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2020年07月08日

一体何者なんだ、ガイモンさん


『ガイモン』とは週刊少年ジャンプで掲載されているワンピースの初期の初期に登場したキャラクターである。
高所から落下してミラクルフィット的に宝箱に膝を折り畳んだ形で収まっており、彼の肉体に纏わりついた宝箱を破壊しようものなら、ガイモンの方にまでダメージが及ぶため基本的に木箱を破壊することは推奨されない。
島の動物たち(どことなく和の国に似ている)とは親密な仲で、島内に侵入した不届き物を拳銃の乱反射で始末する日々を送っているが、バラバラの実で二頭身に等しい外見になったバギーを快く迎え入れる他、ガイモン同様同じように樽で肉体が拘束された女性と交流を交わすなど、浮ついた話しがないでもない。
超個人的な話だがワンピースはアバラスタ編が絶好調期だと捉えており、それ以降はあまり評価していない。
端的に述べれば、アーロン編のナミの離脱を筆頭に、その後の仲間離脱におけるテンプレ的なエピソードならまだしも、あらかじめ戦う相手が決まっているかのような展開(例:ゾロの相手は二番目に強い相手など)の繰り返し、そうしてルフィが危機的な状況に落ちったとしても、「腹減った〜!」→「復活した」→「宴だ〜!」の度重なる展開はあまり良い印象を与えないからである。
戦いの展開以外にも、長期連載における後付け設定(具体的にはブルックとクジラ)や、漫画内での『見づらい』の一声に尽きる描き方も苦手になった。デスノートの文字だらけのソレとは異なっているものの画面ギッチリ詰まった要素は好ましくない。
でも何だかかんだいって読んでいることからして……。
ちなみにワンピースで好きなキャラクターはアイスバーグ・ハンニバル・ラフィット・ロシナンテである。なお、ロシナンテことコラさんは悪魔の実の効果を考えると桃地再不斬以上のサイレントキリングになっていた模様だと考えられる。何せ銃を放とうが、おならしようが、奇襲においてはドジっ子さえなけえば成功率は高いもんね。
キャラの好みの趣味が偏り過ぎているのは気の所為であろう。


【内容】


『ガイモン』とはワンピースに登場する人物である。若い人の多くが知らない人物。アフロの髪型で体操座りをするような形で、崖から誤って転落した衝撃で奇跡的にフィットして宝箱に収まる前は普通の人間の体型(推測)であったにも関わらず、二頭身になったおっさんである。
彼が宝箱にフィットして気絶し、それまで同行していた海賊船から忘れられるような形で、奇妙な動物が存在する島に長年滞在を余儀なくされた。船内の仲間が完全に置いてけぼりになるかたちとなったガイモンを気にかけていたのかどうかは不明だが、パーティが揃わらないうちから就航された事実から鑑みるにあまり重要視されてなかったものと考えても良いだろう。

22年間、奇妙な外見をした独特の動物たちと一緒に暮らす中、ある日突然ルフィが訪れることになる。
アニメではウソップも一緒に、ガイモンのいる島に上陸しているが本編では未登場なのは注意(ついでにゾロも)。とはいっても、大まかなストーリーから脱線するわけでもないので、ウソップが登場してもさして問題はなかったりする。

ルフィ一行の上陸に敵愾心を丸出しにしたガイモンは、持ち合えの拳銃を乱発したり、同胞である動物たちを嗾ける形で攻撃を行っていた。キメラ的な造形を有する島の動物たちであるが、縦に細長い島があったように「和の国のような〜」といった印象を抱きつつも、何事においても動物たちの逸脱した外見はワンピース世界ではそうそう珍しくないものかもしれない。何せ、無機質であるにも関わらず悪魔の実を食べた銃だっているのだから。
ガイモンの言い分としては、島の主というよりも崖の上にある「宝箱を盗まれたくない」ためだけに侵入者を蹴散らしていた(しかし、ルフィとの一悶着が終わって憑き物がおちてからバギーなどの人物と意気投合している)。

どうしても宝箱を盗まれたくないガイモンは色々な手を尽くすも最終的に、箱にジャストフィットすることにより収まってしまった箱から抜け出せない事実も手伝って、ゴムゴムの実の能力を持つ伸縮自在なルフィに崖の上にある宝箱を取って貰うことを頼むことになる。
崖であろうが持ち前の伸び縮むする肉体で難なく到達するも、ルフィは複数ある宝箱を独り占めにして宝箱はよこさないと宣言するのであった。
当然のことながら、その場にいたナミがルフィを叱責するも、二十年もの長い時間『想定していたのか、その宝箱は空ではないか』と述べるのであった。真相としてはガイモンの予感は的中しており、ルフィは彼の希望を慮ってわざとヴィランを演じるもすぐさま見破られた。
ガイモンはルフィの優しさを讃えながら物語は締め括られるのだが、ガイモンが最後に言い放った一声である「ワンピースはお前が見つけろ。世界を買え」という言動と、初期連載でありながらも珍しくもたった一話で終了するという短編的な内容からかなりの異彩を放っている。

ひとつなぎの大秘宝であるワンピースであるが、友情や努力などといったものでないことが作者である尾田栄一郎から明言されていることから、物質的な存在であることが明かされつつも明確にどういった物質なのか未だ明らかになっていない。
世界を揺らぎかねない空白の歴史の秘匿化している世界政府や天竜人といった存在から、ひとつなぎの秘宝は古代(あるいは独自・未知の文字)で筆跡された歴史の本文や、プルトンなどといった古代兵器、そうしてDの意思などといった存在を非常に疎ましく思っている模様。
実際、世界会議においては天竜人の頂点と思われる人物が、ルフィ一行だけではなく、ネフィリタル・ビビの写真を凝視するシーンが存在している。

ちなみに、奇しくも二十数年あまり箱にフィットしているガイモンであるが、ニコ・ロビンの悲劇である22年前、オハラのクローバー博士がポーネグリフの空白の歴史を解き明かしたものとして島もろともバスターコールで罰せられるだけではなく、ニコ・ロビンはDの名を持つ巨人のハグワール・D・サロワと接触しているだけではなく、ガイモンとは時期が若干ずれつつも箱入りフィットした時期と近いなどの接点がみられる。
またロビンは、ポーネグリフを所有するネフィリタル家(というよりも天竜人の参列を拒否した)であるビビの家臣であるイガラムを死亡させたと偽ったなどの行動を起こしている。

そしてかなりの重要事項なのだが、アラバスタ編終了後では考古学者であるロビンがゴールドロジャーの直々のポーネグリフの本文に則った筆跡を発見することになる。ポーネグリフのキューブの本文は光月家に深い関わりを持ち、古代文字だけではなくキューブを作る技術さえ有している。
光月おでんは石川五右衛門の如く茹で窯にされたものの、ロジャーとの旅の中で古代文章の解読法を会得したものだと推測される。

総じてガイモンは22年前のオハラの悲劇、「ひとつなぎの秘宝を買い取れ」といった発言とガイモンの一話終了の短編も手伝って、文字通り支払い箱のように置いてけぼりにされた船はロジャーだったのではないかという疑惑……崖の頂点にあった空の宝箱はワンピースにおいてかなり重要な伏線なのではないかと疑われている存在なのである。

個人的に疑り深い考察を重ねるなら、ガイモンは宝箱の中身が空であったことに安堵して涙を流したのではなく、ロジャーが旅をやり直す必要性があったと判断し再出発した情報から手伝って、ひとつなぎの秘宝が『ラフテルにおける笑い話』であるように、その秘密が露見しなかったことに安堵したのではないかと思われる。
考察の一環ではあるが、ガイモンは下っ端でありながらもロジャー船の一員であった疑惑がある(バギーと意気投合した事実から)。

もしかすると崖の上の宝箱は、無人島に到着して早々ロジャーやシャンクスなどのやり手に知らない間に取られ、間抜けにもガイモンが奮闘していた可能性さえあると思われる。

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