ず長期に渉って米国が凋落(ちょうらく)して、その支配が弱まります。10年、20年以上掛かるかも知れませんが、緩やかに下落して行くでしょう。誰がアメリカの大統領に為るかは関係ありません。アメリカ国民の生命を犠牲にして迄他国民の自由を守ると云う事はしない。アメリカが焦点を当てるのは自国内の問題だけです。最早普遍的な国家ではありません。これは事実です。
中国が「第2のアメリカ」に為れ無い理由
それでは、次にその立場に取って代わるのは何処でしょうか。今後、多くの国がアメリカに取って代わろうとするでしょう。私の考えでは、何処も成功しないと思います。アメリカの後釜には為れ無いでしょう。ヨーロッパは後継者に為れると思いますが、統一されて居ません。
中国はどうでしょう。私の考えでは、中国はアメリカの後継者には為れません。何故なら、前にも言ったように中国はこれ迄の歴史において内側にのみ目を向けて居て、文化、言語、生活水準、生活様式を他の所に拡大しようとしませんでした。
中国は強力な大国に為ると思います。日本を含めて支配するかも知れませんが、世界の覇権は握れ無いと思います。
何処も大国に為れず、国家の代わりに企業がリーダーに為る
私の視点では、この先の10年は大マカに言って幾つかの段階を経て行くと思います。
1つ目は、アメリカ帝国が凋落し、それと共に、酷い出来事が沢山起こり得る。
2つ目は、国家間が戦ってアメリカの後釜に為ろうとするでしょう。色々なライバルが出て来るでしょうけれども、1国が勝利する事は無い。
3つ目の段階では国民国家が市場によって凌駕(りょうが)され、国による戦いでは無くて企業による戦いが起き、国家に対して権力を得ようとします。
これは今、GAFAや中国企業等を見れば分かる様に、企業間の戦いで権力を握ろうとして居ます。Facebookの新しい通貨や国民の生活の監視、新しい軍隊の創設と云った事に国家が反応し無ければ、国家はリーダーの役目を企業に取って代わられるでしょう。
私はアメリカがナンバーワンを続けることは出来ないと思います。中国もナンバーワンには為れません。しかし、企業がナンバーワンに為る事は大いに有り得る。
これからは世界レベルの紛争が待っている
ですから、我々は今、非常に危険な地帯に足を踏み入れています。何処が大国に為るかでは無く、何処も大国に為れ無いと云う事なのです。それによって様々な矛盾が生じて来ます。
インフラ、気候変動、環境、貧富の格差と云った長期的な問題に誰も関心を持た無く為り、色々な問題があるのに、そう云う事を遣って呉れる人が居ないと云う事に為るのです。それによって世界的な紛争が多発するでしょう。これが私の言う4つ目の段階です。世界レベルでの紛争が我々を待って居ると思います。
我々は予見する事は出来ません。例えば先の第1次・第2次世界大戦の勃発は予見出来ませんでした。第1次世界大戦が起こる前にも世界的な機関を作ろうと云う動きがありましたが、結局は出来ませんでした。第2次世界大戦が始まる前から国連の必要性が言われて居たにも関わらず、これも出来ませんでした。
それと同じ様に、国家が支配するのでは無くて、新しいチャレンジをして呉れる世界的な機関を作らなければいけ無いと云う事は誰もが考えますが、結局は世界的な戦争があった後に出来るのです。
新しい問題に取り組む為には、本当にグローバルな組織が必要です。環境問題、技術のコントロール、遺伝子技術、それから人工知能(AI)が支配力を持って人類を変えてしまうかも知れません。技術をコントロールする事は必要で、それによって自然破壊を防ぐ事が出来ます。
環境問題や気候変動と云うのはこの危険な問題の極一部でしか無い小さな問題です。例えば生命も新技術も全てが人工的に為るかも知れません。その様な問題を考え無ければいけません。その為には世界的な組織が必要なのです。
欧州が挑戦した新たな大陸秩序が求められる
・・・今後起き得る危機に対応する為には新たな国際的な機関が必要だと訴えるアタリ氏。しかし、過去の歴史では国際連合等の機関は戦争と云う破局の代償として作られたことが多い。戦争を回避しながら危機を回避する先例はあるのだろうか。
過つて、或る1国がリーダーとして存在した事で国際秩序が有った時代もありました。或る1国がリーダーと為って国際システムを作りました。16世紀でも18世紀でも、征服者と為った所が国際システムを作りました。それは先の第1次、第2次世界大戦でも同じかも知れません。
今は新しい世界的な組織が必要ですが、リーダーが居ません。これはボトムアップと云う事でも無いのです。ボトムアップで世界組織を作るのは難しい事です。その例は2つしかありません。
1つはスイスです。スイスはボトムアップで作られましたが、それには4世紀掛かりました。今の我々には4世紀もの時間の余裕はありません。
もう1つの例は、ヨーロッパ諸国が作ろうとした新しい大陸秩序です。これもボトムアップです。しかし、それは非常に難しかったのです。これが成功すれば、世界にとっても良い事です。我々はヨーロッパが遣ろうとした難しい事を世界レベルで遣らなければいけ無いのです。
以上
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安倍首相の有終の美 田中秀征・元経済企画庁長官
安倍首相の有終の美 田中秀征・元経済企画庁長官
〜毎日新聞 Timeline 2019年12月31日〜
田中秀征氏 宮武祐希撮影
首相在任記録では前人未到の境地に入っている安倍晋三首相だが、本人としては勿論それだけではもの足り無いだろう。又、我々同時代人もこのママでは肩身の狭い思いをしかねない。出来れば、吉田茂(講和)、岸信介(日米安保)、佐藤栄作(沖縄返還)、田中角栄(日中国交回復)の様な大宰相と同様の際だった歴史的業績が欲しい処だ。
安倍首相は自分の歴史的使命を憲法改正、北方領土返還、拉致問題の解決等に置いて来た様だが、何れも一筋縄ではいか無い難題だ。それに、先人の歴史的業績は、偶々時勢・・・即ち時代の要請として機が熟して居たものが殆どだから、特に安倍首相自身の責任を問われるものでは無い。
首相の(自民党総裁としての)残りの任期は2年弱。この間に東京五輪・パラリンピックもある。常識的に見て、この間に大風呂敷を広げるのは賢明では無い。大事業への中途半端な取り組みを始めるより、後始末をし無ければ為ら無い仕事をキチンと片付けるのが肝心だ。それが首相としての歴史的評価を高めることにも繋がる。 私が仕上げの仕事として首相に期待して居るのは主として次の4点である。
(1) 集団的自衛権の行使を容認した閣議決定を過半数の反対世論に従って撤回する事。もし撤回し無いなら堂々と憲法の改正手続きを経る事。国民が納得して居ない新安保法制は、危機に際して国民的協力を得られず有効に機能しない恐れがある。
(2) 北方領土問題に付いて、国内、ロシア、国際社会には、我が国が2島返還論に転じたかの様な誤解が生まれている。これを早期に払拭(ふっしょく)し無ければ後に続く政権の動きがその誤解に制約される。
(3) 8年目に入るアベノミクスを厳しく検証し、その展望を明らかにすること。異次元緩和によって日銀は巨大なリスクを背負い込んだが、物価が上がる・消費が活発になる・貸し出しが増える等の目指した政策目標は殆ど裏目に出ている。果たして鳴り物入りで深入りする必要があったのか。
(4) 安倍首相は先頭に立って政治の信頼回復に全力を尽くして欲しい。
12月13日、首相は最近の国会に付いて「一昨年と昨年はモリカケ問題。今年の春は統計問題、この秋は桜を見る会」等「政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれている」と政治不信を軽視する様な講演をした。
過つて石橋湛山首相は、病に倒れると周囲(野党まで)が止めるのを振り切って、首相就任僅か2カ月で退陣した。その潔い出処進退は政治への信頼を高め、今もって歴史に深く刻まれている。 「信無くば立たず」と言う様に、政治に取っては信頼が全てに優先する課題だ。
首相は求められている説明責任を徹底して果たすこと。近年、タガが外れた感がある公文書問題に厳しくメスを入れること。そして、大学入学共通テスト問題、かんぽ生命保険の不正販売問題などを巡って、政、官、民が癒着を深め相互の領域を侵食しつつある現状に断固として立ち膚かってほしい。 そもそも、行政の改革、公務員制度の改革は、第1次内閣以来、安倍首相の最大の公約であった筈だ。 その初心に戻る事こそ有終の美を飾る道なのかも知れない。
以上
【管理人のひとこと】
安倍氏が目指した各種スローガン・政策は悉く腰砕けに終わった。何一つとして成果として評価出来るものは・・・悲しくても上げられ無いのが現状だ。失敗した思い・政策の反省も無く、次々と新たな威勢の好いスローガンの上書きを繰り返す内に、本人自身が訳も分から無く為り、全てが破綻してしまった訳だ。
童話「裸の王様」に有る様に、廻りがイエスマンだらけで「現実」を物語る正直な人が居なかったのか遠ざけたのか・・・人を大切にし可愛がる「人情のアベ」を演ずる内に、明恵夫人や刎頸の友の為に官僚を交えた失策を犯し「関係有ったら首相も国会議員も辞める!」啖呵を切ったお陰で、官僚に「嘘と公文書偽造」まで犯させて平然と居る有様は、最早「死人」同様だ。
多くの国民の無関心・意思表示を躊躇う国民性がもたらした悲劇なのかも知れない。香港や韓国の国民だったら、この様な政権打倒に多くの国民が非難と批判の為の大規模な国民運動・デモが起きて当たり前なのだが、日本では目出度く「令和2年」を祝っている。多くの自民党OBが安倍氏に苦言を呈している。現役の議員は何を思い正月を祝って居るのだろうか。
石破氏は安倍首相に「辞めろ」と言え 亀井静香・元建設相
石破氏は安倍首相に「辞めろ」と言え 亀井静香・元建設相
〜毎日新聞 Timeline 2020年1月1日 〜
亀井静香・元建設相
安倍政権は長過ぎる
安倍政権は長過ぎる。牛のヨダレみたいにダラダラ遣ってもしょうが無い。中国の習近平国家主席を国賓で迎えようとして居るが、習主席は香港で民主化運動に圧力を掛けている。新疆ウイグル自治区では少数民族ウイグル族等イスラム教徒を弾圧して居る。
過つて玄洋社の頭山満は中国の民主化の為に孫文を支援した。その伝統のある日本が何故民主化運動を弾圧する主席を国賓として迎え無ければ為ら無いのか。どうかして居る。
石破氏はもっと頑張れ
自民党もダラシガ無い。私が安倍晋三首相に「誰も辞めろと言って来ないと云うのも困るだろう」と言ったら、首相自身も「そうナンです」と言って居た。
石破茂元自民党幹事長には「首相に『辞めろ、俺が代わって遣る』と言え」と言ったら「後に付いて来る人間がどれくらい居るか判ら無い」と云う様な事を言うので「信長はそんな計算をして駆け出した訳じゃない。単騎で突っ込んで行ったんだ」と言って遣った。 皆が一緒に遣るなら遣る、そんな事ではどうにも為ら無い。
終わりは難しい
安倍首相は自分の首を取りに来る様な奴を養成し無かった。だから、辞めたくても辞められ無く為って居る。「未だ遣らないといけ無いのか」と思いながら続けて居るのだろう。物事は終わりが難しい。私も政治家を辞めるのは難しかった。
後継指名と云うのは有り得ない。日本は独裁国家じゃ無い。国民が選ぶ。過つて中曽根(康弘元首相)さんが竹下(登元首相)さんか安倍(晋太郎元外相)を後継指名すると言った事があるが、実際にはそんなものでは無い。自分の力で勝ち取ったんだ。
上下が分離した日本
今の日本は「上下分離」運動が起きて居る。富がドンドン、片方に分かれて行っている。大企業に法人税を掛ければ好いのに、大衆課税である消費税の税率を上げて居る。取り方を間違えて居る。企業の内部留保は過去最高に為り、400兆円を突破して居る。遊んで居る金だ。勿体無い。そこから取れば好い。 そして東京一極集中で、地方はガラガラ。私の生家の周りも建物ばかりが残って人は住んで居ない。
今の政治は強者の為の政治に為って居る。そして弱者も昔の様な絶対的窮乏の線上に居る訳でも無い。だから上に挙がろうと云うエネルギーも起き無い。デモも無い。だから日本全体が沈んで居る。
物事は全て表と裏がある、裏が確りして居ないと表は輝か無い。表が光って居るだけではダメなんだ。プラスチックとセメントの臭いばかりじゃ、日本はダメだ。もっと土の匂いがしないと。
以上
【管理人のひとこと】
亀井静香氏が何を云うかと思ったら、至極当たり前の事を当たり前の様に話している。何処にも可笑しな事や突飛な言葉も無い。誰でもが思う当たり前の事だ。それが、現状の異常さを物語っている。現状は、当たり前の事が当たり前に通ら無い。何処かで可笑しなことが強い力で押し通っているのだ。
一番の原因は、NHKを初めとするメディア、特に一般大衆を相手にする膨大な情報を握る情報メディアが機能を為さ無く、それを大衆が放置して無関心を装う。一番に影響を受ける大衆が一番に鈍感で、無関心なのに為政者がそれを好い事として、好き放題に政策を弄ぶ。
何度も異常な事態が起きてもその無関心さは変わらず、国政・地方選挙の際には好くて半分・悪くて30%程度の投票率で推移する。為政者は全有権者のホンの10〜25%の支持で権力を自由に行使出来る。それで通って権力を行使する人もだが、有権者が一番悪い。自分の権利も行使せず放置してしまう結果に繋がるからだ。
皆さんはどう感じますか?コメントをお寄せください。投稿フォームはこちら 投稿フームへ
ヒートアップする「愛子天皇待望論」 何故、今逞しい女性リーダーが求められるのか?
ヒートアップする「愛子天皇待望論」 何故 今逞しい女性リーダーが求められるのか?
〜〈AERA〉AERA dot. 1/1(水) 8:00配信〜
18歳を迎えた愛子さまは、即位に伴う一連の儀式に深い関心を寄せて居たと云う 11月25日 赤坂御所で(写真 宮内庁提供)
文 コラムニスト 矢部万紀子氏
〜芦田愛菜さんを日本初の女性首相・愛子さまを女性初の天皇として描いた現代ファンタジー小説「AAゴールデンエイジ」KADOKAWAと「はてな」が運営する小説投稿サイト「カクヨム」で公開され、SNSを中心に話題に為った。日本国民が今「逞しい女性リーダー」を求める背景を読み解く〜
令和に入り「愛子天皇待望論」が盛り上がっている。朝日新聞社が19年4月に発表した全国世論調査では76%が「女性も天皇に為れる様にした方が好い」と答えて居たが、10月に共同通信社が発表した世論調査では「女性天皇を認める事に賛成」が81.9%。前述の女性セブンの記事には「皇室ジャーナリスト」のこんな発言も紹介されて居る。
<女性天皇容認の機運が高まる背景には、愛子さまの自然な笑顔や気品のある立ち居振る舞いが影響して居る事は間違い無い>
確かに2019年の夏、栃木・那須での静養前に報道陣の前に現れた愛子さまは落ち着いていて愛らしく、今時の女子高生とはマルで違った。その様子は、令和に為ってからの雅子さまと大いに重なった。初の国賓・トランプ大統領夫妻を前にした雅子さまは、落ち着き払い優しさが溢れて居た。
だからだろうか「愛子天皇待望論」はヒートアップする一方だ。そこでの愛子さまは「人望があり、英語が得意で運動神経抜群で、チェロの腕前は音大進学を狙えるレベル」少し燥(はしゃ)ぎ過ぎとも思える程だ。
慶應中等部に通う芦田さんが国民祭典で堂々とお祝いを述べるのを見れば、将来首相に為っても可笑しく無いと思う。愛子さまへの期待もそれと同じで、楽しい夢想と云う処だろう。そう思う一方で、それだけでは済ま無い切実さがある様にも感じ、それは何処から来るのだろうと思って居た。
12月17日、日本のジェンダーギャップが明らかに為った。世界経済フォーラムの2019年の報告書で、世界121位だった。主要7カ国で最下位は定位置だが、過去最低順位を更新したそうだ。又IMF統計によると、日本の2018年の1人当たり名目GDPは前年より一つ下げて26位。
「最早先進国では無い」と云う議論を屡々目にする。二つの数字を重ねると「男に任せて居る内に、どんどんダメに為った日本」と為る。
「AAゴールデンエイジ」を読み、これ等の数字を見る。だから愛子さまに期待が集まるのだなと思う。男性は宛に為ら無い。女性なら救って呉れるかも知れない。行き詰まった日本にあって、そう考える人が増えても不思議では無い。若い世代に目を遣れば、日本には愛子さまが居るではないか。そんな気持ちが「愛子天皇待望論」を切実なものにして居るのではないだろうか。
「AAゴールデンエイジ」の芦田首相は英語・アラブ語・ペルシャ語・トルコ語を駆使する。「混沌(こんとん)」を明快な言葉で解き解し、落とし処を探り当て、キーパーソンへ働き掛ける。そして愛子帝は徹頭徹尾「肝の据わった人」だ。内親王時代、皇室会議で首相から「貴女が皇位を継承する可能性に着いて、どう思われるか」と聞かれ「その様に為れば、そう致します」とサラリと答える。
「AAゴールデンエイジ」と「愛子天皇待望論」は、今の日本に足り無いものを示して居る。それは「解」を持つ「肝の据わった人」愛子さまは優秀な母を持ち、生まれた時から父である陛下(59)の基で帝王学を学んで居る。愛子さまへの視線の熱さは不足の深刻さの裏返しだ。
現実を見れば、楽観はとても出来ない。主たる支持者ばかりを意識し、安定的な皇位継承と云う問題に一向に手を付け無い安倍政権。「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の付帯決議で指摘された「女性宮家」の検討さえ先延ばしにして居る。そして現実の皇室には、皇嗣である秋篠宮家で皇位継承順位2位の悠仁さま(13)が育って居る複雑さ。「愛子天皇待望論」だけでは「解」に為ら無い。
令和に為り愛子さまは、ご両親が臨んだ代替わりの儀式を熱心に見たと云う。18歳の少女に「解」を求める日本の重苦しさ。愛子さまが「愛子帝」の様に逞しい人であると好いのだけれど。僭越(せんえつ)ながら、そんな事を思っている。
コラムニスト 矢部万紀子 ※AERA 2019年12月30日−2020年1月6日合併号より抜粋 以上
【管理人のひとこと】
丁度、今朝のラジオニュースで「政府は、皇室問題・・・安定した天皇位継承問題・宮家の減少問題等の議論を、先の立太子(次の天皇と為る人・秋篠宮文仁親王 )発表式後に、現在の基準を継承するのを原則として、国会で活発な議論をして行きたい・・・」と聞いた。
飽く迄も現在の法律を守る事を原則とした、今後の「皇室の安定」を至上命題として居る。詰まり、前回の平成天皇退位も「法律を超えた異例の特例」とする様な場当たり主義を今後も改めない。将来の事等は鼻から頭に無くその場を凌ぐだけの小手先の議論で済ませようとの腹だ。
本来であれば、現在の皇室問題に関する一切の法律やその他の基準を、この機会に広く国民の意見を取り入れた抜本的改革・・・皇室の安定を目的とした・・・をしようと呼び掛けるのが政治の命題の筈である。その中には、女性・女系天皇・女性宮家の話も含まれる。次の天皇は娘の愛子さま・・・これが我が国も世界も待ち受ける超自然なものであり、それを妨げるのは何なのか・・・そこに徒な思いが混じっては為らない。確かに一部の学者から「天皇とは、心身を投げ打った過酷な職責がある。女性に継がせるのは忍びない」との言葉も有るが、それは本人が辞退した時に改めて考えれば好いのであって「原則ダメ」としては為ら無い筈だ。
【三浦瑠麗の2020年予測】在韓米軍の一部撤収は脅しではない 日本が直面する国際環境を考える
【三浦瑠麗の2020年予測】在韓米軍の一部撤収は脅しでは無い
日本が直面する国際環境を考える
〜FNN.jpプライムオンライン 1/1(水) 11:31配信〜
三浦瑠麗氏
〜2020年は日本に取ってはオリンピックイヤーだ。世界各国から観光客が押し寄せ、国際的な体験をする人も増えるだろう。祝祭感の溢れる夏を過ごした跡に直面するであろう内外の情勢を展望したい〜
「大統領化」する日本の首相
安倍政権は憲政史上最長の政権となった。夏が終われば、そろそろ終わりを見据えて総裁選と選挙の日程が取りざたされることになるだろう。
第二次以降の安倍政権下では、6回にわたる国政選挙で安定的に勝利を重ねてきた。当選回数4回以下の衆議院議員は、自民党に逆風が吹く厳しい選挙を知らない。次なる総裁のもとで、同じような安定的な戦いができるかどうかは未知数だ。
日本の首相が次第に「大統領化」しつつあるという指摘はこれまでにもあった。今後、ますますその機運が高まるのではないか。なぜなら、日本および新総理が直面する国際環境は、派閥政治の安定の上にさらに総理の強力なリーダーシップがなければ持たないような試練を孕んでいるからだ。
振り返れば、自民党が危機に直面したのはいずれも改革保守勢力・・・既得権打破を標榜するが、安全保障リアリストであり経済成長重視の勢力と対峙した時であった。
2017年衆院選では準備のできていなかった希望の党が惨敗したが、世論調査上自民党が大きく減らすのではないかと考えられた数日間もあった。自民党は長期安定政権においてすら、敵失によって利益を得てきた部分がある。
2019年の各党の参院の選挙戦が象徴するように、日本においても徐々に経済的・社会的な分断が意識されるようになってきている。将来、トランプ型・サンダース型の左右両極のポピュリズムが到来しないとも限らない。強すぎる総理の存在故に目立たない日本の保守政治の脆弱性が、次の総理総裁の基で一気に噴き出る可能性はある。日本に取って、2020年は自民党総裁候補を吟味する重要な年と為るだろう。
東アジアの安全保障環境が悪化し日韓関係が冷え込む中で、日本では今後も安保現実路線の民意が確実に多数を占めるであろうことが見込まれるが、実務的な検討が十分に行われているとは言い難い。憲法改正と日米安保強化という象徴的なお題以外の実務的な変革は通り易く為って居る一方で、不確実性を前にどういったリスク回避・分散行動をとるべきかは国民的議論になっていないからだ。そこで、以下では日本が2020年に直面する国際環境を考えて置くことにしたい。
国内政治に囚われて 大局観を見失い勝ちな世界各国の首脳たち
2020年は「待ち」の時代
2020年は米大統領選の年であり、接戦が予想されるなかで米国の内政だけで無く外交も停滞することが予測される。世界中が固唾を呑んで、左右両極どちらが勝つのかを見極める為「待ち」の姿勢に入ると云う事だ。
その一方で、米国では選挙目当ての短期的な利益を目指す動きは活発化するので、引き続き同盟国に対する負担増要求も激しく展開されることが予想できる。その風圧に耐えながら、各国はリスク回避と関係の多角化を目指す事に為るだろう。
「待ち」の時代と云うのは、米国が絡む国際的な合意や交渉が停滞し勝ちな時代と云う事であって、各国が生存の為の自助努力を怠ると云う意味では無い。
2019年を振り返っても、様々な動きが各国に生じていた。米・イランの対立が激化するなかで、イランは国力を削がれツツも、直接の責任を問われ難いグレーゾーンの軍事攻撃を多数行っていると見られる。米国が中東における全体的なプレゼンスを減らした事で存在感を増しているトルコは、シリア国境を超えて独自の軍事作戦を展開した。国境線沿いのクルド人軍事組織を掃討しツツ、360万人にまで達したトルコ国内のシリア難民の一部帰還を目指そうとする動きだ。
シリア難民
米国との同盟関係が多国間同盟であるNATOに支えられていると云う安心感もあるのだろうが、米国に依存し切った日本とは異なり、中東の盟主としての存在感を引き受け、米国の引いた穴を埋めることに関して、彼らに躊躇いは無い。ネタニヤフ首相がトランプ大統領との蜜月を享受して来たイスラエルでも、米国に梯子を外される懸念がしばらく前から盛んに議論されている。
イスラエル ネタニヤフ首相
欧州は、先般の英国総選挙の結果を受けて、存在感の維持を図る為の安全保障・経済上の努力に拍車をかけている。マクロン仏大統領が防衛努力の向上に度々言及するのも、米国による圧力に加えて、欧州の発言力を維持する為の方策としての色彩が濃い。
一方で、欧州は中国との関係強化にも積極的だ。米中貿易が停滞する一方で、中国と欧州主要国の貿易は順調に増加している。
中国は、米中貿易戦争が休戦モードの膠着状態のなかで粛々と米国依存脱却戦略を進めている。中国経済は2019年も6%成長を維持しており、米中貿易戦争の目的が中国経済を減速させることにあったのだとしたら、その目的は完全には達することができていない。むしろ、米国の圧力に危機意識を強めた中国は、自らの影響下にある経済圏の拡大をはかり、力を入れている。
中国の未来マップ
軍事的には、南シナ海は係争国であるベトナムとフィリピン自身が態度を変えており、最早中国優位に決着がついたと言っても良い状況だ。
中国はパキスタンを取り込んでおり、海路への出口を確保している。日本がインド太平洋戦略で重視してきたインドも、中国による影響力拡大に神経を尖らせているが、だからといって米国に頼ったり西側陣営の傘下に入る様なメンタリティを持つ国では無い。
東南アジア諸国は、マレーシアの超高齢の指導者マハティール首相を除いて、目の前の実利重視だ。日本が中国を念頭に関係強化を目指す国は、豪州を除いて何れも一筋縄ではいか無い独自路線と実利主義を追求しているのだ。
米国の政治外交が停滞して居る間に、同盟国も敵対国も含めて、米国依存からの脱却を目指す動きが活発に為って居る。
北東アジアの時代錯誤
そうした中で、北東アジアの情勢はその他の地域情勢と交差しない独自性を醸し出している。一言で言えば、米国の同盟国である日韓両国が時代錯誤的な認識に終始して居るからである。
現在、北朝鮮危機は収束し無いままに放置されている。北朝鮮との交渉は膠着状態にあり、米国は何時ものパターンで交渉が座礁すると反って関心を低下させる負のスパイラルに入っている。トランプ大統領は短期的な視野でのグランド・バーゲンを好む傾向にあるが、北朝鮮に核を放棄させると云うのは歴史上とても可能とは思われ無い難事であり、解決が近いとも思え無い。
韓国は2019年にはGSOMIA破棄を巡って日米と激しく応酬したが、交渉の過程では在韓米軍駐留経費5倍増の要求や、在韓米軍4000人撤収の脅しを突き付けられた。北朝鮮に接近し、西側陣営としての大局観を見誤っている韓国に対し、米国は苛立ちを隠さないが、トランプ政権の場合、在韓米軍撤収やコミットメントの低下を費用負担の交渉材料として使う傾向がある。
在韓米軍撤収が余りに安易に交渉カードとして用いられることによって、同盟そのものが傷点けられる効果も無視できない。2020年のひとつの大きなリスクとして考えられるのは、在韓米軍の一部撤収が脅しでは無く、韓国への懲罰的行為と北朝鮮との妥協の二つの目的を絡めて、既成事実化されてしまうことだ。
在韓米軍が全て撤収するとは思われ無い。米国の議会はそれを阻む法案を通しているし、トランプ大統領にとって在韓米軍撤退カードは常に持って置きたい程の威力の強いカードだからだ。しかし、問題は言っている内に既成事実化されるトレンドや情勢認識の方である。
最早米国による抑止に信用が置かれ無く為った時に、韓国は脆弱になり、中国の磁場に引き付けられざるを得ないからだ。
それもこれも、各国が国内政治に囚われて大局観を見失い勝ちだからだ。韓国は典型的なアイデンティティ政治に嵌っている。アイデンティティ政治とは、人々の経済的利害が絡む構造改革では無くて、アイデンティティを刺激することで支持を調達するやり方だ。
トランプ大統領の「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン」はその典型例だし、安倍総理がかつて掲げた「戦後レジームからの脱却」や象徴的な憲法改正を目指す遣り方もその一環だろう。
2020年に日韓関係が劇的に改善するとも思われ無い。歴史問題での対立は、本来安全保障や経済とは切り離して考えるべきだが、日韓は主君の寵愛を競って国を亡ぼす重臣の様な行動に出ていると言わざるを得ない。
中国が幅を利かせる未来とは
中国の磁場が働くとどう為るのか。実は、この変化は大方が思う程に分かり易い形では起き無い。中国は、明確な戦略観よりも先に只管膨張して行く傾向がある。
近代化された人民解放軍
それは半ば利益団体化した人民解放軍に付いても言えることであるし、地方政府などを初め、猫も杓子も投資し続けた重厚長大型産業で生産し過ぎた結果として、各地で供給過剰のダンピングが起きているのもそうであるし、政府掛の金融で資本を注入し続けられて居る国有企業が、東南アジア初め各地に進出して行く過程についても言えることだ。
問題は、中国が供給過剰に為り、販路を猛スピードで開拓して行くなかで、中国式のビジネス慣行が市場を席巻してしまうことだ。しかし、投資に飢えている国からすれば、中国の進出を拒む理由は無い。中国型ビジネスに席巻された後でその弊害に気付くことに為るだろうが。
しかも、実際に我々の経済生活に取って中国は欠くべからざる存在と為って居る。大規模デモと警官隊が衝突し続けて問題と為って居る香港にしても、香港経済自身を、大陸マネーが支えているのが現状だ。2020年も、デモと警官隊の衝突は終わら無いだろう。
天安門事件の様な大規模な悲劇が起こるとか、何かの切っ掛けで混乱が収束するとか、改革が全面的に通る、と言った分かり易い終わり方をしないのが21世紀的な状況だ。
米国は中国に圧力を掛ける意味合いも込めてデモ隊を支援する香港人権法案を通したが、観光に関連するサービス業は軒並み前年割れの状況でも金融・貿易の方はそれ程影響が出ていないのが興味深い。ハンセンインデックスは年初の水準を上回っており、東京市場よりもパフォーマンスは良い状態だ。
昨年はアリババが香港市場に上場し、1.2兆円近くを調達したことが象徴的だった。アリババは、2014年にNY市場に上場しており、所謂重複上場と為る。言わずもがな、アリババは中国を代表するハイテク銘柄であり、香港市場への上場が意識されて居た。
処が、ハイテク業界特有の創業幹部の影響力が強い種類株の存在を嫌気した香港市場を避けて、NY市場を選択したと云う経緯があった。今回のアリババ上場を巡っては、アリババの「里帰り」であるとか、愛国的な文脈の中で語られることが多く為って居る。
良きにつけ悪しきにつけ、米中対立が21世紀の世界秩序の方向性に影響を与えている中、トランプ大統領は中国企業の米国市場からの追放を示唆する発言を行っている。
処が、現状のNY市場においては、中国工商銀行・ICBCを初めとする国有銀行、化学、通信など、中国の国有企業が時価総額の上位に並んで居る。米中の摩擦の激化は、中国企業に取っても、米国市場に取ってもリスクと為って居る。当然、リスク分散の観点から香港への重複上場や、香港での株式の売り出し増と云う現象が増えて行く筈だ。
これまでの世界史の常識では、自由と民主の観点から懸念があり、デモが継続する様な状況があると、その国や都市の未来は暗いと解釈されて来たが、中国が対応する21世紀においては、国家資本主義を背景とした別の力学が働く様に為って居るのだ。
香港の非民主的な状況を嫌気する投資家も居るだろうが、その影響を上回る規模とスピードで「中国のお財布」としての香港の存在感は増して行くだろう。金融センターは、その後背地に存在する経済の規模や勢いと繋がっている。
香港の、政治的には暗いが経済的には明るい展望は、金の力と人の力によって各国の行動を変えて行くであろう中国主導の秩序の未来図を示している。
米大統領選の展望
選挙戦の最も注目すべき展開は、バイデン候補がどの様に崩れるかに懸かっている。ボロボロに為りながら、民主党全体を道連れに党の指名を獲得するのか、他の候補への支持を表明して影響力温存を狙うのか。バイデン氏は候補として散々に批判を浴びながらも、人気が総崩れしないのが特徴的だ。
それは他に強い候補が居ないからでもあろうし、黒人の組織票と労働者の組織票を取れる候補が他に見当たら無いからだ。穏健派が期待を託せる候補が一人に絞られれば、サンダース氏やウォーレン氏に勝つ事も出来るだろうが、今の処、過つてオバマ氏やビル・クリントン氏が彗星の様に浮上した時の様な強い候補はいない。
昨年下院で弾劾決議が可決されたが、選挙戦と同時並行で大統領の弾劾手続きを進めることは、政治的に民主党に有利に働くかどうかハッキリしない。恐らく、クリントン政権に対する弾劾手続きを参考にすると、寧ろ不利と為る可能性が高い。
これ程にまでスキャンダルに塗れているトランプ大統領だが、現時点では2020年大統領選で勝利する可能性が高い。仮に急進派のサンダース氏やウォーレン氏が大統領に為ったとしても、トランプ政権の4年間と同じ混乱と内向き志向の外交政策が今度は左側から試みられるだけだろう。何れにしても「待ち」の時代に遣るべきことを遣って置く、その事が一番重要だ。
執筆 国際政治学者 三浦瑠麗 1980年神奈川県生まれ 国際政治学者 幼少期を茅ヶ崎・平塚で過ごし県立湘南高校に進学 東京大学農学部を卒業後 同公共政策大学院及び同大学院法学政治学研究科を修了 博士(法学)東京大学政策ビジョン研究センター講師を経て山猫総合研究所代表取締役
博士論文を元にした『シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき』(岩波書店)でデビュー 近著に『21世紀の戦争と平和――徴兵制はなぜ再び必要とされているのか』(新潮社)「朝まで生テレビ!」「ワイドナショー」等テレビでも活躍する一方 旺盛な執筆・言論活動を続ける 第18回正論新風賞受賞 『孤独の意味も、女であることの味わいも』は初の自伝的著作である
以上
【関連報道】 令和元年回顧 三浦瑠麗氏が選ぶ2019年10大ニュース
〜スポーツ報知 1/1(水) 14:50配信〜
〜天皇代替わりで「平成」から「令和」へと移り変わった2019年。祝賀パレードなどの皇室関連行事が続き、祝福ムードが広がった。
ラグビーW杯日本大会では日本代表が初のベスト8入りを果たすなど明るいニュースが続いた一方で、大型台風の相次ぐ上陸は、列島各地に深刻な被害をもたらした。海外に目を向ければ、香港で民主化デモが拡大し、日韓関係は悪化の一途を辿り、依然、緊迫した状況が続いて居る。
国際政治学者の三浦瑠麗氏(39)が今年の10大ニュースを選んだ。(この記事は2019年12月27日の紙面に掲載されたものです)三浦氏が数あるニュースから選出した〜
1位は令和への改元 国内外で注目を集めた。「時代の雰囲気を変えた非常に大きな出来事でした。(5月に)雅子さまが日本赤十字社の名誉総裁に就任され、賛辞の声がより大きく為りました。日本人は皇室の継続性に期待して居る事が分かりましたし、変化が生じた場合は最終的には受け入れる、と云う国民性が表れてました」
2位は7月から発生した香港の大規模デモ「米国ではオバマ政権以降、中国を国際社会の中に包摂しようとしましたが、これだけの大規模デモが起きてしまいました」
3位は関西電力幹部による高額金品授受問題 原発利権や原発マネーの構造的問題が明らかに為った。「関電は不正を働か無い様に監視されて居ると思われ勝ちですが、実態は違いました。この種の大型開発には必ず付き纏う問題で、そうした文化が根強く残っています」
4位はイランの核開発拡大
5位は韓国の日本とのGSOMIA・軍事情報包括保護協定離脱表明 をピックアップ。「中国の脅威を考えると、米国に取って日韓の対立が深刻化し、安全保障分野まで波及してしまった事は頭の痛い問題でした」
6位は 外国人労働者の受け入れ拡大 「産業界からの要望だけを受け入れてしまい、職場や教育機関は混乱しています」
10位は 36人が死亡した京都アニメーション放火事件 「単に厳罰化しても抑止効果は無いのは明らかです。共助の仕組みの構築などについて、今後も議論が必要です」
番外は 左右両極から議論が噴出したあいちトリエンナーレの表現の不自由展問題 「海外メディアから取材を受けたのですが、昭和天皇の作品があったこと等を知らなかったり、慰安婦の少女像が問題に為って居ると勘違いしてましたので、問題点を指摘しました」
三浦 瑠麗(みうら・るり)1980年10月3日神奈川県茅ケ崎市生まれ 39歳。東大大学院修了後、2016年3月、東大政策ビジョンセンター講師などを経て、山猫総合研究所代表取締役。著書に「孤独の意味も、女であることの味わいも」(新潮社)など。
報知新聞社 以上
【管理人のひとこと】
三浦氏のご尊顔を拝せるのは、田原総一朗氏のTV番組「あさなま」のほぼレギュラーとしてだが、最近は他の番組でもコメンテイターとして時々お目に掛かるのが多くなった様だ。新しい時代の国際政治学者として、本当に世界の情勢を広く深く勉強されていると感心する。
田原氏を初め「クラッシック」な学者や評論家を向こうに回し堂々と持論を展開する・・・その度胸は、それなりの強い自信と自負が有っての事だ。これからの我が国は、この様な女性・・・右だ左だの時代を超越した新たな価値観・将来像を持った人達が、徒なイデオロギーを脱ぎ捨てた真っ新(さら)な心で持論をブツケテ行って頂きたい。
彼女は、所謂防衛問題にも憲法問題でも、今までのタブーを恐れずに発言する・・・戦前の負の遺産を引き摺ら無い。この様な人に、日本の外交のシンクタンクとして活動して頂きたいと。
米軍基地や日米安保を無くして、日本の独立を現在の自衛隊だけで守り遂行出来るのか・・・との以前に討論した場面があった。彼女は、精神論や期待感を投げ捨て「日本の国を守るのは日本の人なのだ・・・」との当たり前の事を主張した。何処の誰が「他人の国」を命を懸けて守ろうとするのか・・・それが原則であり真実なのだ。そう云う本音を曝け出せるのが新しい女性なのだろう。
彼女は昔流に言えば、決して左では無く無論右では無い・・・所謂、本家の主流・国民主義の人なのだろう。白粉(おしろい)を拭き取った生身を曝け出せるのが彼女の強みであり、それが何色に染まら無い、或る意味「色気のなさ」に通ずる「凛・りん」とした生き方なのだろう。
2020年01月01日
カミソリの切れ味 を発揮し保釈を勝ち取ったゴーン被告の弁護士・弘中惇一郎氏のスゴ技とは?
この事件の終末の粗筋を思い返してみよう。TVの報道番組「グッディ」から判り易く・・・
カミソリの切れ味 を発揮し保釈を勝ち取った
ゴーン被告の弁護士・弘中惇一郎氏のスゴ技とは?
〜グッディ! 2019年3月6日 水曜 午後8:16〜
• 3度目にして認められた保釈請求 決め手は「監視カメラ」
• 若狭弁護士「検察は現時点でソコソコの証拠を掴んで居るだろう」
• 中弁護士は「無罪が取れても可笑しく無い」と発言・・・裁判の行方に注目
3月6日夕方、カルロス・ゴーン被告(64)が、逮捕から108日目に保釈された。保釈保証金は、ナンと10億円。「直撃LIVEグッディ!」では、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士に今回の保釈条件等を解説して貰った。
大村正樹フィールドキャスター
大村正樹フィールドキャスター カルロス・ゴーン被告に関しては、これ迄2度、保釈請求が却下されて居ます。
【ゴーン被告 逮捕後の流れ】
〈昨年〉 ・11月19日 逮捕
・12月10日 再逮捕
・12月21日 再逮捕
〈今年〉
・1月11日 1回目の保釈請求⇒却下
・1月18日 2回目の保釈請求⇒却下
・2月28日 3回目の保釈請求⇒認められる
大村 先月の半ばに弁護団が交代して居るんです。そこで登場したのが、カミソリ弁護士と言う異名を持つ弘中惇一郎弁護士(73)弁護士が代わって僅か3週間で保釈請求が認められたと云う事に為ります。1回目と2回目の保釈請求は前の弁護人が行って居ますので。
何故? 3度目にして認められた保釈の厳しい条件
【これ迄に弁護側が提示した保釈条件】
・1度目の保釈請求 フランス国内での居住等を条件として提示⇒却下
・2度目の保釈請求 手段を変え、都内の住宅から外出しない・ゴーン被告の足にGPSを装着する事・パスポートを裁判所に提出する事・検察庁に毎日出頭し捜査に協力する事を条件として提示⇒再び却下
安藤優子氏
安藤優子 2回目は相当厳しい条件に見えますが・・・
大村 そうですね。2回目と3回目を比較すると、どう違うのか? 疑問に思うかも知れません。3回目と為る今回は、都内に居住すると言う条件。居住場所は定められて居ますが、今回は居住を条件として居て、デパートや1泊2日の熱海位なら外出出来ると云うお話でした。又、住居の出入り口付近に監視カメラを設置してゴーン被告の出入りに関しては常に報告すると云う事。
パソコン操作は自宅内では出来ず、弘中弁護士の事務所内でなら、時間を特定した上でしても好いと云う条件。通信手段に関しては、携帯電話もインターネット使用の制限を掛ける事。パスポートは弘中弁護士が管理。更に、ケリー被告ら事件関係者への接触禁止と云う条件でした。2回目と3回目の条件の決定的な違いは何処に有るのか?何故3回目は飲んで呉れたのでしょうか。
若狭勝弁護士 3回目で保釈と為った理由の一番大きな要因は、監視カメラだと思います。監視カメラは普通の弁護士の感覚では、ナカナカそこ迄踏み込め無い。詰まり、監視カメラと云うのはゴーン被告の行動をチェックする、いわば人権にも関わる問題なんですが、そこ迄言って保釈を申請すれば、裁判所は監視カメラによって証拠隠滅の具体的な防止策と云うのを弁護側が言って来たと云う事ですから、それでもダメですよと裁判所が言うと云うのはナカナカ難しいと。そこが一番大きな理由だと思います。
三田友梨佳アナウンサー
三田友梨佳アナウンサー でも監視カメラって、全てを見ている訳でじゃ無いじゃないですか。寧ろGPSを足に装着して、全ての行動を管理した方が厳しい様に見えるんですが・・・
若狭弁護士 監視カメラと云うのは絶えず映して居て、それを定期的に裁判所に提出すると云う事に為れば、気持ちと云うか精神的に、そこ迄証拠隠滅をすると云う思いは有りませんよと云う訴えは出来ると思うんです。
仰る通り、検察の方は「監視カメラがあったって幾らでも証拠隠滅出来るでしょう」と云う意見も有ると思います。検察側としては、保釈を認めたと云うのは「ヤッパリ問題が有るんじゃないの」と思って居ると思います。
カンニング竹山
カンニング竹山 3回も保釈請求して居て、検察が全然出したく無い訳じゃないですか。でもここ迄長引くって事は、検察はカルロス・ゴーン被告に対して何も取れて無いと云う可能性もあるんですか?
若狭弁護士 2通り考えられます。ソコソコちゃんとした証拠は有るけれど、保釈して口裏合わせされてしまうとその証拠が弱まってしまうと云う考え方。
もう一つは、ソモソモ余り証拠が強く無い、だから保釈したく無いと云うものです。もし証拠が薄かったら、裁判所は保釈しようと云う判断に傾くんです。でも2回も、しかも準抗告しても保釈が認められ無かったと云う事は、現時点においてはソコソコの証拠はキチンと有るんだろうなと。
安藤 成程。それにしても保釈金10億円って凄い金額ですよね。
女優 生稲晃子さん
生稲晃子 ゴーンさんに取っての10億円って、妥当なんですか?多いんですか少ないんですか?
大村 (ゴーン被告の)純資産は、米メディアによると112億円とも言われて居ますので、11分の1ですね。この金額どうナンでしょう。
若狭弁護士 私は、ゴーン被告の資産から考えるとモッと保釈金は高く為ると思ってました。結局、保釈金の金額と云うのは、本人の財産・資産に基づいて金額が算出される事が多いんです。保釈保証金と云うのは、裁判所に行か無いで行方を晦(くら)ませたら没収される訳です。没収されたら痛いなと思える様な金額じゃ無いとダメなんですよ。
大村 普通、保釈保証金の決め方は「逃走した方が得」と思え無い金額にするそうですが、ゴーン被告の場合は、10億円払っても未だ100億以上残って居ますからね。只、本人は5日に次の様な声明を出して居ます。
【ゴーン被告の声明】私は無実だ。公正な裁判で自らを守る事に全力で取り組む。
「無罪が取れても可笑しく無い」弘中弁護士も強気の発言
大村 この様に、裁判で戦う姿勢を見せて居ます。弘中弁護士が可成り強い後ろ盾と為ったのでしょうか。
安藤 今回、保釈に持って行ったのは弘中さんの実力ですか。
若狭弁護士 結論から言うとそう思います。今までの発想と違う攻め方をしたんです。今回の保釈を勝ち取ったのは予備戦なんです。裁判が本戦で今回の保釈が予備戦。この予備戦は、少なくとも弘中弁護士が勝ったと云う事だと思います。
安藤 詰まり、検察側にグウの音も言わせ無い様な反論に打って出たと云う事ですよね。
若狭勝弁護士
若狭弁護士 そうですね。今回保釈に為ると云う事は、検察側は全く予想して居なかったと思います。
安藤 そうなんですか!
若狭弁護士 と云うのは、1回目2回目の保釈が認められ無かった時と、状況は全く変わって無いんです。否認したママですし。ヨモヤ3回目で保釈に為るとは思って居なかった今は、相当驚き、ショックを受けてると思います。
大村 その予備戦に勝った弘中弁護士、本戦と為る裁判は何時に為るか分かりませんが、一昨日外国人記者クラブで記者会見をして居ます。
【4日の会見にて】
「私としては無罪が取れても可笑しく無い」
「日産の方も10年以上前から知って居た事ばかり。何の為に今の時点で刑事事件として検察に届け出たのか、大変奇妙な感じがします」
「カミソリの切れ味があるかどうか試してみたい」
安藤 もう無罪と云う言葉を使って居るんですね!これだけの条件を着けてでも保釈を得たかったと云うのが現状なんでしょうか?
若狭弁護士 そうですね。保釈を勝ち取ると、今度は自由に裁判に向けての戦略を練れるんですよ。ゴーン被告と弁護人が。そこが一番大きいんです。だから、何が何でも保釈は勝ち取りたいと云う事だったと思います。
見事保釈を勝ち取った無罪請負人カミソリ殊(こと)弘中弁護士、ゴーン氏の無罪を勝ち取る事は出来るのか注目される。
「直撃LIVE!グッディ」3月6日放送分より 以上
【管理人のひとこと】
仮保釈中の被告人が呼び出しに応じず出頭せず、迎えに向かった検察職員の隙を着いて逃走する事件が頻発した。検察は妄(みだ)りに保釈するなとの批判が。半面、日本の検察は、有罪と踏んだら直ぐに身柄を拘束して永い期間拘置する・・・所謂、人質拘留だと批判され、それがゴーン氏の会見で世界中に拡がった。
日本の検察・司法は、未定期刑の被告に対して厳し過ぎるのでは無いか・・・との人権上の問題だと批判が湧き起こった。確かに余りにも長い拘置は世界的には日本だけだとも。それ等の問題点を考慮し、裁判所は適当に保釈金額を算定し、被告の持つであろう資産の約1/10程度の額で保釈を許可し、そしてマンマと国外に逃亡されてしまった訳だ。
色々な条件を並べたが、ゴーン氏の強い意志には及ば無かった。彼は無罪だと主張し裁判で争う詰まりで居たが、裁判前・裁判中の拘留に対して、恐らく恐怖に近いものを感じて居たのだろう・・・15億を投げ捨てでも拘留から逃げたかったのだ。裁判前後の被告の取り扱いはどの様にしたら多くの人達に納得して貰えるのか・・・今後充分議論する必要がある。
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何故、カルロス・ゴーン氏は逃亡出来た? 最早検察もお手上げか 今後の展開は
何故、カルロス・ゴーン氏は逃亡出来た? 最早検察もお手上げか 今後の展開は
〜前田恒彦 元特捜部主任検事 1/1(水) 7:30 〜
〜2019年は保釈中の逃亡が目立った1年だったが、最後の最後で関係者に冷水を浴びせる衝撃の逃亡劇があった。元日産自動車会長のカルロス・ゴーン氏だ。何故レバノンに逃げる事が出来たのか。今後の展開は〜
これ迄のパスポートで出国するのは困難
こうしたケースの場合、出国そのものを水際で防ぐ事が何よりも重要だ。只、検察と入国管理局は同じ法務省畑でも別組織だから、両者の連携が無ければそのママ通過されてしまう。 そこで、検察が入管に手配を依頼し、出入国審査時のパスポート提示の際等に手配者のデータベースとヒットすると、自動的に検察に通報され、入管で足止めされるシステムに為って居る。これを「国際海空港手配」と呼ぶ。
又、各国で「事前旅客情報システム」が導入され、搭乗券を購入する際に航空会社に氏名や性別・生年月日・国籍・居住国・パスポート番号・有効期限・発行国と云った情報を登録する事が求められて居る。
その情報が航空会社を通じて入管に伝えられ、出国する航空機へのチェックインが確認されると、空港警察の捜査員が逃亡者を待ち構えると云う訳だ。
氏名や国籍等を変えて居たら・・・
そこで、これを逆手に取り、その網の目を掻(か)い潜る為、養子縁組によって氏名を変更すると云ったケースが現にある。国によってはその国への投資額等に応じてパスポートを発給して呉れる処もあるので、これによって国籍や氏名を変えると云った遣り方を取る逃亡者も居る。
只、写真データも入管に届けられて居り、氏名や国籍等がデータベースの情報と食い違って居ても、風貌が同じだと「類似者」として足止めされ詳しい調査を受ける場合がある。その為、逃亡者は、お盆の時期や年末等、敢て出国ラッシュで空港がゴッタ返し、監視の目も手薄に為り勝ちな時期を狙う湧けだ。
大使館の協力を得れば・・・
ゴーン氏の場合も、保釈中は海外渡航が禁止されて居り、発行済みの全てのパスポートを弁護人が預かる条件と為って居た。このパスポートを使って出国しようとすると、弁護人の協力を得る必要がある。検察にも把握されて居るパスポートだから、入管で足止めされるリスクも高い。
考えられる可能性だが、国籍を有するレバノンやフランス・ブラジルと云った国の大使館の協力を得て、氏名やパスポート番号等を変えた新たなパスポートの発行を受けたり、外交用や公用と云った特別なパスポートの発行を受けたり、帰国の為の渡航書の交付を受けた事だ。
その上で、別人のフリをし、年末の出国ラッシュに紛れ、プライベートジェットで出国したと云うものだ。勿論、日本の自宅からそのママ空港に向かえば目立つ。一部メディアでは、クリスマスディナーの音楽隊を装った協力者がゴーン氏を楽器箱に隠して自宅から連れ出し、手荷物検査を受け無いと云う外交特権を利用して出国させたとか、ゴーン氏がレバノンで大統領と面会し、政府の警護を受けて居ると報じられて居る。
信憑性は不明だが、頷ける話だ。間違い無く日本の内外に相当数の協力者が居た筈で、彼らとの間で事前に綿密な計画が立てられて居たことだろう。
15億円はどう為る?
裁判所の許可を得て数日間の約束で海外に出国し、そのママ帰って来ないと云うパターンはママあるものの、今回の様にハリウッド映画さながらの逃亡劇は前代未聞だ。偽造パスポートを手に入れて逃げると云った遣り方も、実際には少ない。
その意味で、検察が受けた衝撃は極めて大きい。年末年始と云う事で気を許して居ただろうし、流石にここ迄の逃亡劇は無いだろうと甘く考えて居たのだろう。
それでも、ゴーン氏が保釈許可条件に違反した事は確かだ。早速検察は裁判所に保釈の取消しを求め、裁判所もこれを認めて居る。これで再びゴーン氏を拘置所に収容することが出来るし、次は保釈保証金15億円を「没取」即ち取り上げると云う流れと為る。
没取は刑罰の一種である「没収」とは異なるが、読み方が似て居て混同しやすい為、実務では「ぼっとり」と呼ばれて居る。
この様に、保釈中の逃亡防止は、もし逃げたら保釈保証金を取り上げるよ、と云う威嚇によって担保されて居る。だからコソ、保釈保証金は流石にこの人物にこれだけ積ませて置けば逃げ無いだろう、と云う金額である必要がある。
結局の処、海外に多額の資産を抱えるゴーン氏に取って、15億円等大して痛くも痒くも無い金額だったと云う事だ。この金額が妥当だったのかに付いては、改めて徹底した検証を要するだろう。
裁判はどう為る?
ゴーン被告の弁護士 「寝耳に水」
ゴーン氏には「無罪請負人」や「刑事弁護界のレジェンド」と呼ばれるプロ中のプロの弁護士が弁護人として選任されて居り、東京地裁で粛々と公判前整理手続が進められて居た。
2019年12月25日にも公判前整理手続が行われ、ゴーン氏も出席して居た。2020年春には初公判が開催される段取りだったが、今回の逃亡劇で全てが吹き飛んだ。
日本国外に逃亡した者に取ってのデメリットは、国外に滞在中は何時まで経っても時効が完成せず、事件を引きずる事に為ると云う点だ。ゴーン氏はそんな事等全く意に介して居ないと云う事だろう。又、もし日本に家族が居れば日本で会え無く為る事に為るが、これもゴーン氏には当て嵌らない。
弁護人によれば「寝耳に水」だったと云う。ゴーン氏が逃げる事など無いと主張して居た弁護団も、完全にハシゴを外された形だ。
このママだと弁護団はゴーン氏から解任されるか、自ら辞任する事に為るかも知れない。ゴーン氏と連絡が取れ無いと云う話だし、弁護団の説得で日本に戻って来るとは考えられ無いからだ。最早日本でゴーン氏の裁判が開かれる可能性も乏しい。
行方を探すだけでも一苦労
即ち、検察は、警察の協力を得た上で、国際刑事警察機構・ICPO・インターポールを介し、194の加盟各国に逃亡者の探索等を要請する「国際手配」が可能だ。レバノンも加盟国の一つだ。
その中でも身柄の引渡しを前提として所在の特定や身柄の確保を要請する場合を「赤手配」と呼ぶ。これに至ら無いものの、逃亡者の所在や身元・行動などに関する情報を照会する場合を「青手配」と言う。
日本が赤手配を要請するのは余程の事件だ。反捕鯨団体シー・シェパード創立者で南極海調査捕鯨妨害事件の首謀者とされる男や、関東連合リーダーで六本木クラブ襲撃事件の首謀者とされる男等だ。このママの流れだと、検察はゴーン氏を赤手配するかも知れない。
又、インターポールを介さず、直接その国に必要な捜査を要請する「捜査共助」と云う遣り方もある。困った時はお互い様と云う事で、出入国歴を含めた所在捜査や関係者の取調べ、証拠物の押収、情報提供等を相互に行って居る。
但し、これらは外務省等の外交ルートを介する必要があるので、時間と手間が掛かる。特別な条約や協定を締結して居る国との間では捜査当局間でダイレクトに遣り取り出来るものの、米国・韓国・中国・香港・EU・ロシアに限られる。
日本国内から足跡を辿る事も
国内に軸足を置いた地味な捜査も大変だ。検察は、日本の内外でゴーン氏の逃亡を手助けした協力者を入管法違反や犯人隠避罪で、ゴーン氏を入管法違反や犯人隠避教唆罪で捜査する筈だ。令状を取って電話会社から通話記録を、プロバイダーからメールのやり取り等を押収し、分析した上で、ゴーン氏と接触した事実やその内容を把握する事に為るだろう。
ゴーン氏は弁護士事務所の特定のパソコンしか使用出来無いと云う事に為って居たので、場合によってはここも捜査の対象と為るかも知れない。こうした捜査で国内外における足取りを掴み、点と点を線に繋げて行く作業を進めるが、どれだけの成果が挙がるかは未知数だ。
身柄の引渡しは絶望的
所在が判明しても、検察には大きな壁が立ち膚(はだ)かる。日本が他国との間で逃亡者の身柄を相互に引き渡す法的根拠は(1)犯罪人引渡条約と(2)逃亡犯罪人引渡法しか無いからだ。
日本が(1)を締結して居るのは米国と韓国だけだ。(2)はそれ以外の国との遣り取りをカバーする為に制定された法律であり、他国からの要請に基づいて他国に引き渡す際の手続を定めて居るが「相互保証」と云う考えに基づいているので、お互いに請求に応じる場合で無ければ為らない。
しかも、実際の適用は何かと面倒だ。(1)は1年以上の懲役・禁錮に当たる罪 (2)はヤヤ要件が厳しく3年以上の懲役・禁錮に当たる罪で無ければ為ら無い。又(1)は自国民の引き渡しも認めて居るが (2)は認めて居ない。
そればかりか、相手国の法令に当て嵌めても犯罪を行ったと疑うに足りる相当な理由を証拠に基づいて相手国に示さ無ければ為らない。大量の証拠を相手国の言語で正確に翻訳し依頼文書を作成し、外務省を通じて外交ルートで相手国の関係機関に交付するのは本当に大変だ。
現に、日本が他国から逃亡犯罪人の引渡しを受けた件数は、例年0〜数人程度に留まっている。凶悪な殺人事件等、多大な時間と費用を掛けて逃亡者の引き渡しを求めるに値するだけの重大犯罪に限られて居るのが実情だ。
そもそもレバノン政府が、自国民であるゴーン氏の身柄を日本に引き渡す事等考えられ無い。特に大統領が自らゴーン氏と面会したと云う報道が事実であれば、相当の後ろ盾があることに為り、正しく国と国との外交問題だ。最早検察の手には負え無いレベルの話に他なら無い。
それ以外の国の場合も、どれだけ日本の為に本気に為って呉れるか、どれだけその逃亡者にシンパが居るか等、様々な事情に影響される。
正規の身柄引渡し手続は可成り面倒なので、渡り鳥の様にA国に短期間滞在し、次はB国へと云ったパターンだと、A国もB国も見て見ぬ振りをするかも知れない。赤手配されて久しいシー・シェパードの創設者ですら、米国への入国等所在が判明して居るにも関わらず、未だに引渡しが実現していない状況だ。
あくまでレアケース
特別背任罪や金融商品取引法違反の一審は被告人が出席し無ければ裁判を進められ無いし、判決も言い渡せ無い決まりだ。その状態が長く続いても、ゴーン氏の死亡が確認された段階で公訴棄却と為り、裁判手続は打ち切りと為る。
ゴーン氏は、レバノンに入国後「日本の司法制度は、国際法・条約下における自国の法的義務を著しく無視して居り、有罪が前提で、差別が横行し基本的人権が否定されて居ます」と云ったコメントを出して居る。
「人質司法」「中世並み」と揶揄(やゆ)される程長期の身柄拘束が濫発されて居る状況や、取調べの可視化の不徹底、取調べに対する弁護人の立ち会いが認められて居ないこと、再審請求事件を含めて証拠の現物を全て開示する制度が無いこと、捜査当局のリークに基づく有罪決め着け報道が横行して居る事等、正しくゴーン氏の言う通りだ。
しかも、昨今の保釈許可率の上昇は「人質司法」による弊害を打破し様としたものに他なら無い。実際には保釈が許可されても逃亡せず、キチンと裁判所に出頭して来る被告人の方が圧倒的に多い。件数自体は少ないのに、保釈中の逃亡事案が相次いで大きく報じられて居る事で、こんな被告人ばかりだと云う印象を与えて居るだけだ。今回の逃亡劇はレアケースに過ぎない。
逃亡劇がもたらすものは
それでも、裁判所がどれだけ厳しい保釈条件を付けたとしても、多数の支援者を抱える資産家が海外に逃亡しようと思えば、簡単に逃亡出来るルートがある事が示されたのも確かだ。検察が叩かれる中でのトドメの一撃とも言える逃亡劇だから「焼け太り」がお家芸の最高検が旗振りをし、他の保釈請求事件でも益々強く保釈に反対すると云った対応に出る事が考えられる。
特に保釈保証金の決め方だが、検察側が被告人の資産関係を厳格かつ徹底的に調査した上で裁判所に証拠を示し、相当高額なもので無ければ断固反対しろとか、保釈保証金の一部に付いて弁護人の保証書を差し入れさせろと云った話に為るかも知れない。
将来の新規立法に向けて背中を押す形にも為るだろう。例えば、現在では保釈中に逃亡しても刑法の逃走罪は適用出来ないが、これが可能と為る様に、しかも厳罰化する様に法改正すると云ったものだ。
カナダでファーウェイ社のCFOが保釈された際に注目された様に、保釈を認める代わりに取り外し出来ないGPS端末を被告人の自費で装着し、24時間・リアルタイムで行動監視をすると云った遣り方もその一つだろう。(了)
前田恒彦 元特捜部主任検事 1996年の検事任官後、約15年間の現職中 大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍 ハンナン事件や福島県知事事件 朝鮮総聯ビル詐欺事件 防衛汚職事件 陸山会事件等で主要な被疑者の取調べを担当した他 西村眞悟弁護士法違反事件 NOVA積立金横領事件 小室哲哉詐欺事件 厚労省虚偽証明書事件等で主任検事を務める 刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中 きき酒師 日本酒品質鑑定士でもある
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