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2020年01月02日

ヒートアップする「愛子天皇待望論」 何故、今逞しい女性リーダーが求められるのか?




 ヒートアップする「愛子天皇待望論」 何故 今逞しい女性リーダーが求められるのか?


             〜〈AERA〉AERA dot. 1/1(水) 8:00配信〜


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 18歳を迎えた愛子さまは、即位に伴う一連の儀式に深い関心を寄せて居たと云う 11月25日 赤坂御所で(写真 宮内庁提供)


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              文 コラムニスト 矢部万紀子氏

 〜芦田愛菜さんを日本初の女性首相・愛子さまを女性初の天皇として描いた現代ファンタジー小説「AAゴールデンエイジ」KADOKAWAと「はてな」が運営する小説投稿サイト「カクヨム」で公開され、SNSを中心に話題に為った。日本国民が今「逞しい女性リーダー」を求める背景を読み解く〜


 令和に入り「愛子天皇待望論」が盛り上がっている。朝日新聞社が19年4月に発表した全国世論調査では76%が「女性も天皇に為れる様にした方が好い」と答えて居たが、10月に共同通信社が発表した世論調査では「女性天皇を認める事に賛成」が81.9%。前述の女性セブンの記事には「皇室ジャーナリスト」のこんな発言も紹介されて居る。

  <女性天皇容認の機運が高まる背景には、愛子さまの自然な笑顔や気品のある立ち居振る舞いが影響して居る事は間違い無い>

 確かに2019年の夏、栃木・那須での静養前に報道陣の前に現れた愛子さまは落ち着いていて愛らしく、今時の女子高生とはマルで違った。その様子は、令和に為ってからの雅子さまと大いに重なった。初の国賓・トランプ大統領夫妻を前にした雅子さまは、落ち着き払い優しさが溢れて居た。
 だからだろうか「愛子天皇待望論」はヒートアップする一方だ。そこでの愛子さまは「人望があり、英語が得意で運動神経抜群で、チェロの腕前は音大進学を狙えるレベル」少し燥(はしゃ)ぎ過ぎとも思える程だ。

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 慶應中等部に通う芦田さんが国民祭典で堂々とお祝いを述べるのを見れば、将来首相に為っても可笑しく無いと思う。愛子さまへの期待もそれと同じで、楽しい夢想と云う処だろう。そう思う一方で、それだけでは済ま無い切実さがある様にも感じ、それは何処から来るのだろうと思って居た。

 12月17日、日本のジェンダーギャップが明らかに為った。世界経済フォーラムの2019年の報告書で、世界121位だった。主要7カ国で最下位は定位置だが、過去最低順位を更新したそうだ。又IMF統計によると、日本の2018年の1人当たり名目GDPは前年より一つ下げて26位。
 「最早先進国では無い」と云う議論を屡々目にする。二つの数字を重ねると「男に任せて居る内に、どんどんダメに為った日本」と為る。

 「AAゴールデンエイジ」を読み、これ等の数字を見る。だから愛子さまに期待が集まるのだなと思う。男性は宛に為ら無い。女性なら救って呉れるかも知れない。行き詰まった日本にあって、そう考える人が増えても不思議では無い。若い世代に目を遣れば、日本には愛子さまが居るではないか。そんな気持ちが「愛子天皇待望論」を切実なものにして居るのではないだろうか。

  「AAゴールデンエイジ」の芦田首相は英語・アラブ語・ペルシャ語・トルコ語を駆使する。「混沌(こんとん)」を明快な言葉で解き解し、落とし処を探り当て、キーパーソンへ働き掛ける。そして愛子帝は徹頭徹尾「肝の据わった人」だ。内親王時代、皇室会議で首相から「貴女が皇位を継承する可能性に着いて、どう思われるか」と聞かれ「その様に為れば、そう致します」とサラリと答える。
 「AAゴールデンエイジ」と「愛子天皇待望論」は、今の日本に足り無いものを示して居る。それは「解」を持つ「肝の据わった人」愛子さまは優秀な母を持ち、生まれた時から父である陛下(59)の基で帝王学を学んで居る。愛子さまへの視線の熱さは不足の深刻さの裏返しだ。

 現実を見れば、楽観はとても出来ない。主たる支持者ばかりを意識し、安定的な皇位継承と云う問題に一向に手を付け無い安倍政権。「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の付帯決議で指摘された「女性宮家」の検討さえ先延ばしにして居る。そして現実の皇室には、皇嗣である秋篠宮家で皇位継承順位2位の悠仁さま(13)が育って居る複雑さ。「愛子天皇待望論」だけでは「解」に為ら無い。

 令和に為り愛子さまは、ご両親が臨んだ代替わりの儀式を熱心に見たと云う。18歳の少女に「解」を求める日本の重苦しさ。愛子さまが「愛子帝」の様に逞しい人であると好いのだけれど。僭越(せんえつ)ながら、そんな事を思っている。


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 コラムニスト 矢部万紀子 ※AERA 2019年12月30日−2020年1月6日合併号より抜粋   以上



 【管理人のひとこと】

 丁度、今朝のラジオニュースで「政府は、皇室問題・・・安定した天皇位継承問題・宮家の減少問題等の議論を、先の立太子(次の天皇と為る人・秋篠宮文仁親王 )発表式後に、現在の基準を継承するのを原則として、国会で活発な議論をして行きたい・・・」と聞いた。
 飽く迄も現在の法律を守る事を原則とした、今後の「皇室の安定」を至上命題として居る。詰まり、前回の平成天皇退位も「法律を超えた異例の特例」とする様な場当たり主義を今後も改めない。将来の事等は鼻から頭に無くその場を凌ぐだけの小手先の議論で済ませようとの腹だ。
 本来であれば、現在の皇室問題に関する一切の法律やその他の基準を、この機会に広く国民の意見を取り入れた抜本的改革・・・皇室の安定を目的とした・・・をしようと呼び掛けるのが政治の命題の筈である。その中には、女性・女系天皇・女性宮家の話も含まれる。次の天皇は娘の愛子さま・・・これが我が国も世界も待ち受ける超自然なものであり、それを妨げるのは何なのか・・・そこに徒な思いが混じっては為らない。確かに一部の学者から「天皇とは、心身を投げ打った過酷な職責がある。女性に継がせるのは忍びない」との言葉も有るが、それは本人が辞退した時に改めて考えれば好いのであって「原則ダメ」としては為ら無い筈だ。
















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