2019年02月20日
出題予測問題<臨床栄養学>◎経腸栄養
昨日の問題の解説です。
(2)大腸がん術後のストーマ(人工肛門)は、空腸に造設する。
(3)化学療法施行時には、食欲が低下する。
(4)疼痛緩和に用いられるモルヒネ塩酸塩の副作用として、便秘がある。
(5)緩和ケアでは、患者と家族のQOL向上を考慮する。
【解説】正答(2)
(1)正しい。胃全摘術後は、カルシウムの吸収が低下しやすいため、骨中のカルシウムが血中に放出され、
骨粗鬆症のリスクが高まる。
胃全摘術後にカルシウムの吸収が低下しやすい原因としては、
@経口摂取量の減少に伴うカルシウム摂取量の減少、
A胃酸によるカルシウムのイオン化の低下、
B脂肪吸収低下に伴うビタミンD吸収の低下、
C食物が十二指腸を通過しない術式においては、十二指腸からのカルシウム吸収の低下、
などが挙げられる。
(2)誤り。ストーマは、結腸または回腸に造設する。
ストーマは、直腸がん・肛門がんのために直腸肛門が切除された場合や、
潰瘍性大腸炎・大腸ポリポーシスなどのために大腸が全摘された場合などに造設される。
(3)誤り。正しい。化学療法では、副作用として悪心・嘔吐・下痢などが出現して、食欲は低下する。
少量頻回食で消化のよい食品を選び、胃腸への負担を軽くする。
(4)正しい。モルヒネ塩酸塩には腸管の運動を抑制する働きがあり、便秘となりやすい。
モルヒネ塩酸塩は、中等度から高度の疼痛を伴う疾患に対して、鎮痛効果を目的に用いられる。
副作用として便秘の他、呼吸抑制、依存性、悪心・嘔吐、眠気などがある。
(5)正しい。
今日は、「経腸栄養」の問題です。
経腸栄養と静脈栄養の問題は必ず出題されます。
(静脈栄養の問題は明日出題しますね。)
ポイントをざっとまとめておきましょう。
まずは、栄養を投与する経路には何があるのかを理解することが大事です。
一番生理的なのは、私たちが普段口から摂取する経路(経口摂取)。
しかし、何らかの疾病などで経口摂取が出来なくなっている状態、でも消化は問題ない場合は経腸栄養。
消化に問題ある場合は静脈栄養が選択されるのが一般的です。
静脈栄養は中心と末梢に分かれます。
末梢静脈栄養では一日の必要栄養量は投与できないことにも注意が必要です。
それぞれに合併症はあり、合併症は国家試験でも頻出項目なので、しっかり確認しておいてください。
また、管理栄養士の立場からすると静脈栄養よりも経腸栄養の方が専門である必要があるので、
経腸栄養剤の詳細についても出題されます。
それぞれの栄養剤がどんな特性があるのかもしっかり理解しておきましょう。
(2)持続投与は、他の投与方法と比べて、食事に近い生理的な投与方法である。
(3)胃瘻栄養では、誤嚥はほとんどない。
(4)1kcal/mLの経腸栄養剤の水分量は、約80〜85%である。
(5)成分栄養剤には、食物繊維が含まれている。
(2)消化態栄養剤の窒素源は、たんぱく質である。
(3)成分栄養剤は、医薬品と食品に分類される。
(4)胃幽門部完全閉塞の場合、成分栄養剤を胃瘻チューブより投与する。
(5)成分栄養剤の長期投与では、必須脂肪酸欠乏に注意する。
明日解説します。
Q1.がん患者に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)胃がんによる胃全摘術後には、骨粗鬆症のリスクが高まる。(2)大腸がん術後のストーマ(人工肛門)は、空腸に造設する。
(3)化学療法施行時には、食欲が低下する。
(4)疼痛緩和に用いられるモルヒネ塩酸塩の副作用として、便秘がある。
(5)緩和ケアでは、患者と家族のQOL向上を考慮する。
【解説】正答(2)
(1)正しい。胃全摘術後は、カルシウムの吸収が低下しやすいため、骨中のカルシウムが血中に放出され、
骨粗鬆症のリスクが高まる。
胃全摘術後にカルシウムの吸収が低下しやすい原因としては、
@経口摂取量の減少に伴うカルシウム摂取量の減少、
A胃酸によるカルシウムのイオン化の低下、
B脂肪吸収低下に伴うビタミンD吸収の低下、
C食物が十二指腸を通過しない術式においては、十二指腸からのカルシウム吸収の低下、
などが挙げられる。
(2)誤り。ストーマは、結腸または回腸に造設する。
ストーマは、直腸がん・肛門がんのために直腸肛門が切除された場合や、
潰瘍性大腸炎・大腸ポリポーシスなどのために大腸が全摘された場合などに造設される。
(3)誤り。正しい。化学療法では、副作用として悪心・嘔吐・下痢などが出現して、食欲は低下する。
少量頻回食で消化のよい食品を選び、胃腸への負担を軽くする。
(4)正しい。モルヒネ塩酸塩には腸管の運動を抑制する働きがあり、便秘となりやすい。
モルヒネ塩酸塩は、中等度から高度の疼痛を伴う疾患に対して、鎮痛効果を目的に用いられる。
副作用として便秘の他、呼吸抑制、依存性、悪心・嘔吐、眠気などがある。
(5)正しい。
今日は、「経腸栄養」の問題です。
経腸栄養と静脈栄養の問題は必ず出題されます。
(静脈栄養の問題は明日出題しますね。)
ポイントをざっとまとめておきましょう。
まずは、栄養を投与する経路には何があるのかを理解することが大事です。
一番生理的なのは、私たちが普段口から摂取する経路(経口摂取)。
しかし、何らかの疾病などで経口摂取が出来なくなっている状態、でも消化は問題ない場合は経腸栄養。
消化に問題ある場合は静脈栄養が選択されるのが一般的です。
静脈栄養は中心と末梢に分かれます。
末梢静脈栄養では一日の必要栄養量は投与できないことにも注意が必要です。
それぞれに合併症はあり、合併症は国家試験でも頻出項目なので、しっかり確認しておいてください。
また、管理栄養士の立場からすると静脈栄養よりも経腸栄養の方が専門である必要があるので、
経腸栄養剤の詳細についても出題されます。
それぞれの栄養剤がどんな特性があるのかもしっかり理解しておきましょう。
Q1.経腸栄養法に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)極度の肥満の症例では、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)の適応となる。(2)持続投与は、他の投与方法と比べて、食事に近い生理的な投与方法である。
(3)胃瘻栄養では、誤嚥はほとんどない。
(4)1kcal/mLの経腸栄養剤の水分量は、約80〜85%である。
(5)成分栄養剤には、食物繊維が含まれている。
Q2.経腸栄養法に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)胃瘻による管理は、4週間以内とする。(2)消化態栄養剤の窒素源は、たんぱく質である。
(3)成分栄養剤は、医薬品と食品に分類される。
(4)胃幽門部完全閉塞の場合、成分栄養剤を胃瘻チューブより投与する。
(5)成分栄養剤の長期投与では、必須脂肪酸欠乏に注意する。
明日解説します。
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