2021年12月30日
姉さんそれはタラちゃんじゃないよ
姉さんそれはタラちゃんじゃないよ
「姉さんそれはタラちゃんじゃないよ」とは、突如2ちゃんねる時代に投下された創作スレである。
コナンにおける光彦が「くれあくじゃよ(くれぐれも悪用するんじゃないよ)」の如く、様々なホラー作品が作られる中で、かなりの恐怖度を誇る内容となっている。
カツオ「姉さん……それはタラちゃんじゃないよ」
タラちゃんが交通事故で亡くなり、一年が経っていた。
未だに姉さんはショックから立ち直れないでいる。
だけど傍から見れば以前となんら変わりのない元気な姉に見えるだろう。
それは、姉さんの中では全てが以前のままだからだ。
サザエ「なに言っているのよカツオ、タラちゃんならここにいいるじゃない」
ボロボロになった縫いぐるみを抱いた姉は、それを我が子だと信じているのであった。
カツオ「何言っているんだよ姉さん、しっかりしてよ……」
サザエ「私はしっかりしているじゃない、あんたこそ顔色悪いわよ。ねえタラちゃん」
姉さんは同意を求めるように腕の中の縫いぐるみに微笑みかける。
もちろん縫いぐるみは何も答えない。
サザエ「今日の夕飯はハンバーグにしようかしら、カツオが元気になるように」
カツオ「わ、わーい……やったー」
サザエ「タラちゃんも好きよね、ハンバーグ」
もちろん縫いぐるみは何も答えない。
サザエ「カツオ、私は夕飯の支度をするからあんたはタラちゃんと遊んでてくれる?」
カツオ「わかった……じゃあ、あっちで遊ぼうか、タラちゃん」
僕は姉さんから縫いぐるみを受け取る。
抱き抱えるとだらりと四肢が垂れた。
僕はそれを持って自分の部屋へと向かう。
とても姉さんの視線は届くところにはいられなかった。
カツオ「ワカメ……ここにいたんだ」
ワカメ「うん、……あ」
ワカメは振り向き僕の手にある縫いぐるみに視線を向けると、僅かに表情を強張らせた。
縫いぐるみを息子だと思い込む姉について、どう思っているのか話し合ったことはない。
しかし、一時期のふさぎ込んだ姉さんの姿よりは今の方がよいのでは、と考えているのは同じだろう。
ワカメ「お兄ちゃん、それ……」
カツオ「ああ、姉さんがタラちゃんと遊んでろってさ」
ワカメ「ちょっと貸して」
カツオ「あ」
ワカメ「ここ、ほつれてきているわ、直さないと……」
縫いぐるみは姉さんが四六時中連れ回しているせいか、ずいぶんとボロボロになっていた・
男の子の形を模したその縫いぐるみは、タラちゃんに似ていたからつい、と父さんが買ってきたものである。
姉さんそれはタラちゃんじゃないよ Aへ
「姉さんそれはタラちゃんじゃないよ」とは、突如2ちゃんねる時代に投下された創作スレである。
コナンにおける光彦が「くれあくじゃよ(くれぐれも悪用するんじゃないよ)」の如く、様々なホラー作品が作られる中で、かなりの恐怖度を誇る内容となっている。
【内容】
カツオ「姉さん……それはタラちゃんじゃないよ」
タラちゃんが交通事故で亡くなり、一年が経っていた。
未だに姉さんはショックから立ち直れないでいる。
だけど傍から見れば以前となんら変わりのない元気な姉に見えるだろう。
それは、姉さんの中では全てが以前のままだからだ。
サザエ「なに言っているのよカツオ、タラちゃんならここにいいるじゃない」
ボロボロになった縫いぐるみを抱いた姉は、それを我が子だと信じているのであった。
カツオ「何言っているんだよ姉さん、しっかりしてよ……」
サザエ「私はしっかりしているじゃない、あんたこそ顔色悪いわよ。ねえタラちゃん」
姉さんは同意を求めるように腕の中の縫いぐるみに微笑みかける。
もちろん縫いぐるみは何も答えない。
サザエ「今日の夕飯はハンバーグにしようかしら、カツオが元気になるように」
カツオ「わ、わーい……やったー」
サザエ「タラちゃんも好きよね、ハンバーグ」
もちろん縫いぐるみは何も答えない。
サザエ「カツオ、私は夕飯の支度をするからあんたはタラちゃんと遊んでてくれる?」
カツオ「わかった……じゃあ、あっちで遊ぼうか、タラちゃん」
僕は姉さんから縫いぐるみを受け取る。
抱き抱えるとだらりと四肢が垂れた。
僕はそれを持って自分の部屋へと向かう。
とても姉さんの視線は届くところにはいられなかった。
カツオ「ワカメ……ここにいたんだ」
ワカメ「うん、……あ」
ワカメは振り向き僕の手にある縫いぐるみに視線を向けると、僅かに表情を強張らせた。
縫いぐるみを息子だと思い込む姉について、どう思っているのか話し合ったことはない。
しかし、一時期のふさぎ込んだ姉さんの姿よりは今の方がよいのでは、と考えているのは同じだろう。
ワカメ「お兄ちゃん、それ……」
カツオ「ああ、姉さんがタラちゃんと遊んでろってさ」
ワカメ「ちょっと貸して」
カツオ「あ」
ワカメ「ここ、ほつれてきているわ、直さないと……」
縫いぐるみは姉さんが四六時中連れ回しているせいか、ずいぶんとボロボロになっていた・
男の子の形を模したその縫いぐるみは、タラちゃんに似ていたからつい、と父さんが買ってきたものである。
姉さんそれはタラちゃんじゃないよ Aへ
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