2021年04月04日
破産手続き開始決定から免責決定されるまで(自己破産体験記3)
破産手続きを開始すると私自身は特にすることはなく、仕事をしっかりとこなし安定収入を得て行く事に専念すれば良いだけです。返済がなくなっているので借金の悩みから解放され精神的な負担はなくなります。うつ病の治療薬の副作用で日常的な強い睡魔と倦怠感に悩まされてはいましたが、借金問題での悩みがないことは生活して行く上で、とても安堵な気持ちになります。
その間に担当弁護士が裁判所への提出書類の作成を行ってくれます。管財事件としての取り扱いのため通常よりも時間がかかりましたが、委任契約をして10ヶ月を経過した2019年3月に裁判所から「破産手続き開始決定」が担当弁護士へ書面で届きます。同時に裁判所から任命を受けた管財弁護人が決まりました。
破産手続き開始決定された段階で、私は「破産者」となります。
これ以降、担当弁護士に変わり管財弁護人へと審議が移ります。担当弁護士同席の上、管財弁護人の事務所に伺います。
緊張はしますが担当弁護士からは「聞かれたことを隠さずにしっかりと話してもらえれば大丈夫です。回答に困った場合はフォローします」と言われました。
実際の質問は担当弁護士との質疑応答とほとんど同じで、確認的な意味合いでした。
<管財弁護人は敵か味方か?>
管財弁護人は敵でも味方でもなく、債権者に対して少しでも多くの返還金を捻出できる様に努める一方で、債務者(私)が免責を受けられる様に配慮もしてくれます。その代わり、嘘はつかず、隠し事もしないで正直に協力をするのが前提になります。
車についても手放す必要はなかったのですが、私から「維持費も大変なので処分できれば処分したいです」と相談したところ、管財弁護人から買取業社を紹介されました。管財弁護人に限らず債務整理を経験している弁護士の方は、財産処分をするために、この様な買取業社とのネットワークも構築されている感じでした。
紹介された買取業社が車を引き取りに来てくれ、最終的に5,000円という低額ではありましたが、財産の換金に少しは役立った様でした。
●2019年6月上旬 (第1回目の債権者集会)
所轄裁判所へ担当弁護士と一緒に向かいます。債権者集会ですのでクレジットカード会社を始めとした債権者が集まり異議申し立てができる集会になります。
債権者はくるのか・・・・。
開廷2分位前に部屋に入ると正面に長い事務机があり、その手前に管財弁護人と担当弁護士と破産者(私)が対面状に長机にに座ります。
折りたたみのパイプ椅子が30人分程度、並ばれていましたが、債権者は誰も来ていなかったのでひとまずホッとします。
開廷時間になると裁判官と女性の事務官が入廷します。
最初に管財弁護人から審議に至るまでの過程を裁判官に対して説明をします。
それを受けて裁判官から借金をしてしまった理由、不動産投資をなぜ行ったのかなどの質問がありましたが、弁護士に話した内容通り回答します。
その後、管財弁護人から財産状況の説明があります。私の場合、2つの不動産物件があり両方とも競売にかかり売却も既に決定されていました。本来ならここで結審になる予定でしたが、2つある不動産の内の1つが所有権移転が完了していなかったため再度、債権者集会を行うことになり、その場で9月に行うことで退散となりました。
●2019年9月(第2回目の債権者集会)
開廷2分くらい前に部屋に入ります。債権者はいません。開廷時間と同時に裁判官と事務官が入廷します。
裁判官は1回目と同じ裁判官でしたが事務官は別の方でした。
管財弁護人からの最終弁論がスタートします。
「破産者の債務状況と資産状況はお手元の資料通りになります。資産の処分も全て完了し、債権者への返還金も提示通りになります(財産の換金した金額の合計と債権者に対しての配分、管財弁護人の報酬金が明記されたもの)。破産者も協力的でしたし反省もされています。現在は収入もあり再生の余地は十分にありますので免責が妥当だと思います」と言って頂いたときは涙が出てしまいました。
最後に現在の仕事の状況を聞かれ、「以前の仕事を引き続きやらせて頂いているので毎月の収入はあります」
と正直に回答します。
「それではこれで結審します」と裁判官の号令で自己破産の審議は終了になりました。
その3週間後くらいに担当弁護士より「免責が決定されました」との連絡を受けました。
●自己破産の手続きを依頼したのが2018年5月。
●免責決定になったのが2019年11月。
1年6ヶ月の時間を有しましたがこれで「破産者」でなくなり新たな生活のスタートとなりました。
◯審議終了の書面が担当弁護士に裁判所から届きます。
◯2019年11月に免責決定となり、ここから再起へのスタートです。
ここまで3回に渡り自己破産免責までの体験を書いてきました。では実際に自己破産後の生活にどのような変化があったか等のメリット、デメリットについては次回に書きたいと思います。
(続く)
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