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陸上自衛隊の装備品の中に、調達されていることが確認されているのに詳細がほとんど出てこない装備があります。
特殊作戦群用と思われる対人狙撃銃(中距離域用)の装備と、契約会社のJKB DAIRA Inc社についてです。
図1 狙撃銃(アメリカンビルドアームズ社)
引用URL:https://media-exp3.licdn.com/dms/image/C4E1BAQG8qImK_7AR6g/company-background_10000/0/1543512190243?e=2159024400&v=beta&t=_ZP-31jpouFvy5ZLUg0T6vv8H-WH6uQbeJQNMe59BV4
気になってここ数年追っかけてみると、仕様書も含めていくつかヒントになりそうな情報が出てきました。
表には出てこない、カスタム系の狙撃銃となっている可能性が高いようです。
(前回記事):『【軍事技術】韓国SLBM技術はロシア技術の流入か?』
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(1)対人狙撃銃(中距離域用)という装備と仕様書について!
何年も前から、気になっていたけどなかなか正体不明の装備として「対人狙撃銃(中距離域用)」というものがありました。
通常の対人狙撃銃(M24)については写真公開がされていますが、中央調達品なのに一度も公開されていません。
1.1 Σ=(「・ω・)「<大火力太郎@岩本三太郎さまの公開資料に仕様書があった!
そんなナゾの「対人狙撃銃(中距離域用)」について調べていると、情報開示請求でいろんな資料を公開している、「Σ=(「・ω・)「<大火力太郎@岩本三太郎」さまの軍事情報アーカイブ(大火力リークス)に出会いました。
(Twitter:https://twitter.com/Military_Hobbys)
その中に、対人狙撃銃(中距離域用)の調達仕様書が存在することが分かりびっくりいたしました。
図2 仕様書
引用URL:https://drive.google.com/drive/folders/14e6viuXI1MjIyiIEPWJu2UPj6LU6vYgC
さすがに重要な情報(別冊)は秘匿されていましたが、仕様書があるだけでもかなりの情報です。
貴重な情報を公開してくださっている、Σ=(「・ω・)「<大火力太郎@岩本三太郎さまに大変感謝しております。
情報についてありがたく利用させていただきます。
貴重な仕様書情報からいろんな情報が判明して、いくつかの情報が読み取ることができます。
1.2 338ラプアマグナム使用と売買契約仕様書
公開された対人狙撃銃仕様書から読み取れる重要情報の一つとして、
図3 338ラプアマグナム
引用wiki
338ラプアマグナムを使用する狙撃銃であることが分かります。
もう一つの重要情報として、調達仕様書が「売買契約」の仕様書であることが分かりました。
通称カタログ買い仕様書と呼ばれるもので、製造請負契約により注文生産ではなく製造業者が販売している物品を購入するものです。
これは、製造業者が商品として確立していることを意味します。
1.3 狙撃銃そのものをアメリカ JKB DAIRA Inc社が製造している。
仕様書の中に調達品目表があり、その中に「カタログ製品名」という記述があります。
図4 調達品目表
引用URL:https://drive.google.com/drive/folders/14e6viuXI1MjIyiIEPWJu2UPj6LU6vYgC
カタログ製品名が書かれていることは、製造会社の商品であることを示しています。
最初は私も、流通量が多いマクミランTAC-338・バレットMRADなどの有名どころの可能性を考えていました。
図5 マクミランTAC-338
引用URL:https://i.pinimg.com/originals/03/97/2e/03972e81d3b8a98d4ec3d52b69cf7aa5.jpg
しかしながら、調達品目表の記載方法からその可能性は無くなったといえます。
防衛省の仕様書の書き方のお作法として、カタログ品調達の場合は製造会社名を書くのが鉄則です。
小火器の場合、銃器に刻印(engraving)された会社名が製品の製造者になります。
図6 ナイツ社SR-15
引用URL:https://www.randomgunstuff.com/uploads/1/6/0/3/16035882/img-0363_orig.jpg
写真にあるのは、M-16系統のライフルに見えますがナイツアーマメント社の刻印が入っていることから「ナイツアーマメント社のSR-15」であることが判明します。
このことから、対人狙撃銃(中距離域用)についてはJKB DAIRA Inc社が製造している狙撃銃と推定できます。
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(2)JKB DAIRA Inc社について判明していること
それではこの狙撃銃を製造しているアメリカのJKB DAIRA Inc社はどんな会社なのか?どのようなことをやっているのか?
SNSや商業関係に露出があるのか調べてきて、今まで判明している状況を報告させていただきます。
2.1 米国コネチカット州ノーウオークに会社があるガンスミスショップ
JKB DAIRA Inc社について判明したことは米国コネチカット州ノーウオークに存在するガンスミスショップであることまでが判明しています。
ニューヨーク州に同じ名称の会社があるようですが、こちらは電気機器の小規模店であるようです。
会社情報や財務情報から判明したのが、
@売上;年間約10億円程度(約95万ドル)
A従業員:7名
B創業:1987年
比較的小規模な会社ですが、アメリカのガンスミスショップだとこのくらいの従業員がいるようです。
もう一つ情報として発見したのが、
少なくとも2名の日本人従業員が在籍している。(1名は会社役員:Executive)
という情報です。
さらに、JKB DAIRA Inc社について判明した情報があります。
2.2 Kenneth Hackathornというトレーニングディレクター!
アメリカを中心に世界中で使われるビジネスSNS「LinkedIn(リンクトレイン)」というツールがあります。
このリンクトレインに、JKB DAIRA Inc社の情報も記載されていました。
ただこのこの中で、訓練インストラクターの氏名を見て目を疑いました。
図7 リンクトレインの表示
引用URL:https://www.linkedin.com/in/larry-vickers-407a9627?trk=public_profile_browsemap
「Kenneth Hackathorn」(ケネス・ハッカーソン)と読める人物です。
まさかと思うけど・・・「ケン・ハッカーソーン」じゃあないですよね?
図8 ケン・ハッカーソン
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/j1tzoIYB1I0/maxresdefault.jpg
アメリカの火器の世界でケン・ハッカソーン・ラリー・ヴィッカースの名前を知らないとモグリと呼ばれるくらい有名なインストラクターです。
2007年ごろにラリー・ヴィッカース・ケン・ハッカソーンが、日本のSOF(特殊部隊)を訪れ訓練をしたという話が2014年にラリー・ヴィッカースのfacebookで話されています。
図9 日本SOF写真
引用URL:https://www.facebook.com/photo/?fbid=10154944603630416&set=pcb.10154944606855416
氏名が違うからといって、まったく関係ないとは言い切れません。
対人狙撃銃(中距離域用)の仕様書作成と防衛大臣承認は、平成25年(2013年)〜平成26年(2014年)となっていることも関係してきます。
少なくとも、ラリー・ヴィッカース・ケン・ハッカーソン氏のアドバイスから対人狙撃銃(中距離域用)の構想ができたのではないかと考えられます。
2.3 ホームページは存在しないが商業誌では名前が出る腕利きの店!
近年では珍しくJKB DAIRA Inc社は、ホームページを持たずに商業活動を行っている会社のようです。
しかしながら、アメリカ合衆国コネチカット州の企業として評判は良いようです。
銃に関する商業誌にも取り上げられほど、名前は知られているけど商品については紹介をしていないようです。
そんな会社が作る対人狙撃銃(中距離域用)はどんなものか想像してみました。
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(3)流行のモジュラーライフルである可能性があり!
狙撃銃というとどうしても、M24SWSなどの固定式銃床を想像するかもしれません。
しかし、各種の付属品を見るとどうも違う銃になっている可能性があります。
3.1 完全カスタムの狙撃銃システム
対人狙撃銃(中距離域用)につては、わざわざガンスミスの店から調達するほどですからカスタムされた形になっているでしょう。
銃身などは他社の製造部品を組みこんで、機関部やトリガー・銃身固定など総合的な微調整を行うのがガンスミスです。
世の中に出回っている狙撃銃とは違う形になっているでしょう。
そんな中、仕様書を良くよんで浮かび上がってきたものがあります。
暗視装置やらバイポット(二脚)などいろんな付属品が要求されていることから、あるタイプの銃が浮かんできます。
3.2 モジュラーライフルの形をしているのでは?
日本ではほとんど流入していませんが、アメリカの狙撃銃や猟銃で人気となっているモジュラーライフルの形状をしているかもしれません。
図10 HOWA APC
引用URL:https://www.howausa.com/wp-content/uploads/2020/08/apc_gsflag_prod.png
例えば豊和工業がアメリカやオーストラリアで販売しているHOWA APCを例にしてみましょう。
従来のような固定ストックではなく、各種モジュール型の部品による銃がアメリカでは流行いています。
色々くっつけるのなら。M-LOKハンドガードなどで覆うのが色々と便利でしょう。
対人狙撃銃(中距離域用)もこのようなモジュラーライフルである可能性が高いと考えます。
仕様書を作るときは、「こんなのが欲しい」という思想が浮かぶように作るのが基本となっています。
実物が登場するのは相当先でしょうが、今後の情報公開が待たれます。
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数年来疑問に思って調べれば調べるほど、さらに不明な点やら人物のつながりが出てきたため情報整理のために書いてみました。
特殊部隊がらみの輸入物は、ほんとにナゾの絡みがあるので不思議です。
跡は経済産業省の「輸入承認証」あたりに詳細な記述がありのでしょうが、おそらく秘密文書化されているかもしれません。
輸入物の代理店の人たちはかなりいい車乗ってましたね〜、けど艦補処で調達した某物品で「過大請求事案(FOBの改ざん)」が発生したとき国産の商用車で慌てて謝罪に来ていました。
あぁ、書かれちゃいましたね(w
自分も何年か前にブログに書いています。
http://keenedge.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/338-85d4.html
どうもDAIRAというのは個人名のようですね。恐らく、マル防にコネを持つ方と米国の銃器関係者のジョイントなのでしょう。
あと、ブログにも書いてますが同じ338ラプアマグナムを使うアキュラシー・インターナショナル社の L115も銀銃さん経由で入っているのではないかと疑っています。
ペンギンさんならご理解いただけると思いますが、特殊な装備の場合は,イスラエル関連の某御仁みたいに海外メーカーと特別なコネがある方がキーパーソンになる場合も多いですよね。車載機載機関銃(M134D)なんかもそうですけど。そういう皆さん、おしなべて高級外車に乗ってますよね(w