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2022年05月12日

危険な好奇心12


俺達は山を駆け下りた。山を下り、俺達は駅前の交番へ急いだ。

『このカメラに納められた写真を見せれば、中年女は捕まる。俺らは助かる。』

その一心だけで走った。
途中でカメラ屋に寄り現像を依頼。出来上がりは30分後と言われたので俺達は店内で待たせてもらった。
その間、慎との会話はほとんど無かった。ただただ、写真の出来上がりが待ち遠しかった。
そして30分が過ぎた。

『お待たせしましたー。』

バイトらしき女店員に声をかけられた。俺と慎は待ってましたとばかりにレジに向かった。
女店員は少し不可解そうな顔をしながら

『現像出来ましたので中の確認をよろしくお願いします。』

といいながら写真の入った封筒を差し出した。
まぁ現像後の写真が犬の死骸や釘に差された少女の写真のみだから、不可解な顔をするのも当然だが…
慎はその場で封筒から写真を取り出し、すべての写真を確認し

『大丈夫です。ありがとうございました』

と言い、代金を支払った。
店を出て、すぐさま交番に向かった。

これで全てが終わる。
駅前の交番へと二人して飛び込んだ。

『ん?!どうしたの?』

中にいた若い警官が俺達を迎え入れてくれた・
俺達はその警官の元へ歩み寄り

『助けてください!』

と言った。
俺と慎は『あの夜』の出来事を話した。裏付ける写真も一枚一枚見せながら話した。
そして、今も『中年女』に狙われている事を。
一通り話し終えるとその警官は穏やかな表情で、

『お父さんやお母さんには言ったの?』

俺たちは親に伝えていないと言うと

『ん〜、ぢゃ家の電話番号教えてくれるかな?』

と警官は言い出した。
慎が『なんで親が関係あるの?狙われているのは俺達だよ?!』とキレ君に言い放った。
ちなみに慎の両親は医者と看護婦。高校生の兄貴は某私立高校生。
俺達3人の中で一番裕福な家庭だが、一番厳しい家庭でもある。
『あの夜』親に嘘をついて秘密基地に行き、このような事に巻き込まれた、などバレれば:、俺も淳もだが、慎が一番洒落にならないのである。

『助けてよ!警察官でしょ!』

と慎が詰め寄る。
警察は少し苦笑いして

『君達小学生だよね?やっぱり、こーゆー事はキチンと親に言わなきゃダメだよ。』

としばらくイタチゴッコが続いた。
あげくに警察は

『じゃあ君達の担任の先生は何て名前?』

など、俺達にとっては《脅し》に取れる言葉を投げ掛けてきた。
まぁ、警察にとっては俺達の『保護者及び責任者』から話を聞かないと…って感じだったのだろうが、俺達にとっれ、こういう時の『親・先生』は怒られる対象にしか考えられなかった。
そうこうしているうちに俺達の心の中に、目の前にいる警官に対して《不信感》が芽生えてきた。
[このまま此処にいれば、無理矢理住所を言わされ、親にチクられる!]と。

(この警察は俺達の話を信じていないのでは?)

と俺は思い始めた。
俺や慎が必死に助けを求めているのに、『親』『先生』ばかり言ってくる。
俺達は『中年女』の存在を裏付ける証拠写真まで持参しているのに。。
俺はもう一度警官に写真を見せつけ
『犬をこんな殺し方する奴なんだよ!』と言った!
すると警官はしばらく黙り込み、写真を手に取り、意外な一言を言った。

『ん〜。。これって犬?なの?』


危険な好奇心13
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