北アルプスのはずれ(常念山脈の北のはずれ)にある餓鬼岳、唐沢岳登山を思い立ちました。先日の雨の裏銀座から垣間見えた唐沢岳の勇姿が印象的だったのと、友人から「餓鬼岳の登りはきついらしいよ?」との情報が気になっていたのもありました。白沢登山口から登り、餓鬼岳小屋キャンプサイトで1泊。翌日唐沢岳をピストンし白沢登山口に降りる計画を立てました。しかしながらちょうど台風18号が長野県を通過し、登山道は倒木や崩落の被害を受け、アドベンチャー要素の強い山旅となりました(実施日:2016年10月6日〜7日)。
前日の10月5日に白沢登山口に入り車中泊をしました。本日夜半に台風18号が一帯を通過するのは理解していましたが、深い森に囲まれているので、通過するのを静かに待って、台風一過の明日山頂を目指そうと思っていたのです。ところが台風の猛威は予想をはるかに超えていました。頭上の大木がしなるように揺れ、ちぎれた枝葉が容赦なく車を叩きつけ、とても眠れる状態ではありませんでした。車のウィンドーがぶつかる枝葉で割れるのでは?と思うほどの猛威でした。
6時に白沢登山道をスタートし、沢沿いのゆるやかな傾斜の登山道を歩いていきますが、途中、暴風で折れた枝葉が登山道に目立つようになります。それでも気にせず歩いて行くと、さらに倒木が目立つようになりました。
登るほどに倒木が増え、登山道の被害が尋常でないことにやっと気づきます。
昨晩の雨の量は少なかったようです。沢の水量は特に異常がなかったので、行けるところまで行ってみることにしました。
魚止めの滝から先は倒木がさらに増え、根こそぎ倒れている木々が出てきました。枝やむき出しの根を乗り越えて登山道を探し出します。特に最終水場手前の倒木による登山道崩落が大きかったです。
ほとんど登山道と言うよりは、土砂くずれ現場の調査のような状況です。
足元は土砂の影響でドロドロです。笹薮もガレガレでした。
中盤のガレ場をなんとかクリアするとやっと普通の登山道の状態になりました。これで小屋までいけるかな?と思い始めます。
っと思いきや、今度はシラビソや松の倒壊が目立ち始め、登山道を塞いでいますが、全て突破していきます。
中間地点の大凪山(おおなぎやま)までたどり着きました。どうも台風の影響は沢沿いのエリアに集中していたようです。大凪山から先は、「通常の急登?」になりホッとしました。
尾根の林間部分を通過し、植生がダケカンバに変わります。この辺りから「百曲がり」と呼ばれる急登が続きます。上部の尾根に小屋らしき人工物が確認できました。「やったねえ〜」
やっとのことで「餓鬼岳小屋」到着しました。小屋のご主人と登山道の情報交換をしました。途中、水場が6箇所あるのですが、第4水場手前の左側が壁になっているヘツリ部。そして最終水場手前の倒木地帯の崩壊が大きいことを伝えました。小屋の裏手が「餓鬼岳山頂」で、小屋の先を下ったところがキャンプサイトになっていました。
キャンプサイトはおそらく5、6張程度のハイマツの下の窪地です。当然誰もいないので一等地にテントを張り、沢の水や土砂で汚れた衣類を乾かします。
やはり狭いながらもテント内は快適ですね。マットは前回の山行よりニーモのZOR 20Rというモデルを使っています。重量と性能がうまくバランスしている気がします。食事は、ネギ野菜ラーメンでした。この「ほたてバター風味ラーメン」はなかなかの絶品です。
明日は餓鬼岳を経由し絶景の唐沢岳を目指します。そして白沢登山口まであの悪路を下らなければなりません。さてさて休養を取って明日に備えます。
ではではまた